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【速報】日本が韓国を「ホワイト国」復帰へ=時事通信

現時点ではまだ政府からの公式発表はありませんが、時事通信によると、日本政府は韓国を「(旧)ホワイト国」に復帰させるそうです。そして、その前兆はいくつもありました。日韓双方が短い期間に集中的に政策対話を実施したのです。おそらく経産省(あるいは岸田政権)としては、韓国を「(旧)ホワイト国」に復帰させるつもりなのでしょう。ただし、日本国民に対する説明が十分であるかどうかについては、また別の問題です。本件について異議がある方は、経産省の黒田課長、平山氏、久保寺氏の3名(直通電話番号は「03-3501-1479」、メールアドレスは bzl-boeki-kanri-inquiry@meti.go.jp )らに問い合わせるだけでなく、パブコメにおいて忌憚なき意見を政府に対して突きつける必要があります。

ホワイト国戻し

先日の『韓国が日本をホワイトリストに復帰:日本の呼応に期待』を含め、当ウェブサイトでこれまで何度となく報告してきた論点のひとつが、どうも経産省が韓国を「(旧)ホワイト国」に戻そうと画策しているフシがある、というものです。

どうも経産省の動きが怪しく、韓国を輸出管理上の「グループA」に追加することを画策しているフシがあります。というのも、4月に入ってから韓国側との政策協議を加速させているからです。もっとも、韓国側は24日、日本を輸出管理上の優遇対象国に追加したそうですが、韓国メディアには日本にも「相応の措置が待たれる」、などとする記事が掲載されたようです。この手の「日韓どっちもどっち論」、韓国の常套手段です。経産省の怪しい動き日本政府が韓国を輸出管理上の優遇対象国である「(旧)ホワイト国」に戻すのかどうか、とする...
韓国が日本をホワイトリストに復帰:日本の呼応に期待 - 新宿会計士の政治経済評論

おそらく背景にあるのは、「ウクライナ戦争や米中半導体対決の流れのなか、日韓・日米韓の協力が必要だ」、といったロジックでしょう(※ちなみにこうしたロジックの誤りについては、『「徴用工解決で安保協力が進む」という松川議員の詭弁』などを含めてこれまでに何度も指摘してきたとおりです)。

「あの議員」の詭弁が再び出てきました。「朝鮮半島生命線説」とでも言えば良いのか、自称元徴用工問題を「解決」することが、日韓・日米韓の安全保障連携にも寄与する、といった主張です。端的にいえばお粗末と言わざるを得ません。「日本が韓国に譲歩したら日韓・日米韓連携が円滑になる」という主張自体が、そもそも理論的に間違っているからです。国益こそ重要著者自身がここ10年ほど取り組み、いまや一種の「ライフワーク」と化しているのは、「日本にとって円滑な日韓関係が国益である」とする主張の誤りを理論的に証明する作業...
「徴用工解決で安保協力が進む」という松川議員の詭弁 - 新宿会計士の政治経済評論

ただ、すでに公表されている資料から見る限り、わずか2~3週間で日本の経産省当局は韓国側と3回も政策対話を行っており、こうした動きからも、日本政府が韓国を「(旧)ホワイト国」、つまり現在の用語でいう「グループA」に戻そうとしている可能性は濃厚だ、というのが当ウェブサイトなりの見解です。

ホワイト国と3品目の「分離対応」

繰り返しになりますが、OSINT(オープン・ソース・インテリジェンス)に基づく仮説は、こんな具合です。

  • 経産省・貿易経済協力局・貿易管理課の黒田課長、平山氏、久保寺氏の3名(直通電話番号は「03-3501-1479」、メールアドレスは bzl-boeki-kanri-inquiry@meti.go.jp )らを含めた経産官僚は、外務省にそそのかされた岸田官邸の意向を受け、韓国を「(旧)ホワイト国」に戻そうと画策した
  • しかし、経産省が3月6日に公表した「2019年7月以前の状態に戻すべく」の文言を見て激怒した西村康稔・経済産業大臣は、経産省幹部らに「首相官邸に出かけて修正して来い」と命じられ、これを受けて7日に岸田文雄首相の前で経産官僚が「方針変更」を説明した
  • このため、日本政府側の輸出管理緩和措置については、フッ化水素など3品目の輸出管理に「特別一般包括許可」を導入すると、「グループA」(『輸出貿易管理令』別表3)に韓国を追加するかどうかについては「分離」して対応することにした

…。

そこで、この「グループA」に韓国を追加するかどうかについての「検証」を実施し、「韓国における輸出管理の体制に問題はないことを確認した」という体裁を作ることで、「ホワイト国復活」を演じる、というわけです。

日本政府の説明は不十分

もし本当にそうだとしたら、じつに国民を舐めた姿勢です。

そもそも論として、これまでの日本政府の説明によれば、韓国における輸出管理を巡って「不適切な事案」が発生するなど、信頼をもって輸出管理を運営していくことができなくなったことが、同国を(旧)ホワイト国から排除した理由だったはずです。

日本政府はその「不適切な事案」が何なのかを明らかにしていませんが、非常に高い可能性が、「横流し」です。

どこの国に横流しをしたのかはわかりませんが、文在寅(ぶん・ざいいん)政権時代の韓国が北朝鮮と非常に密接な関係を持っていたことなどを踏まえると、日本にとって好ましくない相手国に、いくつかの戦略物資が横流しされていた可能性は十分に考えられるところです。

これに加えて「韓国が安全保障上/輸出管理上、信頼に値する国であるかどうか」に関しては、たとえば韓国が2018年12月に発生させた火器管制(FC)レーダー照射事件について、いまだに謝罪をしていないことからも、答えは明らかでしょう。

いずれにせよ、韓国が日本に対するWTO提訴を撤回してからまだほとんど時間が経過していないなかで、グループAに韓国を復帰させるのは、国民に対する説明があまりにも不足しています。

時事通信も報道

こうしたなかで、やっぱり出てきたのが、こんな報道です。

韓国が「旧ホワイト国」復帰 経産省

―――2023年04月28日12時23分付 時事通信より

時事通信によると、やはり経産省が韓国を「(旧)ホワイト国」に戻す方針を固めたとしています。

これに関し、現時点において経産省ウェブサイトや『e-govパブリック・コメント』などのページに関連する情報はまだ掲載されていません。

しかし、おそらく冒頭にも示した仮説に従えば、「3品目の輸出許可」と「ホワイト国」については「分離して処理する」というのが経産省(あるいは岸田政権)の方針であり、こうした仮説に照らし、この報道は別に不自然なものではありません。

いずれにせよ、もしも本件に関しパブコメが募集されるならば、日本国民がこれにどういう反応を示すかが問われていることは間違いないでしょう。

とくに、本件について異議がある方は、経産省の黒田課長、平山氏、久保寺氏の3名(直通電話番号は「03-3501-1479」、メールアドレスは bzl-boeki-kanri-inquiry@meti.go.jp )らに問い合わせるだけでなく、パブコメにおいて忌憚なき意見を政府に対して突きつける必要があります。

いずれにせよ、今後の展開を見守りたいと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (68)

  • 非常に嫌なタイミングでの報道ですね。
    軍事転用が可能な物質や技術に対する韓国の輸出管理の実効性を確認できたと判断したと書いてあります。
    今は輸出管理に実効性がある場合でも、将来、手抜きが生じて、横流しが起きることがないとの確証はあるのでしょうかね?
    かつての横流しの実行犯と、その幇助のために、輸出管理を手抜きした、あるいは、手抜きを指示又は黙認した幇助犯は、厳罰に処されるのでしょうかね?

    • アドレスを間違っていたものが、送信されてしまいました。
      こちらの方を削除して頂ければ、幸甚です。

  • 非常に嫌なタイミングでの報道ですね。
    軍事転用が可能な物質や技術に対する韓国の輸出管理の実効性を確認できたと判断したと書いてあります。
    今は輸出管理に実効性がある場合でも、将来、手抜きが生じて、横流しが起きることがないとの確証はあるのでしょうかね?
    かつての横流しの実行犯と、その幇助のために、輸出管理を手抜きした、あるいは、手抜きを指示又は黙認した幇助犯は、厳罰に処されるのでしょうかね?

  • 日経は本日 11:57 付けで報じています。
    当方が気が付いたときに「有料会員限定」ではなかったと記憶しますが、記憶違いかもしれません。読ませなくないなら読まないだけだという個人行動指針を当方は実践するだけです。
    政府の説明が不十分になるかもしれないという危惧はあります。銀行の破綻処理のように週末を狙って発表し休み明けまで時間稼ぎをする戦略ならセコい話です。

  • 通産省のメルアドとパブコメが掲載されれば、そちらにも意見致します。この時期に韓国をホワイト国に戻すなんて、到底許せません。国民をなめた行為です!日本政府は韓国の「不適切な事案」が何なのかを明らかにしていないが、核開発に使える物資の横流しでしょう。ハッキリ言って欲しい。何故言わないのか?官僚のする事は日本を貶める行為が多すぎる。

  • 岸田首相は「(ホワイト国指定に応えたいのはやまやまだが)閣議・世論の同意が得られない」から無理だ!とでもしたいのだろうか? →韓国側と同じ口上。

    韓国側からは、何一つ身を切った歩み寄りのないなかで、相互主義もなにもあったもんじゃないのに・・。

  • 2019年夏に起きた「ホワイト国外し」への一連の動きにおいて当サイトの存在を知り、引き付けられた読者は少なくないと思います。
    そこで今一度過去にあった事象をつまびらかに再点検して、今回の日本政府措置が適切妥当であるのかどうかサイト読者の判断に資する資料をまとめておくのはよい心掛けと考えます。人事異動も抑えておかないと。サイトの人気は(結果として)さらに高まりますね、きっと。

  • 私は韓国をホワイト国へ戻すのは既定路線で絶対にやると思ってました。岸田官邸+害務省+経産相(+アメリカ)はみんなグルだとずっと言ってきました。
    日本側が言葉でなんと誤魔化そうとも、韓国をちゃんと調査してますから!みたいに取り繕っているだけで「ホワイト国へ戻す」ことが大前提の動きであることは明らかでしたから。慎重に見極めるだのなんだの白々しいことで、と呆れてましたよ。
    ただ、想像以上に表に漏れるのが早かったですね。G7で復帰発表になるかと予想していたので。
    LGBTQ法案といい、韓国ホワイト国復帰といい、統一地方選が終わった途端ですわ。いかに岸田政権がいやらしい政権か、この件からもよくわかりますよね。

  • サムライアベンジャー(「匿名」というHNを使うことは在日の通名を使うのと同じ行為) says:

     やめてほしいですね、岸田さんには。いったいどこを見て何がしたいのでしょうか。

     ニセ徴用工問題で韓国がなんかやったからバーターのつもりでしょうか。そもそも背乗りの疑いが濃厚なのに、その問題の快活な死に、ニセ徴用工問題に対応したように見えるんですが。岸田さん、あたま大丈夫でしょうか。

  •  今朝、青山繁晴参院議員が、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」で、「内部告発の電話によると、きょう発表する」と発言していました。
    https://news.yahoo.co.jp/articles/68b1307f9caf20b69507df774f0b17982e88ee41?page=2
     私は、「運用の実態がどうか」次第だと考える派です。尹政権時代には北朝鮮に横流しされるリスクは少ないでしょうが、また左派が政権を取り戻したら危ないですよね。そんな頼りない国をホワイト国として白紙委任してもいいのか、ということです。ただね、尹大統領を助けるために日本が何かするのは大反対ですが、先の徴用工解決策発表で、このまま日本が何もしないというのも、バランス欠くかな、と思ったり、です。米韓首脳会談におけるバイデン大統領の日韓関係改善への言及も、日本としては考慮しなければならないでしょうし。
     経産省には、そのあたり(韓国での運用の実態)をもう少し詳細に説明して欲しい、と考えます。
     このサイトでは私の意見は少数派でしょうね(先の徴用工解決策の評価についても、少数派でしたし)。

    • パブリックコメントまで実施したという経緯に照らせば、「不意打ち」は到底許されないのでないでしょうか。

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