「野党は世襲制から脱却して政権交代を」という謎理論
「野党の政権奪還は、まず世襲制の脱却から」――。こんな謎な主張が出てきました。世襲議員に問題がある者がいることは間違いありませんが、少なくとも野党が政権を奪還できない理由は、世襲「制」とはあまり関係はないように思えてなりません。単純に、野党が提案する政策に魅力がないからではないでしょうか。
目次
世襲議員の数々
日本には、「世襲議員」――、すなわち親子、親戚などの血縁により議員を務めているというケースが見られます。
たとえば故・安倍晋三総理大臣自身、父親である安倍晋太郎、母方の祖父である岸信介らが政治家でしたし、実弟である岸信夫氏、甥の岸信千世氏らもまた政治家です。
また、麻生太郎総理大臣に関しても、母方の祖父・吉田茂を筆頭に、縁戚者に政治家は多く、岳父(奥さんの父親)鈴木善幸やその息子(つまり麻生総理の義弟)の鈴木俊一氏も政治家で、一説によると長男の将豊(まさひろ)氏も麻生総理の後継者となるべく、現在、準備をしているとのうわさもあります。
ただ、この世襲議員を巡っては、批判があることも事実でしょう。
これらの批判のなかには、「生まれた時から親の地盤や看板を引き継げるのはうらやましい」、といった妬みもありますし、さらには「二世」「三世」などが問題を起こしたり、批判されたりすることも、しばしばあるでしょう。その典型例が、田中眞紀子氏かもしれません。
田中眞紀子氏は田中角栄の長女というネーム・バリューもあってか、1993年に衆議院議員に初当選した翌年、94年に発足した村山富市内閣で科学技術庁長官として初入閣するなど、何かと話題を呼んだ人物ではあります。
その後は小泉純一郎政権発足の立役者のひとりとなり、小泉内閣で外相として入閣したものの、事務方との対立などの要因もあって外相を更迭されると、今度は紆余曲折もありながら民主党に移籍し、野田佳彦内閣下で文科相として入閣するなどしました。
ただ、大学設置基準を満たしたとして大学設置・学校法人審議会の認定を受けた3つの大学の開学を認めないなどと述べたことなどの混乱もあり、2012年12月16日の衆議院議員総選挙では現職閣僚でありながら落選してしまいました。
世襲議員の問題点とは?
この田中氏は民主党政権の事例ですが、ほかにも岸田文雄・現首相自身、長男を首相秘書官に任命したところ、週刊誌から「官邸情報がダダ漏れとなっている」と報じられたり、欧州の観光地などを公用車で巡っていた疑惑が持ち上がったりする始末。
最後は同じく週刊誌が報じた「官邸年末忘年会」などの記事が決定打となり、岸田首相は長男を秘書官から更迭せざるを得なくなりました(これにより岸田首相長男が政治家になれる可能性がどうなるかは気になるところです)。
このように考えていくと、世の中の人が考える「世襲政治家の最大の問題点」とは、次の2点に集約できるように思います。
政治家一族に生まれれば、親や縁戚が残してくれた地盤などを利用することができるため、「裸一貫」から選挙に出ている候補者と比べて最初から有利である(つまり「ズルい」)
二世政治家、三世政治家などのなかには、明らかに政治家適正がない者や、素行が良好でない者がおり、そのようなものが「世襲」という理由で議員になるべきではない
ダイヤモンド「来る総選挙で野党が政権に返り咲く2つの方法」
こうした2点を踏まえたうえで、本稿では、ウェブ評論サイト『ダイヤモンドオンライン』に掲載されたこんな記事を紹介してみます。
来たる解散総選挙で、野党が政権に返り咲くための「二つの方法」
―――2023.8.24 12:00付 ダイヤモンドオンラインより
「来たる解散総選挙で、野党が政権に返り咲くための2つの方法」。
リンク先記事は全部で8000文字と非常に長いのですが、結論的にいえば、「世襲制からの脱却」、「国会レッドカード制度」、「国民提案制度」の3つだそうです(ちくしょう3つだ!)。
なお、ちなみに「国会レッドカード制度」とは、「各党の本部に大きなボードをつくり、自民党議員への評価を野党各党が書き出す仕組み」のことですが、そんな仕組みを作らなくても、SNSなどで、各議員の行状が、一種の「デジタルタトゥー」のように残るようになっているのではないでしょうか。
これにより自民党議員でいえば、松川るい氏や今井絵理子氏、森まさこ氏といった議員などのようなケースもありますが、むしろこうしたデジタルタトゥが残っているのは、立憲民主党の小西洋之氏、あるいは「うな丼大臣」の更迭を求めた宮口治子氏など、野党議員の方が多いのではないか、などのツッコミは、あえてしないことにします。
世襲制の欠点や「なぜ世襲制が問題なのか」などの言及がない
ただ、8000文字を超える長文でありながら、肝心の「世襲制の弊害」について触れられている箇所はありませんし、「世襲制」をなくせば政治がどのように良くなるのかについての説明も欠落しています。
また、世襲「制」、などとおっしゃいますが、べつにこれは「制度」ではありません。
事実上の世襲議員であっても、日本ではちゃんと選挙というプロセスを経ないと議員になることはできません。極端な話、先ほど例に挙げた田中真紀子氏のように、「二世議員」などであって選挙で落選することだってありますので、基本的には世襲だからといって無制限に議員になれるわけではない、ということです。
また、世襲議員には先ほど挙げた「弊害」――とくに(田中真紀子氏のように)「適正のない者が議員になってしまう可能性がある」というリスクなど――もあるのですが、その反面、長所もあります。
たとえば、幼いころから政治家である身内を見て育つため、政治家としての心構えが自然に身に着くこと、また、国内外の政治家同士での人脈ができることなど――です。世襲には弊害もあるかもしれませんが、一概に否定すべきものではありません。
また、「世襲は日本の問題だ」、などとおっしゃる方もいるのですが、「政治家の身内が政治家になる」ことを「世襲」と呼ぶならば、ケネディ家やブッシュ家出身者などの例を挙げるまでもなく、「民主主義国の模範」であるはずの米国においても「世襲政治家」は多数います。
野党が政権取れないのには、「ほかの理由」があるのでは?
それどころか、記事の末尾は「野党よ、自民党を政権から叩き出せ」、などと提案されていますが、著者の方、なにか壮大な勘違いをされていないでしょうか?
「世襲制」からの脱却で、野党が政権を取れるかどうか、という問題ではありません。話はとても単純で、野党が政権を取れないのは、とくに最大野党である立憲民主党などが提案する内容が、国民から支持されていないからでしょう。
なぜ「野党が自民党を政権から叩き出せば日本が良くなる」のか、その具体的なところが、まったくと言ってよいほど説明がなされていないのです。
いずれにせよ、野党が世襲制から脱却すれば、それだけで政権交代が実現するという考え方自体、なんとも理解に苦しむところであることは間違いないでしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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「世襲」で議員になったわけではなく選挙で選ばれたからでしょう。
ある議員「国のため、国民のためとでも思わなきゃ、あんなかっこ悪い仕事やってられない」と言っていたと書かれていた。これたぶん本音でしょう。
私だったら親が議員でもぜったいやらない。「やなこった」
日本だけではなく、アメリカではケネディー一族、ブッシュ親子、インドのガンジー一族、フィリピンのマルコス親子、ペルーのフジモリ親子とかすぐに思い浮かぶね。
世襲制が問題というか、有権者の問題なのでは?と思います。
「野党は悪くない」という前提で、野党が政権を取れない理由をいろいろ考えてみました、みたいな発想ですね。
郵便ポストが赤いのもみんな自民党が悪いのだ、ですね。
コリャ駄目だ。
>(ちくしょう3つだ!)。
ꉂꉂ(ˊᗜˋ*)ʬʬ
国民提案制度創設は、政権とったあとのことだから、野党が政権を取るための提案は、2つで良いのかもですね♪
それはそうとして、「政局」視点のみの提案なのが、ある意味すごいのです♪
あたしは、できれば「政策」を競って欲しいと思うんだけど、そんなキレイ事じゃあ選挙に勝てないってことか、そもそも野党に政策なんかないってことなのかな?って思ったのです♪
それ
今川氏真も武田勝頼も豊臣秀頼も再評価されている時代に、制度ですらない世襲議員批判を頼みにするとはなぁ……そもそもこの時代並居る将星もほとんどが当然に世襲なのですが。今川義元や徳川家康などは、世襲故に幼少期に辛酸を嘗め、世襲故に高度な教育と高い意思を得て大成に至ったのでしょうに。
リンク先記事は駄長文すぎて1~7Pのうち2~6Pを読み飛ばしてしまいましたが、正解でした。というか最後のページだけでも後悔しました。三権分立て。
とりあえず一年やらせろ、大掃除って完全に悪夢の民主党政権交代のフレーズで、読み飛ばしたせいで当時の回顧記事かと思いました。当時TVでおそうじプロ女優としてもてはやされて今はすっかりヤベぇ感じになってしまわれた松居一代が、政見放送の鳩山の横でニコニコしていたのを覚えています。
安倍氏はとりあえず自民党に投票しておけば安心と教えてくれた
危地田氏は候補者一人一人をよく見て投票せよと教えてくれた
だんだんと情報化が進む中で世襲はむつかしくなるのでは
新聞が情報を仕切っていた時代ならコントロールできたかもしれませんが
情報発信を一般の人がするようになっているのによほど資質がないと難しいのではないかと思います
本当は維新のように弁護士なり自分でキチンと生きていく道を作って、給料を削って議員になりある程度の年齢になったら民間でまたお金を稼げる人が何年かだけ国のために頑張るといった感じになってゆくといいのですが
そんな流れにはならないですかね
政治家が世襲で問題ならば、小泉純一郎(元)総理や鳩山由紀夫(元)総理も問題なのですね。ということは、ダイヤモンドも「鳩山由紀夫(元)総理が問題だった」というまともな評価を下した訳ですね。
「野党が政権を取れないのは、世襲議員が問題なのでなく、鳩山由紀夫(元)総理が世襲議員であったことが問題なのだ」
まあ、野党は鳩山由紀夫(元)政権を総括すれば、ましになるかも。
よくもまぁこんなくだらない記事を掲載するなぁ、自らを以て自身の寿命を短命化しようとしているのだな、と感心しました。
私の選挙区は田舎町で、選出されるのはいつも世襲議員の河野太郎。
言わずとしれた悪名高い河野洋平の息子であり、河野洋平もまた、河野一郎の息子。
3代の世襲国会議員ですね。
河野一郎は地元小田原に東名高速道路が通らないことを不満に思い、小田厚を強引に作った人として地元では知られています。
しかし、今日日国会議員が地元に利益誘導などなかなか出来ず、地盤という価値も下がっているのではないでしょうか?
河野太郎を当選させることで地元に何か起こるというわけもなく、恩恵があったとしても限定的で、それを受けるのは極一部で、票数としてみたら大したことは無いのではないでしょうか。
そんなちょっとした下駄程度のことに目くじら立ててもしょうがないでしょう。
それより何より我が選挙区で、残念ながら圧倒的に一番マシなのが河野太郎という地獄をなんとかして頂きたい次第。
河野VS共産党とか河野VS社民党の事実上の一騎打ちのような選挙区では、河野が圧勝するに決まっているじゃないですか。
党としてまともな政策を打ち出し、まともな候補者を立てれば、国民は喜んで投票しますよ。
たとえば処理水の件について、汚染水ガーと喚き散らしてるような風評加害のクズ政党なんかには普通の人は投票しませんよ。
まともな政策を打ち出し、まともな候補者を立てているのに党勢が上がらないのであれば、そのときは世襲批判でもなんでもやればよろしい。
反論意見恐れ入りますが、お近くの選挙区で、TPP交渉で中心的役割を果したあの甘利議員が、野党やマスコミの執拗な妨害工作のあげく落選した事件もありました。比例で復活できましたが。。
クズ政党と侮っては足元をすくわれることもあるのです。
甘利氏はTPPのタフネゴシエーターとして一部では評価されていますが、有権者は交渉の現場を見てるわけではないので中々評価ポイントにはならなかったのでしょうね。
そもそもTPP自体も賛否ある話でしたし。
そして金銭疑惑のときに急な健康上の理由で引きこもったのは、悪い印象を持った方も多いことでしょう。
それに女系天皇容認などという狂った発言をしたことも大きなマイナスです。
これだけで右翼の人からは投票先から除外されるのではないでしょうか。
一方、甘利氏に勝った太氏のことは、ほとんど存じ上げてませんので、少し調べた限りでは、立民ではめずらしい何でも反対の人でなく、原発再稼働も憲法改正も賛成、アベノミクスも評価するような人のようです。
天皇についても、男系は絶対であるという考えの持ち主。
そして選挙区内で長年熱心に足を使って選挙活動を行ってきた人物のようです。
こう見比べると、どうも単純に金銭スキャンダルを利用した選挙妨害で負けたという話では無いように感じます。
現実的で、自民党支持層からも評価される若い政治家が出てきて、色々問題あった甘利氏の票を奪ったという構図に見えます。
つまり私の言う、まともな候補者が出てきたから喜んで投票したという話の実例になるのではないでしょうか?
実際自分の選挙区のことではないので、甘利氏については多少知っていますが、太氏は今調べた程度の知識しかないので本当のところはわかりませんが。
そういえば日本共産党に二世議員はいないなあ。
さすがに、親がやってる政治活動は、それはないよな、と思うのではないでしょうか。
今日オレの友人が横浜の青葉から小田原のオレのところにやって来た。オレが病気で寝たきりだから、いろいろ手を貸してくれるのだ。ありがたい。カネもかかるだろうに、いつも助けてくれる。なにも礼ができない。おれに仕事がなく収入がない人間だからだ。せめて夕食でもとかねを払おうとすると、娘にっていって過分なカネをおいてくれる。二世でも三世でもかまわない。仕事をすれば。身体が不自由になり自由が効かなくなると、行政の画一的な対応が嫌でも目につく。恵まれた地位に胡座をかくなら、困っている人間に手を貸してくれと言っているのだ。NHKなんて国民から強制的にカネを徴収することに疑問をもたないのか?っておもう。障害者割引があるっていたって半額するのだ。収入がない人間なのになのだ。おフランス旅行の面々だって、本当に実りがあるなら、レポートを書けるはずだ。繰り返すが二世、三世が問題なんじゃない。国民の為に働かないのが問題なのだ。最期に洋ちゃんありがとう。
この記事を書いた人は「木俣正剛」ですか。一体どういう主張の人なんだろう?
ググっても醜聞らしきものは見当たらなかったけど……
少なくとも元記事を読む限りは、説得力は感じませんね。
今の野党とメディアをかなり過大評価している様ですし。
>野党が自民党を政権から叩き出せば日本が良くなる
それをやったらどうなったかと言う事を、記事を書いた人は14年前の事はもう「無かった事」にしてるんでしょうね。
今の日本政治の問題は、政権担当能力がある自民党と、政権担当能力が無い野党とのある意味双方にとって居心地の良い出来レース体制でした。
ただ、中国の経済力、軍事力が急激に大きくなり、相対的にアメリカの力が弱くなってきた結果、日本にも自由主義体制を守るための相応の負担が避けられない状況になって来たため、これまでのようなその場凌ぎの弥縫的安全保障政策は成り立たなくなってきています。
また、安全保障は、軍事だけでなく経済や仲間づくりなど大変複雑な様相を呈しています。
日本の戦後の保守対左巻き政党という政治体制は、最早このような複雑化した課題に取り組んでいくには時代遅れではないでしょうか?
これからは、自民党に対抗して、安全保障や外交、経済政策や国内における様々な課題解決に向けて、まともな政策論議が出来るもう一つの保守政党が必須の状況になっていると思います。
岸田首相は、自民党も最早政権担当能力が乏しい事を白日の下に晒してくれた政治家です。
まずは年内に解散して頂いて、単独過半数割れで自民党を窮地に追い込んで頂けるものと期待しています。
世襲の最大の問題は,議員という最も公共性の高い職業に就くための競争が親族から資金・知名度・人脈を引き継げる世襲の議員志望者とそうでない志望者とでフェアでなくなり,その結果として,才能や能力では勝っている非世襲な志望者が議員になれず,より無能な世襲の志望者が議員になってしまうリスクが高いという点です.
国会や地方自治体議会での議員という職業は公共のものであって,所詮は私立に過ぎず自分が金を稼ぐことが存続に不可欠な株式会社の社長という職業とは決定的に違うのです.
ですから他の様々な所詮は私(わたくし)に過ぎない職業を息子や娘に継がせる職業の世襲のは珍しくないからと言って,議員も世襲は悪くないというのは間違いです.
議員の世襲は国家や社会に対して大きなマイナスを生じている危険性が高いのです.故安倍総理や麻生元総理が有能だったからと言って正当化できるものではないのです.彼らは例外的と言っても間違いではないと私は考えています.実際,小泉2世を始めとして無能な世襲議員の例は過去にも現在でも幾らでもあります.
親の知名度=「カンバン」はどうしようもありませんが,少なくとも選挙区=「ジバン」と政治資金=「カバン」の世襲は不可能なように法改正すべきです.
「ジバン」の非世襲化に関しては…確かイギリス下院が以前から採用していると思いますが…,要するに或る議員が止めた場合,一定の親等以下の血縁者は同じ都道府県の選挙区(あるいは同じ比例区)では立候補できない,というルールにすれば良いのです.
また「カバン」の非世襲化は,政治団体は1代限りとすれば良いのです.言い換えれば,現在の議員が死亡または引退したら,その時点で当該議員の政治団体が保有している政治資金は凍結され,残高は全て国庫に没収するルールにすれば良いのです.
とは言え,これらのルールも法律として通さねばならず,そのためには与野党ともに世襲議員がわんさかいる今の国会で可決されねばならないので,まあ机上の空論ですね.
こういうどうしようもない現実を目の前にすると,クーデター待望論という危険な考えがついつい頭をもたげようとしてくるのですよね.
議員の世襲の問題について、ブログ記事と全てのコメントの中で、(現在まで読んだ時点で)唯一かつ最もまともなコメントであると賛同します。
いま話題の安芸高田市長。市長に立候補した当時の状況がもし、当期で引退する市長に同年代の息子がいたとして地盤看板カバンを受け継ぎ、市長選で一騎打ちだったなら、結果は多くの例からだいたい想像できる。
そうであるなら、能力あるエリートサラリーマンが職を投げ打ってまで市長選に立候補しようとしただろうか。選挙戦において、世襲による有形無形のアドバンテージを廃して、公平なスタートラインから競争できることで、有権者は確実に幅広い選択肢を持つことになる。
新宿会計士さまご指摘のとおり
>>「世襲制から脱却して政権交代を」(笑)
は滑稽な謎理論ですなあ。
たしかに、「世襲制で無能」との
レッテル貼りがあてはまるかもの
議員も与野党問わずいるのも確かです。
でも、だからといって・・・
じゃあ「政権交代」?とは、
特定野党のありようが見透かされているというのに
そんな論理にならないチープなトリックには
引っかかりませんわ。(^^);
平和で知られる江戸時代にも
今の特定野党支持率と同じぐらいの割合の人数の
山賊追い剥ぎさんが都市の近くの荒れ山には
棲んでいたとの研究を目にしたことがあります。
庶民が大多数の江戸の町の人達は
世襲の今の「江戸町奉行さん」が不人気でも
だからといって、山賊追い剥ぎ集団が
「オレサマたちに代われ!」といっても
鼻で笑い飛ばすシーンが目に浮かびます。
まあ、江戸時代だと荒れ山の棲家でなく
市中でそんな風説流してしまっては
さっそく盗賊火付け改め方がとんでくるでしょうし
今のロシアや北ではすぐに消されることでしょう。
それに引き換え今の富に言論に寛容な
民主主義国家の日本では
荒れ山ではないかわりに
他国の捏造加担までして
日本の道を左に西に踏み外した
どぶサヨ立ち位置のお方さんたちが、
好き勝手市中で触れ回れるのを
もしタイムマシンで見る機会があれば
江戸時代の山賊追い剥ぎさんたちは
さぞやうらやましがることでしょう。
世襲を理由に被選挙権を制限するとか出自による差別でしょう。憲法の精神に反します。
一例「地元で育ってないボンボンには地元のことなどわからない」とありますが、そういう世襲議員もいるでしょうが、そうでない人もいる。以上終わり。
親の遺産の下駄がイカンというなら、議員だけじゃなくあらゆる金持ちの子供も出馬禁止にしないと合わない。
被選挙権を制限する公正な基準など設けられない。
「選挙のプロセスで見極めてるから」に対して「有権者が騙されているから」と言いそうな記事でしたが、それは世襲でも非世襲でも問題は同じです。
議員がおいしいと思う人にとっては親の下駄がうらやましいかもしれないが、それは一部の人の価値観でしかないでしょう。
だいたい、議員の職はご褒美などではなく奉仕者ですからね。
木俣正剛:元週刊文春・月刊文芸春秋編集長 ですか。
「いい思いしやがって」の嫉妬心に火を付けて売上げ伸ばす週刊誌には向いているかもですね。この人が二世政治家になっちゃダメなのは間違いなさそうです。議員を目指さなかった人生の選択はよかったと思います。
世襲の問題点は、選挙区の私物化にあると思います。
選挙区がまるで私有財産のようになってしまっていて、政治家の息子、娘が親から選挙区を贈与若しくは相続するという形に、多くの選挙民も疑問を持たない状態が出来上がってしまっています。
少なくとも、親と同じ選挙区からは立候補出来ない制度を作る必要があると思います。
世襲、非世襲という属性が、議員の有能、無能、つまり国家、国民の為に役立つ存在かとの判断に関係するのかどうか。
確かに世襲という属性のみをもって判断するのは酷でしょうし、確かに、憲法上の問題もありますね。
しかし、単に対米追従に国家政策を委ねるという時代は遥か昔に過ぎ去り、無法国家中共の台頭やロシア・ウクライナ戦争勃発により日本を取り巻く国際環境は激変。更に、果たして米国が本当に極東有事に際して、それを自らの国難と同視しての対応(即ち、本国自体が攻撃を受けるリスクをおかすレベルでの)軍事対応をするかどうかは甚だ疑問というか、かような事はせずに、所詮はお茶を濁す程度をちょっとましにしたような対応に堕する事も十分あり得る、との前提に立って日本は対処策を策定していく事が必要。
岸田、河野、林、石破、小泉等々の世襲議員の面々の実績や志操の程度をみれば、日本を託すには無能、或いは有害と言わざるを得ないのでは。安倍さんは極めて稀な例外でした。自民党は当選回数を基礎として議員登用を続けてきています。且つ、議員で飯を食うとの意識がアプリオリに植え付けられて育ってきた二世議員に任せる程、最早日本に残された時間は少ないと思います。国民の一層の覚醒が必要です。
指摘してるような問題は世襲というより議員が一族や個人に固定化されているという点だと思うが
それならいっそ連続当選や任期合計年数に制限を設け、制限に達したら一定期間立候補禁止にでもした方が効果ありそうなものだけれど
自分達の身にも被害?が降りかかりそうな提案はしないあたり、外から見てると同じ穴のムジナよね
2009年の民主党政権を誕生させた選挙を思い出しますね。
その頃から世襲の弊害は声高に言われていたんですが、浅慮な有権者は「能力のない人間が親の地盤やコネを継いだだけで当選できるなら、だれが議員になったって今より悪くならないだろ」と
自民党の世襲議員を軒並み落選させて政権交代を成し遂げました。
その3年後、当選した民主党の議員(小沢チルドレン)は世襲議員より能力が低かったと判断され2012年の選挙で議席を失いました。
議員の世襲は悪い慣習だというなら、その代わりに議席を与える候補者が世襲議員より有能であることを事前に証明して頂かないと何度やっても同じことですね。
世襲が悪というよりは「地盤、看板、カバン」をそのまま引き継ぐ。事でしょう。
とくにカバンはお金ですね。相続税も払わず後援会など組織毎引き継ぎます。
新たに選挙を始める方から見たら「不平等」極まります。
せめて選挙区を変えるか? カバンの中身に相続税を掛けるか。
ぬるま湯で育てばぼんぼんしか育ちません。
地盤看板鞄の引き継ぎとか世襲議員の弊害とそれへの批判はわかるんですが、それを法律で制限するとなると話は簡単ではないです。
地盤の引き継ぎとか世襲とか、すべて比喩表現です。世襲の定義からして難しいはずです。比喩表現の机上の空論を具体化した瞬間に、意味合いが変わることはよくあります。
事実としてそこで起こっているのは、自由意思の個人が集まった後援会組織が、引退議員の子息を次の支援対象にすると決定することでしょう。あるいは有権者が自由意思で立候補した子息に投票しただけのことです。
王侯貴族が地位を世襲するプロセスもないし、親の財産を相続するプロセスもない。自由な民主主義の制度の範囲内のことしか起こっていない。
「世襲の制限」とは、後援会組織が議員の子息を支援することを制限するのか、あるいは議員の子息は立候補する権利を制限するのか。
定性的な世襲の問題提起はよく見かけますが、定量的な分析は見たことがありません。例えば、世襲議員による弊害は何か(多分そこから難しい)。その弊害が世襲議員の何割に発生しているのか。一方で非世襲議員による同様の弊害はどの程度起こっているのか。これで統計的に有意な差があれば世襲制限も合理性が出てくると思いますが、そんなのは見たことがない。
世襲の弊害は理屈としてある一方、ノブレスオブリージュの期待など効用もあるしその実例があるのも確かで、量的な評価がなければ「甲乙つけがたいね」で終わってしまう話だと思います。
(二世経営者のがそうではない経営者より経営成績がよい傾向があることを確かめた研究があったと聞いていたので、探してましたが見つからなかった。)
そんな根拠もないのに民主主義の根幹に関わる選挙権や被選挙権を制限する法令なんか作ったら、日本の民主主義の汚点になると思いますよ。
そもそも、選挙民の自由意思の結果がいまの議席に反映されているのに、その結果が正しくないと考えるってのは、選挙民をバカにしていることになりませんかね?
立憲共産とか新興政党の界隈では「大衆はバカだ」的な主張をよく見かけますが。
最低限、引退する議員の後援会・資金保有団体の保有する資金は相続・譲渡、他への流用を禁止して、国庫に没収することにしたらよい。
だからその私権を制限する根拠は何か、と言う話です。
公正な基準。
法治国家なんでね。
政治資金の管理が許される資金管理団体の依って立つ根拠法は,私企業や一般社団法人のような会社法等の類ではなく,政治資金規正法ですよ.
また,税金に関する扱いも,政治資金は通常の営利活動や資産運用によって得られる所得とは全く異なります.
要するに政治家が資金管理団体によって管理している政治資金は,政治活動という極めて公的な活動の為の資金だと社会で理解されているからこそ税金など様々な面で極めて有利な扱いを受けることが認められているのであって,政治家が経済活動によって築き上げた私有財産のような政治家の私権が及ぶ範囲ではありません.
つまり資金管理団体とそれが管理している政治資金は,政治資金規正法を改正すればどうとでも変更可能なのです.
また親や親族が議員だからと言って,その子供が議員になれない(被選挙権の剥奪)は,御指摘の通り,憲法が定める職業選択の自由に反しますが,公職選挙法の改正によって立候補できる選挙区を,例えば議員だった親・親族と同一の選挙区とかは同一の都道府県では立候補不可として部分的に制限しても職業選択の自由に反しません.
別の選挙区なり都道府県なり立候補して当選すれば議員になれるのですからね.
自民党であろうが立民党であろうが,現状のルールでは,二世のような世襲候補は世襲でない候補に比べて,最初から膨大な政治資金と票田とを引き継いでスタートできるという意味で,フェアな競争にはなっていないのです.
現在の公職選挙法と選挙資金規正法の欠陥のために,世襲候補は世襲でない候補よりもずっと無能であっても当選してしまえる構造が存在しており,逆に言えば,より優れた才能のある(が世襲ではない)人材が議員として政界に入り活動し日本社会に貢献することを阻害する原因になっているのです.
世襲議員にも故安倍総理のような優れた政治家が存在するのは事実ですが,同時にそれよりも桁違いに多い無能者が世襲のお蔭で議員となって日本社会衰退の一因となり続けているのも事実です.
世襲候補でも素晴らしい志や政策を持ち実行力もある本当に優れている者は,現在のようなハンディキャップが与えられていなくとも,非世襲候補とイーブンなスタート点からフェアに競争して勝ち抜ける筈ですよ.
迷王星さんへ
ネストが深いのでここに入れます。
政治資金規正法の改正であっても「世襲制限」を目的に実質被選挙権の制限をするなら、スジ悪さは同じです。
迷王星さんが後段でおっしゃっている「法の欠陥」によって起こる弊害は、「無能が当選する」「有能な非世襲者の機会を奪われる」です。
そんな事例があるだろうことに同意しますが、目に付く数例があったとしても、「世襲議員」全体でどの程度起こっているか正規化して定量測定して、因果関係(メカニズム)を特定することは難しいでしょう。「かもしれない」の範囲を超えません。
(例えば、世の中から議員の息子が選挙にでるからといって出馬を止めた事例をどうやって調べます?現実に当選していない人が有能であるかどうかは、当選してみないとわかりませんよね。)
私がその主張に客観性がなく個人的な主観の範囲を越えないと思う理由です。法で私権を制限する理由としては弱いかと思います。
個人的には統計的な有意差は出ないんじゃないの、と思っています。この「勘」は法規制を訴える方々のそれと違うかも知れません。
最終的には息子がバカだとわかれば有権者は選挙で意思表示できます。そのレイヤーで牽制がはたらくしくみがあるわけです。
あまり引用しながらの返信は好きではないですが、以下は論点が散逸させないために敢えて付記します。
>つまり資金管理団体とそれが管理している政治資金は,政治資金規正法を改正すればどうとでも変更可能なのです.
ここで私権とまとめてしまうと混乱します。財産権の制限に当たらないからといって、被選挙権の制限をしていいとはなりません。
>別の選挙区なり都道府県なり立候補して当選すれば議員になれるのですからね.
選挙区の制限も被選挙権の制限です。根拠無しに制限していいわけではないです。
>最初から膨大な政治資金と票田とを引き継いでスタートできるという意味で,フェアな競争にはなっていないのです.
「資金と票田を引き継ぐ」が比喩表現です。比喩表現での議論は空中戦となり、意味ある結論は出ません。
そこには現実には自由意思の個人が集まった団体(後援会等)が支援候補を子息に決めるというプロセスしかありません。支援者の政治活動の自由の制限です。
政治資金は私有財産ではありませんよ.
特定の政治家に対して党から政治活動の費用として支給されたもの(その一部は政党助成金であり元は税金)やその人の政治活動の応援に対して寄付されたものであって,例えば相続の対象となるような私有財産でなく,私権の及ぶ範囲ではありません.
そういう公的な性格の強い資金をまるで私有財産の如く自由に継承できる(しかも私有財産の継承=相続・贈与とは異なり,政治資金は継承時に全く課税されず)という考えは論理的に完全に間違っています.
>選挙区の制限も被選挙権の制限です。根拠無しに制限していいわけではないです。
その程度の制限は,選挙という競争での公平性の担保とそれによるより有能な人間が当選して(無能な方が当選するよりも)社会に貢献する,という社会的により重要な利益があるので,十分に正当化できます.議員になることを禁止している訳ではありませんからね.
公平な競争とそれによる社会全体のためであろうと私権を全く制限してはならない,ということになれば,例えば独占禁止法なんて論外ですよ.
あるいは,大企業の少なからずは,一定レベル以上の社員(勿論,会社法の意味でのでなく一般用語としての「社員」です)や取締役・執行役の子弟は入社させないという制限(内規)を設けているケースがあります.
こういう大企業の内規も貴方の主張が正しいならば立派に違法行為ですが,その手の内規が「職業選択の自由に反し違憲だ」と社会的に問題になったことはありませんよ.
独禁法や大企業における採用上の制限が健全な社会の維持の為に必要なものとして社会的に認められ存在しているという事実は,社会全体にとってより大きな利益が見込める場合には個人や法人の行動の自由に対して一定の制限を科すことは合理的だと認められているということです.
貴方の主張のように個人の自由に対してあらゆる制限が不当だという考えは,この社会の現実に反しています.
また政治資金規正法を根拠とする政治資金を根拠法が全く異なる私有財産(この根拠は財産権であり根拠法は日本国憲法であり詳細は民法ということになる)と同様に論じて継承の自由を主張する(それも私有財産の継承とは異なり非課税で!)のは論理的に破綻しており,全く話になりません.
>公的な性格の強い資金をまるで私有財産の如く自由に継承できるという考えは論理的に完全に間違っています.
そんなことは言っていません。よく読んでください。財産権の制限をすべきだとどこに書いていますか?
端的に申し上げておきます。
私権の制限を絶対認めないなどとは言っておらず、制限するには根拠が必用だが、迷王星さんのおっしゃる根拠では不十分だろう、と言っているにすぎません。
もう一度言います。冷静によく読んでください。
ああ違った。(笑)
>財産権の制限をすべきだとどこに書いていますか?
私有財産の相続や既得権の継承などという要素は現実にはない、例え話(比喩表現)だと言っています。
例え話で議論をしても意味ある結論は出ません。
まあどっちみち、私が言ってもいないことを言ったとおっしゃっていますので、そこはよく読んでくださいとしか言えません。
迷王星さんへ
私は「あらゆる制限が不当」などとは一言も言っていないのに、それを言ったと曲解し断じて全否定しています。甚だ遺憾です。が、これはおいといて。これに基づいた独禁法以下の論点も触れません。
その中にも接点を見いだす意味ではよい論点提示ががあったと思いましたので取り上げます。
以下、長いので引用()内は省略します。
>そういう公的な性格の強い資金をまるで私有財産の如く自由に継承できるという考えは論理的に完全に間違っています.
迷王星さんの主張は、地盤看板鞄は「私有財産の如く自由に継承できる」ことが間違っており、規制すべきだ、と理解しました。違っていたらすみません。
地盤看板鞄が私有財産ではない、は事実でしょう。私の主張とも近いです。
地盤看板鞄を私有財産の如く自由に継承できる、は事実か? 違いますね。迷王星さんの解釈です。他の解釈もあり得ます。(比喩表現から一歩進みましたが)
ご自分で「私有財産ではありませんよ」と言ってます。私有財産でもないのに継承や相続などできません。
事実は何か。自由意思の個人で構成された後援会が、次の支援候補に議員子息を指名することです。これは財産の相続(他は省略します)ではないですね。
とすると、後援会が自由意思で次の支援候補を指名することを制限するべきか、が次の論点となります。(私は財産権の相続制限を問題にしていません。よく読んでください。)
「地盤看板鞄を私有財産の如く自由に継承できることは真か偽か」の議論はあり得るでしょうが興味はありません。それを示す根拠があるとすれば興味はあります。
つまり、「私有財産の如く自由に継承できる」から法規制しようと言っても、解釈の分かれる話なので簡単ではないだろうと思います。
迷王星さんはそうではないと思いますが、世の世襲議員批判者の中にはこれを「レッテリ貼り」に使って二世議員に言いがかりをつけて批判する者もいます。モリカケサクラの心証攻撃と同じ手口です。
下の新たなコメントにもあるとおり、議員の子息が議員になることを是とする意見もあり、功罪二面性があるということでしょう。議員の子息が議員になることの弊害を定量的に示したような、誰でも納得できる研究結果などの根拠でもない限り、この議論に結論は出ないでしょう。
根拠無しでも法制化しようとすればできてしまう現実もあるので、このまま法制化してしまえば日本の民主主義に禍根を残すことになると思います。
ついでに言うと、定量化する根拠などを出すのはムリじゃないかと思いますので、筋のいい法制化は無理だろうとも予想します。
事実と見解を区別しましょう、というのはこちらのブログのメインメッセージの一つですので、それに基づいて返信してみました。
儒教の観念を一概に否定すべきでないを入れようかと思いましたが、論点が発散するのでやめます。
世襲の問題は、職業選択の自由と法の下の平等の2つの問題かと思います。明らかな不平等なのかただのやっかみなのか、そこの冷静な見極めも必要かと思います。
私的には世襲は結果であり、民意という免罪符もあり、おかしいとは思いません。地方は議会も首長も世襲だらけで、選挙無しの無投票当選もザラです。政治家のなり手がいないのが現実で、親が子に継がせたいのではなく、むしろ子が政治家を志向し、そういう意思を持って幼少期を過ごしているのでは無いかと思います。首長のインタビュー記事で、そういう趣旨のものを良くみます。
翔太郎くんや信千代くん、進次郎くんなど国会議員を例に見ると、世間知らずのお坊ちゃんお嬢ちゃんに見え、それはそれで批判されてもしょうがないので、そこは皆さんがおっしゃるよう制限は必要かと思います。引退時、お金は党に返却、次の候補は公募で公開審査で決める、くらいは最低限必要かと思います。
私はむしろ政治家は世襲が最も良いのではないかと思ってます。
まず、優秀な人は政治家になろうと思わないと思います。
なぜならば、選挙に落ちればただの人、4年(6年)に1回無職になるかもしれない職業など、誰が好き好んでなりたいと思いますか。家族がいて、養う人がいれば尚の事、政治家なんか絶対無理だと思います。
その点、若いうちから父母の傍で政治を学び、選挙に落ちても秘書として喰いっぱぐれない世襲は、とても理に適った方法だと思います。
優秀な人に政治家になってもらうためには、まず、政治家の給与を3倍くらいにしてもいいと思います。その代わり議員数を半分以下にすればよいと思います。
人材がいなければ、いい国づくりもできないでしょう。
いい国作りの為には、優秀な人が集まる環境を作ることが大事だと思います。
そのためには(苦肉の策として)世襲は悪くないと思います。