本日以降開催されるG7広島サミットに合わせ、ウォロディミル・ゼレンシキー大統領が広島を訪問するとの報道が出てきました。「関係者の話」としてブルームバーグが報じたものですが、これが事実なら、ロシアに対してだけでなく、中国や韓国などに対しても、非常に重要な効果がありそうです。なにより一部でささやかれていた「サミット解散」が「ゼレンシキー解散」となるのか…。それでなくても注目点が多々ある今回のG7、関連する情報を注視する価値はありそうです。
ゼレンシキー大統領が訪日か
事実だとしたら、これは久しぶりのスクープです。
ウクライナのゼレンスキー大統領、G7出席で訪日へ-関係者
―――2023年5月19日 12:34 JST付 Bloombergより
ブルームバーグの日本時間19日正午過ぎの報道によると、ウクライナのウォロディミル・ゼレンシキー大統領がG7広島サミット(※)に出席するため、広島を訪れると、「事情に詳しい複数の関係者」が明らかにしたのだそうです(※日程は19日から21日までの3日間)。
正直、昨年の故・安倍晋三総理大臣の暗殺事件や今年の岸田文雄・現首相に対する暗殺未遂事件などを思い出しておくと、警備という意味では若干の不安感を覚えざるを得ないところではあります。
中国の「C5+1」サミットへの影響
ただ、もしもゼレンシキー大統領が広島訪問日程を無事に終わらせた場合、西側諸国の結束とともに、ロシアと中国に対し、大変大きなメッセージとなり得ます。
じつは、今回のG7広島サミットに合わせるかのように、中国が中央アジア5ヵ国とのサミット(C5+1)を、西安(せいあん)で開催しているのだそうです。
「経済ナンバー2」中国はなぜ除外されたのか…対中戦線連合体に変化したG7(1)
―――2023.05.19 07:29付 中央日報日本語版より
ちなみにこの「C5+1」、『ロシアが外貨準備で保有する金塊から垣間見る「苦境」』でも指摘したとおり、中国にとっては「ウクライナ戦争でロシアの存在感が低下した間隙を突く形で、中国の中央アジアにおける影響力を拡大する」などの狙いがある、との見方もあります。
また、ウクライナといえば、岸田首相にとっては外交上の大変大きな得点を上げた相手国です。
『外国メディアが岸田首相ウクライナ訪問に注目する理由』でも触れましたが、岸田首相がキーウを訪問したタイミングで、ちょうど習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席もロシアを訪問し、大統領であるウラジミル・プーチン容疑者と会っていたからです。
岸田文雄首相の先週のウクライナ訪問とウォロディミル・ゼレンスキー大統領との会談に関する外国メディアの報道を見ていると、ちょうど習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席がロシアの大統領であるウラジミル・プーチン容疑者と会談したタイミングにぶつかったことに注目しているものが多いことがわかります。いずれにせよ、私たち一般人が直接、外国メディアの報道を確認できるというのも、興味深い時代になったものです。ネットは一般人が「第四の権力」持つ独裁者に抵抗する手段インターネットの時代が到来しました。昨日の『ネ... 外国メディアが岸田首相ウクライナ訪問に注目する理由 - 新宿会計士の政治経済評論 |
習近平氏の行動を巡っては、プーチン容疑者、ゼレンシキー大統領の双方に会うことで、「調停者」としての役割を狙ったのではないか、といった観測も見られますが、岸田首相の絶妙なタイミングでのキーウ・ブチャ訪問は、こうした中国の狙いを粉々に打ち砕いてしまいました。
これを狙ってやったのだとしたら、岸田首相は相当な策士です(といっても、タイミングから判断して、あくまでも単に運が良かっただけの「偶然の産物」という可能性も高そうですが…)。
韓国の米中二股外交への影響も?
また、岸田首相が「関係改善」を演じている相手である尹錫悦(いん・しゃくえつ)韓国大統領にとっては、今回のゼレンスキー氏の広島来訪は、大変な誤算だったかもしれません。韓国の「米中二股外交」も、影響を受けざるを得ないからです。
ゼレンスキー氏の来訪により、G7広島サミットに参加した首脳陣は、中露などの全体主義国家と対決するという構図が強調されかねず、そのことは尹錫悦氏に対し、「米中二股外交」をよしとする韓国の伝統的な政治勢力からの支持率が低下する可能性を孕んでいるのです。
しかも、一部報道に基づけば、G7サミットで首脳陣には福島産の食材で作った料理がふるまわれるとの情報もありますが、それが実現した場合、尹錫悦氏にとってはますます大きな「政治的敗北」となり得ます。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
いずれにせよ、「ゼレンスキー来日」、「日米豪印クアッド首脳会談」、「韓国大統領に福島県産食材の提供」、さらには一部でささやかれている「サミット解散」(あるいは「ゼレンスキー解散」)があるのかどうか、など、今回のG7は何かと話題が多い会合になるのでしょうか。
今後の情報を注視する価値はありそうです。
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結局、自民党はいつ解散総選挙やっても議席は微減すると思う
保守層が完全にブチ切れてるしな
立憲、共産は割と減り、維新や国民がかなり躍進しそう
関係者よ、こんな極秘情報簡単にばらすな!と言いたい。心中では知ってても、声は知らないと言わないと!
仰る通りかと。前回のウクライナ電撃訪問の教訓が全く活かされていませんね。
その通りなんですがむしろバラす為に暗躍している伏しもマスコミにはあります。
なぜかTBSは先乗りして警備状況の特番組んでいたとか。
極秘事項なんじゃないかな…それ。
オウムTBS事件を思い出してしまいます。
ゼレンスキー大統領、日本降臨
核兵器を使わせないための行動として高く評価できます。
Aljazeera は真偽不明瞭の含みで昨日のうちにゼレンスキー大統領日本訪問の可能性を報じていましたし、国内でもその可能性を指摘する個人の発言が twitter で目に触れていました。
BBC がブルームバーグと FT の発言として訪日を速報したのは 12:14 です。
任期残考えるにセンベイが嫌がりそうですが>早期解散
自民が公明を切れないのであれば、学会への根回しも観て最近でも秋かなぁ…なーんて
立憲は連合に泣き付いて国民民主に抱き着き謀る代表勢と共産との連携を主張するコア勢で内紛はじめそうな雰囲気ですが、ドチラニセ食い扶持狙いの野合にしか見えないのはイツモ通り、マスゴミ巻き込んで維新へのネガキャンももう少しアツくならないとセンキョー体制に移行できんでせう
日本維新も早い程駒不足段取り不足は顕著でせう
ゼレンスキー大統領が被爆地である広島に訪れ、全世界に向けて「核戦力の不使用」を
訴えることは、ロシアに対し圧力となるかもしれません。
日本も、専守防衛に徹しているウクライナのように、他国から侵略を受けている国に対しては
対空ミサイルなど専守防衛向けの軍備を供与してよいと思います。
先日、テレビ番組の討論会では、日本もロシアや中国などの軍事大国から攻められた時は、
米国だけでなく、他国から軍備供与を受けないとやっていけなくなるとのこと。
その場合、日本からは、他国が攻められて困っている時は、軍備供与はできないが、
日本が攻められて困っている時は、軍備を供与してくれという論理は、国際社会では
通用しないのではないかと議論されていました。
ゼレンスキーとゼレンシキーで表記揺れがありますが、ウクライナ語に近いのはゼレンシキーだったのですね。キエフが早々にキーウに改められ、ウクライナ大使館などの発信もゼレンシキー表記になっている以上、今後はゼレンシキーを積極的に用いるべきでしょうか。ジョージアもすっかり馴染みました。
>農民様
情報ありがとうございます。
キーウもジョージアも未だに脳内で変換するのにワンテンポありますがw
昔ソ連時代の空母ミンスク(キエフ級2番艦?)が話題になった記憶とかジョージアはどうしてもアメリカとか缶コーヒーと概念が結びついてしまっているので、変換にワンテンポ必要です。
ゼレンシキー氏は記憶も深くないのでまだ対応もできそうですが^^
「宇国・ゼレンスキー大統領訪日」が決定ですね。TBS、テレ朝、NHKらがCNN報道を使ったりして21日と日付も出してます。話題が「ウクライナ情勢とG7の絆」となりそうで、中露は苛立っているでしょう。露国はG7共同の敵だが、中国にはそこまで厳しい制裁を考えて無い自由主義国家もある。しかし、ソレは間違いダゾと首脳会談でハッキリさせて欲しい。岸田首相、ホスト国としてリーダーシップを発揮せよ!
また韓国もゲストのはずなのに、「アレ?何で居るの?」という立場になり、中華様からお仕置きが来ますネ(笑)。何処にでも顔出して、一人前のG8国ダ〜なんて思っているから、思わぬところでしっぺ返しを喰らい、ドツボにハマる。お似合いだわ。
中国がG7への腹いせにでっち上げた中央アジア5ヵ国とのサミット(C5+1)なるモノ。ゼレンスキー氏のG7対面参加が実現し、反露、反核で大いに盛り上がるなら、ロシア(心情)支援国家の寄せ集めみたいな側面がクローズアップされることで、ますますショボい体たらくになりそうですね(笑)。
岸田さんがサミットでウハウハな気分の時に賭けて勝負に出るとは思えませんね。年末か来年前半と予想
岸田氏には好悪様々な感情のある人も多いでしょうが、これは素直に高評価ポイントだと思いますね。
平和・反核を隠れ蓑にした勢力も本件は非難できないでしょうし、根回し・実現させた官邸と外務省?は評価すべきではないかと。
絶好のアピールポイントにゼレンシキー氏の方から前向きに提案があったかもしれませんが
因みに、私はこのニュースを海外の反応アンテナまとめサイトの紹介で知りましたw
https://www.otonarisoku.com/archives/japan-g7-zelenskyy20230519.html
韓国人「ゼレンスキー大統領、日本電撃訪問・・・広島G7出席へ」→「広島G7とてつもないね クアッド会議、ゼレンスキー直接日本訪問まで」「我々はいつG7になるのか(泣)」
あいつらどんだけ日本とG7注視してんだよw
韓国は日和見からロシア制裁に最後まで渋ったりと(アメリカに脅されて最後の最後でやっと参加という驚くべきダサさ)世界のリーダーに参加する資格を得る言動をせずにウクライナに冷たく当たっていたのに、ゼレンシキー氏の訪日を羨ましがるとかG8執着とか……しかし事態に乗じて死の商人を満喫したりと、とにかく醜悪ですね。
連中が注視しているのは、日本とG7というのもありますが、本質的にはとにかく自己利益と言えるかもしれません。しかも実益よりも虚栄心という救いの無さ。
> しかし事態に乗じて死の商人を満喫したりと、とにかく醜悪ですね。
仰る通りではありますが、韓国が死の商人出来るのも、日本が素・部・装等を供給する(3品目の包括化や、グループAに入れてあげる)のと無関係ではないでしょう。
日本は、完成品としての武器(殺傷能力のある兵器)を輸出しないだけで、その生産に必要な素・部・装等を、韓国の様な死の商人国に輸出している訳で。
昔は、東芝機械が潜水艦のスクリュー製作に使う工作機械をロシアに輸出してた位。(今は、そこまで惨い状態ではないと思うが。)
中途半端は良くないですね。武器輸出しないのなら、その生産に使用可能な素・部・装等も輸出しない。逆に、そんな素・部・装等を輸出するのなら、偽善的過ぎる武器輸出禁止を廃すとか、スッキリさせるべきでは?
兵器製造用の素材・工作機械と民生品用のそれとでの境界は曖昧で、韓国とはそれこそ断交でもしなければならないかもしれませんね。ま個人的感情としては断交で良いのですが。
合理的なのは、日本も武器輸出禁止を廃す方でしょうね。であっても、儲かるから出すというだけでは世界に対する責任が軽すぎる。極度に政治的な戦略が求められるでしょう。
韓国はこの事態によって兵器輸出額を倍以上に伸ばしているくせに事態収集に貢献もせず、武器輸出を以ってこれが安保協力平和貢献だと嘯き、フッ化水素がアレなくせに兵器が不安定な国々に流れぬように責任と倫理がーなどと騙り……大統領も産業育成として(とてもヤバイ)経済の柱にしたいとし。
日本が武器輸出を合理化し且つ素部装側に責任を負わせられるのであれば、結果的に韓国との貿易が減るかもしれません。