本稿では、岸田文雄首相の日韓首脳会談における共同記者会見の原文をもとに、今回の岸田首相訪韓の意味を考察しておきます。今回の訪韓において、日本にとって「新たな致命的なミス」はなかったと考えて良いものの、ツッコミどころは多々ありますし、安倍、菅両総理の時代の「日韓諸懸案の解決が図られないうちは日韓交渉に応じない」とする姿勢を岸田首相があっけなく覆しただけでなく、半島有事への巻き込まれリスクを高めたほか、中国による「巻き返し」などを通じて日本の安全保障環境を危うくしてしまった可能性がある、という点については指摘しておく必要があります。
目次
岸田首相「これまでに培った信頼関係」
普段から当ウェブサイトで申し上げているとおり、政府発表についてはテキストの原文を読むことが重要です。
昨日は岸田文雄首相が韓国を訪問し、尹錫悦(いん・しゃくえつ)韓国大統領との首脳会談に臨みました。これに関してはさまざまな報道が出ているのですが、本稿では首相官邸のウェブサイトに掲載されている共同記者会見における岸田首相の発言の原文をベースに、今回の岸田首相訪韓の意味を考察しておきます。
(※なお、全文については本稿末尾にも収録しておきますので、ご興味があればご確認ください。)
いきなりですが、岸田首相の発言の末尾にある、「尹錫悦大統領と頻繁にお会いして信頼関係を深めながら」、の部分について、少し深入りしておきましょう。これに関連し、岸田首相自身が7日、ツイッターで、こんなことを発信しています。
「これまでに培った信頼関係」とありますが、客観的事実関係を述べておくならば、岸田首相と尹錫悦氏が一対一で会談を行ったのは、2022年9月のニューヨークでの国連総会の場が初めてでした(『官房長官「日韓両首脳は未来志向での関係発展で合意」』等参照)。
日韓首脳「会談」、あるいは日韓首脳「懇談」を巡って、松野博一内閣官房長官は22日午前の記者会見で、「両首脳は、懸案を解決し、日韓関係を健全な関係に戻す必要性を共有し、1965年の国交正常化以来築いてきた日韓の友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を未来志向で発展させていくことで一致した」、などと述べました。ただ、松野長官の一連の発言には懸念点が多々あります。岸田文雄首相が韓国の尹錫悦(いん・しゃくえつ)大統領との首脳会談に応じてしまったという話題については、今朝の『「日韓略式首脳会談が行われる」=韓... 官房長官「日韓両首脳は未来志向での関係発展で合意」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
もちろん、それ以前に日韓電話首脳会談や日米韓3ヵ国首脳会談なども実施はしていたのですが、対面で1対1で会い始めてからまだ1年も経過していません。これで「今まで培った信頼関係」とは、なかなかに興味深い認識と言わざるを得ません。
そもそも韓国は岸田首相自身が外相として関わった日韓慰安婦合意を事実上反故にした状態が続いているのですが、こんなことをされていながら「信頼」という単語を平気で口にするとは、大変に寛容な政治家であらせられるようです(もちろん、皮肉です)。
安倍談話に言及してほしかった
続いて、おそらくは自称元徴用工問題における「尹錫悦ディール」、すなわち「財団方式による第三者弁済案」に関する発言を拾っておきましょう。
岸田首相はこれについて、「3月に尹大統領が示された決断力と行動力に改めて敬意を表したい」などとしたうえで、次のような趣旨の内容を述べました。
- 私は3月に、尹錫悦大統領の訪日時に、1988年10月に発表された日韓共同宣言を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいると明確に申し上げた。この政府の立場は今後も揺るがない
- 尹錫悦大統領の決断により、3月6日に発表された措置に関する韓国政府による取組が進む中で、多くの方々が過去のつらい記憶を忘れずとも、未来のために心を開いてくださったことに胸を打たれた。私自身、当時、厳しい環境のもとで多数の方々が大変苦しい、そして悲しい思いをされたことに心が痛む思いである
まず、一部の韓国メディアなどが執拗に求めていた「新たな謝罪」についての表明はありませんでした。その意味で、このくだりに「日本にとっての致命的なミス」はありません。
ただ、岸田首相が「歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいる」というのならば、たとえば2015年8月の安倍晋三総理大臣の談話にも言及すべきでした。
※安倍談話とは:
安倍総理が2015年8月14日に発表した談話。隣人であるアジアの人々が歩んできた苦難の歴史を胸に刻む、などとしつつも、「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」と述べたくだりなどが有名。
また、自称元徴用工らを念頭に、「厳しい環境のもとで多数の方々が」云々のくだりは、明らかな蛇足でしょう。
そもそも自称元徴用工らの正体は、「強制徴用」された者たちではありません。国民徴用令で適法に徴用された労働者であったり、応募工であったり、酷いケースにおいては労働者ですらなかったりするケースもあると考えられるからです。
「先人」に宮澤喜一は含まれているのか?
さらには、岸田首相が新たな「お詫び」を表明しなかったこと(あるいは自民党内の強硬派などへの配慮から「お詫びを表明できなかった」こと)は、今後、韓国国内でもさまざまな議論(というよりも尹錫悦政権に対する批判)を呼ぶことになるはずです。
つまり、岸田首相の発言、日本国内からすれば安倍談話からの大幅な後退ですが、韓国にとっては「明確な謝罪もない」という意味で、日韓双方を苛立たせる発言でしょう。
しかも、これに加えて岸田首相の発言に含まれたこんなくだりを読むと、なんとも複雑な気持ちになります。
「日韓間には様々な歴史や経緯がありますが、困難な時期を乗り越えてきた先人たちの努力を引き継ぎ、未来に向けて尹大統領を始め、韓国側と協力していくことが、日本の総理としての私の責務であると考えております」。
「困難な時期を乗り越えてきた」の主語は、いったい誰なのでしょうか。
少なくともありもしない自称元慰安婦問題を「事実」と認めて謝罪してしまった、岸田首相ご自慢の「宏池会」出身の元首相・宮澤喜一が含まれているのだとしたら、なんともやりきれない思いがします。
スワップ、グループA…韓国が得をする内容ばかり
なお、すでにいくつかのメディアでも報じられているとおり、岸田首相はほかにも気になることをいくつか口走っていますが、個人的に大変気になるのは、こんな趣旨の発言です。
「日韓財務対話の再開で一致。金融、観光から文化芸術に至るまで、幅広い分野で対話が動いている。また、輸出管理当局間の対話も精力的に行われ、その結果、日本政府として韓国をグループAに追加することに向けて手続を進めている」。
基本的に、すべて韓国が得をする内容ばかりです。
前回、つまり2016年8月の日韓財相対話では、当時の副総理兼財相だった麻生太郎総理大臣が訪韓し、韓国側から日韓通貨スワップの再開要請を受けました。これを受けて日本はスワップ再開交渉に応じたのですが、例の「釜山慰安婦像問題」でスワップ協議は無期限中断中です。
まさかとは思いますが、岸田首相(あるいは宏池会政権)は、日韓通貨スワップを再開しようとするのでしょうか(『詐欺師が狙う次の「鴨葱」:日韓スワップ交渉本格化へ』等参照)。
「強制徴用賠償判決に対する韓国政府の解決策発表後に韓日関係が雪解けムードを迎えている中で、韓日通貨スワップ再開の声も出ている」。そんな声、少なくとも日本では出ていません。幻聴ではないでしょうか?ただ、「相手に考える時間を与えない」のは詐欺師の常套手段ですし、少なくとも韓国から見れば、現在の日本の首相は「葱(ねぎ)を背負った鴨」です。尹錫悦(いん・しゃくえつ)韓国大統領の訪日にあわせてスワップ外交が本格化する可能性は濃厚です。実務能力が極端に低い岸田首相岸田ディールという岸田首相の愚かな決断自... 詐欺師が狙う次の「鴨葱」:日韓スワップ交渉本格化へ - 新宿会計士の政治経済評論 |
また、さりげなく輸出管理上の「グループA」、すなわち「(旧)ホワイト国」に韓国を戻すという話も出てきますが、これについては当ウェブサイトでは現在、「キャンペーン」として、冒頭に『パブリック・コメント大募集!入力方法を解説します!』と称する記事を掲載し続けています。
本記事は2023年5月31日まで当ウェブサイトトップページに掲載し続けます電子政府の総合窓口(e-gov)トップからパブリック・コメントを入力する方法についてまとめました。手順が大変わかり辛いのですが、本ページを参考にしながら、是非ともパブコメに積極的に応じていただきたいと思います。また、実際に入力したコメントにつきましては、本記事の読者コメント欄にて入力していただいて構いません(※その際、個人情報などについては消してください)。2023/04/29 20:00追記本記事に関するバックグラウンド等について追記しています... パブリック・コメント大募集!入力方法を解説します! - 新宿会計士の政治経済評論 |
逆に、国民からの反発が強かった場合でも、岸田首相は韓国の「ホワイト国」戻しの政令改悪案をゴリ押しするつもりでしょうか。
謎です。
ALPS処理水は「協議」ではないが…
なお、例のALPS処理水の海洋放出を巡っても、岸田首相はこんなことを述べています。
「日韓間で引き続き誠実な意思疎通をしていきたい、そう考える分野に、ALPS処理水をめぐる話があります。日本は、IAEA(国際原子力機関)のレビューを受けつつ、高い透明性をもって科学的根拠に基づく誠実な説明を行っていく考えですが、韓国国内で引き続き懸念の声があることは、良く認識しています。韓国の方々に理解を深めていただくため、今月、東電福島第一原発への韓国専門家現地視察団の派遣をお受けすることといたしました。日本の総理として、自国民及び韓国国民の健康や、海洋環境に悪影響を与えるような形での放出を認めることはないことを申し上げたいと思います」。
これに関しては、是々非々で判断すべきでしょう。いちおう岸田首相の発言だけを読む限りにおいては、「視察団の福島第一原発派遣」で合意しただけではあります。
ただ、ALPS処理水の放出はあくまでもIAEAと協議すべき筋合いのものであって、間違っても「韓国と協議」することがあってはならない話です。
日韓関係「改善」は安全保障上、意味がない
いずれにせよ、この岸田外交に見える「危なっかしさ」に関しても、私たち日本国民が関心を持つべきものであることは間違いありません。
よく、「緊迫する現下の国際情勢では、日韓・日米韓協力は必須だ」などとしたり顔で論じる人もいます。
これに関しては岸田首相だけでなく、安倍総理や菅義偉総理大臣らも同じような認識を示していましたが、この「日韓・日米韓協力」を巡り、安倍・菅両総理が「本音と建て前」をうまく使い分けていたフシがあるものの、岸田首相は本気でこれを推進しようとしているように見受けられます。
しかし、当たり前の話ですが、日韓諸懸案を巡り、日本が韓国に譲歩したところで、日本の安全保障上の脅威が取り除かれることにはなりません。
そもそも韓国が米中双方に良い顔をする国であるという事実を踏まえておくならば、一時的に韓国という「天秤」が日米側に傾くことはあっても、いずれ中国側にも傾くという動きが必ず出て来るからです。
それに、半島有事への「巻き込まれ」リスクは、日韓関係が「良好」(?)である場合の方が高くなるかもしれませんし、半島有事が発生したときの邦人保護が円滑に機能しないという点についても、日韓関係の良好さとは無関係です。
このように考えるならば、「日韓諸懸案が解決しない限り、日本は日韓対話に応じない」とする安倍、菅両総理の方針をあっけなく放棄した岸田首相の外交姿勢が、これからの日本にいかなる影響を与えるかについては、あまり楽観的な見通しを立てることはできなそうです。
むしろ中途半端な日韓関係「改善」が日本にとっての半島有事への「巻き込まれ」リスクを高めることにつながりかねない、という点については、改めて認識しておく必要があります。
つまり、今回の岸田首相の訪韓は、「半島有事への巻き込まれリスク」や「韓国の米中二股外交への巻き込まれリスク」を高めることを通じ、却って日本の安全保障環境を悪化させた可能性が濃厚、というわけです。
(※といっても、著者自身、最終的には日本の未来に対して楽観的な姿勢を崩していないつもりですが、この点についてはいずれ別稿でまた議論したいと思う次第です。)
なお、日本の対韓輸出管理緩和を巡り、「不満があるけれどもパブコメにはまだ応じていない」という方は、是非ともパブコメにご協力ください(『パブリック・コメント大募集!入力方法を解説します!』参照)。
本記事は2023年5月31日まで当ウェブサイトトップページに掲載し続けます電子政府の総合窓口(e-gov)トップからパブリック・コメントを入力する方法についてまとめました。手順が大変わかり辛いのですが、本ページを参考にしながら、是非ともパブコメに積極的に応じていただきたいと思います。また、実際に入力したコメントにつきましては、本記事の読者コメント欄にて入力していただいて構いません(※その際、個人情報などについては消してください)。2023/04/29 20:00追記本記事に関するバックグラウンド等について追記しています... パブリック・コメント大募集!入力方法を解説します! - 新宿会計士の政治経済評論 |
岸田発言の全文
なお、末尾に岸田発言の全文を掲載しておきます。
報道機関の報道などを読むよりも、まずは首相発言の原文を踏まえておくべきではないかと思う次第です
日韓共同記者会見
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、そして、お集まりの皆様、本日、3月に尹大統領を東京にお迎えしてから、かくも早くに、ここソウルを訪問し、シャトル外交を本格化できたことを嬉しく思います。日本の総理として12年ぶりの二国間訪問に際し、尹大統領始め韓国の皆様方の温かい歓待に、心から御礼申し上げます。
そして、この場を借りて、先般のスーダンにおける邦人退避に際し、人命がかかる困難な状況の中で、韓国から多大な協力を頂いたことに改めて感謝を申し上げます。
3月に尹大統領が示された決断力と行動力に改めて敬意を表したいと思います。日韓関係の強化にかける強い思いを私も共有しており、今回、尹大統領との連帯を図り、また、G7サミットに向けて忌憚(きたん)なく意見を交わすべく、早い時期の訪問に踏み切りました。
3月の会談で私と尹大統領が示した方向性に沿って、日韓の対話と協力は、2か月足らずの間に、ダイナミックに動き出しました。
経済面では、今月2日に、仁川(インチョン)で、財務大臣会談が7年ぶりに行われ、財務対話の再開で一致いたしました。さらに、金融、観光から文化芸術に至るまで、幅広い分野で対話が動いています。また、輸出管理当局間の対話も精力的に行われ、その結果、日本政府として韓国をグループAに追加することに向けて手続を進めています。
また、新たに立ち上げた経済安全保障協議の第1回会合が、今月3日、双方の国家安全保障当局のトップの間で実施され、サプライチェーンの強靱(きょうじん)化など連携強化で一致いたしました。外務防衛当局による安保対話も5年ぶりに再開されました。日韓中プロセスについても、議長国である韓国の取組を支持することをお伝えいたしました。
民間、特に経済界の交流も力強く復活できていますし、議員交流も活発化しています。日韓の将来を担う青年たちの交流については、この機会に、韓国との間でJENESYSプログラムによる対面交流の全面再開と交流人数の昨年度比倍増を決定し、尹大統領にお伝えいたしました。
日韓間で引き続き誠実な意思疎通をしていきたい、そう考える分野に、ALPS処理水をめぐる話があります。日本は、IAEA(国際原子力機関)のレビューを受けつつ、高い透明性をもって科学的根拠に基づく誠実な説明を行っていく考えですが、韓国国内で引き続き懸念の声があることは、良く認識しています。韓国の方々に理解を深めていただくため、今月、東電福島第一原発への韓国専門家現地視察団の派遣をお受けすることといたしました。日本の総理として、自国民及び韓国国民の健康や、海洋環境に悪影響を与えるような形での放出を認めることはないことを申し上げたいと思います。
そして、3月に、尹大統領が訪日された際、私は、1998年10月に発表された、日韓共同宣言を含め、歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいると明確に申し上げました。この政府の立場は今後も揺るぎません。尹大統領の御決断により、3月6日に発表された措置に関する韓国政府による取組が進む中で、多くの方々が過去のつらい記憶を忘れずとも、未来のために心を開いてくださったことに胸を打たれました。私自身、当時、厳しい環境のもとで多数の方々が大変苦しい、そして悲しい思いをされたことに心が痛む思いです。日韓間には様々な歴史や経緯がありますが、困難な時期を乗り越えてきた先人たちの努力を引き継ぎ、未来に向けて尹大統領を始め、韓国側と協力していくことが、日本の総理としての私の責務であると考えております。
我々を取り巻く国際社会の情勢も、日韓の協力を益々不可欠にしています。双方は、北東アジアにおける米国の主要同盟国です。この関連で、尹大統領の先の国賓訪米の成功に祝意を申し上げました。この地域において、北朝鮮の挑発行為が続き、また、力による一方的な現状変更の試みも見られる中、日米同盟、韓米同盟、日韓、そして日韓米の安保協力により抑止力と対処力を強化することの重要性について改めて一致いたしました。昨年11月の日韓米首脳会合で合意した北朝鮮ミサイルデータのリアルタイム共有についても議論の進展を歓迎いたしました。そして、G7広島サミットの際に日韓米首脳会合を開催し、更に議論を深めることといたしました。北朝鮮との対話の窓は開かれていることに変わりはありません。そして、拉致問題については、尹大統領から改めて力強い支持を表明いただいたことに感謝申し上げます。
我々のシャトル外交は続きます。2週間後には、広島で尹大統領をお迎えいたします。本日は、G7広島サミットでも議題となる国際社会の諸課題での緊密な協力を確認いたしました。さらに、被爆地広島において、平和記念公園を訪問し、韓国人原爆犠牲者慰霊碑にも一緒に祈りを捧げることで尹大統領と一致いたしました。
本日の会談では、3月に大きな一歩を踏み出した日韓関係改善の動きが軌道に乗ったことを確認しました。次は広島で、その後は国際会議の場も含め、尹大統領と頻繁にお会いして信頼関係を深めながら、日韓関係強化の機運を確かなものにしていきたいと考えております。
―――2023/05/07付 首相官邸HPより
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この人就任時に「新しい資本主義」と言い出し、今は「異次元の少子化対策」
新しい資本主義と言った時世界が「なんだなんだ」となったが何にも出てこなかった。
異次元の少子化対策は財源がなく、増税もできない状態。
この人何言い出すかわからない危なっかしさがあるね。
私は、今回の岸田訪韓をさほど評価しません(5段階なら2かな)。
それは、「韓国世論カードの外交上の有効性」をまたもや認めてしまったからです。
政府の立場は変わらないが、個人的には「心が痛む思い」。そんなものは不要です。
処理水についても、「協議はしないが、視察団を受け入れ」。IAEAの調査団に韓国人も入っているでしょうが。科学的なデータを受け入れようとしない韓国民の説得は、韓国政府のやるべき仕事であり、世論に誘導されたパフォーマンスに付き合う必要はない、と考えます。
世論カードを認めている限り、韓国世論は反日に傾く、というこれまでの反省を、全く生かしておらず、これまでの失敗パターンの繰り返しです(配慮すればするほど、韓国世論は反日に傾く)。
大きな流れとしては、「他人を騙せばうまいことやった」と考える韓国とは、段階的に関係縮小に動くべき、と考えます。ただ米国が現状日韓宥和を望んでいることから、日本から冷淡な素振りは避けるべき、という条件付きです。
岸田さんが本当に策士で内心は違うことを考えているなら良いのですが、そう信じきれないところが不安(単なるお人好しかも)。
>岸田さんが本当に策士で内心は違うことを考えているなら良いのですが、そう信じきれないところが不安(単なるお人好しかも)。
単なるお人好しというより、ただの「いい格好しい」に見えます。
行動の大半は周り(主にマスコミ)の顔色を見ているだけだと思います。
この国の為政者は、安全保障の構造が分かってない。常に不安定な環境に置かれざる得ない国と、安全保障を共にしようなんて、その国の不安定さに同調することになる。
これは、大した有力な事業も無い万年赤字会社と資本提携するようなものだ。こっちまで赤字体質になる。
韓国がどうのでは無く、こんな所と親身に付き合おうとする方が愚か。
付かず離れずが一番だが、これは賢くないと出来ないこと。
この面から見ると、この国は明治の開国後、賢かったとは言えない。
徳川の鎖国も極端だが、今の何も考えない政治は、危なかっしい。
ギリギリアウト(50-50ですらない)。
>東電福島第一原発への韓国専門家現地視察団の派遣
=日本は韓国様を信頼しなければならない(韓国様のキャッチオール規制を信じろ)が、
韓国様は日本を疑って良い。
そういう特別扱いが増長させるんだってばよ。
(ど~してもやりたければ日韓原子力施設安全性相互査察だろ。IAEAの意味ねーがw)。
助けない、教えない、関わらない。
自己レス。
ありゃ、視察自体は色々受け入れているのか東京電力(楽韓さんを見て)。
とはいえ他者と同じ条件の下で正規の手続きを踏めなかったゴーマン視察団を外交決着で東京電力に受け入れさせるのだから、やっぱりモンスタークレーマーの特別扱いだわー。
韓国ウォッチャー第一人者鈴置高史さんの読み通り、韓国は1998年小渕・金大中「日韓共同宣言」まで引き戻し、岸田は韓国大法院判決「日韓併合は不法で有り元自称徴用工実態は強制連行でも無く給料未払いでも無い応募工に慰謝料払え」に「心が痛む」発言して、韓国のでっち上げを認めて謝罪した。安倍ドクトリンを亡きものにしてしまった。対北朝鮮への日米韓軍事協力だけで良いのに何故全面譲歩なのか?日本の国益を失する。次は日韓スワップ締結でしょ。左派どころか尹大統領にさえ手のひら返されるがオチ‼️
もう悠長なことは言ってられない
岸田含め、自民党を引き摺り下ろしましょう
まあ、時間の問題でしょうが、維新が与党になるでしょうな
無理
駒が足りないし核となる国家観が無いし岸田(励起)危機回避には間に合わない
残念だが、ロシアに媚びる維新に外交を任せるなど考えられない
>岸田総理は、ソウルできのう行われた日韓首脳会談や夕食会を受け、「私は尹大統領との信頼関係をさらに強化し、力を合わせて新しい時代を切り開いていきたいと考えています」と述べました。岸田総理はさきほど、尹大統領との首脳会談と夕食会を通じて「信頼関係を深めることが出来た」と振り返りました。
>日韓の歴史問題をめぐって、きのう総理は「心が痛む」などと発言しましたが、外務省幹部は「このタイミングで訪問したことも含め、総理の熱い気持ちの表れだ」として、事前にすりあわせたうえでの発言ではなかったことを強調しています。
だめだこりゃ。国家観も歴史認識も期待ゼロだし、前のめりが過ぎる。
この勢いで韓国に乞われるまま、金や技術もどんどん流しそう。そして国内は増税の嵐。
岸田首相訪韓談話は評価出来ません。「韓国をホワイト国に戻す」「大統領の決断により、徴用工問題は多くの方々が過去のつらい記憶を忘れずとも、未来のために心を開いてくださった」「シャトル外交を続ける」ーーいずれも尹大統領が退陣したら、猛烈な左派系大統領とシンパが声を荒げて日本バッシングをします。スワップ取極の発言が無かったが、絶対に韓国と結んではならない。どうして日本がいつもへりくだるように、一言一句間違いが無いよう慎重に話さねばならないのか?こんな用事ぐらいで隣国に行くな。
信頼関係は時間の長さによらず、深さによるものと思いますが、逆を言うと2回も騙された岸田がたった半年で信頼関係を口にするあたり、発言の内容が軽いというか、信用できないというか、また騙されているのか、お人好しと言うほかなさそうです。
(普通は2回も騙されれば10年経っても信頼しないと思う)
そして、会談の内容を読むと脇が甘いとしか言いようがない。
言いがかりをつける取っ掛かりを与えたと思う。
なぜ日本の外交は原理原則を貫けないのだろうか。スパイばかりなのだろうか。
あと、尹錫悦はやっぱりやりにくい。
こういう用日が出てくると、こうやって呼応する奴が日本にたくさんいる。
もううんざり。
せめて、パブリックコメントでの反対を受け、「グループAに復帰させたくても、世論がこれだから閣議を通せない」(韓国の常套口上)くらいの意趣返しは喰らわせて欲しいところです。
岸田首相は、”策士”で嵌めているのか・・?
否、錯視に嵌ってるとしか思えないですね。
*正攻法を通すべきです。まやかしで敵うはずないから・・。