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立憲民主党の「次の災害対策担当相」の現地入りに批判

現在の自民党政権に対し、さまざまな不満を持っている人は多いでしょう。ただ、少なくとも能登半島地震に限定していえば、岸田文雄首相を筆頭とする自民党政権の動きは、非常に迅速で適切です。そして、妙な政党が政権を握ると、犠牲者数がうなぎ上りに増える可能性がある、ということかもしれません。というのも、「ネクスト内閣」で災害担当に指名されている人物が14日、「現地取材」と称して輪島市などを視察したからです。

岸田首相の災害対策は迅速・適切

当ウェブサイトは普段、やたらと偉そうに、岸田文雄首相や自民党政権のことを舌鋒鋭く批判しているサイトのひとつではないかと思います。

ウェブ主自身、普段から報告している通り、「もしも岸田首相よりも優れた政治家がいるならば、今すぐにそのような人物に政権を譲っていただきたい」、「もしも自民党より優れた政党が存在するなら、今すぐそのような政党に政権を譲っていただきたい」、などと考えています。

しかし、少なくとも今年1月1日に発生した大地震への対応に関しては、岸田首相の動きは極めて迅速であり、適切なものであったと断じて良いでしょう。

とりわけ、地震が発生してから岸田首相自身が津波や避難等に関する情報提供や住民避難等の被害防止措置の徹底などを指示するまでの時間はたった5分でしたし、その後も被災地への自衛隊派遣を迅速に決めるなど、現時点で講じることができる対策を次々と打ち出していると考えて良いでしょう。

「無駄な道路投資をするな」という論調

もっとも、被災地のうち、とくに中心地である能登半島では、孤立した集落への救援や物資供給も遅れるなど、やはり外から見ていて、「政府は何をやっているのだ」、「どうして空中投下をしないのか」、などと思わず不満を言いそうになる人もいるでしょう(実際にそういう不満を述べた人もいます)。

結論からいえば、今回の地震は、短期的に見たら岸田首相、馳浩・石川県知事らは最善を尽くしていると断じることができますが、中・長期的に見たら、やはり日本政府の対応が不十分だと言わざるを得ません。

今回の被災地に限らず、日本には道路網が脆弱で、(地震だけでなく、大雨なども含めた)災害で、交通インフラが容易に寸断されてしまうような場所が多々あるからです。

今回の能登半島に関しても、もともと平地が極端に少なく、急峻(きゅうしゅん)な山々や入り組んだ海岸線に阻まれ、災害救助隊や迅速に現地に訪れることができず、物資も行き渡らなかった、という事情があることは間違いありません。

つまり、岸田首相らがいま現在の条件で最善を尽くしていることは間違いないにせよ、長い目で見て、災害への備えを怠ってきたという意味においては、やはり「政府の不作為」、という言い方もできるかもしれませ。ん

ただ、これを100%、自民党政権だけのせいにするのは行き過ぎでしょう。

「日本は財政再建が必要だ」などとする虚偽の主張を繰り返してきたのは財務省ですし、「自民党土建政治」を批判してきたのは「無駄な道路を作るな」、「コンクリートから人へ」、などとさかんに煽っていたマスコミや特定野党だからです。

自民党政治が「土建政治」と揶揄されてきたことは事実ですが、地方を見ると、幹線道路なのに片側1車線、というケースも大変に多く、迂回路も限られているために、今回のような被害が生じると災害支援が難しい地点は、ほかにもありそうです(たとえば本州太平洋側だと伊豆半島あたりでしょうか)。

このように考えていくと、むしろ反省すべきは自民党ではなく、自民党を舌鋒鋭く批判して来た側――とりわけ、特定野党など――ではないか、などとする考え方も成り立つかもしれません。

送るならおカネを!

もっとも、現時点において、私たち一般国民――とりわけ、被災地以外に居住する一般人――がやるべきことは、まずは日常生活のなかで私たちにできる支援をすることです。

最も理想的には、日本赤十字社を通じ、あるいは地元自治体が開設する銀行口座に直接、寄付金を送金することでしょうが、それだけではありません。スーパーで被災地の食材を見つけたら積極的に購入する、飲み会で被災地の銘柄の酒を積極的に飲むなど、日常生活でできる支援も大事です。

(※なお、あくまでもウェブ主自身はふるさと納税などの仕組みを使い、その年に災害に遭った自治体に寄附をしている人間の一人ではありますが、このあたりについては個人的事情であるため、詳細は割愛します。)

ただ、絶対に避けなければならないのは、役にも立たない物(たとえば古着や辛いラーメン、千羽鶴など)を送りつける行為であり、そしてとくに用もないのに被災地に入る行為です。

とりわけ千羽鶴が現地の支援にまったく役立たないだけでなく、物資の円滑な流通を妨げるという意味では有害ですらある、という点をもとに、「呼ばれてもいないのに現地入りする」という人物を、最近では例の「動く千羽鶴」と称するようです(『災害直後に現地入りする行動は「動く千羽鶴」=ネット』等参照)。

岸田首相が2週間目でやっと現地視察した意味

こうしたなかで、岸田首相自身が日曜日午前、現地入りしました。

令和6年能登半島地震による被災状況視察のための石川県訪問等についての会見

―――2024/01/14付 首相官邸HPより

「災害発生から2週間も経って現地入りするとは、岸田首相はいったい何をやっているのか」――。

そう思う人もいるかもしれません。

しかし、岸田首相が現地入りをここまで遅らせた最大の理由は、現地での災害救助活動に最大限配慮したからです。災害が発生した直後だと、現地が大混乱に陥っていますので、こうした現場を避けることが必要であることは、言うまでもありません。

その意味では、岸田首相を批判したいがために「ここまで遅くなった」と述べるのは、難癖のようなものではないかと思います。

(※もっとも、世の中面白いもので、「災害発生からまだ2週間しか経っていないのに現地入りするとは何事だ」、といった批判をする人もいるようですが、そのような人は岸田首相が現地に行こうが行くまいが、どうせ岸田首相のことを批判するのではないか、などと思う次第です。)

杉尾秀哉・参議院議員のXポスト

さて、こうしたなかでひとつ、恐ろしい話題があるとしたら、これかもしれません。

立憲民主党の杉尾秀哉・参議院議員が自身のX(旧ツイッター)で報告したところによると、杉尾氏は14日、輪島市内に入り、「現地で取材活動をしてきた」のだそうです。

「国会議員」が「取材活動」、というのも違和感がありますが、それだけではありません。

国会議員が現地を訪れるだけで、現地の役所等の担当者が災害復旧等に割くべき時間を取られるなど、それだけで現地のリソースが浪費されるという点については、これまでにも何度も何度も繰り返されてきた論点だったはずです。

また、今月5日に開かれた与野党会談では、杉尾氏が所属する立憲民主党の泉健太代表自身も参加しており、たとえば日経電子版の次の記事では、「物資などの輸送を優先するため、国会議員が被災地入りするのを控えると与野党で合意した」、とあります。

岸田首相、与野党に協力要請 震災対応で6党首会談

―――2024年1月5日 18:43付 日本経済新聞電子版より

先日の山本太郎氏のケースは、与野党会談に参加していなかった(から現地入りしても仕方がなかった)、という苦しい言い訳もできなくはありませんが、さすがに杉尾氏の場合は、こうした言い訳すら成り立ちません。杉尾氏が立憲民主党に所属する国会議員だからです。

杉尾氏は「災害担当」

しかも、立憲民主党が昨年3月11日付で公表した「次の内閣」では、杉尾氏は「ネクスト内閣府担当大臣(災害対策・消費者・科学技術・デジタル・行政監視)」に指名されています。

泉「次の内閣」(2023年3月11日公表)の一部

(【出所】立憲民主党ウェブサイトを加工)

もしも立憲民主党が政権を取れば、泉健太「首相」が災害対策で現地入りすることを控えようと与野党で合意しても、杉尾「災害対策担当大臣」が勝手に現地入りしてしまう、ということでしょうか。

なんだか、恐ろしい話です。

いずれにせよ、現在の自民党政権に対し、私たち有権者がいろいろと不満を抱えていることは間違いないでしょう。

しかし、もしも変な政党が政権を取ってしまうと、▼自衛隊員を空中から降下させる、▼物資を空中からポンポン投げる、▼道路が寸断されているにもかかわらず自衛隊員を1万人送り込もうとする、▼災害から1~2日後には首相の現地視察をする――、といったことは、容易に想像がつきそうです。

新宿会計士:

View Comments (14)

  • 被災者に不安を与えるデマゴギーを流す
    道路事情が逼迫してるのに承認欲求垂れ流したボランティアを大量に送り込む
    なども考えられます。

    大震災という状況にも関わらず
    不正確な情報で政府を非難し、咎められると政府の説明が悪いと否を認めないのは厄介ですし。
    道路事情が悪い事からは全力で目を背けてるいる事は理解し難いです。

    ボランティア用の道を用意すればなどと
    自称災害対策スペシャリストの人が言ってましたが
    どこにそんな道があるのでしょうか?
    あればそもそも自衛隊レスキュー隊大型トラック輸送に使うでしょう。

    自民党に不平不満が多々ありますが
    少なくともリベラル連立野党政権よりも圧倒的にマシであると認識させられます。

  • もし、立憲の次の災害対策担当相が、「地震災害時に、半島の先に支援物資を届けるのは、道路寸断につき困難である」と、党内外に発表することができれば、(僅かかもしれませんが)現地入りは意味があったのではないでしょうか。
    蛇足ですが、社民党の福島瑞穂党首は、被災地ではなく北京にいくそうです。(まあ、被災地に行っても邪魔なだけ、かもしれませんが)

  • 前から思ってましたが、『来るな』って言われているのに、なぜ、のこのこと行くのか理解できません。ツンデレでも、(押すなよ!の)フリでも何でもなく、ちゃんと理由も説明して『来るな』って言っているにも係わらずです。こういう人たちは、日本語を理解できないのではないかと思ってしまいます。
    そういえば、私の持論で左界隈の人とは会話が成り立たず、間違いを認められず(理解せず)、謝罪もしない人が多いですが、こうやって『来るな』を理解せずに行く人には、そういう界隈の人が多いように思います。

  • ネクストがあると思ってるんですねぇ。
    なんとも能天気なことで。

  • >長い目で見て、災害への備えを怠ってきたという意味においては、やはり「政府の不作為」、という言い方もできるかもしれませ。ん

    まだ応急対策とか復旧の段階にあって気が早いかもだけど・・・

    災害の備えって考えるときに道路とか防災施設の整備のほかに、いわゆる限界集落をどうするのかってのも必要な気がするのです♪

    地域創生とかと相反するし、そもそも、住んでる土地から無理やり移動させることはできないとは思うけど、人口が極端に少ない地域から人が多く住んでいる地域への移住を促進するための施策も必要なのかな?って思うのです♪

    • 仰る通り、道路網の整備や通信環境の強化、自然災害への対応策などお金の必要なことはまだまだたくさんありますね。無駄を削って必要な投資を続けなければなりません。
      それと併せて、過疎地や限界集落への対策も併せて行う必要があります。
      資金は無尽蔵ではありませんので。

  •  杉尾は、東日本大震災時にはまだ議員ではなく前身のキャスターでした。みのもんたの朝の番組や震災関連番組でもコメンテイターをしていたそう。
     長野県選出といちいち入れるのが癪ですが……その長野県は、東日本大震災本震の翌日12日、誘発地震で震度6強にみまわれています。報じられなかったわけではないものの、さすがに大震災の報道に隠れて規模の割には認知されていません。上記のみのもんた曰く「これほどとは知らなかった」だとか。報道が偏っていると、無視された人々が救われなくなるという事を、当時一部では議論されていたと記憶しています。

     その番組に参加していた人間が、具体例も出さずに「百聞は一見に如かずわかったことが山程」とね。埋蔵金沢山ありましたねみたいに聞こえますが。
     今回始めて見聞でわかったというのであれば、当時は一体何をもって喋っていたやら。前回の経験があるぞというのであれば、今回自身の知見を生かさずなぜ現地入りを強行したのやら。そして今回彼が行ったからこそ世に広る有益な情報なんてものがありこれから出すのか?彼は今後どう政治に活かすのか?……おそらくはどちらも何一つ出てこない。

  • これまでのいくつかの事例への対応から、岸田総理の危機管理/対応についてかなりの不安を持っていましたが、今回の一連の対応を見て、ちょっとだけ見直しました。むやみに騒ぐことなく、「(今はまだ)行かない」と判断することは、「とにかく行く」と判断することよりも、むしろ胆力が必要なことであり、岸田総理が正しい判断をできたことは幸いでした。
    地理的な条件などを考えれば、現在の日本政府や石川県の対応が最善を尽くしたものであることは明らかですが、そんなちょっと考えればわかるようなことでも、どうしても理解できない、あるいは認めたくないという意識が先行する連中が湧いて出てくるのは、日頃の連中の言動を見れば容易に想像ができます。彼らにとっては、「郵便ポストが赤いのも、電信柱が高いのも、全部政府が悪い」というのが、疑う余地などない絶対に正しい大前提となっているんでしょうから。

  • あれっ? (^^)?

    杉尾秀哉さんのお名前と所属政党と
    災害担当とのタイトルなので、
    杉尾さんのこれまでの軌跡から
    てっきり、晴れてお得意の
    モリカケでっちあげ騒ぎ立てのような
    「災い発生させ煽り立て担当」なのかなあ?
    と思っちゃいました(笑)

    ところがよく読むと、
    な、な、なんと・・「ネクスト内閣」?での
    災害対策担当大臣??だなんて・・
    なにかの冗談にしか思えませえん。

    だいたいネクスト内閣?からして
    半島とウッシッシをしてあっという間に
    叩き出された民主党政権を反省せず
    党名ロンダリングのなれの果で
    二匹目のドジョウを狙う立憲共産党さんが、
    半島で選挙するならいざしらず
    どうしてここ日本で選ばれるわけなど
    あるのでしょう(笑)

  • 現場に必要なのは、危機管理の手順に沿ったスタンダード・プレーです。
    身勝手に動き回りて場を乱す「スタンド・プレー」ではありません・・。

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