国民の敵は、まずは特定野党から崩壊するのか――。日本維新の会の馬場伸幸代表が自党を「第二自民党で良い」と発言し、あわせて立憲民主党や日本共産党を舌鋒鋭く批判した件で、野党間で「抗争」が勃発したようです。産経によると立民の泉健太代表は馬場氏の発言を「どの政党があっていいとか悪いとかを普通の党の幹部は言わない」としたうえで、「危険な党代表をトップに据えている」と批判したそうですが、維新はどこ吹く風。これを「腐敗トライアングルの崩壊」という視点から眺めると、興味深いかもしれません。
目次
腐敗トライアングルと「国民の敵」
以前の『【総論】崩壊始まる官僚・メディア・野党「腐敗利権」』は、個人的には「力作」(?)だと考えています。「腐敗トライアングル」というキーワードを用いて、なぜ日本社会において、財務官僚やオールドメディア、特定野党などの勢力が権力をもってはならないのか、自分なりにわかりやすく解説できたと考えているからです。
社会のネット化が進展して、一番困る人たちは新聞・テレビを中心とするオールドメディア産業関係者であることは間違いありませんが、それだけではありません。官僚・役人や野党議員なども、かなりの割を食うことが予想されます。いったいどういうロジックでしょうか。ここで考えておきたいのが「腐敗トライアングル」という重要な論点です。腐敗トライアングル昨日の『騙せなくなる日本:「自称徴用工」年内妥結は困難に?』では、自称元徴用工問題に見せかけて、当ウェブサイトなりのちょっとした「問題意識」を展開しました。それが... 【総論】崩壊始まる官僚・メディア・野党「腐敗利権」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
ここで重要な前提条件があるとしたら、「日本は自由・民主主義国である」、という事実です。
そして、自由・民主主義社会では、本来、政治的な権力、社会的な影響力を持つのは、選挙か自由経済競争のいずれかの手続を経た者であるべきです。
ところが、何らかの間違いにより、自由主義、民主主義の手続を経ずに、不当に大きな政治的権力、社会的影響力を握ってしまっている組織・勢力が存在します。そして、そのような勢力のなかには、国益に背くような行動をする者もいます。
そのような組織や勢力のことを、当ウェブサイトでは「国民の敵」と定義しているのです。
国民の敵とは?
自由主義経済競争や民主的な選挙などの手続によらずに、不当に大きな政治権力・社会的影響力を握り、国益を破壊する勢力。
官僚とメディア
自民党が権力を持つ分には問題ない
その典型例が、「官僚、マスコミ、野党議員」です。
こんなことを申し上げると、「自民党だって、大きな権力を持っているじゃないか」、「自民党が国益に背く行動をすることもあるじゃないか」、などとする反論を受けることもあるのですが、こうした考えは正しくありません。なぜなら、自民党は2012年12月の衆院選以降、大型国政選挙では一貫して勝利を収め続けているからです。
つまり、自民党は選挙で勝ってきた政党ですので、その自民党が政治権力を持つのは、まったく問題がない話です。もしも自民党がその政治権力を正しく行使していないと日本国民が判断すれば、日本国民は次回選挙で自民党を敗北させれば良い話だからです。。
ところが、「選挙で選ばれていない人たち」が政治的権力を持っている状況は、大変にまずいです。なぜならば、「選挙で選ばれていない人たち」が誤った行動を取った場合、選挙などの民主的な手続を通じてそれを是正する手段が、日本国民には与えられていないからです。
財務官僚という腐敗利権
その典型例が、官僚です。日本の場合、官僚という「選挙で選ばれたわけでもない人たち」が、実質的な政治権力を持ってしまっているからです。とくに酷いのは財務官僚で、彼らは「カネの力」を通じて、結果的に並の国会議員を上回る政治権力を握っています。
たとえば、財務官僚は国庫の「入口」(国税庁)と「出口」(主計局)を同時に支配しているため、結果的に、国のサイフを支配しています。このため、「カネの力」(たとえば予算)を使って、自分たちのいうことを聞かせることができます。
また、国税調査権を持っているため、言うことを聞かない政治家を国税調査などで脅すこともできますし、民主党政権初期には時の首相の「故人献金疑惑」などの所得税法違反についてもわざと起訴せず、結果的に首相自体を支配してしまう、といったこともやってきました。
(※ちなみに著者自身の持論ですが、実際のところ、2009年に発足し2012年に崩壊した民主党政権も、その本質は「財務省政権」であるといえるでしょう。「事業仕分け」でさまざまな予算を停止したのも、結局は財務省の差し金だったのではないでしょうか。)
いずれにせよ、財務省や財務官僚は、「正当に選挙されたわけでもないくせに不当に大きな政治権力を握り、国益に背く行動を行っている」という意味において、国民の敵と呼ばざるを得ないのです。
NHKの腐敗も深刻
また、同様の議論は、民間企業などについても成り立ちます。
たとえばトヨタ自動車や任天堂といった大企業は日本社会に大きな影響力を持っていますし、トヨタ自動車や任天堂の役員には巨額の報酬が支払われていますが、これはまったく問題がない話です。
なぜなら、トヨタ自動車や任天堂の場合は完全に自由経済競争で儲けて来たからであり、そうした儲けをトヨタ自動車がどう使おうが、同社の自由です。
また、トヨタ車に不満があるのならば、私たち国民としてはトヨタ車を買わず、ホンダ車や日産車を買えば良いだけの話ですし、任天堂の製品に不満があるなら、私たち国民としては任天堂製品ではなく、ソニーの製品なり、スマートフォンアプリなりで遊べば良いだけの話でしょう。
しかし、同じく日本社会に大きな影響力を持ち、職員や役員に巨額の報酬を支払っている組織があるとすれば、それはNHKでしょう。
NHKの場合、毎年の受信料収入は7000億円前後に達し、職員に対しては1人あたり単純計算で1550万円を超える人件費が計上され、これ以外にも社宅などの「隠れ人件費」の存在も一部メディアでは報じられているほどです。
そのNHKがなぜ、ここまで大儲けし、職員に対してもそこまで巨額の厚遇ができるのかといえば、NHKが作る番組などのコンテンツが斬新で興味深いから、ではありません。「法律で守られているから」です。
私たち日本国民は、もしもテレビなどを設置してしまうと、放送法に基づいてNHKと契約を結ぶ義務が生じます。下手に契約を結んでしまえば、その契約に基づいて、あなたはNHKに受信料という名目の大枚を上納しなければならなくなります。
なぜ政治家はNHKに抵抗しないのか
そのNHK、わが国にとって有益な番組を流しているのだとしたら、まだ救いがありますが、そうではありません。
『違法行為に手を染めるNHKを冷ややかに見る一般国民』でも取り上げたとおり、NHKは違法行為をまるで正当化するかのようなドラマを作成し、放送するなど、大変に問題がある組織です。
NHK問題の本質は、「不視聴運動を行ったとしても、NHKを倒産させることができない」という点に尽きます。NHK自身、放送法で受信料収入を事実上、保障されているからです。こうしたなか、例の「不法滞在を美談にする」というドラマの放送が行われたそうです。こうしたドラマを放送すること自体、違法性の疑いが極めて濃厚です。しかし、それと同時に、明らかに問題がある番組が放送されようとしていても、国民がその差し止めを求めることすらできないということ自体も、極めて大きな問題です。経済学で見た日本経済学の大原則... 違法行為に手を染めるNHKを冷ややかに見る一般国民 - 新宿会計士の政治経済評論 |
こうした観点からは、まさにNHKは「国民の敵」の要件を満たしているのです。
ではなぜ、そんなNHKに対し、政治家は介入しようとしないのでしょうか?
国民の多くが納得していないであろうNHK受信料問題に、政治家らはなぜ取り組もうとしないのでしょうか?
考えられる理由はさまざまですが、そのなかでも最も可能性が高いのは、「NHK自体がマスメディアの一角を占めているから」、というものです。
要するに、ある候補者がNHK改革を公然と提唱しようものなら、NHKとしては「報道の自由」ないし「報道しない自由」の力を悪用し、そのような候補者を当選させないようにすることもできます。
あるいは、NHK自身がそのような力を持っていると政治家に思い込ませることに成功すれば、政治家にとっても「NHKはアンタッチャブルゾーン」となります(じつは、それがNHKにとっての狙いなのかもしれませんが…)。
いずれにせよ、ここに挙げた財務省/財務官僚、NHKなどは、「国民の敵」のごく一例に過ぎず、現代の日本には、自由経済競争や民主主義の手続から逸脱した組織が多数存在するのだ、という点については覚えておいて良い論点のひとつでしょう。
野党利権が崩壊する?
野党議員の何が問題なのか
さて、例の「腐敗トライアングル」の記事でも指摘したとおり、民主主義の手続、自由経済競争などから逸脱して、不当に大きな政治権力、社会的影響力を持つ組織・勢力とは、官僚、マスコミ、特定野党です。
先ほど、官僚やマスコミについては具体例を挙げましたが、これに対し、やはり「なぜ特定野党が国民の敵なのか」、といった疑問を持つ方はいるでしょう。「野党が政治権力・社会的影響力を持っている」といわれても、ちょっとピンと来ない、という人も多いからです。
たしかに野党議員は「野党」の名の通り、政府閣僚などに就任する可能性は低く、したがって、政治的な権力も限定的です。また、野党議員といえども有権者から信任を得ているため、「民主主義の手続から逸脱している」、は、少し言い過ぎではないか、といった批判もあるかもしれません。
しかし、これについては考え方の問題でもあります。
まず、彼ら野党議員が民主的な手続の洗礼を受けていることは間違いないのですが、それと同時に「野党である」というのは、有権者の多数からの信認を得ることができなかった、という意味でもあります。
そのうえ、当ウェブサイトではこれまで何度となく指摘してきたとおり、日本の憲政上、最大野党には非常に大きな「権力」がいくつか与えられます。
そのひとつが、国会における質問時間の配分でしょう。国会では、与党よりも野党の方に、より多くの質問時間が配分されます。時期などによっても異なりますが、最近だと与野党の時間配分は「3対7」とされているようであり、その「7」の部分に関しては最大野党が采配します。
したがって、ほかの野党にとっては、最大野党(現在は立憲民主党)の機嫌を損ねたら、国会での質問時間の配分で嫌がらせを受けることだってあり得ます(実際、立憲民主党は日本維新の会に質問時間を配分しない、といった嫌がらせをした実績があるようです)。
野党に厚く、与党は少なめ 国会質問時間、割り当てのしきたり【政界Web】
―――2022年06月03日付 時事通信より
利権には必ず終わりが来る
いずれにせよ、この「官僚、マスコミ、特定野党」という3つの存在は、相互に密接に関連しています。
官僚が記者クラブなどを通じてマスコミ記者を「飼い」、マスコミ記者は与党を攻撃し、特定野党をやたらと支援する記事を配信し、野党は政府・与党の足を引っ張ることで官僚機構を間接的に支援する――。
しかも、国民が官僚機構に不満があったとしても、自民党を大敗させようものなら、官僚機構がまた勢力を伸ばす、といった事態が生じかねません。
ただ、利権には必ず終わりが訪れます。
当ウェブサイトでこれまで何度となく指摘してきたとおり、利権には3つの法則があります。
- 利権の第1法則…利権とは、得てして理不尽なものである。
- 利権の第2法則…利権とは、外から壊すのが難しいものである。
- 利権の第3法則…利権は保有者の怠惰や強欲で自壊する。
これは、このよのありとあらゆる利権には必ず成り立つ法則です。
たとえば、NHKに関していえば、少なくともこの3つのうち2つの法則は当てはまっているでしょう。これだけ多くの人々が「おかしいじゃないか」、「理不尽じゃないか」と感じているにも関わらず、その仕組みを変えるのが、本当に難しいからです。
また、財務省の場合も、消費税等の増税がおかしいじゃないか、などと思っている人は多いわけですし、増税が経済理論・会計学的に見て間違っているとあれだけたくさんの経済評論家・金融評論家が指摘しているにも関わらず、それでも財務省の権力は異常に強いのです。
ただ、「官僚→マスコミ→特定野党」という腐敗利権トライアングルに関しては、どこか1箇所が沈めば、残りも引きずられるように沈むはずです。
まずはマスコミから沈むのか?それとも野党?
この点、新聞、テレビの苦境は、腐敗利権トライアングルの真ん中にあるマスコミが、ほかの2つ(官僚、特定野党)を引きずり下ろしながら沈没する、ということを意味します。個人的には、この「マスコミが最初に沈む」というシナリオを考えていたのですが、どうも違うシナリオも出てきました。
特定野党が沈没し始める、というシナリオです。
とくに昨日の『もりかけ追及がもたらした、メディア・特定野党の自滅』などでも触れたとおり、特定野党はマスコミと一体となって、「もりかけ・さくら」などのスキャンダル追及に明け暮れたという実績があります。
「もりかけ問題」が日本に残したのは、オールドメディアと特定野党の「自滅」、という結果だったのかもしれません。そもそも「もりかけ問題」自体、確たる証拠もなく、それどころか国政の重要な課題をそっちのけにして、特定野党やオールドメディアがスキャンダル追及に邁進したという事件です。現在生じているのは、「社会の分断」というよりも、単純に無理筋なネタで政権追及してきたオールドメディアと特定野党が、読者、視聴者、有権者から「そっぽを向かれただけ」なのかもしれません。もりかけ問題とは?「もりかけ問題」とは、... もりかけ追及がもたらした、メディア・特定野党の自滅 - 新宿会計士の政治経済評論 |
じつは、特定野党がスキャンダル追及に特化すると、そのことは自民党を守する、という側面がありますのが、それは、野党のレベルがあまりにも低ければ、与党である自民党も緊張が抜け、弛緩し、堕落してしまうからです。
財務省や韓国などに配慮する、現在の岸田文雄首相のメチャクチャな政権運営を見ていると、やはり、こんな首相がのうのうと居座っているのも、野党がふがいないからだ、といった言い方はできるかもしれません。
ところが、これに一石を投じたのが、日本維新の会の馬場伸幸氏です。
『馬場代表「維新は第二自民党で良い」発言の真意を探る』などでも取り上げたとおり、馬場氏はインターネット番組で、自党のことを「第二自民党で良い」などとしつつ、立憲民主党や日本共産党のことを舌鋒鋭く批判しました。
また、両党などから発言の撤回や謝罪などを求められたところ、馬場氏はそれを拒否しただけでなく、改めて両党のことを強く批判しています(『維新・馬場代表が立憲・共産発言「撤回・謝罪しない」』等参照)。
第二自民党発言と維新への反発
この「第二自民党」、個人的には決して悪い話ではないと思います。
自民党のように、まずは常識が通じる人が集まり、「右」、「左」に関わらず、現在の日本にとって必要な政策を自民党並みに粛々と研究し、そうした観点から自民党にまともな質問を投げかけることができるのだとすれば、維新が「第二自民党」、国民民主党が「第三自民党」で十分でしょう。
もちろん、維新や国民が躍進することが、そのまま日本にとって素晴らしいことであるという保証はありません(※くどいようですが、維新や国民が手放しに素晴らしい政党であるという保証はないからです)。
ただ、少なくとも「MKST(もりかけさくら・統一教会)」などに代表される、くだらないスキャンダルばかりを追及する特定政党と比べれば、ずいぶんとマシです。
こうしたなかで、産経ニュースにはこんなレポートが出ていました。
野党抗争勃発 維新の批判に立民と共産が猛反発
―――2023/07/28 18:57付 産経ニュースより
産経によると、維新は立民や共産と「激しい舌戦を展開」しており、これを「次期衆院選を待たずに抗争が一足早く勃発した形」だと指摘しています。たとえば立民の泉健太代表は28日の会見で、馬場氏を次のように批判したのだそうです。
「どの政党があっていいとか悪いとかを普通の党の幹部は言わない。危険な党代表をトップに据えている。党内から『おかしい』という声も上がってこない政党であれば怖い」。
「危険な代表をトップに据えている」という意味では、立民もそうかもしれませんし、もっといえば、異論を封殺する志位和夫氏にこそ当てはまりそうな気がしてなりません。
ちなみに日本共産党は機関紙『しんぶん赤旗』で28日、1面と3面を使い、「各界からの批判談話を掲載」し、「脅威論反共デマ典型」などと主張したのだそうですが、普段からデマをばらまいている日本共産党から「デマ政党」などと言われると、少し困惑するのではないでしょうか。
これからの展開には要注目
ただ、立憲民主党のスタンスも、なんだかよくわかりません。
最近の立民は、日本共産党と近づきすぎるあまり、その政治的な主張が少し左に偏り過ぎていて、本来ならばLGBT法などで自民党に失望しているであろう中道右派層を取り込むことは事実上不可能に近いと考えて良いでしょう。
というよりも、立憲民主党や日本共産党に対して批判的な馬場氏の発言は、むしろ多くの日本国民からは、共感を得ている可能性すらあります。
結局のところ、現在の日本が必要としているのは、健全な政策論争ができる「第二自民党」や「第三自民党」なのかもしれません。それにより、少なくとも国民に対して説明がつかないような、わけのわからない対韓譲歩、対財務省譲歩などをする余地は少なくなるからです。
このように考えていくと、「第二自民党」や「第三自民党」、じつは悪い者ではないのかもしれません。
そして、3つの腐敗利権のうち、野党、メディアが崩れ去っていけば、やがて官僚機構も利権を喪失していく可能性が濃厚です。なぜなら、健全な政策論争がなされていけば、役所の論理は国民の前で通用しなくなるからです。
とりあえず、増税原理主義の財務省と韓国原理主義の外務省、NHK原理主義の総務省あたりは、日本からなくなったほうが良い組織でしょう。
もちろん、財務省を含めた官僚機構は「背乗り」が好きな組織ですので、維新が財務省から「背乗り」されるという危険性も十分にあるのですが、それでも立憲民主党が最大野党の地位から転落すれば、日本が良い方向に変わる可能性は十分にあります。
その意味では、次回選挙に向けて、国内政治についてはやや期待をもって眺めてみる価値はあるかもしれません。
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1.政党は政権を目指すのが第一の存在理由(レゾンデートル)
政党は、皆別々の存在です。そして、政党であれば、政権を取ることを第一の存在理由としなければなりません。何故なら、有権者の期待に応えるには、究極的には政治権力を持つ必要があるからです。
2.全ての政党は、お互いにライバル・敵である
全ての政党はお互いにライバルですし、ライバルであることを止めてはいけないということです。勿論、これは、政権与党側になるための連立とは異なる、政党としての基本原則のことです。ですから、政権党ではなく野党になったからと言って、お互いがライバル・敵であるということを止めてはいけないということです。野党同士が意味も無く仲良しクラブになるのは野合です。有権者への背反になることもあり得ます。
3.政権を目指す以上、他の政党が無い方が良い
そして、「政権を目指す以上、他の政党が無い方が良い」と考えるのは、政党として、当然のことで、政党政治の原則です。その際、他の政党の在り様を非難することは当然にあることです。
以上、維新の馬場代表は、この「政党政治の基本原則」を言っただけのことです。
それを、非難する方が、政党政治の原則を理解していない自らの無知を露呈したことになります。
4.第二自民党で良いとは?
「第二自民党で良い」とは、今現在は政権党である自民党に、何時でも取って代われますよ、第一自民党がダメでも心配しなくてもいいですよ、直ぐに第二自民党である我が党が責任をもって政権を取りますよ、という岩盤保守層へのメッセージのような気がします。
以上、見てみますと、維新の馬場代表は、至極真っ当な原則を述べているだけのようですし、しかも、次の選挙へ向けて、保守層へメッセージを盛んに送っているように見えます。選挙活動を、既に始めているようです。
この読みの通りなら、維新の馬場代表は、強かで頭脳が冴えていてかなりの戦略戦術家ですね。
選挙の戦いは既に始まっていて、「けしからん」なんて他党相手に身の無い言いがかりをつけるのではなく、有権者に、自党が何が出来て何をやるつもりかを訴えるときなのですが。
5.まとめ
維新は、第二自民党と訴えることで、現在の「自らのポジション」を有権者に明確に訴え、第一自民党に不満を持つ保守層を取り込むことを始めています。
これで、各選挙区に候補者さえ立てることが出来れば、保守層の票を取り込む土俵を作ったことになります。
また、立民・共産の在り様を批判的に訴えることで、有権者に野党のダラシナサを強く認識させ、野党に流れる票を食い止めることが出来ます。しかも、この2党を非難すれば、野党全党を非難したような効果が生まれます。野党の第一党がダメなら、野党全部がダメだという印象を創り出せると観ているようです。
維新がこんな「空中戦」を既に始めていて、「戦略爆撃機を飛ばしている」ことにも気が付かないで、わあわあ騒げば、益々、維新の思う壺に嵌まり込んで行くことになりますね。
さより 様
”5.まとめ”は前段にかかわらず正鵠を得ていると思います。
しかし、現実の”政局”がそうだとしても、前段の1,2,3は立憲共産党の論理に毒されていると思います。特にライバルを敵と混同する辺りは、未熟な活動家の陥りやすい陥穽で自由民主主義から外れると発想と思います。
一方、馬場さんの”立民を「いても日本は何も良くならない」、共産を「日本からなくなったらいい政党」”との評価は”敵としてせん滅する(どこかのプロ市民がかつて安倍さんに発した言)”と言ったわけではなく、妥当な批判と思います。
其れを批判する立憲共産党の論理こそが、正当な批判を封じる”自由民主主義に反する”言と思います。
読んで頂いてありがとうございます。
政党政治の原則と思うものを書いただけです。まとめを導き出すためのつもりでしたが、そのような誤解が生まれるようならもっと詳しく書かなくてはならないようですね。ただ、書いて頂いたように、「まとめ」だけでも良かったようです。
野党同志も競うはず(極論、競わないのなら同じ政党なはず)なのに、自民vs反自民しか存在しない、凋落野党らの世界観は謎ですねぇ……
第二自民党の解釈、実際に私は仰るとおりに受け取りました。上記で「競うはず」としたものの、現与党が進める単一の政策に賛同するということは当然にありうるわけです。反対にまわる政策も当然あるし、全体の絵は違ったものでしょう。
逆に泉氏の浅薄な「第2自民党」という表現は、与党の全てに同調し媚びへつらって生きながらえるだけ、という意味を込めていそうなのですが……共産に全て同調し生きながらえるだけを選んだのは、当の立憲だけなんですよねぇ……自己投影か。
維新の追い風が出来るずっと前から思っていたのですが。
立憲共産などの野党の言う「自民党ではダメだ」が指す部分は的外ればかりなものの、連中がなぜか指摘しない部分で自民党がダメ要素を多分に内包していたのは事実です。元々そこを正確に突いてアピールするだけで、自民党などそう難なく突き崩すことができたはずだと感じていました。
そこが安倍・菅期でなんとか無視できるかと思ったところの現政権のこのザマ。加えて立憲共産らの進歩の無さ。維新にしてみれば、自堕落自民のボーナスゲーム中に、さらに無能野党のチャンス上乗せしたようなのが現状では。
馬場代表は当然に転がっている機会を拾っただけですらあると思います。現実にはなぜかそれが難しかったようですが。最近の氏の言動は、やはり比較的高い現実認識力をお持ちだという評価をします。
農民様
ありがとうございます。
>>やはり比較的高い現実認識力をお持ちだという評価をします
農民様も、高い現実認識力をお持ちだと思います。もう少し突っ込んで言えば、現実の「構図」の把握力です。構図とは、理解するというより把握するものですから、全体俯瞰力と本質追究心が必要なものです。農民様のコメントは、他のコメントでも常に構図理解に基づいたものだと感じます。さて、農民様と私の理解の通りだとすれば、馬場代表は、現在の日本の政治状況と情勢の「構図」の中に、維新をピッタリと嵌め込もうとしているように見えます。久しぶりに、頭を使う政治家が現れたのでしょうか?少し期待してしまいますね。
>それにより、少なくとも国民に対して説明がつかないような、わけのわからない対韓譲歩、対財務省譲歩などをする余地は少なくなるからです。
説明がつかないどころか、説明への突っ込みに岸田文雄は「仮定の質問には答えない」と言い放って逃げる為体。
こんなカスにはさっさと政界引退して欲しいものです。
第二自民党とは、「立憲に代表される特定野党ではない」政党という意味でしょうか。
ふと思ったのですが、将来的に、第二自民党が本家自民党を超すことも、あり得るのではないでしょうか。
>第二自民党
微妙にこころざしが低い。
やまいぬ 様
仰る通り、この字面だけ見ると”第二自民党”には私も”微妙にこころざしが低い”と感じます。
しかし、経緯を見ると”貶めようとして使ったこの言葉”を逆手にとって、自民党から幅広く(岩盤保守から中道右派、ひょっとしたら中道左派まで)支持を奪う言葉に換骨奪胎したものと思います。今の立憲共産党は”維新応援団”の気がしてきました。
こんばんは。
よくよく考えたら自分もときどきどうとでも取れるような思わせぶりな文章を意図的に書いたりしてるんですよね。他人のことは言えない。
ちなみに「第二自民党を目指すのはにこころざしが低い」には自民党に対する皮肉も込めてみたのです。「あんなもんを目指すんじゃねーよ」みたいな。
憲法改正と対韓外交の見直しとか そういう言葉を並べるより
岩盤保守に分かりやすいキャッチコピーで優秀だと思いました。
原発の電源を複数もつように(震災時、なぜかすべての予備が使えませんでしたが・・・・)
政権担当政党にも「冗長化」が必要ですね。
普段から、いざという時のために、第2の自民党は希望。
第2の立憲党は絶望でしかない。
>>冗長化
IT用語ですね。
Redundancy=余剰性。代替力。
IT業界の人は、この考え方とそれを実施することの、必要性を超えた「必須性」が直ぐに分かるはずです。
第二自民党という言葉に、冗長化という考え方を当て嵌めるのは、もしかしたら、画期的な発想かもしれません。
維新の第二自民党という「ポジショニング」、政治マーケティング?から見ても、画期的ですし、政治マーケティングか必要だという考え方の始まりになるかも知れませんね。
この政治マーケティングという考え方が政治の主流になったら、今の野党の、批判・非難・揚げ足取り・国民を煽動、という手法は通用しなくなるかもしれません。
真面目に日本の将来を考えた上での政策を示すことが必要になり、その内容を厳しく国民から審判されることになるのではないでしょうか?
冗長性の意味は、第一さんがダメになったら、直ぐに変わりますよ、しかも、第一のダメな所を修復して正常な状態を維持し続けるから安心ですよ、という事です。
野党のような不良品に置き換わることはありません、という事です。
前回のメディア・クーデターのときは、世論誘導により民主党を選択しましたが
今回、メディア・クーデターやろうと思っても、立憲民主党に誘導できるでしょうか。
オールドメディアがやりすぎると、維新・国民の応援団になりそう。
アラはたくさんありそうな第2自民党、選挙はよりマシ政党の選択。
>野党のような不良品に置き換わることはありません、
福島の原発は津波により、非常用ディーゼル発電機やバッテリー(直流電源)
電源盤等すべての電源を失なったそうです。
第2自民党・・・不良品にならないでね・・・・。
政治の目的は公共の福祉の実現であり、政権交代ではありません。
「より良い政策提言」を積み重ねてこそ、政権交代は為せるのかと。
ムードだけで政権についた民主党の悪夢を思えば、維新の動向も注視すべきなのかもですね。
とは言え「メッキが剥げたあとの貰い錆」でアカくなった立民とは比べるまでもないんですが。
カズ 様
仰る通りですね。
政権交代は手段なのですが、国民民主党を除いて、自民党も立憲共産党も目的と手段の区別のつかない(又は、目的が口先と本音で違う)政治屋がまた多くなってきた気がします。
PS:
「メッキが剥げたあとの貰い錆」でアカくなった立民 に 座布団 1枚。
農家の三男坊 様
政権後退の憂き目はご勘弁願いたいですね。
ご反応いただき、ありがとうございました。
会計士さんは立民の存在をかなり意識されて・・いや、見方によっては評価されているようにも映ります。維新の馬場さんの言など、あたりまえ過ぎて、わざわざ取り上げて論ずる必要もない気もするのですが・・。この政党、地方議員も含めて、社会党の時代から、自らの豊かな暮らしのため議員をめざす連中ばかりです。私の会社は金属労連に入っていた時代、選挙のたびに支持・応援に駆り出されましたが、当選した議員が議会に出ない、ぜんぜん政治に取り組まないなどの理由で、組合委員長の口から、逆に、この政党には入れるなと指示が出される始末・・。まあそんなDNAを受け継ぐ政党ですからね。左翼的なことを言っておけばその筋の人たちからの票をもらえる・・のが、基本戦術なのでしょう。国会の足を引っ張るだけのクズ議員による選挙互助会。そうとしか見えませんよね。まあ、連合にもそっぽを向かれるまでになりましたし、放っておいても自然消滅の運命にあるように思います。思うのですが、馬場さんのあの言は、暗に「泉、維新に来るなよ。おまえなんか絶対に入れてやらないからな。」と言っているように聞こえます。ですが、国民の方、やばいですね。あの前原、やはりカスが動き始めました。泉を国民に入れたがっています。
「第二自民党」は、日本で一般的に使われる「野党」という言葉の定義を変える意味ではいいと思うんですよね。呪縛からの解放とか。
立憲共産やらマスコミの言う「野党」は「野合して巨大自民党に抵抗する政党」の意味合いが含まれると思いますが、必ずしも本来の野党の意味とズレていると思います。(強いて言うと「自民党」=「ふつうの政党」の含意も)
この野党観が建設的な議論から逃れる口実に使われ、各野党にもヘンな同調圧力をかけていたと思います。野党はこうでなきゃならない、みたいな。野党と区分けされた瞬間に発生する呪縛のような。マスコミもその野党観でそういう野党を応援する。
馬場氏が言ってるのは「野党の定義がそうであるなら、その野党ではなくふつうの政党になります」なのでしょう。「野党」にエンガチョ。
「どうして野党連携しないんですか?」「第二自民党目指してるんでやりません」
質疑も簡単なので、さすがの鳥頭政治部記者の愚問も減っていくんじゃないですかね。
マスコミもタイマンの喧嘩として扱ってくれてますし、これが常態化して野党の言葉の呪縛がなくなるといいなと思います。いい意味での炎上商法。野党の定義を変えてくれ。
自民党をぶっ壊すって言って、そのあと、総理になった人いましたね。
政治の世界は自分の政策を実現することが目的なんだから、反対する人がいなくなるに越したことはないですよね。
だから、政党としての共産党がいなくていいって言うのはアリだと思います。
個人が持つ政治信条を理由として、個人に対していないほうがいいって言うとか差別するはダメだと思いますが、政治的な団体が競合相手にいないほうがいいと言われるのは、政治の世界にいる以上、当然なのではないかと思います。
共産党さんは、アベ政治を許さない、みたいに政策ではなく総理個人を感情的に批判するような政党なのに、自分が言われる時にはあまりにナイーブすぎるなぁと思いました。
既得権つながりで。
知らなかったんですが「全国保険医団体連合会」という組織があるそうです。
about me: https://hodanren.doc-net.or.jp/about/aboutus/
、「保険医の経営、生活ならびに権利を守ること」「保険で良い医療の充実・改善を通じて国民医療を守ること」を目的に設立。
全国47都道府県・51保険医協会・保険医会が結成され、保団連に加盟しています。現在では10万7千人を超え、開業医の63%が加入するとともに勤務医約2万人が加入する団体に。
この団体が、保険証廃止に徹底反対しているようで。
https://hodanren.doc-net.or.jp/hokenshohaishi/#1677899505796-642d31ab-2f1a
保険証廃止そのものに反対だそうです。「保険証廃止なんてありえない」。
選挙の投票先のご推奨まであります。立憲・共産・れいわ・社民。
ポスターに書かれた内容みると、野党の追及項目と丸々一致しててなんだかなーです。
誤処理などは走りながら治して正確性を高めていけばよく。紙の保険証で恒常的に起こっていた事務処理ミスなんかは紙を廃止すれば低いところに落ち着くと思いますけどね。普通に考えれば。
なんで今のいっときの問題で先々の利益を捨てる判断をするのか。単なる守旧派としか見えません。
しかし・・・開業医の加入する団体ですが、この溢れるレッド感はなんなんでしょうね。社会的な影響力はよくわかりませんけど。
左翼政党にも外郭団体や子会社があるのです。
弱者を守ると称する会でも構成員を見ると
肝心の弱者たちは会員止まりで
幹部は労働組合の元役員ばかりなんてものもあります。
民間で言う出向ですかね。
こういう団体が役所に押しかけてくるのですが
実態が知られてしまっていて役人からは忌み嫌われています。
なお、上記「子会社」は出資しているという意味ではありませんよ。念のため。
白黒思考ですね。白でなければ黒しか無い。
電子化でなければ、紙。
電子化しなければ、この複雑化した社会は維持していけないし発展も出来ない、という時代の流れの大前提を理解しようとしないのか、出来ないのか?医師という高いインテリジェンスが必要な職業人がこんな単純なことが理解できない訳がないのですが。
電子化は必須、その上でどうしても紙が必要なケースがあるのなら、そこを訴えれば良いことだし、その方が或いは要求が通り易い、これは、子供でも考えることだと思うんですが。
人間、頭が良すぎるか、専門分野にのめり込み過ぎると、柔軟思考の回路が途絶してしまうのか?
或いは、何でも反対を職業にしている方々に組織が乗っ取られたか?
職業的反対人という、職業区分を設けたらいいかも。そうすれば、その団体の本態を掴み安くなりそうです。そんな人達の行動パターンは明確だから、外からも分かり易いでしょう。
>職業的反対人という、職業区分を設けたら
かなりウケました。(笑)
この組織がどうなのかも制度もよく知らないのですが、制度的な省力化によって国から降りるお金が減ることを嫌う文脈もあったりするのかな、と勘ぐっていました。
下の匿名さまのお話ですと、もっとしょうもない動機かもしれませんが。
憲法9条など削除して
自衛隊を正式な日本軍に変えて欲しいくらいですが
組織に所属している関係で「憲法九条を守る会」の勉強会や、抗議活動に駆り出されています
割と大きな人数ですが、
やたら行動力がある、ガチ9条信者な人は2~3人だったりします
大きく見えても 中身はそんなものかもしれません
貴重な現場レポートをありがとうございます。
>やたら行動力がある、ガチ9条信者な人は2~3人だったりします
多くの人にとっては、ノイジーマイノリティーと敢えて闘うメリットがない場合がほとんどですよね。