GDPの話題なのに経済専門用語が少ない大手紙の記事
なぜ経済ネタなのに経済の専門家に聞かないのか――。なんだか、よくわからない記事が大手メディアに掲載されました。ノンフィクション作家の方が「これまでに欧米も含め60カ国以上を訪れ」、「如実に感じるのは、今や日本こそ辺境の地だということ」、と述べたそうですが、記事タイトルでGDPを取り上げておきながら、経済の専門用語が出て来ているフシはありません。
目次
名目GDP日独逆転を心配しなくて良い理由
先日の『名目GDPの日独逆転でも日本経済はまったく心配ない』でも指摘したとおり、GDPで日独逆転が生じたとしても、それは直ちに日本経済に影響を与えるものではありません。
その理由はいくつかあるのですが、最も重要なものがあるとしたら、「日本の法定通貨は米ドルではなく、日本円である」という事実でしょう。為替レートが多少、円高に行こうが、円安に行こうが、日本人の日常生活にはほとんど影響が生じないのです。
もちろん、現在のような円安状態ともなれば、海外から輸入した製品の価格が上昇する(かもしれない)、という問題はありますが、それと同時に現在の日本経済の状況から見て、円安による物価上昇の影響は(皆無とは言いませんが)限定的です。
というのも、2023年の数値でいえば、輸入額の合計は110兆1711億円であり、2023年におけるGDP591兆4820億円(※名目暦年ベース)に対する割合(輸入依存度)は18.63%に過ぎないのです。
円安のデメリットは確実に存在するが、コントロール可能
もちろん、円安などの影響が皆無だ、と申し上げるつもりはありません。
この点、円高にも円安にも、それぞれメリットとデメリットがあって、円安が進めば、エネルギー価格の高騰や電力供給の不安定化などの弊害をもたらす可能性があるからです。
とりわけ現在の日本では原発の再稼働・新増設が順調に進んでいるとは言い難く、したがってエネルギーを輸入しなければならない体質に転落していることを考慮すれば、昨今の円安が日本のエネルギー価格全体を押し上げている可能性については注意が必要です。
ただし、輸入品目のうちの「鉱物性燃料」(石油、石炭、LNGなど)は27兆3142億円と、輸入額全体の24.79%(つまり約4分の1)であり、名目GDPに対する割合にしてみたら、わずか4.62%でもあります(だからといって影響が皆無だと申し上げるつもりはありませんが)。
このように考えていくと、円安がもたらす悪影響のうちの「輸入品物価の上昇」が日本経済全体に対して与える影響は、非常に限定的であり、かつ、十分にコントロール可能だ、と暫定的に結論付けることができるでしょう。
さらにいえば、名目GDPで比較するなら、ドイツの経済状況が日本と比べて良好だといえるのか、という問題があります。
GDPは支出面からは「消費額+投資額+政府支出額+輸出額-輸入額」と定義されますが、ドイツの場合はロシアによるウクライナ侵攻を受けた価格インフレなどで消費額などが膨らんだことによる影響が大きい(※著者私見)ことなどを踏まえると、ドイツにとっても「GDP日独逆転」は歓迎すべきものとは限りません。
これに加えて実質GDP(「2015暦年連鎖価格」ベース)だと、ドル換算しても日独逆転は生じていませんが、この点について指摘している大手メディアが見当たらないのは非常に不思議と言わざるを得ないでしょう。
なぜか経済専門家に尋ねない大手メディア
こうしたなかで、大手メディアが先週、こんな記事を配信していました。
「ニッポンは田舎の終着駅」 GDP4位転落、辺境作家が占う未来
―――2024年2月15日 17時00分付 朝日新聞デジタル日本語版より
これは、名目GDPの日独逆転を受け、「ノンフィクション作家」という方が「日本は世界の辺境になった」などと語る、という記事です。このノンフィクション作家の方は、「日本はとっくに世界の蚊帳の外に置かれている」などと述べたのだとか。
これには正直、驚きます。
調べてみると、この「ノンフィクション作家」の方のこれまでの出版物は、旅行記のようなものが多く、非常に残念ながら、「どこかの大学で経済学を修めた」、「金融機関や経済官庁で実務経験を積んだ」、「経済・産業・金融専門誌でジャーナリストとして実績を積んだ」、といった経歴ではなさそうです。
また、記事によるとご経歴は、「アジアやアフリカ、南米の辺境を30年以上旅行し、欧米も含め60ヵ国以上を訪れた」、というものですが、そのうえで「いまや日本こそ辺境の地だ」と「如実に感じる」、などと述べているのだとか。
記事タイトルで「GDP」とあるなど、経済的な話題を取り上げておきながら、「~と感じる」、など、非常に主観的な表現が出て来るという点もさることながら、それどころか、記事の中で「輸出入依存度」「名目・実質GDP」といった経済的に重要な概念がほとんど出ているフシがない時点で、正直、驚いてしまいます。
新聞が気にすべきは日本経済全体ではなく新聞業界の先行きでは?
もちろん、日本は言論が自由な国ですので、経済の専門知識や経験に乏しくても、こうした記事を書いてはならない、といったルールはありません。
しかし、それと同時に最近、それこそ多くの人が「如実に感じ」ているであろうことは、大手メディアの「専門知識のなさ」ではないでしょうか。
それに、朝日新聞や読売新聞あたりの「最大手メディア」ならば、まだまだ経営に余裕があるかもしれませんが、「最大手」以外の多くのメディアにとっては、「日本経済全体の先行き」を心配している暇があるなら、むしろ「新聞業界の先行き」を心配した方が良いのではないでしょうか。
新聞業界のレベルの低さといえば、先日の『「夜討ち朝駆けで優秀な記者が育った」という思い違い』などでも取り上げた「夜討ち朝駆け」がその象徴かもしれませんが、言い換えれば、新聞は業界を挙げて、専門性の欠如を独占商売と「夜討ち朝駆け」で誤魔化してきたのかもしれません。
その結果が、「下手をするとあと数年で新聞業界が滅亡する」という惨状なのだとしても、それは正直、新聞業界の自業自得のようなものなのかもしれない、などと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
このノンフィクション作家を(経済問題を論じてもらうために)選んだ朝日新聞は、そもそも経済専門用語を理解しているのでしょうか。もし理解していないことが分かっていなかったら、朝日新聞の人事(?)に問題があることになります。(もし、お気持ち表明して欲しかったら、もっと安い(?)人は、いなかったのでしょうか)
主観的意見は、他の人がそれに同意するとは限らず、自分とは別の主観的意見をもっていることもあります。というより、100%、自分と同じ主観的意見を持っているのは自分だけです。
この自分とは主観的意見が100%同じでない人との間に会話を成立させるために、客観的事実(少なくても、そのように見えるもの)が、必要なのではないでしょうか。
毎度、ばかばかしいお話を。
あるノンフィクション作家:「朝日新聞は、自分に経済問題を聞きたいと言ってなかった。日テレが原作を実写ドラマ化した時と同じだ」
もしかしたら。
ドイツのGDP3位は 悪いGDP3位 いうわけですね。
A新聞が小学生にバカにされる日も近いかも(もうされてる?)
・「それってあなたの感想ですよね」小学生の流行語1位に
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2212/02/news090.html
この言葉が一番似合う記事を書いてみました!
幼少期の思い出。
法事か何かの親族の集まりで従兄弟のお母さん
「うちの子は大学に入ったらマージャンだの何かの集まりだので遊んでばかり。このままじゃぁまともに卒業できない。新聞記者みたいな仕事にしか就けない」
と嘆いていたのを思い出しました。
そのお母さん(数十年前)は、新聞記者は下衆野郎の就く仕事と思っていたのでしょう。
こんなことを思い出してしまいました。
朝日の記事ですか。
私、朝日、毎日、アエラ、共同、日刊、これらに掲載されている記事は一切読まないので、さほど関心はありませんけれども、相変わらずの「石川や浜の真砂子は尽くるとも世に盗人の種は尽くまじ」メディア版ってとこでしょうかね。捏造嘘記事、トンデモ記事、あー勘違い記事、都合よく解釈記事、とっとも痛い記事等々、残念ながら決して無くなりませんね。と、改めて思った次第です。冒頭の社の記事も私がこよなく愛する『厶ー』のお友達と考えれば、これはこれで、ワクワクドキドキ楽しく読めるかもしれませんけれども。
5年先でないにしろ10年後には多くの輪転機が停止している。
新聞記者のみなさまに転職先はみつかるでしょうか。
新聞社自らが転職情報サイトを運営することは大いに意味があります。社会の躍動を掴む有効な手段だからです。日経転職版は当方にとってほんの僅かしかない高評価ポイントのひとつ。一番金回りのいい求人を誰よりも早くゲットして新聞社からずらかる手段としてはちょうどです。
朝日の遺伝子「くたばれGNP」
そりゃあ、日本は「とっくに」どころか、天地開闢以来、世界の辺境です。
何を今更、ですね。
極東のハズレの島国。
旧石器時代以来、この地に住み続けて、
民族の交代を経験したこともなければ、
他所に引っ越したこともない。
話し言葉にしたところで、未だにルーツが分からないほどユニーク。
それに輪を掛けて、文字、書き言葉まで習得しようと思ったら、
世界で最も難解な言語と言われている。
おまけに住んでる人間にしたって、ここがヘンだよ日本人。
ズボンの尻ポケットに財布突っ込んで、平気で街中を歩き、
帰宅の通勤電車が終点に近づき、車内が空き空きになっても、安心の体でフネ漕いでる。
空港でリムジンバス待つ間、スーツケース並べて順番待ちさせといて、
待合室でくつろいでるなんて、「文明人」のやることじゃないよ(笑)。
数分間隔で列車が発着している。しかも行き先も停車駅もバラバラ。
そんな営業路線をもってるかと思えば、
100円の運賃収入を上げるために、何千円もの費用を掛けてるローカル線も経営している。
将来を担う高校生諸君の通学の足という事情を汲めば、容易は廃線にはできないなんて理屈、
分かるかな?
「辺境作家」を称するなら、ローカル線の終着駅辺りがお気に入りなんだろうけど、
そこでは、みんな、ちょいとなまった「ガラパゴス言語」で話してる。
そんなところで、風体からして日本人以外には見えない人物が、スカした英語使ってみ。
例えちょっとした英語会話力くらいはもってる相手でも、
「怪しいやっちゃ、相手にせん方がエエ」になるわなぁ。
その点、ホンモノの世界の辺境はエエよ。
英語が分かるくらいなら、その地のエリート。
そのエリート相手にしゃべってりゃ、それなりのリスペクトは得られるってもの。
オレッチ、コスモポリタン!。
「蚊帳の外」は、まあ主観の問題だけど、
こんなこと言ってりゃ、天下の朝日新聞が稿料くれるとしたら、
「なんて結構な国に生まれたんだろう」と、身の幸運を感謝するのが筋ってもんじゃ。
日本が「蚊帳の外」の国で、よかったじゃん(笑)。
>> 「辺境作家」を称するなら、ローカル線の終着駅辺りがお気に入りなんだろうけど、
宮脇俊三が思い浮かびました^^;
津軽鉄道で車両故障に遭い、駅員氏の説明を地元の人に「翻訳」して貰っていたかと…
論理性のない主張を何とか粉飾するために「実際に沢山の海外を歩いて見てきた」が頻繁に使われるため、結果的に別に外に出ずとも真面目に考察をする人の意見の方がマトモになってしまう、という事例が増えすぎて。
立憲杉尾の「被災地に突撃してみたら色々わかった百聞は一見に如かず」だの、参政党の「実際に農業をやってわかったが自然農法最高」だの。どちらもよく考えてみたら、あくまで外部から接近しただけで実体験はしていない。遠くからでもわかりそうな程度の内容か、的外れな疑似体験。
「実体験のテイの話をすれば無知な人は騙せるし、これで騙せるような人がターゲット」という意図があるのではと疑っています。本件の作家も(あとリンク先での称賛コメントがこれまたもの書きというのがなんとも)。
「蚊帳の外」は久しぶりに聞きますね。
前は、「運転席に座った文在寅!」ってやってた頃だった気がします。
現実は、文在寅が蚊帳の外でしたけどね。
日本の成長著しいときは「くたばれGNP」
成長しなくなると「世界の辺境」
朝日の考え方がよくわかるね。
中国に抜かれたというけれど中国の人口って日本の10倍以上だよね。抜くまで何やってたの。
仮に日本が世界の辺境だとして、それはむしろ日本下げマスコミの皆さんにはメリットなのでは。
彼らは「日本はもう何も作り出せないから観光業で食べていくしかない」とあおっています。
他にはないものというのが観光のアピールになるのですから、世界の辺境まさにガラパゴスなことは最高ではありませんか。それで何かご不満あるんですかね。
今さらですが、何でも文句をつけているようにしか見えません。
世界を巡っていて、こんな「偏狭」な見識しか持てないとは、世界を旅する毎に視野が狭くなる人物のよう。
世界とは、自分がいる所が中心であるということがわからない非文明人か?
古代の日本人は、自分が世界の中心であるということが分かっていた。
「日出処の天子、日没する所の天子に致す。 恙(つつが)なきや」
これが、自分から見た、正しい世界観です。
新聞紙雪合戦が始まって10年ほどになりましょうか。
雪不足のため 屋内で紙玉ぶつけ合う「雪合戦」 むつ
https://www3.nhk.or.jp/lnews/aomori/20240213/6080021831.html
温暖化で雪不足の昨今、あるいは非降雪地帯においても雪合戦を可能にするという、
新聞紙の存在意義が新たに開拓されていることは、SDGsの観点からも微笑ましく(笑)
政治や経済に限らず、雪が降れば「道路は渋滞して、空・鉄道のダイヤが大幅に乱れ云々」、雪が降らねば「雪まつりの開催が危ぶまれ、スキー場は雪不足のために閑古鳥が鳴き云々」と常にネガティブ報道をする日本のマスコミの不思議さを誰も不思議と思わないのが不思議です。多くの人がそれに飼い馴らされています。
普通雪が降れば、「雪やこんこ、犬は喜び庭駆け回り、」、雪が降らねば「今年は雪おろしの苦労が少なく、自治体も除雪のための予算が浮いて・・・」と喜ぶポジティブ思考の人の方が長生きしまっせ。ポジティブな内容はニューズにならず報道の価値がないと多くの人が信じているようで、変な国。
「ジャーナリズム脳」という「不治の職業病」に罹ったひとたちは、自己中心的なお花畑世界という並列世界に住んで読者と社会を誹り続けているのです。彼らこそレッドリスト絶滅危惧職種、もうじき給料が出なくなって路頭に迷うであろうことは誰もが分かっています。果たしてネットと和解できるのか、それは愚問ですよね。
「ジャーナリズム脳」ですか。物事は大抵の場合多面的であるのに、常に負の側面しか見えない可哀想な人達ですね。
そりゃ、まともな経済の専門家は「アサヒってる」と見なされたくないでしょうし、
朝日側も1つの記事に「余計な事言うんじゃねえ!」と何百回も突っ込むのも面倒でしょう。
元から「ご用達」な人に「朝日好み」な記事を書かせ、それをいまだに朝日を
疑っていない人だけにばら撒く。例えジリ貧で遠くない未来の倒産が目に見えていても、
彼らにとってはWin-Winなんでしょう。
経済の専門用語を使わないでの講義というのは
経済の事が解らない、又はあまり理解できない層
(中学校までの生徒と野党の皆様)に対し、重要な事であります。
経済の専門用語を使わず講義をする場合
専門用語の代りにたとえ話等を多用し、講義する訳ですね。
これは講義する側に経済学の知識及び
受け手側が理解可能なたとえ話を用意する必要があります。
但し、この紙面の内容で経済を理解できるのは、アサヒ新聞を購読している
野党系の皆様なので、一般大衆(野党系以外の人達)が理解できないのは
当然の事なのです。