X

内閣不信任案で野党「一気に政権交代の機運」…はて?

どうせ否決されるであろう内閣不信任案を、野党が足並み揃えて賛成に回る見通しだそうです。もっとも、これを報じたメディアは「野党幹部は、国会閉会後の検察の捜査で『通常国会が始まる頃には景色が変わってくる』『一気に政権交代が見えてくるかもしれない』と述べていて、冬とは思えない熱気に満ちている」と報じました。はて、そうでしょうか?

不信任案で野党に「政権交代機運」

いわゆる「政治とカネ」の問題に関連し、報道が錯綜しています。

清和政策研究会(いわゆる安倍派)の「裏金」疑惑がその発端ですが、ついに野党側の内閣不信任案につながったようです。

これに関し、FNNプライムオンラインに、こんな記事が掲載されていました。

「国民の怒りが乗っている」野党が足並み揃え岸田政権にNO! 内閣不信任案まもなく提出「一気に政権交代が見えてくるかも」

―――2023年12月13日 11:53付 FNNプライムオンラインより

FNNによると国会では13日、立憲民主党により内閣不信任案が提出される予定で、今回は日本維新の会に加えて国民民主党、日本共産党も賛成に回る見通し、としており、これについて「野党が足並みを揃えて政権に『ノー』を突き付ける形だ」、と指摘しています。

野党幹部は、国会閉会後の検察の捜査で『通常国会が始まる頃には景色が変わってくる』『一気に政権交代が見えてくるかもしれない』と述べていて、冬とは思えない熱気に満ちている」…。

つまり、今回の不信任案で、政権交代の機運が見えてくるかもしれない、ということなのですが、はて、そうでしょうか?

自民党はたしかに酷いが…立憲民主党はそれ以上

このあたり、自民党(あるいは岸田文雄首相本人)に関してはとくに今年、「対韓外交でのあり得ない譲歩」「LGBT法ゴリ押し」「やらない方がマシの減税」など、岩盤保守層からの失望が突き付けられるような事態が相次いでいることは間違いありません。

オールドメディア調査による内閣支持率の低迷のみならず、X(旧ツイッター)などのSNS、ネット空間では、根強い保守層と見られるユーザーからも、岸田内閣や自民党そのものに対する強い不満の意見を目にすることが増えているのです。

ただ、それと同時に、「自民党に代わる政党」として、野党に対する支持が急伸しているのかと問われれば、そこは微妙でしょう。

これについては、『Yahoo!ニュース』に転載されたこのFNNの記事についた読者コメントを眺めるだけでも、なんとなく状況を窺うことはできます。パッと見ただけでも、こんな趣旨の文言が目に付くのです。

「自民党は嫌だけど他に良い党がない」。

「自民党は支持できない、けど、立憲民主党はもっと支持できない」。

「自民党は腐っているが、立憲民主党には政権担当能力がまったくない」。

「立憲民主党はガソリン税廃止や消費税減税には無関心」。

「政権交代はあっても良いが、安心して任せられる野党がいない」。

こうした感想こそが、現在の最大野党の惨状そのものでしょう。

腐敗トライアングル崩壊のなかで

そもそも議会制民主主義国において「最大野党」といえば、通常、「与党に対案を出す政党」、あるいは「いつでも政権を担える政党」を意味するはずです。

ところが、現実の立憲民主党(衆院の統一会派「立憲民主党・無所属」)の勢力は96議席で(※副議長除く)、定数465議席中、20%少々を占めるに過ぎません。もしも日本維新の会(41議席)や国民民主党(7議席)などと手を組んでも、過半数には届きません。

また、当ウェブサイトにて先般より指摘してきたとおり、衆議院総選挙は小選挙区主体の仕組みであり、最大政党に有利に働きやすく、多少の「維新旋風」が生じたとしても、政権交代につながるほどに野党が躍進する可能性は高くありません。

このように考えていくと、もし「政権交代を通じて日本を良くするという」ことを考えるのであれば、いきなり政権交代可能な政党が出現するというよりはむしろ、「ダメすぎる最大野党」を「少しでもマシな最大野党」に置き換える方が先ではないでしょうか。

著者自身は日本維新の会や国民民主党が無条件に優れた政党であるとは全然思いませんが、少なくとも「何でも反対」「実務担当能力ゼロ」の政党と比べていくばくかマシな政党が少しくらい躍進し、最大野党が変わるなどすれば、日本の政治は少しくらい良い方向に変わる可能性はあると思います。

結局、現在の自民党内で「親財務省派」がはびこっている理由も、野党があまりにもだらしないことにあるのかもしれません。

というよりも、『【総論】崩壊始まる官僚・メディア・野党「腐敗利権」』を含め、以前から取り上げて来た、官僚・マスコミ・野党議員という「腐敗トライアングル」が、真ん中のオールドメディア部分から崩落し始めていることは、将来に希望が見える現象でもあります。

どうせ否決されるであろう不信任案も、「腐敗利権崩壊過程」という視点で見れば、興味深いといえなくはないのかもしれません。

新宿会計士:

View Comments (27)

  • 仰る通りです。維新の会も嫌いですが、立憲民主党よりマシです。
    とにかく、野党第一党が立憲民主党じゃなくなれば、他のどの政党でもいいです。
    ・・・社民、共産、れいわは無しで。

    立憲民主党が野党第一党でなくなる、
    これが、日本が良くなるための第一歩だと思います。

    • 自民党は、いつまでも変わらない。
      田中角栄以前から金権政治しかできていないと思います。
      最近では安倍晋三の桜の会や小渕優子のドリル事件、菅義偉も何かきな臭い感じです。

      • > 自民党は、いつまでも変わらない。
        ですね。どんな組織も長く続くと腐敗していくものです。
        自民党も例外なく、既得権などに染まっているように思います。

        ただ、現実、自民党以外が政権を取ると、今より悪くなるとしか思えないです。
        なので、自民党に緊張感を持たせるためにも野党第一党が「まとも」になる事を望んでます。少なくとも立憲民主党以外です。

        •  未だモリカケサクラなんてデマを信じてる人がいるなんて信じられません。

          • 冤罪案件ですからね。
            モリカケサクラを未だに信じている人は、オールドメディアの報道しか見ていないという事でしょう。
            改めて考えてみると、モリカケサクラは霞ヶ関の官僚が仕掛けたトラップではないかと思います。
            安倍晋三元総理は、特に財務官僚に対して強い不信感を持っていましたからね。
            既得権益を守りたい官僚にとって、安倍元総理は天敵であり、どうにかしてでも潰したい政治家だったのかもしれません。

          • モリカケはともかくサクラは安倍氏の公設秘書が政治資金規正法違反で有罪判決受けてますがデマですか。
            安倍氏本人は政治資金報告書への不記載は知らなかったそうで嫌疑不十分で不起訴処分、国会での答弁は事実に反するものがあったことを認め謝罪してますが。

      • 自民党嫌いのいねむり猫さんが支持する政党がどこかをお聞きしたいです。

      • 菅前首相がきな臭いという論拠をどうぞ。
        自民党の政治家個人個人のことをあれこれと論うなら、君がどこの党を支持しているのか知らないが、その構成員はきっと全員清廉潔白なのだろうね。
        若しくは「できたばっかりなのでスキャンダルなどない」とか言うのかな?w

        • 通りすがりさま

          エビデンスはありませんが、その当時、新聞を購読していませんので、ネットで見たんだと思います。

          菅義偉さんが総理就任前の記事でした。菅義偉さんは代議士になる前に、億ションを購入して、5、6年ほどで完済したと書いて有りました。私の感想はナルホドなぁ。信用出来ないけど、あり得る話、でした。自民党やからジュウブンニあり得る、と感じました。モチロン私は菅義偉さんの再登板を願っています。私は維新を支持しています。矛盾や無いか、との指摘には、人間は矛盾した生き物です、との返事をしておきます。

          蛇足です。
          いねむり猫さんもバリバリの左翼では無いですよ。日本をもっと良くしたいと想い、結果的に自民党以外を選択したんだと思います。

          • 代議士になる前から自民党の美味しい特典を受けられた、ってことですか?荒唐無稽すぎませんか?

  • "冬とは思えない熱気に満ちている"
    メディアもたまには正しい事を言いますね。
    最近、冬とは思えないほどあったけぇもんな(笑)

  • 「お灸をすえる」の 結果が 悪夢の民主党政権。
    日本の発展をどれだけ阻害したか。
    マスコミは 日本下げが 大得意。

  •  冬の熱気は気をつけましょうね。勘違いしてるとすぐ風邪ひきますから。
     国民の怒り、失望、不安につけこむ「だけ」で政権を奪っても、その後結局もっと酷いことになるというのは国民側は学びましたが、野党幹部さんは学ばれていない様子で。

  • 韓国への融和政策とLGBT法案で自民党には入れないと考えていた人も政権交代までとなると、「そりゃあダメだ」ということになり自民に入れるかも。

  • >「野党幹部は、国会閉会後の検察の捜査で『通常国会が始まる頃には景色が変わってくる』『一気に政権交代が見えてくるかもしれない』と

    またか、といい加減辟易した気分が世間に横溢しているのは確かでしょうが、景気づけに言ってるくらいならまだ良しとしても、本気でこんなこと思っているとしたら、まあ「どんだけ世の中からずれてんだ」としか、言いようないですね。こんな連中が幹部に居座って党を牛耳ってる限り、政権交代なんて夢のまた夢。

  • もし岸田首相が「不徳の致すところ故」と、潔く去り解散総選挙に持ち込み、総裁選(これは過去でもそうだったように疑似政権交代に見せる事が出来る)になれば、マスコミはこっちに掛かり切りとなり、過去でもそうであったように立憲なんか全く報道されなくなります。立憲に吹く風など全く無いのだからしょうがない。報道の仕様が無い。報道するネタ、視聴率になるネタや人材など立憲には何も無いのだから

    総裁選になり勢いのある人が新総裁となれば、もうその時点で自民党の支持率は、過去を見る限り御祝儀相場で上がります
    立憲を見る限り弱すぎるので、2012年以降の衆院選の結果と同じ様に、自民党はせいぜい漸減、しかし単独過半数と圧倒的多数は確保ぐらいに落ち着くと思います
    自民がいくら不人気でも、立憲は無風ですから。少し議席はそりゃ動くんでしょうが。
    しかし政権交代とか言われたら、「バッカじゃなかろかルンバ♩」と故野村克也氏の霊が憑依するレベルです

    立憲はNHKの最新世論調査で2.7上がって7.4%に上がりました。自民党は8.2下がって29.5%
    同じくNHK世論調査で政権交代直前の政党支持率は、2009年の民主党で29.0%、2012年の自民党が26.6%
    政権交代時ってこういう数字です。7.4%じゃ話にもならない。解散されたら困るのは風も無く準備もあやふやな立憲じゃないの?

  • 次は上川外相で決まりだ。女性初の宰相だ。政治評論家の青山氏や田崎史郎氏も一押ししている。
    親韓派的なところがあるけど文雄ちゃんよりはいいかも。解散におびえる岸田君

    • 上川陽子外相、スパイ防止法制定に慎重な考え「さまざまな議論があると承知している」

      上川外相はスパイ防止法に反対との報道がありました。
      私はこの人はスパイ側の国益に反する人物だと思います。

  • 与野党共にひどいのだからどっちが政権とってもいいよ
    どうせ良くならないなら落ちるとこまで落ちた方が日本のためだ

    • いえいえ、立憲共産党はダメでしょう。
      落ちる所まで・・なんていうのはK国、C国シンパの思うつぼでしょう。

      • ≫K国シンパの思うつぼ‥

        ツボといえばまさに、
        韓流カルト宗教統一教会の十八番ですなあ。

        「もう滅びるしかない日本だから」?とか
        「韓国の足元にも及ばない」?とか
        ネットや爺爺通信コメント欄の
        いつもの韓流のひとたちは
        立憲共産党支持者とわかりやすいですなあ
                 (^^)

  • 立憲と共産、れいわだけは天地がひっくり返って日本が沈没しはじめても選択肢としてはありえねぇなァ
    政党として政治屋としてこの世に存在してるだけで犯罪認定しても問題ない連中だしなァ

1 2