日経新聞も値上げ?古き慣習から抜けきれない新聞業界
ツイッター上で新聞業界関係者と思しき人物が、「日経新聞も7月から500円の値上げに踏み切る」との観測を示しています。もちろん、現時点では値上げは「確定」ではなく、あくまでも観測ではありますが、もしこれが事実だとしたら、やはり新聞業界は「ほぼ同じ時期に一斉に値上げする」という、古き慣習から抜け切れていない証拠となるかもしれません。
日経新聞、7月から値上げか?
「日経新聞が7月から値上げ」、という情報が出てきました。
日本経済新聞は6月から値上げという噂もありましたが7月からが濃厚か。朝夕刊セットで5,400円(+500円) 説。電子版の価格は据え置くとなれば、本格的に紙の切り捨て体制に入りたい模様。以前本社で焼身自殺まであったのに相変わらず販売店泣かせのエグい施策です。
#値上げ pic.twitter.com/GgPvpSpyK6— 特攻の紀谷理馬 (@motokisha) May 10, 2023
といっても、現時点では一部の人がツイートしているだけなのですが、それでも新聞業界では値上げの公式発表に先立って、この手の打ち明け話が出て来ることが多々あるようです。
一説によると今回の値上げ幅は500円で、値上げ後の月ぎめ購読料は朝夕刊セットで5,400円、統合版で4,500円だそうです。新聞という「古くなった情報が紙に印刷されて届けられる」というサービスを受けるための値段が毎月5,000円超、というのも、なかなかに驚きます。
もし日経新聞が値上げなら…主要紙の朝夕刊セットは平均4,600円に
主要全国紙、ブロック紙のなかでは、朝日新聞と西日本新聞がすでに5月に値上げされており、毎日新聞も6月に値上げを予定していますので、主要紙の「朝夕刊セット」価格は平均4,600円、最も安い東京新聞の3,700円を除けば、いずれも4,000円台です。
図表 主な全国紙・ブロック紙の月ぎめ購読料(税込み)
新聞 | 朝夕刊セット | 統合版or朝刊のみ |
日経新聞 | 4,900円→5,400円? | 統合版4,000円→4,500円? |
朝日新聞 | 4,400円→4,900円 | 統合版3,500円→4,000円 |
読売新聞 | 4,400円 | 統合版3,400円 |
毎日新聞 | 4,300円→4,900円 | 統合版3,400円→4,000円 |
産経新聞 | 4,400円 | 統合版3,400円 |
東京新聞 | 3,700円 | 統合版2,950円 |
北海道新聞 | 4,400円 | (不明) |
中日新聞 | 4,400円 | 朝刊のみ3,400円 |
西日本新聞 | 4,400円→4,900円 | 統合版3,400円→3,900円 |
主要紙単純平均 | 4,600円 | 約3,694円 |
(【出所】著者調べ。なお、「統合版or朝刊のみ」は、新聞社によって適用される条件が異なるため注意。とくに「統合版」とは「夕刊が発行されていない地域で発行されている版」であり、「夕刊が発行されている地域における朝刊のみの契約」ではない可能性がある点には要注意)
暗黙の価格カルテル?
ただ、日経新聞が値上げに踏み切るかどうかはよくわからないのですが、図表をしげしげ眺めていて気付く点があります。それは、日経、東京などの一部の新聞を除き、主要紙は価格がほぼ横並びである、という点です。
そして、ここでシンプルな疑問が生じます。いったいどうして、新聞各紙は価格設定を「横並び」にしているのでしょうか?
これに関して確たる答えはないのですが、新聞業界全体が暗黙の価格カルテルを結んでいる、という仮説は成り立ちそうです。
経済学の原理からすれば、同じような性質の商品の場合、値段が高いより安い方が売れます。そして、経営体力があれば、多少のコスト上昇にも耐えられるため、価格を不当に廉価にして販売(※)することでシェアを奪い、経営体力のない新聞社が市場から排除される、ということも発生する、という理屈です。
(※不当な廉価での販売のことを、経済学の世界では「ダンピング」と呼ぶこともあります)。
もちろん、こうした理屈は、セルサイドの勝手な言い分です。
現実には、消費者にとっては「より安い新聞」という選択肢が奪われ続けた、という側面が強いからです。
インターネットが出現する前であれば、私たち一般人が日常的に情報を得る手段は、テレビ、ラジオを別とすれば、新聞くらいしか存在しませんでした。人々は同じ価格に設定された新聞を購読せざるを得なかったのです。
現実に、他紙と比べて明らかに安い価格に設定されている東京新聞、他紙よりもわざと高めに設定されている日経新聞を別とすれば、結果的にどの新聞も4,400円か4,900円のどちらかです。
想像するに、「少なくともあと1年は値上げしない」と宣言している読売新聞を別とすれば、中日新聞、北海道新聞、産経新聞も500円値上げして、朝夕刊セット料金を4,900円に揃えて来るのではないでしょうか。
(※ただし、産経新聞の場合は首都圏で夕刊を発行していないため、首都圏の住民に適用される料金は「統合版」のそれとなるでしょう。その分、産経新聞には東京新聞と並ぶ「お得感」が生じている格好ですが…。)
ネット時代に通用しない新聞業界の常識
ただ、インターネットが出現する前の時代ならばそれで良かったかもしれませんが、現代社会において、過去と同じような、「新聞業界にしか通用しない常識」でいっせい値上げに踏み切るというのも、なかなかに斬新(?)です。
ネット時代に通用しない新聞・テレビなどのマスメディア業界の常識は、ほかにもいくつかります。
たとえば昨日の『「誹謗中傷からジャーナリストを守れ」提言への違和感』でも取り上げましたが、オールドメディア側では新聞記者、テレビ出演者、ジャーナリストは与党政治家らを偉そうな顔で批判することには慣れていますが、自分たちが「一般人から」批判される側に立つことには慣れていないようです。
このインターネット時代、情報発信は新聞社やテレビ局などの特権ではなくなっており、私たち一般人がインターネットで発信する情報が、ときとして非常に多くの人々の目に留まる、といった時代が到来しているのです。
しかも、一部の新聞はわずか2年前後の間に2回も値上げに踏み切ったということもあり、これで新聞に見切りをつける一般読者がどれだけ生じるのかについては、見ものといえるかもしれません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
この記事は、新聞社への批判か批評ですが、もうとっくに新聞から卒業した人間からすれば、まだ新聞「紙」を購読している人がいる方が不思議です。
新聞紙を取らなくなって何が良いかと言えば、紙の処分の手間が無くなった事ですね。
東京新聞が、幾ら価格を下げても部数が伸びないのは、記事が面白くないからです。
ここで言える事は、紙という物理的手段を介さなくても情報が届く時代となれば、情報という商品の肝は、本来の価値であるその質だけになるという事です。
或いは、産経のように同人誌みたいになるか?
情報には、2つの側面があるが、それを分かっているマスコミ人がいるのか?と疑問に思います。
米国では、それをいち早く察知して、経営方針を変えて生き残っている新聞社があるようです。収益性も、前より良くなったようです。当たり前です、前より商品の質が上がって付加価値が高くなっているのですから。
こういう業界が談合だの寡占だのと騒ぎ、他の業界を記事にしたり批判したりするのが何とも
自分たちが行う分には「やむを得ない」と開き直るんだよなぁ
日本経済新聞社に言わせれば、日本の企業は世界の趨勢から遅れていて、DX 改革は待ったなしなのだそうです。まず自分とこ何とかしてから、発言して欲しいですね。いつも上から目線なのはまるで気に入らないです。
DXより前に、自紙の記事のその後を、自分で記事にして欲しいのが日経です。全く、誤報ばかりというか、経済や証券のジャーナリストとは思えないテイタラクと感じます。日経信じると社が傾きます。
はにわファクトリーさんに返信しようかと思いましたが、1つのコメントとして書きます。
日本のDX化が進まないのは、日本人は、大きなシステム思考が出来ないからです。
しかも、更に問題なのは、それすら認識出来ないからです。小さなシステム思考は、大得意ですが。小さなシステムを単純計算で積み上げたものが、大規模システムではありません。大規模システムには、大規模システムの考え方と構築力が必要です。
マイナカードシステムでのトラブル多発は、システムを作る側も使う側(地方自治体職員)も、このシステムとは、そもそも何をする為のものかが分かってないからです。更に、元々、こんな大規模システムを作るだけのシステム思考力は、日本人にはありません。
更に、マイナカードは、元々、税金の取りこぼしが無いようにすることだけが目的だったのに、それに社会保険、健保までくっ付けたから、全体の整合が難しくなったようです。
もう一つの例は、大規模システムの構築も管理も不得意な日本は、水道システムも自国で開発出来ず、フランスの会社にお任せしています。
匿名さま
コンピュータの使い方が下手なのは、それを OA 化の道具だとまだそんな風に考えてるからです。特に役所がひどい。事務仕事の省力化という視点でしか捉えることができていません。彼らは人海戦術が大好きです。自分たちより安い給料で働いてくれる派遣会社を顎で使って悦に入ります。
1千万や1億という数字は大きなものはでまったくありません。それがたいへんてごわいものでたいそうな数や手間と思っているうちは DX は無理ですね。64 ビット一発でできることは多いのです。
もう、OA化の時代はとっくに過ぎていて、DXの時代になっているのですが、
DXの意味する所は、決して理解できないでしょうね。
値打ちを作り出すそのやりかた、の問題です。
コンピュータとは省力化効率化の道具であると考えているうちは、儲かりゃしないし、うまくいったりもしないわけです。
コメント失礼します。
ようつべのプレミアムより高いんですね。個人12カ月まとめ買いで11,800円。一カ月2,280円のファミリィプランで比べても割高。反日に拘るあまり、外国に課金を促しだしたのかな?
https://www.youtube.com/premium
もういっそ前金集めてからの受注生産とかにして、信者から搾り取る形に縮小した方が生き延びられるのでは?信者なら月100万円とか破産する迄課金してくれるかも。自称社会の公器、木鐸、クオリティーペーパーらしいので誰か金主になってくれるでしょう。
購読代金は横並びに値をあげる。
でも経営は体力順に音をあげる。
ハラハラの毎日ですね。きっと。
❲毎日❳をかけたところがヒジョ〜に好みです
核心にご反応いただき、ありがとうございました。
寡占業界での各社横並びの値上げは独占禁止法に引っかからないのでしょうかね?
諸物価の高騰という理由は容認されるのでしょうか?
公正取引委員会の見解が聞きたいですね。
新聞などという、あっても無くてもいいものには、公正取引委員会は、関心を示しません。
参考に
https://www.jftc.go.jp/dk/seido/tokusyushitei/qa.html#:~:text=%E4%BE%8B%E3%81%88%E3%81%B0%EF%BC%8C%E8%91%97%E4%BD%9C%E7%89%A9%E5%86%8D%E8%B2%A9%E5%88%B6%E5%BA%A6,%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%80%82
横並び料金。
横並びサービス。
こんなもん素直に「談合」「カルテル」ですわな。
書籍(再販制度)みたいに法的根拠があるわけでもなし。
公正取引委員会は昼寝してるのか。
お前ら仕事しろ。(笑)
談合といっても、良い談合と悪い談合があるのですが、新聞業界のは典型的な悪い談合。
(新宿さんが言うところの利権)
ある程度の競争と淘汰がないと腐敗します。
ま、業界ごと全滅しそうなので、議会の腐敗なんかと違って遠巻きに見てるだけですが。
いろいろな業種で、特に運輸系で値上げが行われると、身を切る経営努力をしたのか、ニーズに合ったサービスや商品を提供しているのか、と厳しく指摘してきます。そっくりお返ししたい。