国民民主党が補正予算案に賛同したことを受け、立憲民主党の泉代表が「国民民主党は魂を売ったら終わり」などとしたうえで、連合の芳野会長とも「協議したい」と述べました。これに対し国民民主党の榛葉幹事長は会見で、「スネ夫がジャイアンに告げ口するようなもの」と反発したようです。

経済対策などを柱とする補正予算案が昨日、自民・公明の連立与党に加え、日本維新の会、国民民主党などの賛成で衆院を通過しました。おそらく来週にも参院で可決成立することでしょう。

国民民主党が「野党」でありながら予算案に賛成したのは、22日の衆議院予算委員会で同党の玉木雄一郎代表に対し、岸田文雄首相が物価高騰対策として、「トリガー条項の凍結解除」の検討を行う方向性を示したことを受けたものです（同党24日付『【衆予算委】政府提出の令和5年度補正予算に賛成』参照）。

ただ、この動きに対し、立憲民主党が反発しているようです。

立憲・泉氏が国民民主に「魂売ったら終わり」予算賛成に警告　「ミイラ取りがミイラになる」

―――2023年11月24日 12:59付　ＦＮＮプライムオンラインより

ＦＮＮプライムオンラインの報道によると、立民の泉健太代表は24日の記者会見で、国民民主党が補正予算案に賛成したことを巡って、「魂を売ったらおしまい」、「ミイラ取りがミイラになる」などと警告したのだそうです。

そのうえで泉代表は、国民民主党が補正予算案に賛成したことを巡って、連合の芳野友子会長と「今後の対応について協議したい」、「そもそも国民民主が補正予算に賛成するとは連合も想定していないだろう」、などとのべたのだとか。

まるで、「芳野会長に告げ口するぞ」、とでもいいたいのでしょうか。

しかし、これに対し、国民民主党の榛葉賀津也幹事長が同日の会見で、チクリと皮肉りました。

動画の10:48以降のやりとりは、こんな具合です。

テレビ東京の川崎記者が泉氏の発言について榛葉氏に尋ねたところ、榛葉氏は補正予算案に賛成した目的を、こんなふうに述べました。

「（ドラえもんが）なんか言ったらスネ夫が『俺ジャイアに言うぞ』って話に聞こえるよね」。

この切替氏は、なかなか興味深いところです。

ちなみに榛葉氏はその前後で、国民民主党が与党案に賛成した理由などについて、こんな発言もしています。

• 自民党にすり寄ってるんじゃなくて国民に寄り添ってるからでしょう。（泉代表のご地元でも人々は）ガソリン代の高騰やバカ高い税金に『なんとかしてくれ』と言っています
• それを『自民党にすり寄ってる』とか『選挙区調整』とか、そんなことを野党第一党の党首（＝泉氏）が言ってもらったら困るね、こっちは真剣勝負でやってんだから
• ひとりひとりの必死で頑張ってる勤労者が『ガソリン税を下げてくれ』、と。地方に行けば 行くほど苦しいんですよ。どんな批判も我々は受けますが、目的はひとつ。『ガソリン代を下げること』です

国民民主党が信頼に値する政党なのかどうかはともかくとして、この榛葉氏の発言自体は、玉木代表らのこれまでのガソリン税などを巡る言動とは整合しています。

これに対し、「野党は政府・与党の提案にすべて反対しなければならない」とする立憲民主党などの考え方が、国民にこれからも支持されるものなのか。

良く考えておかねばならないのは、むしろ泉代表の方なのかもしれません。