あと12時間で、今年が終わります。今年の「やり残し」はないですか?とくに「ふるさと納税」をすれば、金額や条件次第では各地の名産品を実質無料で手に入れたうえ、クレジットカード会社からは自己負担2,000円を超えるポイント還元が受けられることもあります。総務省や財務省が目の敵にする「ふるさと納税」、是非とも積極的に活用しましょう!そしてふるさと納税ポータルサイトを見た後は、某サイトの雑談記事でゆっくり年末を過ごしてはいかがでしょうか。某自称公共放送局の『日韓歌合戦』など、見ている暇はありませんよ!
目次
あと12時間で、今年も終わりますね!
あと12時間で、今年が終わります。
「1年間、本当にあっという間だった」、などと思った方も多いのではないでしょうか。
個人的には、最近になって時の流れがますます速くなっている気がしてなりません。
こうしたなかではありますが、大晦日というのは、自分自身の1年間をじっくりと振り返る、大変良い機会でもあります。
たとえばビジネスマンであれば、今年1年の成果と反省点を踏まえ、来年にどのように生かしていくかを振り返る結節点といえるかもしれませんし、お子様が生まれた方ならば、これからの家庭をどう作っていくかについて、じっくりと考えるチャンスでもあります。
ふるさと納税の限度額を計算してみよう(源泉徴収票が必要)
さて、そんな今年の最後の仕事、やり残しはないですか?
とくに、本日が今年の「ふるさと納税」の期限でもあります。
著者自身は最近、「ふるさと納税」の精緻な限度額計算に嵌っていて、そのシミュレーションをかなり実施し、「ふるさと納税」の限度額を円単位で正確に算出できるようになったのですが、たいていのサラリーマンの方に当てはまる概要を、大雑把に紹介しておきます。
もしもあなたがサラリーマンで、副業(事業所得、株式の配当所得、不動産所得など)がなく、主な収入が勤務先からの給与・賞与・諸手当のみであるとすれば、その限度額の計算はわりと簡単です。まずは、職場からもらった源泉徴収票をお手元に準備します。
ここで必要な数値は、「支払金額」(額面の給与・賞与・諸手当)ではなく、①「給与所得控除後の金額」と②「社会保険料等の金額」の、大きく2つです。
限度額の計算はどうするのか?
そして、この「①-②」の金額からさらに43万円(住民税の基礎控除部分)を引きます。これを便宜上、③と置きます(生命保険料控除、配偶者控除、扶養親族控除などの適用がある場合には、それらも一定の調整計算のうえ控除する必要がありますが、本稿ではこれについては割愛します)。
③=【①(給与所得控除後の金額)-②(社会保険料等の金額)-43万円】×10%
この③の金額が大切です。
そのうえで、この③の金額に対し、階層別に2.356%~4.540%を掛けたうえで、さらに自己負担分(2,000円)を足してあげると、ふるさと納税限度額が出てくる、という仕掛けです(図表)。
図表 金額階層別に見たふるさと納税限度額
③の金額 | ふるさと納税限度額 |
51,000円~1,999,000円 | ③×2.356%+2,000円 |
2,000,000円~3,349,000円 | ③×2.507%+2,000円 |
3,350,000円~6,999,000円 | ③×2.874%+2,000円 |
7,000,000円~9,049,000円 | ③×3.007%+2,000円 |
9,050,000円~18,049,000円 | ③×3.552%+2,000円 |
18,050,000円~40,049,000円 | ③×4.068%+2,000円 |
40,050,000円~ | ③×4.540%+2,000円 |
(【出所】当ウェブサイト作成)
年収500万円のサラリーマンの限度額は62,700円
ここで簡単な設例を置きましょう。
たとえばある30代の人がいて、その人の1年間における給与・賞与・諸手当の総額がちょうど500万円だったとします。この人に扶養親族などはおらず、副業収入などもなかったとしましょう。このとき、この人の源泉徴収票を見ると、①「給与所得控除後の金額」には3,560,000円と記載されているはずです。
また、社会保険料の金額はその人が加入している健康保険組合、その人が暮らす地域などによっても異なるのですが、仮に本人負担分が14.15%だったとすれば、②「社会保険料等の金額」は707,500円と計算できます(現実には社会保険料の計算方法は単純ではないため、この金額になるとは限りませんが…)。
したがって、この年収500万円のサラリーマンの方について、③の金額を求めると、次の通りです。
③=3,560,000円-707,500円-430,000円=2,422,500円
この「2,422,500円」に対応する料率は、図表上、2.507%と表示されています。
したがって、この人にとってのふるさと納税限度額はざっくり2,422,500円×2.507%=60,700円と求まります。ただし、現実には2,000円分の自己負担(控除できない部分)が発生しますので、これにさらに2,000円を足して、ふるさと納税限度額は62,700円、という結果が出てきます。
ただし、この62,700円については非常にざっくりした数値であり、正確なものではありません。実際、総務省が公表しているエクセルファイルで同様にシミュレーションを実施すると限度額は61,000円前後、いくつかの「ふるさと納税シミュレーションサイト」だと58,000円~63,075円、などと幅があります。
特産品+カード会社のポイント還元で2,000円の元は取れる!
というわけで、この「ふるさと納税限度額」、本当はもう少し早く当ウェブサイトに掲載しようと思っていた論点ですが、もしまだふるさと納税を行っていない方がいらっしゃれば、是非ともご検討ください。
著者自身のケースだと、某クレジットカードの会員であるという事情もあり、当該クレジットカードのポータルサイトで、クレジットカードを使って寄付を行うことができます(というか、さまざまなサイトでクレジットカードによる寄付を受け付けています)。
たとえば、あなたの今年の年収が500万円ならば、今年は所得税を139,700円、復興税を2,933円負担する必要があり、これとは別に来年6月以降の12ヵ月間で、住民税を合計244,600円支払う必要があります。この合計額は387,233円です。
しかし、仮にあなたがふるさと納税を52,000円分実施すれば、税額が50,000円安くなり(2,000円は自己負担です)、しかも①多くの自治体では返礼品がもらえますし、②クレジットカード会社からポイント還元があります(某カードの場合は還元率が最大7%前後です)。
一般に返礼品の時価は納税額の30%以下とされているようですが、たとえば某自治体の場合、1万円をふるさと納税すれば、コメ10㎏を返礼品として発送してくれますが、コメ10㎏のスーパーでの値段はだいたい3,000~4,000円程度であることを思い出しておくと、これだけで2,000円分の元が取れてしまいます。
こんな具合で52,000円の寄付金で時価10,000~15,000円程度の返礼品がもらえますし、クレジットカード会社からのポイント還元が5%だったとすれば、2,500円のポイント還元が受けられるため、ふるさと納税をすれば、納税額と利用するクレジットカードのポイント還元によっては、むしろ儲かってしまいます。
だからこそ、あなたに一定以上の所得があるならば、ふるさと納税はやらないと損です(総務省や財務省がふるさと納税を目の敵にするのも納得です)。
日韓歌合戦など見ている暇はない!テレビを消してネットを見よう!
ちなみに一部のふるさと納税ポータルサイトだと、今日の23時59分までふるさと納税を受け付けています。
もしあなたが少しでも税金を取り返したいと思うならば、あなたがやるべきは、まずは自身の源泉徴収票を確認することと、続いて上記図表に当てはめて上限額を計算すること、そして上限額の範囲でふるさと納税の返礼品やクレジットカード会社のポイント還元率をチェックすることです。
是非ともご検討ください(※べつにどこかのクレジットカード会社から広告料をもらっているわけではありませんが…)。
その意味では、今晩、あなたは某自称公共放送の『日韓歌合戦』などを見ている余裕はないはずです。ふるさと納税ポータルサイトとにらめっこし、少しでも有利な条件の自治体に積極的に納税をしてみましょう。寄付する自治体が5つまでであれば、「ワンストップ特例」も使えます(それを超えると確定申告が必要)。
そして、『日韓歌合戦』を見ることなく、無事、ふるさと納税を終えたら、そのままそのポータルサイトから山手線の駅名を冠した怪しげな自称会計士のウェブサイトの『読者雑談専用記事・年末版』に移動し、雑談に興じてくださるのも、新しく有意義な年末の過ごし方ではないでしょうか。
View Comments (4)
返礼品が保証されている行為を寄付と呼ぶのか。
東京都の税収。
2022年度見込み額。 2021年度決定額
都税総額 6兆1644億円 5兆8479億円
内訳:
法人二税 2兆2690億円 2兆1192億円
固定・都市計 1兆6502億円 1兆5734億円
個人住民税 1兆 402億円 1兆 223億円
地方消費税 7483億円 7059億円
その他 4567億円 4271億円
そして、ふるさと納税による流出額は、1689億円(2022年度)
この流出額は、個人都民税、約1兆円の約16%。
一方、ふるさと納税の国全体の総額は、9654億円(2022年度)。東京都からの流出分は、全体の約17.5%。東京都にとっては、余り痛みを感じない金額のように見えます。
菅前総理の、都市部から地方への税の移転は、一応、今の所上手く機能しているのかもしれません。
ただ、千葉県などは、ふるさと納税の収支で、200億円程赤字になるらしいので、国に対して何とかしてくれ、と知事が異例の希望を表明したらしいですし、都でも、上の数字は、都の予算で見た場合で、各自治体で見ると、それぞれバラつきがあるようで、中には、予定していた事業ができなくなる市や区があるらしいです。
ましてや、自分が住んでいる自治体などは赤字経営なので、とても、他の自治体への納税をする気は起りません。いずれ、住んでいる自治体の住民サービスの低下として、自分に跳ね返ってくるのは間違いないですから。
流出額の7割は国が補填してくれるとは言っても、3割は減る訳です。
今の所、ふるさと納税は、税収の多い都市圏の自治体の住民はやったらいいかもしれません。
しかし、赤字自治体に住み続けるつもりなら、程ほどにしておかないと、将来、自治体サービスの低下として自分に跳ね返ってきます。
いや、実際には、将来では無くて、次年度には影響が出て来るでしょう。
自治体立小中学校に、エアコンが付けられなくなったとか、エアコンの稼働時間を短縮しなければならない、とか。
流入ふるさと納税額トップの泉佐野市なんかは、市内の全小中学校にプールを造ったり、公民館を造ったりと、住民サービスを随分充実させることが出来たらしいですから、その分どこかの自治体の住民が割を食っているはずです。
東京都の住民サービスは、極めて充実しているのは、昔から。他の自治体に無い手当とかいろいろあるようです。
さて、菅前総理がせっかく作ってくれた「ふるさと納税」制度ですから、地方の自治体は、千葉県のように国に何とかしろと、今の所言っても無駄なことを言っていても仕方がないので、自分たちで、「魅力的な返礼品」を考えて開発するなどすればいいのです。
ふるさと納税制度を逆手にとって、自分の住んでいる自治体を豊かに住民サービスが充実した自治体にすればいいのです。大阪府の泉佐野市のように。
自治体内に、ふるさと納税返礼品開発のNPOでも作って、返礼品開発を奨励すればいいのです。我が自治体には何もない、なんて嘆いていないで。
実際、やる気のある自治体、ふるさと納税制度に賭けるしかないと考えている自治体は、いろいろ考えているらしいですね。
その面から見ると、我が自治体は、とんとそんな話は聞かないから、端から諦めているのか?