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数字で見た「観光を基幹産業に据えてはならない理由」

日本を訪れた外国人が、5ヵ月連続で200万人の大台を超えました。消費単価が高かった中国人旅行客がコロナ前と比べて減ったまま、という問題はあるにせよ、もはやコロナ前の水準を回復したのです。ただ、冷静に統計を読むとわかりますが、日本は観光を国家の主要産業に据えるべきではありません。仮に年間観光客6000万人を達成しても、外国人の旅行消費額はせいぜい10兆円前後に過ぎないからです。

観光客200万人を5ヵ月連続で達成した日本

昨日の『5ヵ月連続200万人超え:コロナ前に戻る外国人観光』でも「速報」的に取り上げたとおり、日本政府観光局(JNTO)が公表した速報値によれば、2023年10月の訪日外国人は2,516,500人で、6月以降、5ヵ月連続して200万人の大台に達しました。

また、この数値はコロナ禍直前の2019年10月時点の250万人を上回っており、10月における訪日客数としては2018年10月の264万人、2017年10月の260万人に続き、過去3番目に多いものです。

ただし、通年、つまり今年1月から10月までの累計値で見たら1989万人で、この数値は2019年1月から10月までの2691万人と比べて702万人少ないのですが、これは今年初めから中ごろにかけての時期、入国者数がコロナ禍から本格的に回復していなかったことの影響と考えられます(図表1)。

図表1 日本を訪問した外国人合計

(【出所】JNTOデータをもとに作成)

外国人入国者数がどうなるかは、国際情勢、原油価格、為替情勢などの影響も受けると考えられるものの、少なくとも2023年を通じた入国者数が2000万人を突破することは確実です。

ちなみに年間で見て入国者数が過去最多だったのは2019年の3188万人ですが(図表2)、現在のところ、2019年の訪日者数を上回る月も散見されるため、この調子で少しずつ訪日外国人が増えていけば、この3188万人という記録を塗り替えることも夢ではないでしょう。

図表2 訪日外国人データ(暦年)※2023年に関しては10月までの数値

(【出所】JNTOデータをもとに作成)

消費額で見た観光業

外国人の旅行消費単価等に関する基礎データ

ただし、訪日外国人数が過去最多を塗り替える勢いで増えていることが、日本にとってどれだけの意味を持つかについては、冷静に考えておく必要があります。

観光庁が公表する『訪日外国人消費動向調査』によると、2023年第3四半期(7-9月)調査で、訪日外国人の1人1回当たり旅行消費単価は192,240円、平均泊数は11.2泊となっているのですが、国・地域によって金額、泊数には大きな偏りがあります。

国・地域別に見た金額、平均泊数と、JNTOデータをもとに2023年7月から9月までの3ヵ月間の訪日者数データを引っ張って来て1枚の図表にしたものが図表3です。

図表3 1人1回当たり旅行消費単価、平均泊数、訪日者数(2023年7-9月)

(【出所】観光庁、JNTOデータをもとに作成)

なお、この図表は基礎統計ですので、とくにA、B、C欄に関してはどなたでも利用できるよう、テキスト化して本稿末尾に収録しておきます(ただし、A÷B欄、A×C欄に関してはエクセル等で簡単に再現できますので、洙6しません)。

韓国の旅行消費単価の少なさ

これで見ると、隣国・韓国の消費単価の少なさが目立ちます。

少なくともここに列挙されている20ヵ国のなかで、調査が実施されていないロシアを除けば最下位です(ただし、韓国人の場合は平均泊数が他国と比べて圧倒的に少ないという事情があるため、1泊あたりに換算すれば20,149円と、決して低くはありません)。

想像するに、韓国人の場合、日本との地理的近さなどの要因もあり、高速船や格安航空会社(LCC)などを使用して日本に入国し、すぐに帰る、というパターンが多いのでしょう。近場の台湾や香港も、平均泊数は韓国ほどではないにせよ、10泊以下と短めです。

さて、図表3のデータがあるので、ほかにもいくつかのランキングを見ておきましょう。

少し長くなって恐縮ですが、図表3のうちの「1人当たり消費額(A)」を、純粋に1人あたりの消費額で並べ替えたものが図表4です。

図表4 1人1回当たり旅行消費額と平均泊数(2023年7月-9月)
国・地域 金額(A) 平均泊数(B)
1位:フランス 339,542 20.4泊
2位:英国 309,708 17.7泊
3位:スペイン 299,084 16.2泊
4位:豪州 298,497 13.4泊
5位:中国 275,050 14.6泊
6位:米国 271,448 12.8泊
7位:ドイツ 251,384 14.6泊
8位:シンガポール 249,572 11.9泊
9位:カナダ 245,167 13.2泊
10位:イタリア 235,395 11.8泊
11位:香港 221,771 7.6泊
12位:インド 190,125 22.7泊
13位:インドネシア 180,194 18.5泊
14位:タイ 161,879 16.0泊
15位:ベトナム 157,400 30.4泊
16位:フィリピン 154,779 24.6泊
17位:マレーシア 147,320 10.2泊
18位:台湾 147,160 7.5泊
19位:韓国 99,111 4.9泊

(【出所】観光庁データをもとに作成。なお、ロシアはデータがないためランキングから除外している。以下同じ)

これで見ると、やはりフランス、英国、スペインなど欧州諸国が上位に目立っており、これに続き豪州、中国、米国などが上位に入っています。一方でスペイン、フランスと同じユーロ圏に属しているはずのドイツは、消費単価が両国と比べて低いというのも興味深いところです。

宿泊日数で割ってみると、インド・東南アジアが低い

続いて1泊あたりの支出額についても上から順番に並べ替えてみます(図表5、ただし図表が間延びするのを防ぐため、「金額(A)」列については削除している)。

図表5 平均泊数と1泊あたり消費額(2023年7月-9月)
国・地域 平均泊数(B) A÷B
1位:香港 7.6泊 29,228
2位:豪州 13.4泊 22,280
3位:米国 12.8泊 21,201
4位:シンガポール 11.9泊 20,916
5位:韓国 4.9泊 20,149
6位:イタリア 11.8泊 20,025
7位:台湾 7.5泊 19,535
8位:中国 14.6泊 18,890
9位:カナダ 13.2泊 18,538
10位:スペイン 16.2泊 18,519
11位:英国 17.7泊 17,536
12位:ドイツ 14.6泊 17,249
13位:フランス 20.4泊 16,648
14位:マレーシア 10.2泊 14,432
15位:タイ 16.0泊 10,105
16位:インドネシア 18.5泊 9,744
17位:インド 22.7泊 8,366
18位:フィリピン 24.6泊 6,285
19位:ベトナム 30.4泊 5,186

(【出所】観光庁データをもとに作成。なお、ロシアはデータがないためランキングから除外している)

1泊あたりにしてみると、今度はトップに香港が入ってきます。また、豪州、米国あたりは引き続き上位ですが、それに続いてシンガポール、そして意外なことに韓国も上位に入ってきます。

その一方、下位にはベトナム(30.4泊で1泊あたり5,186円)、フィリピン(24.6泊で1泊あたり6,285円)、インド(22.7泊で1泊あたり8,366円)など、東南アジア・南アジア諸国の姿が見えてきます。

これについては参照している数値自体、来日目的が「観光・レジャー目的」とそれ以外のものが混在しているためと考えられますが(※ちなみに本稿では取り上げていませんが、観光・レジャー目的に絞った統計も公表されています)、泊数が長くなれば1泊あたりの単価が落ちるのは当然のことでしょう。

訪日者数が多ければ消費額が多くなるのも当然

そのうえで、ひとりあたりの金額と、JNTOデータから7-9月の訪日者数のデータを統合すれば、その国の国民が日本でいくら使ったのか、推計することができます。そのおおよその推計額を上位順に並べ替えたものが、図表6です。

図表6 国籍別・支出額推計値(2023年7月~9月)
国・地域 金額(A) 訪日者数(C) A÷C
1位:中国 275,050 100万人 2759億円
2位:台湾 147,160 120万人 1772億円
3位:韓国 99,111 177万人 1751億円
4位:米国 271,448 49万人 1340億円
5位:香港 221,771 57万人 1272億円
6位:豪州 298,497 13万人 380億円
7位:カナダ 245,167 12万人 283億円
8位:フランス 339,542 8万人 268億円
9位:英国 309,708 8万人 249億円
10位:ベトナム 157,400 14万人 218億円
11位:タイ 161,879 13万人 216億円
12位:シンガポール 249,572 8万人 209億円
13位:フィリピン 154,779 13万人 206億円
14位:ドイツ 251,384 7万人 164億円
15位:インドネシア 180,194 8万人 147億円
16位:スペイン 299,084 4万人 130億円
17位:イタリア 235,395 5万人 124億円
18位:マレーシア 147,320 6万人 94億円
19位:インド 190,125 4万人 76億円
全国籍・地域 192,240 666万人 1兆2807億円

(【出所】観光庁、JNTOデータをもとに作成。なお、「全国籍・地域」については1位から19位までを合計した数値と合致しない)

当たり前の話ですが、訪日する人の数が多い中国、台湾、韓国、米国、香港の5ヵ国・地域がトップを占めました。1人あたり消費額が少なくても、人数が多ければ、その国の人たちの消費額が多くなるのは当然のことでもあります。

これらの図表を眺めていると、やはり日本にとって観光客として大事にしなければならない国はどこなのか、何となく浮かび上がってくる、というものでしょう。

産業政策と観光業

観光産業は現時点でせいぜい5兆円:伸びても10兆円

ただ、図表6の末尾、「全国籍・地域」については、消費単価が192,240円、3ヵ月間のトータルで1兆2807億円という推計値を出してみたのですが、冷静に考えると、やはりこの数値を見ただけで、日本が観光立国を目指してはならないという証拠でもあります。

3ヵ月で1兆2807億円ということは、年間でもせいぜい5兆円前後、ということであり、これから訪日外国人が倍増したとしてもせいぜい10兆円が限度、ということだからです。

ちなみに2022年における日本の輸出額は100兆円弱で、このうちの「機械類及び輸送用機器」が55兆3042億円、「原料別製品」(鉄鋼など)が11兆8181億円、化学製品が11兆7938億円、と、観光業とは次元が異なります(図表7)。

図表7 日本の輸出高・概況品別内訳(2022年)
品目 金額 割合
機械類及び輸送用機器 55兆3042億円 56.33%
うち輸送用機器 19兆0577億円 19.41%
うち一般機械 18兆9095億円 19.26%
うち電気機器 17兆3370億円 17.66%
原料別製品 11兆8181億円 12.04%
化学製品 11兆7938億円 12.01%
特殊取扱品 8兆9461億円 9.11%
雑製品 5兆3962億円 5.50%
鉱物性燃料 2兆1968億円 2.24%
原材料 1兆5342億円 1.56%
食料品及び動物 9359億円 0.95%
飲料及びたばこ 2007億円 0.20%
動植物性油脂 486億円 0.05%
合計 98兆1748億円 100.00%

(【出所】財務省『普通貿易統計』データをもとに著者作成)

非効率な産業に労働力を投じるのはいかがなものか

ただでさえ人不足が叫ばれているわけですから、日本全体として効率的に労働力を投入するならば、それは観光業ではなく、製造業(たとえば半導体製造装置など)ではないでしょうか。

むろん、現在は傾斜生産方式の時代ではありませんし、観光業だって産業としては非常に重要ではあります。自然体で日本が受け入れ可能なレベルまで外国人観光客が増える分には悪い話ではありません。

ただ、それと同時に現代の日本は、非効率な産業を育成・温存するだけの余力がある国でもありません。

たとえば、本来ならば半導体産業などに振り向けられるはずだった労働力が、観光産業に振り向けられることで、長い目で見た日本の産業競争力を毀損する結果になることが、強く懸念されるのです。

※なお、上記と同じことは、たとえば新聞配達業やパチンコ産業などのように、労働力を大量に必要とするわりには日本経済に貢献していない産業にも同じことが成り立つかもしれません。

いずれにせよ、観光客が6000万人の時代になったとしても、外国人観光客が日本で落とすカネはせいぜい10兆円前後であり、決して100兆円になったりしません(インフレでも生じれば話は別ですが)。

こうした観点からは、著者自身は「観光客6000万人目標」には非常に懐疑的なのです。

参考データ

なお、参考までに、図表3のテキスト化データを収録しておきます。必要な方は適宜ご利用ください。

参考:図表3のテキスト化データ(表示し切れない可能性がありますがご注意ください)
国・地域 金額(A) 平均泊数(B) 訪日者数(C)
全国籍・地域 192,240円 11.2泊 6,662,184人
韓国 99,111円 4.9泊 1,766,322人
台湾 147,160円 7.5泊 1,204,002人
香港 221,771円 7.6泊 573,780人
中国 275,050円 14.6泊 1,003,156人
タイ 161,879円 16.0泊 133,279人
シンガポール 249,572円 11.9泊 83,696人
マレーシア 147,320円 10.2泊 64,063人
インドネシア 180,194円 18.5泊 81,581人
フィリピン 154,779円 24.6泊 133,138人
ベトナム 157,400円 30.4泊 138,718人
インド 190,125円 22.7泊 40,076人
英国 309,708円 17.7泊 80,502人
ドイツ 251,384円 14.6泊 65,380人
フランス 339,542円 20.4泊 78,998人
イタリア 235,395円 11.8泊 52,682人
スペイン 299,084円 16.2泊 43,468人
ロシア 10,894人
米国 271,448円 12.8泊 493,807人
カナダ 245,167円 13.2泊 115,445人
豪州 298,497円 13.4泊 127,215人

(【出所】観光庁、JNTOデータをもとに作成)

新宿会計士:

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  • 2021年07月24日に下記投稿をしました。再掲します。
    [観光業そのものを否定する気は毛頭ありませんが 観光立国なる言葉には違和感を覚えます。1億を超える人口を観光で支えられるはずもない。日本の美しい自然は確かに観光資源だが これも 行き過ぎると自然破壊に繋がり ブーメランとなる。観光地も今はコロナで閑散だが 一時はここは日本かと疑われる中国人観光客ばかり。到底旅の風情を楽しむことなどできなかった。また 中国資本の観光バスと中国資本のホテルが儲かるだけで けっして日本の利益にはなっていない。そして日本の老舗の旅館などが倒産し 日本のおもてなしも失われていく。カネに目がくらんだ連中が日本の文化を破壊している。]・・・ 推進しているのが 新幹線技術を中国に売り渡した二階議員や何者かよくわからないアトキンス氏や親中韓議員たちとマスコミ。

  • コロナ直前の2019年のデータだったか、国内観光業28兆円。内、外国人観光客分4.5兆円(3千万人)。観光業は、ホテル等は装置だが、人がいないと成り立たない労働産業だから効率は良くない。やはり、付加価値の高い最終製品を作る産業を育てなければ、一人当たりGDPは増えない。

  • 日本の生産年齢人口が2018年で6850万人、2040年で5800万人、このうち医療、介護、福祉で必要な人員が1000万人(数字はおおよその数字で厚労省や経済産業省のデータがベースです)
    2040年時点の日本の人材ポートフォリオを一人当たり労働者のGNP寄与度で考えるのは重要かもしれません。GNP寄与度が低い産業に需要があるからと言って、人材を投入すべきではないのかもしれません。

  • ひさしぶりに小田原の街にでた。外国人の数が異様に目立つ。普段縁もないイスラエル人もいる。国が戦争中なのに、、日本のが安全ってことか。インバウンドが活発化すること事態はさほど危惧してはいないが、人災、、マナーの欠如は問題だ。合わせて環境破壊も招いている。アメリカではハロウィーンで仮装した日本人の少年が訪れる家を間違えただけで射殺されている。それだけ自己の権利に厳しく、普段の犯罪が多いからだらろう。他人の家の庭を踏み荒し撮影だかにうつつを抜かす。本末転倒とはこの事できちんとしたガイドラインを作成し意識の啓蒙を怠った送り出す政府や受け入れる我が国の責任だ。オレのいえは山の中だから見知らぬ外国人が地域を荒らすことはないけど、都会の観光地の住民は大変な思いをしていることだろう。

  • 論考同意します。言うても観光業は水商売(タブン)で、世界の景気に売り上げは左右されるように思います。ゼロにする必要は無いけれども、ただでさえ労働人口が少ない日本で、そのリソースをその産業に割く意味は少ないように感じます。

    また観光産業が大きくなればなるほど、今回のコロナのような事が起きれば、その対応も桁違いに大変なものになるように思います。観光業のウェイトが高くなればなるほど、リスクも大きくなるような・・・

    個人的には、日本の事を良く知ってもらううえでも、たくさんの来日を歓迎したいところですが、自分が旅行に行った際にあまり混み合うのもちょっと残念に思うので、何でもほどほどがいいかな、と思います。

  • 細かいことですみません、図表6の「A÷C」って、「A×C」です?
    飛ばして読んでいたらそこで躓いてしまいました。(ゴメンナサイ)

    1割以下のシェアを踏まえると「観光立国」という言葉が示すイメージは世論をミスリードするかもですね。

    上でご指摘のある2040年の未来予想図は面白そうだと思いました。

  • これに関しては安倍政権の「非」の部分だと思います。薄利多売のアジア人観光客に人的リソースを裂いて他産業の採用拡大を阻害しました。
    まあ、国交省利権を公明党が握っていてその後の政権でも拡大してるので自公連立自体のバーターなのかも知れませんがこれだけで公明党は嫌です

  • 観光のメリットは、地方や零細商店、農水産業など個人経営レベルの産業に現金収入をもたらすことだと思います。
    日本には多様な地域や産業がありますので、先端技術分野の強化だけでは漏れる人や地方が出来てしまうのではないでしょうか・
    観光業の振興に対して「観光立国」を掲げるというのは、観光業を過大評価し過ぎだと思います。

    • それから、観光客をローカル線に乗せる対策が必要です。
      ガイド付きで自然と温泉と料理を楽しんでもらうプランなど無いのでしょうか?

    • >観光のメリットは(中略)個人経営レベルの産業に現金収入をもたらす
      申し訳無いが自分はその考えには同意しかねます。
      最近、台湾旅行したのだけど、行くのはガイドブックやYouTubeで紹介された店ばかり。零細店に飛び込みで入るのは勇気がなかったです。
      ネット普及で個々人が情報を吟味して店を選ぶ時代になったとはいえ、残念ですが旅行代理店の紹介や名の知れた所に行く人が大多数ではないかと思う所存です。

      • 旅行代理店と提携した店舗への顧客誘導などという後進国型のビジネスは百害あって一利無しです。顧客満足度を下げるだけですね。
        「観光立国」などと大仰な目標を掲げるのなら、顧客の満足度を重視したサービスを目指すべきではないでしょうか?

      •  やはり自分の視点でものを考えてしまうので、私は「"農水産業など"個人経営レベルの産業に現金収入をもたらす」の一文を拝読して、近隣の大手ホテル等が地元農産物を使うことによって農家等の個人経営が潤う」という方を重点に解釈しました。ウチなどは一括で農協出荷なのですが、こういった動きが個人契約で「質の良いものを高価で」という、農産物の市場取引では実質存在しない契約形態になれば面白いと思います。インボイス制度が邪魔になってきますが。
         観光業の奨励を進める政府・省庁の方こそが、ここらへんの実際の数値がどうなるのか、統計や研究を公表して納得感を高めるべきに思えます。

    • >>観光のメリットは、地方や零細商店、農水産業など個人経営レベルの産業に現金収入をもたらすこと
      >>観光客をローカル線に乗せる対策が必要です。

      私これ同感です。
      なので観光立国を目指すことにも賛成です。
      円安のメリットは輸出企業を通じて間接的に全国民に配分されるはずですが、インバウンドならもっと直接的にメリットを受けることができます。
      しかし、京都などに集中してしまうのは弊害が大きいし、かりにゃん様のご意見のようにネットで紹介された店舗にばかり集中して個人商店は置き去りにされてしまっては意味がないので、政府にはマイナーな地方都市をアピールし、また、ツアーよりも個人旅行者を増やす努力をしてほしいです。
      半導体製造業と比べて生産性はどちらが高いのかというのは気になりますが、外国人に日本を見てもらうというのはお金だけではないメリットもあると思ってます。

  • >非効率な産業に労働力を投じるのはいかがなものか

    少子高齢化で、貴重な労働力でどうやって経済を回すのか、外貨を稼ぐのか
    原材料を輸入して、人も使って付加価値をつける産業で輸出で稼ぐのか
    海外からの観光客に、夜の街で付加価値の高い??場所でカネを使ってもらうのか
    (はたして夜の街での消費額は追跡されているのか?)

    発展途上国なら、(夜の)観光産業で外貨を稼げで国を、家計を潤していくけど
    日本が(夜の)観光産業で外貨を稼げる国を目指すのか!!
    https://web-willmagazine.com/social-history/9Xzcm

    デービッド・アトキンソンさん、本物の日本ファンだとは思いますが、
    元ビジネスマンなら、大量の移民政策の欧州との比較はやめてもらいたいですね。

    どうも特定な政治家の利権になっていそう・・・本当に残念ですね。
    そのうち海外から1億人目指すと言いかねない、誰か止めてあげて・・・。

  • めたぼん様
     先日の人手に関するやや悲観的な議論の答えがここらへんかもしれないですね。

    • 農民様の意図と違っていたら申し訳ありません。

      >>現代の日本は、非効率な産業を育成・温存するだけの余力がある国でもありません。

      答えというのはこの部分のことでしょうか?
      やはり3K労働は温存させることは不可能なんですかね。
      高付加価値の商品作物を作る農家以外は退場、建設業は半減。
      しかし、これ以上食料自給率を下げてよいのか。
      あちこちで漏水が始まっている水道管の更新や旧耐震基準の構造物の耐震化は諦めるのか。
      非効率かもしれないけど、必ず必要な仕事だと思うんですよね。
      新聞配達やパチンコ屋は必ず必要とは思えない(業界の人には申し訳ありません)ので、衰退したらこっちに流れて来てくれないかな。

      •  あぁ、そうともとれますね。毎度悪文で申し訳ありません。

        1.非効率的で必要性が少ない産業から、非効率だが必要性のある産業に人手を配分できるかもしれない。
        2.効率的で人員の不要な産業から余った人手を、マンパワーが必要な産業に配分できるかもしれない。

         という考えでした。要するに、めたぼん様のご返信の結びの部分ですね。
         念のため言えば、本記事の観光業に必要性が「無い」とは全く思いませし、我々側も効率化は進め続けなければなりません。

        • 察しが悪くてお恥ずかしい限りです。

          そのご意見には全く同感です。
          農産物なら競り、公共工事なら入札と、値段を自分で決められない業界ですので、省力化を進めて1人当たりの生産性を高めていくしかありません。
          それと同時に、収入が安定するような仕組みも考えていく必要がありますね。
          また、賃金だけでなく仕事内容の魅力も高めていかなければならない。
          やり甲斐とか言うと安い給料でこき使うためのブラック企業の言い訳のようになってしまいますが、肉体労働者はある種の女性にモテるというメリットがありますので、その辺でイメージアップしていって他業種の余剰労働力が流入して来るような状態を作れたらと思います。

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