中国・泰山原発「汚染水」のトリチウム放出量は福島の6.5倍以上
高名な国際戦略家のエドワード・ルトワック氏は10年以上前に刊行した書籍で、韓国の特徴を「自国にまったく脅威をもたらさない日本を最大限苛立たせ、自国に脅威を与える中国や北朝鮮などに対峙することを避けている」と喝破しました。まったくそのとおりでしょう。こうしたなか、米VOAは、IAEAの事務次長を務めたこともある専門家による、「福島処理水よりも北朝鮮核実験場の汚染水の方が問題」と指摘したと報じたそうですが、韓国メディアから北朝鮮の汚染水に関する懸念報道を目にした記憶はありません。
中朝に対峙せず日本を苛立たせる「韓国の現実逃避」
東京・山手線の駅名を冠した怪しい自称会計士、ブログ時代から通算して13年以上、ウェブ評論活動を続けています。
こうしたなか、韓国のメディアや市民団体、あるいは一部の政権などに対して一貫して抱いてきた違和感の最たるものといえば、「本当に向き合わねばならない問題点」から逃げつつ、どうでも良い問題点ばかり問題視するという姿勢です。
これについては米戦略国際問題研究所(CSIS)のシニアアドバイザーでもあるエドワード・ルトワック氏が、今からもう10年以上前に出版した『自滅する中国』という書籍に記載されていた、こんなくだりを再掲しておきたいと思います。
「2011年12月14日には『従軍慰安婦』を表現する上品ぶった韓国人少女の像が日本大使館の向かい側で除幕された。<中略>これは韓国に全く脅威をもたらさない国を最も苛立たせるような行為であった。<中略>戦略面で現実逃避に走るのは<中略>、国際政治に携わる実務家たちの力や、同盟国としての影響力を損なうものだ。さらにいえば、これによって実際に脅威をもたらしている国に威嚇されやすくなってしまうのだ」。
【参考】『自滅する中国』
(【出所】アマゾンアフィリエイトサイト)
韓国は日本にとって信頼できない国
この記述、当ウェブサイトではこれまでに何度も引用してきたもので、そしてこれからも何度も引用する予定ですが、本当に慧眼と言わざるを得ません。
韓国は、自国にとってまったく害をもたらさない日本に対し、全力で「非を認めさせるための努力」を尽くしてきましたが、その一方で自国に対して大きな脅威をもたらしている中国や北朝鮮に対しては、決して立ち向かおうとしないのです。
これは、本当に不思議であるとともに、極めて無責任な態度でもあります。ルトワック氏の言を借りれば、こうした行動は単に日本の国民感情を損ねるだけでなく、「現実逃避」でもあるからです。
しかも、ルトワック氏の指摘が書かれたのは、「保守派」とされていた李明博(リー・ミンボー/り・めいはく)政権時代であることを忘れてはなりません。
また、ルトワック氏の書籍が上梓されて以降発足した朴槿恵(ピャオ・ジンフイ/ぼく・きんけい)政権も「保守政権」とされていたわりに、韓国の「米中二股外交」はこの時期にさらに酷くなりました。中国が主導するAIIBに出資を決めたりしたのもこの時期だからです。
この点、日本ではときどき、「日韓関係は文在寅(ウェン・ツァイイン/ぶん・ざいいん)政権時代に悪化した」、などと言い放つ人もいますが(自称保守の参議院議員あたりがその典型例でしょうか?)、これはもちろん悪質なウソですので、くれぐれも注意しましょう。
いずれにせよ、韓国が日本にとって信頼に値しない国であることは、こうした事実関係を振り返っておくだけでも明らかでしょう。
VOAで専門家が北朝鮮汚染水を警告
さて、少し古い話題ですが、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に11日付で掲載されたこんな記事を、補遺的に取り上げておきましょう。
IAEA元幹部「福島より東海に流れる豊渓里汚染水が問題」
―――2023.07.11 10:53付 中央日報日本語版より
これは、福島第一原発のALPS処理水の海洋放出(※記事では「汚染水」と誤った用語が用いられています)を巡って、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が「北朝鮮の核実験場から流出する汚染水の管理の方がより深刻な問題だ」とする専門家らの見解を伝えた、とするものです。
中央日報によるとVOAは現地時間9日国際原子力機関(IAEA)事務次長を務めたオリ・ハイノネン米スティムソンセンター特別研究員が、北朝鮮の核実験場だった豊渓里(ほうけいり)核実験場の周辺から放射能汚染水が流出する可能性を提起したのだそうです。
そのうえで同研究員は、北朝鮮が日本政府の福島「汚染水」(※原文ママ)排出計画を批判していることを巡って、むしろ「豊渓里核実験場からの放射能流出問題の方が懸念される」と述べた、などとしています。
北朝鮮、中国、あるいは自国を絶対に批判しない不思議
これは非常に興味深い指摘でしょう。韓国メディアから北朝鮮の核汚染水に関する懸念記事はほとんど出てこないからです。
トリチウムを除いて放射性がほとんど含まれていないALPS処理水を「汚染」水などと罵ったうえで、ろくな科学的根拠もなく、その海洋放出に感情的に反発するわりに、現に国際秩序に挑戦するかのごとく、公然と核開発を続ける北朝鮮に何もいわないのは、まさにルトワック氏の指摘そのものでしょう。
そういえば、トリチウムに限定しても、先日はこんな話題がありました。
トリチウム放出量、中国では福島第1の6・5倍の原発も 欧米は桁違い
―――2023/07/04 20:36付 産経ニュースより
産経によると、トリチウムの海洋放出量は、中国の秦山(たいざん)第三原発が約143兆ベクレルと福島第一原発が放出を予定する量(最大22兆ベクレル)と比べて6.5倍以上、陽江(ようこう)原発も5倍、韓国・月城(げつじょう)原発が3.2倍、古里(こり)原発も2.2倍、などとしています。
図表 世界の主要な原発におけるトリチウムの年間処分量
(【出所】在中国日本大使館HP等)
福島第一原発の処理水が放出される先は太平洋ですが、東シナ海や日本海にはすでに福島第一原発を上回る量の「汚染水」が中韓の原発から垂れ流されているわけです。科学的に見て、懸念すべきはどう考えても中韓の原発の方でしょう。
いずれにせよ、こうしたダブル・スタンダードは、中国や韓国、北朝鮮などのお家芸のようなものなのかもしれません。
View Comments (15)
「汚染水が…」と騒いでいる輩の信条は「日本がする事」だから決して信用しないし徹底的に反対するのであって、IAEAや国内外の専門家が何を言っても聴く耳を持たないのは、日本ヘイト活動の一環だからだと考えます。
言い換えれば、共に民社党や多くの市民団体が処理水放流に常軌を逸するほどのいちゃもんを付けているのは、福島第一原発事故の不幸を、日本ヘイトの絶好の機会と捉え何の問題もない処理水放流を「水に落ちた犬は叩け」とばかり徹底的に反対しているのです。ヘイトなのだから科学、理屈が通じるはずはありません。(個人的な思いです)
一般的な核兵器に使われているPu239は使用済み燃料を再処理することで抽出されますが、この再処理工程は運転中の原子炉よりもはるかに大量の放射性物質を放出するのです。怪計士氏が貼られている図
https://shinjukuacc.com/wp-content/uploads/2022/03/20220329tritium-scaled.jpg
の「ラ・アーグ」および「セラフィールド」の数値を見れば理解してもらえると思います。
我が国においては幸い?再処理工場は稼動しないままになっていますが、あれが本格的に動き出すようなことがあれば北朝鮮より多くの放射性物質が放出されるかも知れませんよと。
北朝鮮の核実験施設からの廃水の方がよほど危険とか、自国や中国の原発のトリチウム排出量の方が福島から放出予想量よりずっと多いとか、そんな議論は多分意味をなさないんでしょうね。
そういうのは科学の次元のはなし。多くの韓国人の頭を占めている価値判断の基準と言ったら、風水とか、巫術とか、そんな次元のものなんでしょう。だから、福島から放出されるトリチウムが、何か特別に悪い「気」をもつ邪悪な存在で、韓国人に途方もない災厄をもたらすなんて考えが広まってしまえば、もう後は何を言っても無駄。
無論今の時代、韓国人にだって科学的に物事を判断する人間は大勢いるでしょう。だけど問題は、そうした人間と、迷信であれなんであれ煽り立てる人物と、どちらが社会への影響力に勝るかってことでしょう。
人心をミスリードする愚かな考え、これには必ず出所と増幅装置があるでしょう。一種の巫女的存在。その弊害がときに政治面にまで及ぶのが、カノ国の悲劇的側面と言えるでしょうが、これ何も李朝時代にまで遡る必要はない。朴槿恵を思い様操ったとされる崔順実なんてのもその類いでしょうが、今思い浮かぶと言ったら、やっぱり野党指導者のあの人物でしょうね。アリャ、どう見たって。大政治家って顔じゃない。まあ神懸かりってご面相ですね(笑)。
北朝鮮の核実験施設からの廃水の方がよほど危険とか、自国や中国の原発のトリチウム排出量の方が福島から放出予想量よりずっと多いとか、そんな議論は多分意味をなさないんでしょうね。
そういうのは科学の次元のはなし。多くの韓国人の頭を占めている価値判断の基準と言ったら、風水とか、巫術とか、そんな次元のものなんでしょう。だから、福島から放出されるトリチウムが、何か特別に悪い「気」をもつ邪悪な存在で、韓国人に途方もない災厄をもたらすなんて考えが広まってしまえば、もう後は何を言っても無駄。
無論今の時代、韓国人にだって科学的に物事を判断する人間は大勢いるでしょう。だけど問題は、そうした人間と、迷信であれなんであれ煽り立てる人物と、どちらが社会への影響力に勝るかってことでしょう。
人心をミスリードする愚かな考え、これには必ず出所と増幅装置があるでしょう。一種の巫女的存在。その弊害がときに政治面にまで及ぶのが、カノ国の悲劇的側面と言えるでしょうが、これ何も李朝時代にまで遡る必要はない。朴槿恵を思い様操ったとされる崔順実なんてのもその類いでしょうが、今思い浮かぶと言ったら、やっぱり野党指導者のあの人物でしょうね。アリャ、どう見たって。大政治家って顔じゃない。まあ神懸かりってご面相ですね(笑)。
>図表 世界の主要な原発におけるトリチウムの年間処分量
上記の図表では、福島第一原発の震災前の数値は【年間2.2兆Bq】です。
産経の記事では、福島第一原発の震災前の数値は【年間 22兆Bq】です。
どっちが正解なんでしょうね???
>北朝鮮、中国、あるいは自国を絶対に批判しない不思議
日本の放射脳パヨクもそうですが、もっと不思議なのは福島県漁連も特亜を批判せず、IAEAの公式発表も無視して前者のまき散らす風評被害を肯定するような愚行をやらかすのか、と言う事です。
余りの意固地さに既に彼らに対する同情は無くなりました。
毎度、ばかばかしいお話しを。
社民党:「北朝鮮の汚染水は良い汚染水だが、福島の処理水は悪い処理水だ」
韓国:「日本の政党も、そう言っている。朝日新聞も、そう言っている」
ありそうだな。
韓国が欲しいのは事実ではありません。
日本がいつまでも戦後の日本であることです。
彼らにとって日本というのは大変に便利な存在です。
内政に対する不満を逸らすためのサンドバッグに、困ったときの財布に、経済産業を発展させるための模倣、窃盗先に。
無料で開放されてて遊び放題、景品も取り放題のゲームセンター。
どのように雑に利用しても最後はヘコヘコ土下座してくる信じられないような馬鹿な国。
その日本であるかの確認と、調教として、数々の対日行動があるのです。
好き好んで虎の尾を踏む者はいません。
中国や北がどれだけ放射能を撒き散らそうが、文句を言えば痛みとして返って来ます。
なでたって噛み付いてくる猛獣なのですから、尾を踏むなんて出来っこないのです。
一方の日本は、力は猛獣なのですが、自ら口輪をつけ、四肢に鎖を巻き付けてされるがままにいる。
熊いじめの熊は、意思に反して捕まって虐待されていたわけですが、日本は自らそのポジションに収まっている。
いじめてくださいと言わんばかりに。
中国と北という猛獣におびえて暮らしている韓国のストレスのはけ口として都合の良い存在ですね。
いつまでもその日本でいてくださいというメッセージが、一連の放射能ヘイトであり、慰安婦応募工仏像軍艦島佐渡金山レーダー照射靖国爆破等の行動なのです。
そしてそれを許すことで、ずっとこのままでいるよと返答したのが岸田政権です。
証拠としてホワイト国復帰とスワップ再開というおまけをつけて。
そもそも汚染水で人類が危機になるなら、太平洋核実験やってた時代やチェルノブイリ後のトルコとかで癌が多発してないとおかしいんですがね
とにかく日本が嫌いで、何か少しでも難癖を付けるネタがあれば難癖を付けたり嫌がらせをしたりをそいたいだけ。そういう病気のようなものだから何を言っても無理。
中国は病気というより日本の突っつけると見た部分があれば突っついてマウントを取りたいだけ。日本に、日本を叩きたい病的な野党や”市民団体”が無ければ少しは静かにするんでしょうがね。
日本はこれら無法国は適当にあしらっておいて、他のもっとまともな国と連携するしかないでしょう。これはこのblogでも何度も提起されていることですが。 まともな国の中にもフランスのような国もありますが。安部首相なら「ではウクライナへの日本の支援分はヨーロッパ乃至はフランスがやってくれ」とでも言ったでしょうが、アレは何か言ったのでしょうか。多分ニコニコしていただけかな。