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鈴置氏「韓国に期待するな、日本人は失敗から卒業を」

鈴置氏、尹錫悦政権がG7直後に「さっそく馬脚」と指摘

尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権の「馬脚が見え始めた」。そんな指摘が出てきました。韓国観察者・鈴置高史氏がウェブ評論サイト『デイリー新潮』に寄稿した最新記事がそれです。鈴置氏はこう力説します。「そもそも韓国という国に期待してはいけないのです。期待して騙されて怒る――という失敗の繰り返しから、日本人はそろそろ卒業すべきなのです」。鈴置氏の論考では主語が「日本人は」になっていますが、くだらない日韓茶番劇から卒業すべきは実際のところ、「日本人」ではなく、「宏池会政権は」、なのかもしれません。

消極的支持

他に適任者がいない自民党政権

果たして自民党政権に対し、国民は満足しているのか、それとも不満を抱いているのか――。

これを知るのは、簡単なように見えて、意外と容易ではありません。

国民がある政権を支持するとしたら、それには「積極的支持」と「消極的支持」があり得ますが、このうち「積極的支持」は「その政権だからこそ支持する」という姿勢、「消極的支持」とは「ほかに適任者がいないから」、という姿勢です。

岸田政権、果たして国民のためになることをやっているのか。

そして、国民が現在の岸田文雄政権の姿勢を「積極的に」支持していると言えるのか。

これに関しては保守論壇を中心に、議論は割れているようであり、もう少し正確に言えば、「否定的」な意見が多く見られます。

もちろん、岸田政権が打ち出した原発再稼働・新増設などのエネルギー政策、あるいは故・安倍晋三総理大臣らの置き土産である「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の推進、ウクライナに対する支援姿勢などは、保守的な立場にある論客の多くにとっては満足が行く話であるはずでしょう。

しかし、岸田首相自身が昨年、唐突に打ち出した「防衛目的の1兆円増税」という話や、最近の「少子化対策による増税」という観測報道を含め、財政政策的に見ると、どうも岸田首相の政治的スタンスは財務省の増税原理主義に引っ張られているようにも見えます。

さらにはご自身が首相秘書官に任命した長男を巡っては、昨年末、首相公邸で不適切な写真を撮影したなどとして社会的なバッシングを浴びたことなども響き、結局、事実上の更迭を決定しました。

これに関しては、一部報道では「メディアの実施する内閣支持率にも影響したこと」が決定打になったとの指摘もあるようですが(※真相についてはよくわかりません)、これなども岸田首相の政治家としての資質に疑問を投げかける事件のひとつだった、ということなのかもしれません。

岸田首相は退陣すべき?それとも…

正直なところ、著者自身としては岸田首相より優れた政治家がいるのなら、今すぐ岸田首相は退陣し、その「優れた政治家」と交代してほしい、という気持ちはありますし、そのような気持ちは多くの日本国民が持っているはずです。

ただ、だからといって、岸田首相自身が「今すぐ辞めるべきだ」との主張に、当ウェブサイトとして安易に与することは避けたいとは思いますし、やや自戒を込めて申し上げるなら、政治家の評価は多面的でなければならない、とも考えている次第です。

もちろん、首相という立場にあれば、世の中の神羅万象に関わらざるを得ませんし、なかには社会全体で議論を招くような政策もあるでしょうし、ご自身や身内の行動が社会的なバッシングを受けるような事態も発生し得ます。

結局のところ、ある首相を支持するかどうかは、その首相の推進する政策を総合的に見た結果の判断とならざるを得ないのでしょう。

現実問題、自民党は「早期解散なら」おそらく敗北しない

また、現実問題、岸田政権に対しては事実上、「消極的支持」が大変に多いのが実情でしょう。端的にいえば、今すぐ衆議院を解散し、総選挙を実施した場合、自民党は(多少議席が変動するかもしれないにせよ)政権を失うという状況にはないからです。

昨日の『数字で見る衆院選:「維新の大躍進がまだ難しい理由」』でも検証しましたが、「自民・立憲民主両党の候補が立候補しているすべての選挙区で、自民候補者から立憲候補者に2万票、票が移転する」――といった極端な事態でも生じない限り、自民党が下野するという可能性はありません。

当ウェブサイトの著者は現在、衆参両院選の全データの収集作業に着手しており、その第一弾として、2021年10月の衆議院議員総選挙のデータの取得が完了しました。これに基づけば、自民党は前回、全289の小選挙区のうち3分の2近くに相当する187選挙区で勝利を収めましたが、うち58の選挙区で、2位の候補者との得票差が2万票以下だったことが明らかになりました。また、立憲民主党は57選挙区を制したのですが、その立憲民主党にしても、2位の候補者との得票差が2万票以下だった選挙区は41選挙区であり、「ギリギリの当選」という状...
数字で見る衆院選:選挙協力解消で自民党58人影響か - 新宿会計士の政治経済評論

俗に「次の総選挙では、自民党に不満を持つ有権者が日本維新の会に大挙して鞍替えし、選挙結果がひっくり返る」などとしたり顔で述べる人もいるのですが、少なくとも2021年10月の総選挙結果を参考にシミュレーションを実施しても、そのような結果にはならないのです。

もちろん、自民党が多少、議席を減らす可能性はあるでしょう。

しかし、衆議院議員総選挙では小選挙区比例代表並立制という仕組みが採用されていて、小選挙区で勝つためには政党の名前だけでなく、候補者本人の知名度なども必要であることを思い出しておくと、少なくとも選挙が今後1~2年以内に行われた場合は、自民党が大敗する可能性は低いのです。

懸案解決していないのに…答弁拒否する岸田首相

ただし、こうした状況が、岸田首相、あるいは「宏池会政権」関係者を、増長させている可能性はあるでしょう。

自分たちのありとあらゆる政策が国民に支持されていると勘違いしてしまうと、特定分野での致命的な判断ミスが、宏池会だけでなく、自民党全体を、いつの間にか危機的状況に陥れる可能性があるのです。

じつは、日本国民は岸田首相本人が考えているよりも遥かに聡明であり、岸田首相の一挙手一投足を、少なくない国民がじっと見つめています。下手をすると、日本国民は岸田首相や宏池会関係者よりも、はるかに正確に、現在の日本の課題と解決策を知っていたりするのです。

その典型的な分野は、おそらく2つあります。ひとつは先ほども挙げた財政ですが、もうひとつが「日韓関係」です。

あまり厳しい言葉を使いたくはないのですが、今年3月6日以降の岸田政権による日韓関係は、端的に言えば「あり得ないほど稚拙」です。

日韓間の諸懸案といえば、韓国による竹島不法占拠問題、自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題という、韓国による日本に対する「3大犯罪」を筆頭に、本当に大小さまざまなものが山積しています。

ところが、韓国政府が3月6日、自称元徴用工問題を巡り、解決になっていない「解決策」を打ち出したことを受け、岸田首相本人がこれを「日韓関係を健全な関係に戻すためのものとして評価する」などと述べてしまいました(首相官邸・2023/03/06付『旧朝鮮半島出身労働者問題についての会見』参照)。

しかも、韓国のことですから、どんな「解決策」も将来必ず覆されるわけですが、この点に関する記者の質問に対しても、岸田首相はこう断言しました。

仮定に基づいた御質問にはお答えいたしません」。

この「仮定に基づいた質問には答えません」という姿勢が、岸田首相の人間性の本質を示しているものでしょう。端的にいえばインテリジェンスとプリンシプル(※政治家として大切にすべき原理原則)の欠如そのものです(『岸田ディールで垣間見える「キシダの実務能力」の低さ』等参照)。

「仮定のご質問には答えません」は岸田首相がちゃんと考えていない証拠衝撃的な「岸田ディール」。振り返れば振り返るほど「信じられない内容」と言わざるを得ません。とくに韓国の「ちゃぶ台返し」の可能性については、岸田文雄首相は記者会見で「仮定の質問には答えません」と述べ、シャットアウトしてしまいました。こうした記者団とのやり取りから浮かぶのは、「キシダ・フミオ」という政治家の「実務担当能力のなさ」、「戦略的思考力のなさ」、そして「プライドの高さ」です。不誠実な「キシダ・フミオ」岸田ディールの衝撃:首...
岸田ディールで垣間見える「キシダの実務能力」の低さ - 新宿会計士の政治経済評論

それだけではありません。

岸田政権は相次いで、韓国を輸出管理上の「グループA」、つまり旧「ホワイト国」に戻すと決定してみたり、日韓財務対話を再開すると決定してみたり、あるいは2018年12月に発生した火器管制(FC)レーダー照射事件をきちんと追及しなかったり、と、本当に理解に苦しむ行動をとり続けているのです。

不安しかない日韓関係

韓国との協力が「必要」と主張する者たち

正直、岸田首相がこの難局における日本のかじ取りを担っていること、そして昨年7月8日、1人の狂人により安倍晋三総理大臣が暗殺されてしまったことは、日本にとっての不幸そのものではないか――。

こんなことを述べると、だいたい、こんなことを主張する者が出てきます。

何を言っているんですか。日本から見て韓国はとても大切な国ですよ?好き、嫌いを問わず、韓国を敵に回すなんてありえない。韓国との防衛協力も大事だし、経済的に見ても、重要性はとても高いんですよ?日本は諸懸案で多少韓国に譲歩してでも、日韓関係を良好にすべきです」。

まさに、『「徴用工解決で安保協力が進む」という松川議員の詭弁』などでも触れた、「松川理論」というインチキ理論そのものですね。

「あの議員」の詭弁が再び出てきました。「朝鮮半島生命線説」とでも言えば良いのか、自称元徴用工問題を「解決」することが、日韓・日米韓の安全保障連携にも寄与する、といった主張です。端的にいえばお粗末と言わざるを得ません。「日本が韓国に譲歩したら日韓・日米韓連携が円滑になる」という主張自体が、そもそも理論的に間違っているからです。国益こそ重要著者自身がここ10年ほど取り組み、いまや一種の「ライフワーク」と化しているのは、「日本にとって円滑な日韓関係が国益である」とする主張の誤りを理論的に証明する作業...
「徴用工解決で安保協力が進む」という松川議員の詭弁 - 新宿会計士の政治経済評論

もっとも、大変残念なことに、この手の「松川理論」は正しくありません。

このうち「経済的に見て、韓国が日本にとって重要な国である」という主張については、当ウェブサイトでもこれまでさんざん指摘してきたとおり、数字で見てウソであることが説明できます。

まず、人的交流に関しては『4月の訪韓日本人は激減:訪日韓国人の3分の1以下に』などでも指摘したとおり、日本と韓国の往来は、「日本に来たがる韓国人が大変に多い」一方、「韓国に行きたがる日本人は大変に少ない」、というのが現状です。

韓国観光公社の2023年4月における訪韓外国人統計が公表されました。これによると、韓国を訪れた外国人は888,776人で、内訳は日本人が128,309人でトップを占めましたが、ただ、訪韓日本人は前月と比べて33%も落ち込みました。その理由はおそらく、日本人の訪韓需要は3月に集中していて、4月はその反動減となったからでしょう。いずれにせよ、その結果、4月における訪韓日本人は訪日韓国人の3.64倍(!)という差がついた格好です。訪韓外国人は100万人にあと一歩韓国の観光統計が公表されたようです。韓国観光公社の『訪韓外国人旅...
4月の訪韓日本人は激減:訪日韓国人の3分の1以下に - 新宿会計士の政治経済評論

続いて物的交流に関しては、『台湾が日本にとって「3番目に重要な貿易相手」に浮上』などでも指摘してきたとおり、日韓貿易は「日本が韓国に対し最先端の素材・部品・装備を輸出する」という構造であり、韓国にとって日本は重要ですが、日本にとって韓国は重要ではありません。

台湾が日本にとって、豪州を抜いて再び3番目の貿易相手国に浮上しました。財務省税関が30日に公表した「普通貿易統計」の速報値によると、貿易高は台湾が9673億円で3位となり、9536億円で4位だった豪州と逆転したのです。また、輸入高では4273億円でUAEを抜いて4位に浮上する一方、輸出高でも5400億円で韓国を抜いて3位に浮上しました。台湾は日本にとって、まさに密接な人的物的交流を有する重要なパートナー、というわけです。普通貿易統計・速報値:輸出高で台湾が韓国と再逆転し3位に浮上財務省税関は30日、2023年4月度に...
台湾が日本にとって「3番目に重要な貿易相手」に浮上 - 新宿会計士の政治経済評論

さらに金融面では、『世界最大債権国・日本の「アジアとのつながり」の薄さ』でも取り上げたとおり、日本にとって韓国に対する与信残高は、対外与信全体の1%を少し上回る程度の重要性しかありません。「ヒト、モノ、カネ」という面で見て、日韓関係は正直、非常に希薄なのです。

四半期恒例のCBSの最新データ紹介です。CBSとは国際決済銀行(BIS)が四半期に一度公表する『国際与信統計』のことですが、これによると、2022年12月末時点においても日本が世界最大の債権国でした。ただ、アジア諸国(とりわけ香港、中国、台湾、韓国)に関しては、日本は最大の貸し手ではありません。これらの国に対する最大の貸し手は英国や米国などであり、日本はこれらの国に対する金融では「蚊帳の外」のようなものです。BIS統計国際決済銀行、あるいは英語表記の “the Bank for International Settlements” を略し...
世界最大債権国・日本の「アジアとのつながりの薄さ」 - 新宿会計士の政治経済評論

軍事面での日韓連携の注意点

その一方、軍事面では、たしかに現在の日本政府は「日韓・日米韓の連携が大事だ」と主張していますが、これについてもよく文脈を確認してみると、「日韓・日米韓連携」はおもに北朝鮮対策において問題となるものであり、対中政策においては微妙に「日韓・日米韓連携」は外されていることがわかるでしょう。

要するに、現在の日韓関係は、「半島有事に備えての協力」という側面が強く、日本にとって本来、死活的に重要な台湾有事などに際し、韓国の支援を期待することはできない、という代物です。

こうした原則を踏まえておくと、日本が「諸懸案で多少韓国に譲歩してでも問題解決を急ぐべき」と主張する前提条件自体が間違っていることは明らかであり、その意味で、現在の岸田文雄政権の対韓外交は、国家としての原理・原則から著しく逸脱するものであると指摘せざるを得ないのです。

こうしたなかで、韓国が安保面で日本、そして米国にとって、信頼し得る相手方ではないということを、かなり早い段階から一貫して主張し続けているのが、韓国観察者の鈴置高史氏です。

3月6日の自称元徴用工問題「解決策」(※解決になってない)以来、日韓首脳シャトル外交を復活させ、米韓首脳会談もこなした尹錫悦(いん・しゃくえつ)大統領はを巡っては、自称保守論客の間でも、「完全に日米側に戻って来た」と絶賛する人はいます。

デイリー新潮最新稿

しかし、鈴置氏はこうした見方に対し、おそらくはまったく同意していません。

尹錫悦氏は先月、G7広島サミットに参加し、そのサミットでは中国を牽制するコミュニケなども出てきたことから、韓国が「中国包囲網」に加わった、などと能天気に浮かれている人もいますが、鈴置氏がウェブ評論サイト『デイリー新潮』に2日付で寄稿した次の記事を読めば、こうした能天気さは吹き飛んでしまいます。

中国が尹錫悦をムチ打ち始めた 米中半導体戦争で繰り出した「4つのNO」

中国が尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権にムチを使い始めた。「言うことを聞かねばいじめる」と宣言したのだ。韓国観察者の鈴置高史氏はそれを米中半導体戦争の一端と読む。<<…続きを読む>>
―――2023年06月02日付 デイリー新潮『鈴置高史 半島を読む』より

鈴置氏が執筆する記事の多くは公開された情報をもとにして議論を組み立てるというスタイルが多く、その論考の透明性は極めて高いと言えます。今回の記事についても5,000文字近くの長文ですが、端的に言えば、インテリジェンスの塊のようなものです。

一般に新聞記者が書く文章の多くは情報源が(ときとして)意図的に隠蔽されていることも多く、「インテリジェンス」という点で問題があることが多いのですが、鈴置氏の文章に関しては、そんなことはありません。情報源が「これでもか」というほど明示されているからです。

今回の記事も例外ではなく、大変説得力があるとともに、読んでいて知的好奇心を刺激されるものです(鈴置氏も新聞記者出身であるはずなのですが…)。

全文の引用はしませんので、全容については是非とも直接、リンク先記事をお読みいただきたいと思います(ついでにデイリー新潮には最近、読者コメント機能があるようですので、記事を読んだ感想がある方は、デイリー新潮に書き込んでみても面白いと思います)。

中国、韓国に「4NO」通告か?

ここでポイントだけ列挙しておくと、こんな具合です。

  • 韓国メディアは最近、中国が韓国に対し「4NO」方針を韓国に通知したと表明した。
  • 韓国政府は否定したが、中国外交部報道官は会見で、中国が韓国に対し、何らかの要求を行ったことは認めた
  • 中国としてはG7広島サミット直後というタイミングもあり、韓国を牽制しておく必要があったと考えたのだろう

…。

ちなみにデイリー新潮の記事のサムネイルに使用されているのは、中国外交部の毛寧(もう・ねい)報道官の写真であり、オリジナルの写真については中国外交部『2023年5月31日外交部发言人毛宁主持例行记者会』で無駄に高画質のものが公表されています(わざわざ見る価値があるとも思えませんが…)。

【参考】無駄に高画質なもの

(【出所】中国外交部『2023年5月31日外交部发言人毛宁主持例行记者会』)

鈴置氏によると、韓国メディアが報じた「4NO」方針とは、①(台湾問題など)中国の『革新的利益』に介入したときには協力しない、②韓国の親米・親日一辺倒外交が続くときには協力しない――、など、韓国を脅しつけるようなものだったそうです。

ではなぜ、このタイミングで「4NO」などと報じられたのか。鈴置氏はこう指摘します。

3月16日と5月7日の2回に亘る日韓首脳会談。4月26日のワシントンでの米韓首脳会談。5月20日のG7(先進7カ国)首脳会談の拡大会合。いずれの場でも、尹錫悦大統領は米国・日本との同盟強化を明確に打ち出しました。/中国はそれにはクギを刺す必要があると考えたのでしょう」。

そのうえ、中国が5月21日に打ち出した米マイクロンの半導体に対する制裁を巡っても、米中のさや当てがなされており、とりわけマイクロンの穴を韓国企業が埋めた場合には、韓国が再び米国の不評を買う可能性も出てきます。

これを、鈴置氏は「中国が韓国に『火事場泥棒』をさせようとしている」、などと指摘しています。

「日本人も失敗の繰り返しから卒業せよ」

ただ、それ以上に強烈なのは、鈴置論考の各所に出て来る、岸田政権に対するチクリとした表現の数々です。

先ほど申し上げたように、親米派も中国と闘うつもりはないのです。それにもう、米韓同盟は修復できたし、日本との関係も表面的には改善の方向です。少々、中国側に戻っても米国は怒らないかもしれません」。

「日本との関係も表面的には改善の方向」(!)。

親子丼にピリリと山椒が効いているようなものでしょうか、ステーキに胡椒が効いているようなものでしょうか。あるいは岸田政権は「胡椒」ではなく「故障」でしょうか?

わかる人にはわかる、なんとも強烈なパンチです。

そのうえで改めて深い感銘を受けるのは、次のくだりかもしれません。

今、保守系紙も含め韓国紙には『次は中国との関係改善だ』との声が満ち溢れています。米国から怒られたら、対策はその時に考えればよい。『食い逃げ』『二股外交』と批判されようと、大国の間で小国が生き残る道はそれしかないのです」。

おそらく鈴置氏の指摘通り、韓国は日本や米国からの外交成果を「食い逃げ」し、「二股外交」を続けていくつもりでしょう。広島サミットからまだ1ヵ月も経っていないのに、案外早く、尹錫悦政権は馬脚を現し始めたのかもしれません。

そのうえで次の記述は、大変に気になります。

そもそも韓国という国に期待してはいけないのです。期待して騙されて怒る――という失敗の繰り返しから、日本人はそろそろ卒業すべきなのです」。

主語は「日本人は」、になっていますが、前後の文脈から考えて、「騙される」のは岸田文雄首相や「宏池会政権」の面々であり、「騙す」のは尹錫悦政権ではないでしょうか。

「失敗の繰り返し」から卒業すべきは「日本人」ではなく、むしろ自民党・宏池会政権なのかもしれない、などと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (52)

  • 鈴置高史さん記事読みました「4つのNO」(シンシアリーさんのブログにも有ります)尹大統領が米韓関係を建て直ししようが恐中病は半島のDNAですね‼️この訪韓した中国外交官は「文在寅前大統領時代の三不一限も確認したとか」(シンシアリーさんブログ)キシダは何故此処まで韓国全面降伏してしまったのか⁉️今月発売の月刊正論の「永田町事情録」読んでキシダの古い深慮遠望の保守派潰しと、阿比留記者の「政界なんだかあ」での「安倍元首相のキシダ評」 を読んでキシダのアメリカ政権への面従腹背ぶりが解りました‼️媚中国派の親玉林芳正を外相に起用してアメリカからの不信感を利用買い、其れを挽回する余りアメリカに追従した。日韓の歴史上問題に全く無知なバイデン大統領の言うがママ(安倍元首相はオバマ大統領相手にハッキリ主張し、バイデン副大統領の余りにも無知にバカと確信)兎に角、日韓仲良くしろに面従腹背して韓国に全面降伏してしまった‼️此でバイデン大統領はご満悦、先の訪米で肩に腕を絡ませる程タップリ舐められた‼️然し米韓関係を修復してアメリカを利用して日韓関係を韓国全面勝利に導いたものの、結局お里が知れる、中国の包囲網に参加せず中国から恫喝・圧力を受ける。従来より鈴置さんの指摘通り、韓国は全く変わっていない‼️日本は何回同じ事を繰り返すのか⁉️安倍ドクトリンを壊すな⁉️

    • 賛成です。
      岸田文雄首相の政権運営は日本の害になります。すでに結果は出ているではありませんか。今われわれ国民がすべき心配とは「七色の国民負担増 キシダ食い逃げ増税」です。

  • 他国の足を引っ張り、邪魔をする事で自らの存在感を示そうとするのが韓国だから、win-winな関係など決してあり得ず、常にwin-loseな関係になります。

    なので、lose側を避けるならばwin側になるしか無く、それはつまり中国の「常に要求し、従わなければお仕置きをすると常に脅す」対処や、安倍外交での「韓国の主張に反論し、無視して放置する」の“丁寧な無視”の対処が選択肢となります。

    岸田文雄は、国際法違反の判決を温存し、請求権を未解決のまま放置する「韓国的解決策」を受け入れましたが、これは正しく「win-lose」な関係であり、岸田文雄の政治的センスが壊滅的に無く、リーダーに相応しくない事の証左ですね。

    • >win-winな関係など決してあり得ず、常にwin-loseな関係になります。

      なので、lose側を避けるならばwin側になるしか無く、それはつまり中国の「常に要求し、従わなければお仕置きをすると常に脅す」対処や、安倍外交での「韓国の主張に反論し、無視して放置する」の“丁寧な無視”の対処が選択肢となります。

      大いに同意します。
      対象国を理解、即ち賞賛せず、盲従せず、蔑視せず理解だけをして自国の国益に貢献するにはどうするべきかを突き詰めるとクロワッサン様の上記の行為に行き着きます。
      安倍晋三総理の言う「韓国へのマネージ」というのはこういった事の総称ですよね。
      半島は日本のSecurityにとって重要だからこそマネージが必要です。

  • 木原誠二官房副長官の兄は、韓国との間で結び付きが強いみずほフィナンシャルグループ社長の木原正裕氏です。みずほを潰さないためには、日韓通貨スワップが必要です。日本人は失敗から学んでいても、日本の政治家や財界人は学んでいないのは、こうした日韓間のしがらみがまだ続いているからでは。非常に残念なことです。

    • そういうカラクリがあったのですか?

      みずほは、国内に貸出先が無いから、韓国に貸し込んでいるんですか?
      LCの裏書みたいなこともしているんでしょうか?
      それで、韓国は輸入が出来ているのですか?
      韓国の家庭債務は200兆円位あるそうですが、そのお金の出所も日本の銀行なんですか?

  • 岸田政権になってからプライムニュースに鈴置氏が出演しなくなった印象がある。

  • >仮定に基づいた御質問にはお答えいたしません

     「中国がミサイルを撃ってきたらどうしますか?」という質問に「いつ撃ってきますか?」と答えた議員がいたが、それと同じだね。

  • >「韓国に期待するな、日本人は失敗から卒業を」
    →早く韓国を諦めることが肝要ですね。

    >「中国が韓国に『火事場泥棒』をさせようとしている」
    →韓国が反射利益に食いつかない理由がないことを中国は良く理解しています。そして米国もそのことは心得てるはずです。

    きっと、マイクロンの穴を埋めるのは「made in korea」
    そしたら彼らを待つ未来の立ち位置は 「冥土 in korea」
    ・・。

    韓国は、米中の双方から「足の踏み場もないほどの踏絵」を敷き詰められ、窮して日本に秋波を送ってるんですよね。日本も踏絵を置けばいいのに・・。

    • カズさま

      今朝も飛ばしてますね。「冥土 in korea」 に吹きました。

    • はにわファクトリーさま 元雑用係さま

      ご反応をいただき、ありがとうございました。
      ・・・・・
      個人的には、先のホワイト扱い問題も、米国に対しての日韓宥和演出に過ぎず、「国内世論の理解を得られないため、閣議を通せない!(韓国の常套句)」とするための”イシュー返しプロセス”であって欲しいと願っています。
      ・・・・・
      (本稿に気になる一節がありましたので書き込みます。)
      >岸田首相はこう断言しました。「仮定に基づいた御質問にはお答えいたしません」。

      これホント。岸田首相も、『かてい(家庭?)に基づいた御質問にはお答えいたしません』とは良く言ったものですね・・。

  • >日韓関係を健全な関係に戻す

     岸田総理でなくとも、公の場ではこういう建前で表現しなければならないでしょうが、実際にはこれは矛盾する表現ですね。
     誇張抜きに日韓関係は一度も健全であったことはありません。「戻す」のであればそれは不健全な関係にということになるし、「健全な関係」にするということであれば、以前より厳しくあたる方向に「進める」ことになります。厳しくといっても過去が異常な甘さだっただけであり、普通の扱いをすることが厳しく映る時点でどう考えても健全ではないでしょう。
     いち国民の私としては進んで欲しく、戻ってほしくはないです。そしてこれは最近ではもはや少数派ではないのではないかと思います。

     岸田総理が「不健全な状態に戻す」と堂々と発するか、「健全な状態に進める」といって今の方針を覆すか、どちらかに覚悟を決めたら岸田総理の胆力を評価します。後者であってほしいものですが。

    • 農民様

      いつも、核心を突いたことを言われますね。

      正常な日韓関係とは、没交渉、付き合わない、ということです。
      元々、戦後、日本は韓国と付き合う気は無かったのに、朴政権の時にお金が欲しいから向こうから寄って来たのです。

      朴政権の時に、戦後賠償が完全に終わったのですから、付き合わなければ良かったものを、中途半端に付き合うものだから、これは、何か言えば金が取れると思わせてしまったのです。

      二国間関係とは、お互い利益があるから関係するものであるのに、利益が無いのに、何の「正常な日韓関係」なのか?ということですね。

      • >朴政権の時に、戦後賠償が完全に終わったのです

        65年合意は戦時賠償などではない。
        韓国(朝鮮)は交戦国ではないし、東南アジアの国のように戦場にもなっていない。
        意外に知られていないが朝鮮半島はアメリカ軍の空襲も受けていない。
        したがって日本人を追い出した後、当時東洋一の水力発電所も世界有数の化学会社、現在のチッソも無傷で手に入れた。
        ではなぜ金を払ったのか? 冷戦下日韓の間の不仲は好ましくないとアメリカが考えたのだろう。戦争を理由に韓国に金を払う理由はないので条約の名称は「財産及び 請求権 に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の 協定 」となっている。

        • 文字は、思い込みではなく正しく読みましょう。
          戦「後」賠償です。戦「時」賠償ではありません。
          相手の本意を読まず、自分の知っている知識に寄せて解釈する癖は直したいものです。

          • すみません、ちょっと留守してたもんで。

            >戦「後」賠償です

            なんで賠償する必要があるのか?
            これは当時の日本政府も同じ考えだった。
            だからこそ財産及び 請求権 に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の 協定 」いなっているのです。

        • 追記します。
          戦後賠償とは、後腐れなくする為の賠償です。手切れ金みたいなものです。実際その通りの主旨で、当時の日本政府はお金を払っているでは無いですか?
          あなたの仰る通りの主旨で当方も書いております。

        • sqsq様

          ついでですから、書かせて頂きます。
          歴史にしても何にしても、何故か?という事を考えながら理解していかないと、表面だけの事を覚えていって終わりになります。
          米国は何故朝鮮半島を空襲しなかったか?それを恰も深い特別な意味がある事のように書かれていますが、こんな事は考えるまでもない事ではありませんか?
          当時の朝鮮半島を空襲しても終戦には、全く結び付かないからです。
          そんな無駄な事をする国がありますか?戦費と武器と時間の無駄使いです。
          早く戦争を終わらせるにはどうしたらいいかを考えながらやるのが戦争です。
          もの事を理解する一番いい方法は、自分が当事者だったらどうするかと考えながら理解する事です。
          当時の自分が、総司令のマッカーサーだったら、或いは、当時の米国大統領だったら、と考えてみながら理解して行く事です。そうしなければ、何故そうなったかは分からないでしょう?何故なら、そう言う意思決定権者達が歴史を作っているのですから。

        • sqsa様

           またついでですが、良い機会なので書かせて頂きます。

          >>>当時東洋一の水力発電所も世界有数の化学会社、現在のチッソも無傷で手に入れた。

           無傷で手に入れたのは、北の方です。

           半島の北側は、鉱物資源に恵まれた所です。南側は、農業地帯です。
          ですから、日本は北の方に鉱工業関連の工場を造り、南側は、ダムを造ったり灌漑用水を造ったりして農業の振興をしました。
          トンネルも道路も造りましたよ。それを皆タダで使っているのにねぇ。

           今、北が賠償だとか余り騒がないのは、日本の鉱工業関連設備、それこそ、世界有数レベルのものを手に入れたからでしょう。
          今も使っているかもしれません。
          何しろ、日本が大連に残してきた工業施設を1990年の改革開放が始まるまで使っていたという国もあるのですから。

           日本が残した鉱工業設備資産が残っていなければ、北は何も出来なかったでしょう。
          それが分かっているから、北は余り金を寄越せと騒がないのかもしれません。
           知識は、もう少し深堀すると更に広い理解や視野を与えてくれます。

          • 残念ながら国交正常化の時に北は日本から金もらうつもりです。
            北にも金を払うのは(国交正常化の時に)日本政府の方針です。それがわかっているから北は騒がない。
            1965年の韓国との交渉時に韓国は「北の分もよこせ」と要求。日本政府に拒絶されています。北の分は北と交渉するというのが日本政府の方針。当時は北とも南とも国交がないのだから当然でしょう。

          • ついでに
            サムスン傘下のソウルにある新世界デパート。
            あれ「京城三越」
            日本人を追い出して手に入れたもの。

        • sqsqさん

          もう一度だけお付き合いしましょう。
          台湾と朝鮮半島、南から日本に攻め上がって来るのに、台湾に日本の勢力があったら邪魔でしょう。
          朝鮮半島は、地理的にも邪魔にならないし、日本の戦力もそれ程あった訳ではないです。
          少し、戦争ゲームでもやって、戦略を学んでみたら如何でしょう?
          百貨店に至っては、何と言ったら良いか。
          どうも・・・・・

  • 4NOのハンギョレ記事は5/31だったようですが、中一日でデイリー新潮で記事化されてます。鈴置氏の危機感が表れているんでしょうか。

    まあ、読めば読むほどに思うのですが、韓国を小突き回して同盟の末席に座らせることは構わないと思うんですが、そのために日本だけが譲歩して大盤振る舞い(ホワイト国とか)する必要はないと思うんですよね。
    駐日米大使のお気楽内政干渉ツイートに表れていたとおりで、米国が日本にああしろこうしろという場合には日本の国益なんて踏まえないんだから、日本は自国の国益を説いてお断りしなきゃならなかったんですよ。

    そういや、エマニュエル坊やのツイート、G7後はめっきり見かけなくなりましたね。(笑)

    • エマニュエルは再び鼻につくツイート遊びを始めたようです。どんなに批判されてもゴーイングマイウェイで、あの御仁はちょっと頭がイカれてるのだと思います。
      なんでもエマニュエルは相変わらずLGBTQ法案を可決させろと岸田官邸に圧力をかけ続けていて、それを受けた岸田首相も今国会で可決させるよう指令を出したとの話もあります。
      この話が真実ならば、日本は今、結構ヤバい状況なのではないでしょうか。中国に侵略される前に米国民主党によって国を滅ぼされそうです。

      • 日々、エマニュエル ー 木原ホットラインが活躍しているそうな。(つまり、指示仰ぎ?)

  • 岸田首相には首相としての、骨太な国家を作るというポリシーがありません。外交では誰にも良い顔をする。更に発言やプライベート含めて隙が多い。ただの「総理総裁になりたい熱望」が実現して、後は宏池会と子息の事だけを上手くやって、一日でも長く総理でいたいだけでしょう。日韓関係でも今年に入って急に韓国尹氏の雪解け演出に加担し、協議も増え、過去の韓国の大罪を水に流すような雰囲気です。

    鈴置氏は「G7の後、挙動不審の韓国」と見出しに付けてますが、米中の間をウロチョロしている節操のない韓国は、見ていて滑稽だし、自由主義陣営の日本人の私としては、腹立たしい限りです。「信用も信頼もしてはいけない国、恩を仇で返す国、日本を永遠に罵倒する国」=それが韓国、北朝鮮です。

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