共同通信が日曜日に配信した記事によると、謝蓮舫氏(村田蓮舫氏、斎藤蓮舫氏)はテレビ番組に出演し、泉健太代表に対し「何をするかの発信がまだ不十分だ」と指摘したうえで、「党所属議員や支援者に向けて早くそれを出すべきだ」と要求。4月の補選についても「発信力や発言力、リーダー力は残念ながら十分ではない」と批判したのだそうです。ご自身が所属する政党のリーダーをテレビという場で批判するというのも、話題としてはなかなかに強烈です。
なぜかアラビア語に化ける総務省PDFファイル
先日の『数字で見る衆院選:「維新の大躍進がまだ難しい理由」』では、当ウェブサイト初の試みとして、個別選挙区のデータをもとに、「仮に政党Aの候補者から政党Bの候補者にX票ほど票が移転した場合、それぞれの政党の獲得議席はどう変わるか」に関するシミュレーションを実施してみました。
自公の選挙協力が全国的に消滅し、小選挙区で出馬するすべての自民党候補から一律2万票失われ、それらが立憲民主党候補に移転したとしたら、自民党は大敗を喫し、立憲民主党が圧勝します。ただ、2万票の行き先が日本維新の会だったとすると、どうでしょうか?2021年の選挙結果を使って実験してみたところ、維新は小選挙区で10議席しか増えませんでした。立憲民主党から日本維新の会で実験すると、増えるのはたった3議席です。それを読み解くヒントが、小選挙区のからくりにあります。データ分析総務省の「頭の悪い図表」昨日の『数... 数字で見る衆院選:「維新の大躍進がまだ難しい理由」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
このシミュレーションはあくまでも「小選挙区だけ」でしか実施しておらず、本来ならば影響してくるはずの比例代表の獲得議席数についてはまったく考慮に入れていないなど、シミュレーションとしては粗いものではありますが、それでも私たち有権者にとっては、この手のシミュレーションが有効であることは間違いありません。
ただ、これに関して、2021年の総選挙だけでなく、たとえば2009年の総選挙などに関しても同じようなシミュレーションを実施しようとしたのですが、これが難航しています。総務省がデータをエクセルではなくPDFでしか公表しておらず、しかもその加工が大変に難しいからです。
今回実施した作業は、「①PDFをダウンロード・保存」→「②Microsoft Wordで開く」→「③表示された表をMicrosoft Excelに張り付ける」→「④関数を駆使してデータを抽出する」、といった流れなのですが、この②の過程でファイルを開くとなぜかアラビア語になってしまう、というエラーが生じているためです。
総務省はいったい何を考えてこのファイルを作成したのでしょうか?
フォーマット自体も大変頭が悪いなど、まったくもって意味不明です。
いずれにせよ、総務省フォーマットとの格闘は現在進行形で続いており、これについては近いうちにそれなりに興味深いデータが出せるのではないかと思っている次第です(出せないかもしれませんが…)。
衆院小選挙区は「2位じゃダメなんです」
さて、岸田文雄首相が今月にも衆議院の解散総選挙に踏み切るのかどうかは、現時点では読めません。
ただ、各種ポータルサイト、ニューズサイトなどを眺めていると、たしかに選挙を意識した記事が多数目に付くことは事実です。
このあたり、とくに衆議院議員総選挙の場合だと、小選挙区は1人しか当選しません。このため、小選挙区では死票が大量に出ることも事実です。とある方の名言「2位じゃダメなんですか?」を使わせていただくならば、「はい、2位じゃダメなんです」、とお答えするしかありません。
実際、2021年の総選挙における小選挙区の事例でいえば、小選挙区全体の投票総数は5746万票でしたが、当選者(つまり小選挙区で1位になった人)に投じられた票数は全体の53%にあたる3073万票で、残りの47%にあたる2673万票が「死票」となりました。
ちなみに死票率が最も低かったのは鳥取県第1区で、当選者は全125,426票のうち全体の84.07%に当たる105,441票を獲得しており、死票は全体の16%弱にあたる19,985票に過ぎませんでしたが、これはどちらかといえば例外です。
死票が最も多かった選挙区は東京都・第15区で、投票総数238,320票に対し、76,261票、つまり全体のたった32.00%しいか獲得していない候補者が当選しており、全体の7割弱に当たる162,059票が「死票」となっています。
衆院選・小選挙区における死票(2021年のデータ)
- 総票数…57,457,033票
- 当選票…30,727,077票(53.48%)
- 落選票…26,729,955票(46.52%)
→死票が全体の47%ちかくに!
選挙では必ず投票しよう!
このことは、投票する立場としては、「せっかく自分が票を投じても、それは無駄になってしまうのではないか」、といった警戒感の原因ともなります。
だからこそ、「勝ち馬に乗る」わけではないのですが、その選挙区で最も勝ちそうな候補者に票を投じたり、自分が支援している候補者は「どうせ勝てないだろう」と思って棄権したりする、という行動をとるのかもしれません。
ただ、それはそれで本末転倒ですし、さらには、「その候補者がうちの選挙区で勝ったとしても、どうせ少数政党なんだから(意味がない)」、などとしらけ切ってしまうというのは、大変に見当違いです。
今朝の『「少数野党」に投票することが決して無意味でない理由』でも説明したとおり、そもそも政界というものは「一寸先は闇」ですので、与党が過半数割れを発生させるなどした場合、あなたが少数野党に投じた票は、結果的に無駄にならないどころか、わが国の政治を変えていく原動力となるかもしれません。
あなたがもし、「少数野党」を支持していたとします。選挙でそのような政党に貴重な1票を投じたとしても、その政党はしょせん「少数野党」なので、「その政党が掲げる政策が実現することはあり得ない」、「したがって、選挙では棄権する」。もしあなたがそんなことを考えているのだとしたら、そうした考え方は、即刻改めてください。政界は一寸先が闇です。与党が過半数割れを発生させるなどした場合、あなたが少数野党に投じた票は、結果的に無駄にならないどころか、わが国の政治を変えていく原動力となるかもしれません。解散総選... 「少数野党」に投票することが決して無意味でない理由 - 新宿会計士の政治経済評論 |
だからこそ、私たちは選挙を通じて政治に参加することが大事なのです。
村田蓮舫氏の泉代表への批判
さて、こうしたなかでもうひとつ紹介しておきたいのが、共同通信が日曜日に配信した、こんな話題です。
蓮舫氏「発信不十分」 150議席目標の泉氏に
―――2023/06/04 11:15付 Yahoo!ニュースより【共同通信配信】
記事タイトルの「蓮舫」とは、謝蓮舫(しゃ・れんほう)、村田蓮舫(むらた・れんほう)ないし斎藤蓮舫(さいとう・れんほう)氏のことです。
同氏はファミリーネームを公式には名乗っていないようであり、ときとして「蓮」と「舫」の間にスペースを開け、「蓮 舫」のように、まるで「蓮」が姓、「舫」が名であるかのごとく誤認させようとしているフシもありますが、本稿ではとりあえず「謝(斎藤)蓮舫」氏とでもしておきたいと思います(表記は揺れるかもしれませんがご容赦ください)。
それはともかく共同通信によると、謝(斎藤)蓮舫氏は4日放送のテレビ番組で、泉健太代表が次期衆院選の獲得議席を巡り、「150未満なら辞任する」と述べたことに対し、次のように批判したのだそうです。
「覚悟のひとつだと思うが、そのために何をするかの発信がまだ不十分だ。党所属議員や支援者に向けて早くそれを出すべきだ」。
これは、なんとも言い難いところです。
そもそも謝(斎藤)蓮舫氏自身が立憲民主党に所属しており、泉健太氏は自身が所属する政党の党代表です。謝(斎藤)蓮舫氏が野党議員として岸田文雄首相のことを批判するならば話はわかりますが、自身が所属する政党の代表を批判するのはいかがなものでしょうか。
問題は、それだけではありません。立憲民主党は4月の5つの衆参補欠選挙で公認3候補が全敗していますが、これについても次のように批判したのだそうです。
「対自民で頑張ろうという時だが、泉氏の発信力や発言力、リーダー力は残念ながら十分ではない」。
謝(村田)蓮舫氏自身、かつては立憲民主党の前身政党である民進党の党代表を務めていたこともありますし、近年では東京選挙区での得票数が減少傾向にあるとはいえ、立憲民主党内では準リーダー的な立場にあるはずの人物です。
そのような人物がテレビ番組に出演し、自党の代表を批判するというのは、どうにも理解に苦しむ点です。べつに泉氏の方を持つわけではありませんが、泉代表自身、立憲民主党の然るべき党内手続を経てリーダーに選ばれた人物であることを忘れてはなりません。
立憲民主党はただでさえ、最近の世論調査では政党支持率がヒトケタ台に低迷することも多く、自民党と比べ数分の一という水準なのです。党内の会合で泉代表を批判するのなら、まだ話は分かりますが、さすがにこの発言自体、みずから立憲民主党に対する支持率を下げようとする行為でもあるのです。
村田氏の得票数は減る一方
ちなみに立憲民主党は前回、小選挙区で1722万票を獲得していますが、これは全5746万票のうちのほぼ30%であり、2763万票(全体の約50%弱)を獲得した自民党と比べて1000万票あまり少ない、という状況です。
ただ、仮に政党支持率が小選挙区での得票数にも影響を与えるのだとしたら、自民党候補者が立憲民主党候補者の数倍の得票を得ていても不思議ではありませんし、『早期解散が吉なのに、なぜか解散誘発恐れる立憲民主党』でも述べたとおり、全選挙区でほんの2万票動けば、立憲民主党は壊滅的打撃を受けます。
これまでにおける当ウェブサイトの試算に基づけば、立憲民主党は次回の衆議院議員総選挙で議席を減らす可能性が高いと考えられるものの、解散総選挙の時期が早まれば早まるほど、減少する議席を少なくすることができます。日本維新の会の浸透が間に合わないからです。もちろん、立憲民主党自身、最終的には遅かれ早かれ最大野党としての地位を喪失する可能性が濃厚ですが、その時期を可能な限り遅らせる選択肢は「早期解散総選挙」です。ところが、時事通信の報道によると、立憲民主党は内閣不信任案の提出に腰が引けているというので... 早期解散が吉なのに、なぜか解散誘発恐れる立憲民主党 - 新宿会計士の政治経済評論 |
ちなみに謝(村田)蓮舫氏といえば、2010年の参院選では東京選挙区で171万票を獲得していましたが、16年の参院選では112万票にとどまり、22年の参院選では67万票にまで減っています(図表)。
図表 謝蓮舫氏の獲得票数(2010年、2016年、2022年)
候補者氏名と年齢 | 党派 | 票数 |
村田蓮舫(42) | 民主党 | 1,710,734 |
村田蓮舫(48) | 民進党 | 1,123,145 |
斎藤蓮舫(54) | 立憲民主党 | 670,339 |
(【出所】総務省参院選データ。候補者氏名は当時のまま)
一部報道等によると、斎藤氏は選挙のたびに、ご自身の獲得票数が低迷していることに関し、泉氏に対していらだちをぶつけているようだ、といった報道もあるのですが、個人的には東京都内でいまだに67万人が斎藤蓮舫氏を支持しているという点には新鮮な驚きもあります。
いずれにせよ、立憲民主党はいったいどこに向かうのかは、よくわかりません。
現在のところ、立憲民主党の行先が「自民党に圧勝して政権与党になること」ではないことだけは間違いないなさそうですが…。
View Comments (26)
テレビで自党代表を非難して貰っても、余計に謝(村田)蓮舫氏の印象が悪くなるだけだよ(^.^)。泉健太代表が昼行燈か木偶の坊かマリオネット人形か知りませんが、イラついても貴女は「過去の女」(爆笑)。立会演説会での応援演説でも「来ないでぇ〜」「印象悪過ぎ」じゃないですか。誰も呼びませんから!
昔の名前で出ています。。。
「そんなこと、内輪で言えよ」と思うのはわたくしだけでしょうか。
意味のないパフォーマンスでしたね。
トップを批判する私って格好いい!なんでしょう。まともな社会人経験がないから組織人として外で喋って良いことと悪いことの区別がつかない。アポ取って泉氏に面と向かって物申す度胸もなさそうだし。
誉める時はみんなの前で、
叱る時は二人の時、
というのが
社会人の常識ですね。
店員同士がケンカしてる店が、客からどういう目で見られているか?とか、まったく想像つかないみたいなので、あらためてびっくりしますね。
もとからサイテーなので、これより落ちる余地は無いと思ってましたが、更に下へとバッケンレコードを自分から更新してゆくところは、見事。
きっと取り巻きさんたちは拍手喝采なんだろうなー。
>対自民で頑張ろうという時だが…
目線からしてコレだからどうしようもない
未だ出発点が国政でなく政局
まあ、泉代表が頼りないのは事実だけど、
それとて、所属議員が好き勝手やっている結果なわけで。
その所属議員も、好き勝手やることで、議席を維持しているので、
本当に始末に悪いんだよなぁ。
さて、村田議員の国籍問題はどうだったけ?
文在寅をしばく金与正と、金与正にしばかれて満足そうな文在寅。
泉健太をしばくムラタサイトーシャーレンホーと、ムラタサイトーシャーレンホーにしばかれて不満足そうな泉健太。
うーん、レンホーじゃ女帝に不向きなんでしょうね。
女帝もいろいろだとは思いますが、「気品」みたいなものが有るのが女帝だと思います。
うーん、確かにレンホーだと下品って言葉が浮かんじゃいますもんね…。
立民の人は口を開けば文句や批判しか言わない気がします。
特にこの人は。いつも怒っている。
蓮舫さん…既に正気じゃない。
前進…じゃなかった前身の党の民進党党首の
「選挙でも支持率でも最悪で党首を更迭されただけではなく、党自体を瓦解させて新しい党名に大金かけて変えなければならない事態に陥らせた党内指導力も党内人事も責任能力も国民への説明責任も全部ダメだった」
蓮舫さんと現立憲民主党党首の泉さんの公開討論は他党支持者や反立憲民主党者や国民には関係無く国政関する討論ではないので内輪の会議室や党大会でやって公共に電波使わないでください。
雇われ店長と店員の討論なんてみたくもありません。
それにしても蓮舫さんの狂気はすごい。
マジコンの違法プログラムで動いてるのかな?
ゴム動力やゼンマイ式かな?
先週の立民法案採決引き延ばしという立憲民主党唯一の看板的な国会活動の真っ最中に小西さんがまさに同じ日に維新議員や産経記者への糾弾をしに久しぶりに現れた背筋が冷たくなるようなピント外れな行為にも似た不気味で怪奇な出来事である。
彼らの脳内ではあれでも「言ってやったぜ♪」なんだろうか?
ご自分で代表になればよいのでは。
自民党応援団長として誤立派に役割を果たすと思います。