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供託不受理は徴用工合意を岸田政権ごと吹き飛ばすのか

ほんの少しだけ、光明が見えてきたのかもしれません。自称元徴用工問題で韓国の裁判所が財団による供託を拒否したのです。これだけではまだ先行きはよくわかりませんが、もしもこの「供託拒否」が勢いとなり、自称元徴用工側が日本企業の金銭債権あたりを差し押さえてくれれば、今年3月の「岸田ディール」自体が岸田文雄政権を巻き込んであっけなく瓦解するかもしれないからです。

岸田「仮定の質問には答えません」

自称元徴用工問題を巡る「岸田ディール」とは、2018年10月、11月の大法院判決で損害賠償を勝ち取った自称元徴用工(やその遺族)らに対し、韓国政府が設立した財団を通じ、カネを支払うというものです。

外務省やその事実上の眷属である松川るい参議院議員あたりは、これを「素晴らしい」と自画自賛しているようですが、これで騙せると思われている時点で、日本国民も舐められたものです。そもそもこのディール自体、2018年の一連の国際法違反の違法判決を、なにも解決していないからです。

韓国という国は、政権が変われば前政権の約束を破ることで知られていますが(たとえば自称元慰安婦問題に関する2015年12月の慰安婦合意は政権交代後にあっけなく破られました)、そんな国と約束を取り交わすこと自体、狂気の沙汰です。

よって、今年3月の「岸田ディール」自体、岸田「宏池会」政権と外務省が結託し、日本の国益を韓国に売り渡した「歴史的事件」である、と見るのが正解です(『岸田ディールで垣間見える「キシダの実務能力」の低さ』参照)。

「仮定のご質問には答えません」は岸田首相がちゃんと考えていない証拠衝撃的な「岸田ディール」。振り返れば振り返るほど「信じられない内容」と言わざるを得ません。とくに韓国の「ちゃぶ台返し」の可能性については、岸田文雄首相は記者会見で「仮定の質問には答えません」と述べ、シャットアウトしてしまいました。こうした記者団とのやり取りから浮かぶのは、「キシダ・フミオ」という政治家の「実務担当能力のなさ」、「戦略的思考力のなさ」、そして「プライドの高さ」です。不誠実な「キシダ・フミオ」岸田ディールの衝撃:首...
岸田ディールで垣間見える「キシダの実務能力」の低さ - 新宿会計士の政治経済評論

ただ、やはりしょせんは「愚か者の浅知恵」に過ぎません。韓国が約束破りしたときのことを、本当に何ひとつとして考えていないからです。実際、岸田首相は3月6日の会見で、もしこの合意自体が覆された場合については次のとおり、自信満々に答えています。

仮定に基づいた御質問にはお答えいたしません。先ほど申し上げました、こうした措置を評価するとともに、日韓関係が前に進んでいくことを期待する、そのために意思疎通を引き続き続けていく、それに尽きると思っています」。

なにが、「仮定に基づいた質問には答えない」、ですか。意味がわかりません。

韓国による「ちゃぶ台返し」は間違いなく行われます。それを、「仮定に基づいたご質問にはお答えしません」と言い放ったこと自体、国民を愚弄する行為です。したがって、この者はこの時点で、日本国の首相を務める資格を失ったと考えて良いでしょう。

第三者弁済とは?

内田貴『民法Ⅲ』にいう第三者弁済

さて、本稿ではこの「第三者弁済」方式について、少しだけ視点を変えてみましょう。

そもそも「第三者弁済」とは、いったい何でしょうか。

法学の立場からは、これは「みずから債務を負っているわけではない第三者が、本来の債務者のかわりに債務を弁済すること」、などと説明されることが一般的です(たとえば内田貴『民法Ⅲ 債権総論・担保物権』1996年初版P34~等参照)。

わかりやすくいえば、Aさんから借金を負っているBさんに対し、Cさんが親切心で、「私があなた(Bさん)に代わって、Aさんからの借金を返してあげますよ」、と申し出るような行為です。

(※ちなみに著者自身が手元に持っている内田貴『民法Ⅲ』は1996年初版という古いもので、現時点では第4版まで出ているほか、肝心の民放の条文自体も口語化によって改正されているのですが、基本的に内田の議論は現在でもそのまま当てはまると考えて良いでしょう。)

日本国民法の条文は4項構造

これについて、条文を確認しておきましょう。

民法第474条(第三者の弁済)

債務の弁済は、第三者もすることができる。

2 弁済をするについて正当な利益を有する者でない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない。ただし、債務者の意思に反することを債権者が知らなかったときは、この限りでない。

3 前項に規定する第三者は、債権者の意思に反して弁済をすることができない。ただし、その第三者が債務者の委託を受けて弁済をする場合において、そのことを債権者が知っていたときは、この限りでない。

4 前三項の規定は、その債務の性質が第三者の弁済を許さないとき、又は当事者が第三者の弁済を禁止し、若しくは制限する旨の意思表示をしたときは、適用しない。

基本的に、債務の弁済は、本来の債務者(この場合はBさん)ではなく、第三者(この場合はCさん)でもできるよ、というのが民法第474条第1項の趣旨です。

(※余談ですが、日本の法律では複数の項から構成される条文の場合、第1項には「1」という数字をつけません。数字が付くのは第2項以降です。わかり辛いので、いいかげん、改正してほしいものです。)

ただ、第三者(Cさん)が「正当な利益を有しない場合」には、債務者(Bさん)の意思に反して弁済をすることができず(同第2項)、さらには債権者(Aさん)の意思に反して弁済することもできません(同第3項)。

また、「その債務の性質が第三者の弁済を許さないとき」(たとえばBさんが歌手で、BさんのAさんに対する債務が金銭債務ではなく、「Aさん宅で歌を歌え」という債務だったような場合)などの場合にも、CさんがBさんの代わりに債務を履行することはできません(同第4項)。

ここまでが、原則です。

第三者弁済を拒否できる場合とは?

このうち、第1項や第4項についてはある意味当たり前として、ここで気になるのは、第2項や第3項の解釈です。債権が「金銭債権」だったと仮定したときに、その債権者(Aさん)が「俺はあくまでもBさんからしか弁済を受けるつもりはない」と頑なに言い張ったときに、それは通用するのかどうか、です。

これについて内田は、第474条第2項にいう「第三者が正当な利益を有する者でない場合」について、こう指摘します。

立法趣旨自体、必ずしも合理性がないので、利害関係のない第三者の範囲は、なるべく狭く解すべきだ(つまり債務者の同意なしに弁済できる人の範囲を広くすべきだ)とするのが学説の多数である」(同P35)。

こうした考えに立つのであれば、単なる金銭債権の場合、債権者が第三者からの弁済を拒絶するのは難しい、というのが自然な解釈でしょう。

ただし、第4項においては、「当事者が第三者の弁済を禁止し、若しくは制限する旨の意思表示をしたとき」にも第三者弁済の規定自体が適用されないとする趣旨の規定が置かれています。

このため、現在の日本法だと、Aさんが頑なに「Cさんの弁済じゃダメだ」、「Bさんからの弁済しか受け取らない」と主張すれば、債権者たるAさんの意に反した第三者弁済はできないことになりそうです。

韓国民法の規定はもう少しすっきりしている

では、この第三者弁済、韓国の法律にはどう書かれているのでしょうか。

じつは、韓国の民法は、日本の民法を丸ごとコピーして出来上がっているというのは有名な話であり、日本の民放に存在する規定は、たいていの場合、韓国の民法にも存在します。

(※なお、「コピー」というのは、1910年から45年までの35年間、日韓は同じ国だったのですから、これもある意味では当然のことではあります。なお、家族・相続などの規定に関しては日韓で大きな違いがいくつかあるのですが、これについては本稿では割愛します)。

そして、この第三者弁済について調べていくと、大韓民国民法には第469条という条文があることに気づきます。

大韓民国民法第469条

①債務の弁済は、第三者もすることができる。ただし、債務の性質又は当事者の意思表示で第三者の弁済を許可しないときは、この限りでない。

②利害関係のない第三者は、債務者の意思に反して弁済することができない。

(※余談ですが、韓国の法律について、日本よりも優れている点があるとしたら、第1項の頭にはちゃんと「①」という番号が付されていることだと思います。どうでも良いことですが。)

この韓国民法の第469条は、第1項が日本の民法の第474条第1項・第4項、第2項が日本の民法の第2項に相当していると考えられますが、日本法でいう「第3項」に相当する条文は、韓国法にはありません。

このため、先ほどの「利害関係のない第三者の範囲は狭く解釈した方が良い」とする内田の議論は、韓国民法に関しては成り立ちません。あくまでも「当事者の意思表示で第三者の弁済を拒絶することができる」、とするものです。

個人的には、この韓国民法の第1項の規定は、日本法と比べてすっきりとしていると思いますが、いずれにせよ、「当事者」(先ほどの例だとAさんかBさんなど)が「第三者弁済は許可しない」と意思表示すれば、「第三者」(先ほどの例でいうCさん)は第三者弁済ができない、ということです。

まさかの第三者弁済拒否

さて、困った…裁判所が供託拒否

さて、これで韓国政府にとっては困ったことが発生したようです。

韓国光州地裁、強制動員解決にブレーキ…賠償金供託1件不受理

―――2023.07.04 14:33付 中央日報日本語版より

韓国財団の供託、1件が不受理 徴用工問題、政府「強い遺憾」

―――2023/07/04 16:43付 Yahoo!ニュースより【共同通信配信】

徴用賠償金の供託「不受理」続く可能性も 韓国地裁「本人が拒否」

―――2023.07.04 16:21付 聯合ニュース日本語版より

自称元徴用工問題を巡って、韓国政府傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」が賠償金を受け取らない4人(自称元徴用工2人、遺族2人)に対する4件の供託手続を開始しようと地裁に申し立てたところ、このうち1件が光州(こうしゅう)地裁で「不受理」となったそうです。

これらのメディアの報道を総合すれば、光州地裁が「不受理」としたのは、事前に「第三者弁済を通じた供託金は受け取らない」という意見書を裁判所に提出していた自称元徴用工に関するもので、「当事者の拒否の意思は明確」、「財団は裁判所に供託金を出せる当事者ではなく要件に合わない」と判断した、としています。

また、1件については同じく光州地裁が「書類に不備がある」として差し戻したそうであり、ほかに全州(ぜんしゅう)地裁が「相続人の修正を勧告し(?)」、受理の可否はまだ決まっていない、という状況なのだとか。

とりあえず、ここに示した3つの記事の記載だと、内容的には不正確で、なんだか十分に理解し辛いという状況ではあるものの、少なくとも1件でこの韓国民法第469条第1項を引用し、供託が不受理となったことは間違いなさそうです。

外交部は裁判所の決定を批判しているが…

ちなみにこれらのうち中央日報によると、韓国政府・外交部は4日、「形式上の要件は完璧なのに不受理の決定は承服し難い」などとしたうえで、次のように主張しているそうです。

供託公務員は機械的・形式的に供託事務を処理しなければならないという判例があり、法理を理由に供託不受理決定をしたのは権限の範囲を超えたもの。弁済として有効なのかどうかは裁判で判断する問題なのに、裁判官から裁判を受ける権利を侵害した」。

このあたりは正直、韓国の国内法の話ですので、韓国国内で好きにやっていただければ良い話でしょう。

ただ、韓国政府が目論んでいた「供託」がうまくいかなくなったことで、例の「岸田ディール」自体が、案外早く破綻する可能性が出てきたことについては、注目しておいて良い論点といえるかもしれません。

韓国はもともと、政権が変わればあっけなく約束を破る国ですので、尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権が今年3月に打ち出した自称元徴用工問題を巡る「第三者弁済」方式も、遅くとも尹錫悦氏が退任して以降は破綻することは確実です。

しかし、今回の裁判所の動向次第では、自称元徴用工4人の側がモメンタムを得て、第三者弁済のスキーム自体を停止させ、その間に再び日本企業に対し、今度は本気で三菱重工業や日本製鉄が韓国企業に対して保有しているであろう金銭債権あたりを差し押さえれば、どうなるでしょうか。

少しだけ、光明が見えた?

おそらくは尹錫悦政権の自称元徴用工ディール自体が崩壊の危機に瀕するかもしれませんし、場合によってはその余波で、ついでに岸田文雄政権自体が吹き飛ぶという展開も、絶対にありえないとは限りません。岸田内閣を特徴づけてきた「増税、LGBT、韓国」のうちの一角が崩れるかもしれないからです。

自称元徴用工問題が意外なところから火を噴けば、それが「政治家・岸田文雄」の政治生命にトドメを刺し、結果的に日本を「財務省・宏池会」という「反日連立政権」による無限増税スパイラルから救い出し、アベノミクス復活の契機とできるかもしれません。

あれほど多くの日本国民の反発を押し切って強引に通してみたまでは良かったにせよ、「岸田ディール」の本質は、しょせんは「愚か者の浅知恵」です。

である自称元徴用工を巡る「岸田ディール」が足元で火を噴くことで、これをもとにしたすべての合意ないし行動――日韓シャトル外交、日韓通貨スワップ、韓国ホワイト国戻し、FCレーダー照射不問など――の華々しい「成果」がいっせいに瓦解しかねません。

(※なお、おそらく圧倒的多数の賢明な日本国民は、岸田首相らが「外交成果」だと騙るこれらのディールを1ミリも評価していないとは思いますが、それに気づかない時点で、岸田首相にはインテリジェンスが根本から欠落しているということなのでしょう。)

いずれにせよ、自称元徴用工問題は、もう少し見守ってみても良い論点です。

とくに「岸田ディール」が案外早く破綻し、岸田政権ごと吹き飛ばすようなことがあれば、「岸田文雄」が安い値段で売り渡した国益が取り戻せるというわけではないにせよ、少なくともこれ以上の出血を止めることはできるかもしれません。

その意味では、ほんの少しだけではありますが、「光明が見えた」、という言い方もできるでしょう。

新宿会計士:

View Comments (39)

  • もうひとつの光明は、次の大統領が李在明になりそうな事です。

    シンシアリーさんより。

    韓国、『また』政権交代なるか・・与党では韓東勲氏、野党では李在明氏がもっとも人気
    https://sincereleeblog.com/2023/07/03/saikyoudemutekino/

    野党の候補が一本化出来るかの課題はありますが、文在寅以上のアタオカ政権が誕生しそうです。

  • 悪の利権集団の第3法則(個人的意訳:自爆で滅ぶ)発動中かと思います。
    同様事例その1:「風評被害招く」公明・山口代表発言に与野党の批判相次ぐ。
    同様事例その2:「日本は12人いた」「再試合をしろ!」「主審のテロだ」。

    • 追伸失礼します。
      「国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長が7~9日に韓国を訪問する」そうですね。(元駐韓米国大使のように身体に危害が及ぶことまでは決して望まないですが)常軌を逸した野党議員や市民による活動が世界に発信されることを期待しています。
      ところで今いるのかどうかは分かりませんが、駐韓日本大使はどこで何をしてるんでしょうね。駐日中国大使も米国大使もペルソナノングラータ並みの内政干渉やっているのに。せめて一度くらい例の像の前で「うそつきー」くらい言って卵でもぶつけられて来なさい。

      •  韓国国内でのさばってる「謝罪利権団体」も慰安婦問題の時のように内ゲバで瓦解するのかも。あの時の募金ネコババを巡る関連団体の内ゲバは醜悪そのものでしたね。

  • 日本政府の基本的な立場「すべて65年合意で解決済」これを貫いてよかった。

    「代位弁済」などという言葉はアブナイ。債務のある日本政府に代わって(代位して)債務を弁済することになってしまう。だから「求償権」などという言葉が出てくるのだ。
    最初から「解決済」ピリオドでいいのだ。

  • 岸田政権にちゃぶにチュードの危機高まる、とこういうことですね。分かります。

  • 供託不受理が岸田首相にとって、巨大なブーメランになって返って来るかも知れませんね。日韓シャトル外交、日韓通貨スワップ、ホワイト国戻し、FCレーダー照射ウヤムヤなどの日本人に対する「不誠実な行為」が突き刺さります。いつもは韓国側に命中するのですが、政治家不適切な岸田氏には、丁度良い。吹き飛ばして隠居して貰いたいです。

  • 本気で国民の生命と財産を守るつもりなら 起こりそうな事態をすべて想定するのは当然。つまり
    「仮定の質問には答えられない」とは 国民の生命と財産を守るつもりがないと公言しているのと同じということも理解できていないと思われる。 

    • 残念ながら、本気で国民の生命と財産を、ROKから守れなかったのが李ライン問題です。北朝鮮を揶揄する前に、程度問題では南朝鮮から受けている敵対行為、残虐破壊行為の方がずっとデカイ、のでは。自民党は、何の為に二つの党が統合したのかも忘れ、テロで亡くなった首相を継いだ人物は、その意思を全く継がない。

      どういう構造になっているのですかね、自民党の頭の中は?と、最近は思いますね。

  • 「追い風」「後押し」「自分にしかないアドバンテージ」を読み間違ったのです。
    処理水海洋放出は首相の手柄にはならない。
    それはただ淡々とやるべきことでまるで政権浮揚の切り札と思ったのは首相どの肩に力が入り過ぎている。西村経産相のクールさがますます光ることになると思います。

  • 解散、総選挙まで時間が作れたので、
    かの国にタマを投げ込んで敵失期待の様子見といったところではないかと。
    そこから期待にしっかり応えてくれるのか、かの国のスバラシイところ。
    私欲とブライド、我慢弱さ、上か下か、着火点の低さ、などから、コロナ明けもしたので、やがて大きなデモが始まるとみてます。
    謎の屁理屈でゴールポスト動かしながら。

    ここから日本政府は塩対応をちらつかせると、「やるやんキッシー」の世論から支持率回復、争点なく解散、総選挙と妄想してます。

    そもそもかの国の宿題は、何も回答もらってないし、解決してないので、ホワイト国と通貨スワップ献上しただけなんですけど

  • 「弱いものイジメはヨセ!」
    と格好よく騎兵隊の役割で登場したつもりの岸田は、助けたつもりの韓国側から

    「スッこんでろ!」
    と背後から殴られている構図ですね。

    交通事故を装ってる当たり屋が、示談に持ち込もうとネチネチと絡み付いてるのが本質なのに。

    関係者全員マヌケもいいとこ。

  •  法律論としては、新宿会計士さんの仰る通りで、両論ありえます。簡単に言えば、「俺は、お前からではなく、あいつから取り立てたいんだ」という債務者の感情を、正当な権利だと考えるか、「金は返して貰えるんだから、それはお前のわがままだ」と考えるか、の差異です。因みに日本の法律では、明文で前者の見解を採っています。
     韓国における通説がどちらなのかは寡聞にして存じ上げませんが、韓国政府が採用するくらいですから、少なくとも後者を取ったとしても、暴論とはいえないのでしょう。
     日本においては、司法(特に最高裁)はこのように政治的に微妙な案件については、「最終的に主権者たる国民の判断に委ねる」と称して、判断を避ける傾向にありますが、韓国ではむしろ国民情緒に流された判断をくだす傾向にあると思います。
     韓国の司法(特に下級審)は割れたまま、推移するのではないでしょうか。
     私は、徴用工解決は支持しております。ただ、その後のレーダー照射事件棚上げと日韓通貨スワップは明確に反対です。岸田政権に退陣してもらいたい、はagreeです。

    •  ハンギョレ、中央日報の日本語版記事によれば、韓国民法469条には債務の性質又は当事者の意思表示により第三者の弁済を許さないときは、第三者弁済は不可能である旨の規定があるとのこと。つまり、今般の韓国政府の供託は、当該者が韓国政府による弁済は受け取らないと意思表示しているので民法上認められないことになる、と。

      • そもそも日本企業に対する債権が存在するのか。日本政府は65年合意で債権債務関係は存在しない、解決済みと言っている。この線はまったくぶれていない。

      • 匿名さま
         ご指摘の通り、なんでしょうけれど。韓国では、国民情緒>法ですからね。そのあたりは融通無碍なんでしょう。なんせ韓国政府がそう解釈したんですから。

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