ハマスは無差別テロ:犠牲者に米国人…外務省職務怠慢
外務省はいったい何をやっているのでしょう。10月7日に発生した、武装勢力ハマスによるイスラエル南部に対する大規模攻撃では、少なくとも11人の米国人も犠牲になるなど、外国人を含めた無差別攻撃であった可能性が濃厚です。しかも、イスラエル主要都市であるテルアビブとエルサレムは、いずれもガザ地区から直線距離で70㎞弱の距離にあります。なぜ退避勧告が出ないのでしょうか。
バイデン「米国人11人が犠牲に」
『ハマスのイスラエル攻撃報じない日本のメディアの限界』で「速報」的に取り上げたとおり、7日、ガザ地区から武装勢力ハマスによるロケット砲が多数、イスラエル南部に打ち込まれ、民間人を含めた多数の犠牲者が出たほか、人質として連れ去られたもようです。
ただ、その後のさまざまな情報を探っていると、どうやらハマスはイスラエル人に対してのみならず、手あたり次第、無差別に襲撃しているという可能性が濃厚です。
たとえば、ジョー・バイデン米大統領は現地時間9日付の声明のなかで、犠牲者のなかには少なくとも米国人11人が含まれているとともに、ハマスに拘束された人々のなかにも米国人が含まれている可能性がある、などと述べています。
Statement from President Joe Biden on American Citizens Impacted in Israel
―――2023/10/09付 ホワイトハウスHPより
日本人の安否は気遣われる
また、犠牲者は米国人だけではありません。
報道ベースですが、中東メディア『アルジャジーラ』(英語版)の記事によれば、フランス人女性1名が犠牲となったほか、フランス人男性がハマスに身柄を拘束されている可能性が高く、同様にCNNの記事でもドイツ人もハマスに人質となっているなどとする記述が出てきます。
‘Dozens’ of civilians being held hostage by Hamas: Israeli military
―――2023/10/09付 ALZAJEERA英語版より
Festivalgoers, children, soldiers: What we know about the people captured by Hamas
―――2023/10/09 10:37 EDT付 CNNより
こうした状態となってしまうと、次の犠牲者が日本人だったとしても不思議ではありません。外務省の調査によると、昨年10月1日時点においてイスラエルに居住する日本人は1,253人で、うち永住者が741人、長期滞在者が512人だったそうですが、正直、安否が気遣われます。
外務省はアラートを出していない
それなのに、こうした緊迫した事態にあるにも関わらず、昨日指摘したとおり、外務省は少なくとも襲撃事件が発生した7日の時点で、海外安全ホームページ上、これといったアラートを出していません。翌・8日付で『イスラエル:ガザ地区情勢等についての注意喚起』なる文書が出ているだけです。
しかも、「レベル3(渡航中止勧告)」が出ているのはガザ地区に近接する地域やイスラエル北部(レバノンとの国境付近)に限られており、ヨルダン川西岸地区が「レベル2(不要不急の渡航は止めてください)」、それ以外の地域は「レベル1(十分注意してください)」のままです。
改めてイスラエルの地形を確認してみると、ハマスが拠点としているであろうガザ地区の北端からイスラエルの主要都市であるテルアビブまでは60㎞あまり、エルサレムまでは70㎞弱、といったところです(※ただしどちらも直線距離です)。
一部報道等ではロケット砲はテルアビブやイスラエルにも到達したとの情報もありますし、また、この程度の距離であれば、イスラエルに侵入したテロリストがこれらの都市で大規模な破壊活動に従事するかもしれない、という可能性には、当然に思い至ります。
外務省は便があるうちに出国を促すべき
正直、イスラエルから外国人が退避する場合、そのルートは限られます。もしも空港が封鎖されるような事態となれば、とくに小さいお子さんを抱えた家族などが国外に脱出するのは難しくなります。
もちろん、比較的治安が良いとされるヨルダンから陸路で脱出する、イスラエル北部のハイファ港からキプロスにフェリーで脱出する、といった方法もないわけではないのですが、やはり現実的にはテルアビブ空港から出国するのが自然です。
現実には、すでに一部の航空会社がテルアビブ便の運航を「当面の間停止する」(エールフランス)などの対応を講じているようです。
テルアビブ便欠航相次ぐ
―――2023年10月08日09時10分付 時事通信より
現地に駐在員を派遣している企業としても、やはり情報収集と従業員(やその家族)の安全の確保には誠心誠意努力していただきたいところですが、そもそも外務省が退避勧告などを出していないなかで、企業の従業員としても、動きが取り辛いのではないでしょうか。
外務省が邦人に退避を促すなら便があるうちでなければなりませんし、便がなくなってからだと遅いのです。
その意味で、外務省の職務怠慢は極めて厳しい批判に値するといえるのではないでしょうか。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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国務省のページを見てみましたが、渡航情報については変更はないものの、大使館からの警告は随時更新されていました。航空便に注意せよともあります。
ページの見た目から作りを推測すると、Embassyの欄の情報は大使館自身が更新できるようになっているようにも見えます。
https://travel.state.gov/content/travel/en/international-travel/International-Travel-Country-Information-Pages/IsraeltheWestBankandGaza.html
相当する外務省のページはこれでしょうか。本記事指摘の10/8の更新は出ていますね。
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_044.html
元から危険であったという意味では変わってないでしょうが・・・
昨日の報道ステーションみてたらハマス寄りの発言してたな。
要はハマスによる攻撃は正当化されるものではないが、ガザ地区の不満を考えてくれ。
いかにもテレ朝らしいな。
この件に関してはどちらの味方もすべきで無い。
ハマスの残虐行為は非難されて然るべきだが、イスラエルも攻撃されても文句言えない行為してるから。
テレ朝い限らず、日本のマスコミのあ多くがオカシクないですか。
「外交の問題は外交で解決すべきで、暴力に訴えるのは理由の如何を問わず許されない。」とか言ってなかった?
人質になった外国人の中に日本人が含まれていても(今のところそういう情報は無い様だが)、ハマスの場合はこの論調キープなのだろうか?
報道機関は、勧善懲悪をする所じゃないのだから、成る可くバランスのある情報を流して欲しいですね。そうしなければ、一般人は自分で判断出来ないですね。
今年の7月に、貧困に耐えかねて反ハマスのデモがガザ地区であったという情報がありました。こういう情報を知ると、一般民衆は現実の生活を何とかしてくれ、という気持ちが当然の事としてあるのだ、という事が分かります。
すると、今回のハマスの動きは、サウジとの接近を牽制というばかりではなく、ガザ地区の一般民衆の矛先を逸らす意味合いもあるのだろうとも推測出来ます。
そうすると、ハマスは、内と外からの圧力に晒されて、いよいよ限界を感じて、破れかぶれで行動を起こしたのかも?という見方も出て来ます。
ですから、歴史の経緯だけの解説では今回の動きは理解出来ないですね。
マスコミも、固定観念からの解説・報道はそろそろやめて、現実からの解説・報道にシフトするべき時ではないか?そこまでの洞察力・観察力があればですが。
ハマスは、中国・ロシアの支援を受けており、戦火は次第に大きくなる可能性がある。中国はアメリカがイスラエル支援をしているうちに、台湾進攻するのではないか。不景気の中国が習近平を排除しないと、暴発するのではないかと思われる。
あまり積極的に情報収集しておりませんが・・・知ったところを。
航空万能論さんから、今回のハマスの攻撃の規模などに関する記事です。
こちらは常に出典を明らかにしているので重宝しています。
ハマスの奇襲攻撃は非常に洗練された協調作戦、海からの襲撃にも成功か
https://grandfleet.info/middle-east-afria-related/hamass-surprise-attack-was-a-highly-sophisticated-and-coordinated-operation/
ハマスはロケット弾と地上の戦闘を同時に行い、イスラエルはかなりの損害を被ったようです。この記事では地上戦闘員が多くの人質を取った程度のことしか触れていませんが、入植地では民間人を惨殺まくったようです。殺された欧米人の画像などもツイッターには流れています。
イスラエルはガザ地区の完全制圧を含む激高した反応を示していますが(そりゃそうでしょう)、報復のやり過ぎによって外交的劣勢を招く可能性も指摘されています。
周辺のアラブ諸国の多くはハマスを名指し批判していないようで、この件を機にハマスが交渉相手としての地位を手に入れてしまう指摘を見かけました。
連ツイですので興味ある方はリンク先をご覧になるとよいかと思います。
Satoshi Ikeuchi 池内恵
https://x.com/chutoislam/status/1711106442478948636
湾岸産油国を含むアラブ側の反応を見る際に知っておいた方がいいのがアラファトが台頭するきっかけとなったカラメの戦い。ハマースの側がこれに類した神話を作って湾岸産油国も受け入れていくとイスラエルと西側にとって苦しくなるし、アラファトのようにやがて交渉相手としなければならなくなる。
ちなみに、パレスチナ自治政府とハマスのは別物です。混同を見かけましたので。
毎度、ばかばかしいお話を。
外務省:「イスラエルからの邦人退避を勧告して、もしそれが外れたら、誰が責任をとるのだ」
もしかしたら、邦人退避勧告を出す別組織が必要なのかもしれません。それが情報機関の別班(?)になるのか、(海外支店のある)日本企業の集まりになるのかは分かりませんが。
蛇足ですが、もし外務省が邦人避難勧告を出さなかったことが問題になったら、「外務省としては、勧告を出すつもりだったんだ」と言い出すでしょう。(外務大臣の首が飛ぶかな)
米国人の犠牲者が11人でたという。これでアメリカ介入の言質を与えたわけだ。アメリカは中東、台湾、尖閣諸島に兵力を分散させねばならぬしおこなわなければ米国のしんは下落する。なんだか世界大戦の様相を帯びてきた。くわばら、くわばら、、である。
どのような経過をたどっていくか、アメリカの出方を北朝鮮は見てるんじゃないかな。
イスラム研究者の飯山陽博士が随所でこの件について解説されてます。ハマスはテロ組織であり、この件は911と同じテロである。イスラエル政府は自衛権を持つ政府である。中東との利害関係(石油等の)では無く、この事件を日本と中国、北朝鮮に置き換えて考えるべき。そうすれば日本の取るべき姿勢は一つだ、と。それに、この件で日本がイスラエル寄りの声明を出しても、アラブ諸国が日本に石油を売らなくなる、なんて事は無い、と飯山博士は付け加えていました。
そこまで旗幟を鮮明に出来なくても、邦人の安全は確保して欲しいですね。アフガニスタンの邦人退避のような失態が二度と無いよう願ってます。
平たく言えば、テロ組織ですからね。
日本人も彼らに身柄を拘束されていたら、どうするのでしょうか。
日本だけが「話し合いあるのみ」として、救出作戦を指をくわえて見ているのでしょうか。
それとも、他国に「皆さんも憲法9条教の殉教者になってください。」とでもお願いするのでしょうか。
在イスラエル大使館や在ラマッラ領事事務所が攻撃された場合も含めて、国家としてとるべき対応を考えておくべきだと思います。
>外務省が邦人に退避を促すなら便があるうちでなければなりませんし、便がなくなってからだと遅いのです。
日本の会社が台風や大雪の時に電車が止まってから帰宅指示を出す事を考えると、外務省が便が止まってから退避勧告を出しても「それが日本です」って感じですね。
昨夜あたりからツイッターで流れ始めていましたが。
ハマスが目指しているのはジェノサイドなのでしょう。
戦争ではなく虐殺、イスラエル国防軍が民間人の虐殺現場を報道陣に公開
https://grandfleet.info/middle-east-afria-related/genocide-not-war-israeli-defense-forces-reveal-civilian-massacre-site-to-press/
この記事中での引用先記事からの引用
>兵士らは犠牲者の遺体を撤去する際に想像を絶する恐怖に遭遇するが、その中には約40人の乳児や幼児が含まれており、首を切り落とされた人もいる
イスラエルの不法な入植は許されないがテロも許されませんね。
イスラエルの過剰な報復に触れた記事です。頭の整理に。
篠田 英朗:欧米諸国は罠にはまったか
https://agora-web.jp/archives/231010210826.html
>ガザ地区全域で水・食料・電気・燃料等を止める住民封鎖をした。これは明白に戦争犯罪行為である。
>これから地上戦が開始されるというが、明白な戦争犯罪あるいは戦争犯罪の疑いが強い行為が助長されていかないか、大きな懸念がある。
>この様子は、ハマスの狙ったものだと言わざるを得ない。
>近年に積み上げてきたイスラエルの外交努力は水泡に帰し、中東での孤立が高まることは必至だ。
ハマスはイスラエルが反撃を始めた時点で「目的を達したので停戦してもいい」と言い始めてます。そうなんでしょう。
日本の態度表明については難しさを認めつつも、
>混迷する中東情勢に、明確な座標軸がないように感じられるだろう。しかし前に進むための手がかりは、自らが標榜しているはずの「国際社会の法の支配」にこそある。
この観点で考えるべきという意見に賛成です。