大変うれしいことに、昨日はウェブ評論サイト『デイリー新潮』に、韓国観察者である鈴置高史氏の最新論考が掲載されていました。今回のテーマは「米中半導体戦争のなかで有利な立ち位置を探る韓国が日本を利用する」、といったところであり、この見え透いた韓国の罠に見事に嵌った岸田文雄首相、という構図が見えて来ます。オールドメディアの「首脳会談成功」という外務省のプロパガンダ報道をおちょくるかのような鈴置論考、今回も説得力は抜群です。
目次
親韓?嫌韓?議論のスタートは日韓関係
世の中の韓国論は、「親韓論」であれ、「嫌韓論」であれ、たいていの場合は「日韓関係」が議論のスタートです(当ウェブサイトもそうです)。これは、ある意味では当然の話でしょう。私たち日本人が隣国・韓国のことを知りたいと思うきっかけは、たいていの場合、韓国の日本に対する極めて「特殊な振る舞い」にあるからです。
「なぜ韓国は誰にでもすぐにわかるようなウソをつくのだろう」。
「なぜ韓国は約束を破るのだろう」。
こうした「韓国の特殊性」を踏まえるならば、日本がなぜ韓国と付き合わなければならないのか(あるいは付き合うべきではないのか)、日韓関係が継続した場合の影響はどうなるのかを「知りたい」と思う日本国民が増えるのも当然のことでしょう。
そして、韓国をじっくり観察し、彼らの行動をさまざまな側面から明らかにし、分析し、研究することは、じつは私たち日本人にとっても極めて有益なことでもあります。なぜなら、私たちは「韓国」という「鏡」に映った日本を眺めているからです。
鈴置論考の特異性は「米韓」「中韓」「南北」に着目する点
こうしたなかで、日本で最も信頼すべき韓国観察者のひとりとして、改めて鈴置高史氏の名前を挙げておきたいと思います。
これまでに何度か指摘してきたとおり、この鈴置氏の論考の大きな特徴は、何といっても「米韓関係」、「中韓関係」、「南北関係」などの視点から、私たち日本人からすると一見不可解な韓国の行動を見事に解き明かしてきたことにあります。
これが、他の「親韓派」、「嫌韓派」の論者とは決定的に異なる点でしょう。
これまでの膨大な鈴置論考に目を通してきた結果、何となく浮かんでくるのは、鈴置論考には「可能な限り先入観を排し、観察対象をさまざまな角度から客観的に明らかにしようとする姿勢」が徹底しているのではないか、という仮説です。
すなわち、鈴置論考では「日韓関係はどうあるべきか」という政策論よりも、「韓国という国はいかなる存在なのか」に関する分析を突き詰めようとする姿勢が見られるのです。そして、こうした分析をもとに、「この国と日本が親しく付き合えば、日本はどうなるのか」を考えるのは、私たち読者の役目、というわけです。
鈴置氏の最新論考、キーワードは「半導体」
そんな鈴置論考の最新版が昨日、ウェブ評論サイト『デイリー新潮』に掲載されていました。
今度は「半導体」で日本を騙す韓国 来日の尹錫悦が繰り出した必死の作戦
3月16日に開かれた日韓首脳会談で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の「半導体協力」への固執が際立った。韓国は今、米国、台湾、日本の半導体同盟から仲間外れになりかかっている。日本を騙してそこに潜り込むのが狙い、と韓国観察者の鈴置高史氏は読む。<<…続きを読む>>
―――2023年03月20日付 『鈴置高史 半島を読む』より
今回の論考、文字数にして6000文字を超え、ウェブページ換算で4ページ分にも達する大作ですが、リード文にもあるとおり、尹錫悦(いん・しゃくえつ)韓国大統領がこのタイミングで日韓関係の「改善」を演出し、首脳会談に漕ぎ着けた狙いのひとつを「半導体同盟」から解き明かそうとする試みです。
読んでいただければわかりますが、新聞、テレビ等、既存のオールドメディアにありがちな「(16日の)日韓首脳会談は成功した」的な論調とは明らかに一線を画し、日本が置かれた国際社会における現実を冷徹な筆致で浮き彫りにする、極めて深刻な内容です。
ただ、長文かつ深刻な内容のわりに、負担感なく読めますし、また、読む人が読めば随所に希望が感じられる内容でもあります。
今回の論考、大きな流れでいえば、韓国が「日米台の半導体同盟」から締め出される可能性に危機感を覚え、日本を突破口に、その半導体同盟に強引に割り込もうとしている、ということです。
しかも、米国の中国締め上げという流れのなかで、「韓国半導体2社の中国工場の設備更新を2023年10月以降は許さない」とする米国の姿勢に抵抗するために、今回の首脳会談で設置が決まった日韓の経済安保対話の枠組みを悪用しようとしている、というのが鈴置論考の柱です。
米韓は極度の緊張状態に=対中スタンス巡り
鈴置論考のなかで、ひとつ引用しておきたいのが、こんな記述です。
「日本ではあまり知られていませんが、韓国は米国と極度の緊張状態にあります。もし、韓国が米国に逆らって中国工場の設備更新を続ければ、米国は日蘭に命じて半導体製造装置の対韓輸出を止める可能性があります。また、レジストなど日米企業が寡占状態にある素材の対韓輸出も止まるでしょう」。
今回、尹錫悦氏の来日に当たっては、経産省が突如としてフッ化水素、レジスト、フッ化ポリイミドの3品目の対韓輸出管理上の運営を、個別許可制から特別一般包括許可も使えるように変更したのですが、その狙いも、日本から韓国に対する「武器」を取り上げることにあったというのが今回の論考の指摘です。
鈴置氏は論考のなかで、岸田文雄首相が韓国に「また」騙された、と断言しているわけではありませんが、読む人が読めば、岸田首相が体よく韓国に騙されたことは明らかです。いずれにせよ、自民党の議員は、次の記述を100回くらい音読してほしいと思います。
「だから尹錫悦政権は執拗に日本に『半導体協力』を訴えるのです。韓国にとって運のいいことに、お人よしで外相時代に2度も韓国に騙された岸田文雄氏が首相をやっているのです」。
ネットとオールドメディアの断絶
もっとも、読んでいて希望を感じる部分もあります。
「――岸田首相はまた、騙されるのでしょうか。
鈴置:分かりません。興味深いことにネット上では『またキシダを騙しに来た韓国大統領』への警戒感が根強い」。
つまり、ネット世論とオールドメディア世論の断絶が広まっている、という指摘です(※ただし、鈴置論考では「オールドメディア」の用語は使用されていませんのでご注意ください)。
このあたり、各種世論調査で見ても、ネットに親和性が高い若年層ほど韓国や岸田政権に対し冷めた見方をしているという傾向と整合しています(メディアの世論調査を盲信するかどうかは別として)。
また、僭越ながら当ウェブサイトでも『日韓関係巡る「松川理論」にネットコメントは冷ややか』などで取り上げてきたとおり、ネット上の意見を眺めていると、まさに岸田政権の対韓譲歩を巡っては、非難する意見が圧倒的多数を占めています。
「新聞の夕刊は2022年10月1日から起算して、遅くとも7.68年以内に消滅する可能性が高い」。これは、新聞発行部数のデータから逆算し、現時点において当ウェブサイトで暫定的に結論付けている内容です。ただ、このタイムスケジュールが早まるかもしれません。『FACTA』という雑誌によれば、新聞の用紙代が今春、大幅に値上げされるのを契機として、夕刊の廃刊に踏み切る新聞社が増えてきたのだそうです。もっとも、遅かれ早かれ、夕刊は早ければ数年のうちにも「絶滅」する運命にあります。用紙代の値上げはその単なるきっかけに... 新聞夕刊は7.68年以内消滅か - 新宿会計士の政治経済評論 |
じつは鈴置氏自身、日本経済新聞社の記者出身ですが、そのわりに、オールドメディアに対して妙に擁護するようなところがなく、むしろオールドメディアの論調を突き放しているフシがあります。まるで、オールドメディアの論調を、「外務省の振り付けに従っている」とでもいわんばかりです。
次の一文など、その証拠でしょう。
「産経新聞を除き、新聞やテレビなどでは『尹錫悦氏はいい人』『日韓協力体制の復活』といった楽観的な空気が目立ちます。既存メディアは耳元で日本の役所や韓国政府のプロパガンダを聞かされるからでしょう」。
これなど、「新聞やテレビの『中の人』は、日本の役所や韓国政府のプロパガンダの真贋を見抜く力がない」と指摘しているかのようにも見えますが、そうだとしたら、鈴置氏も、じつはなかなかに辛辣です。まるで外務省のプロパガンダを垂れ流すオールドメディアをおちょくっているかにも見えるからです。
余談ですが、例の「小西文書問題」でも明らかなとおり、オールドメディアの場合は「見抜く力がない」だけでなく、ときとして情報のパッチワークで読者、視聴者を欺こうとするからタチが悪いのですが…。
米国?中国?韓国の曖昧さ
さて、鈴置論考の「米国が半導体素材の対韓輸出規制に踏み切るか」に関するくだりに戻ると、こんな記述が目に付きます。
「――米国はそこまでやるでしょうか?
鈴置:やるでしょう。半導体封鎖網は軍事力を使わずして中国を抑え込む、ほぼ唯一の手段なのです。2019年に日本が韓国の横流しを理由に、半導体関連3品目の輸出管理を厳格化した時のことを思い出して下さい。<中略>米国は中国への横流しを疑っていたと思われます。そもそも、『韓国の横流し』を日本に教えて輸出管理を厳格化させたのも米国だった――と見る情報関係者が多いのです」。
これも、動機という視点からの解説としては、非常に興味深いものです。
実際、「米国が韓国に対する猜疑心を隠さなくなっている」という具体的な証拠として、鈴置論考で挙げられているのが、昨年8月に発効した半導体法 “CHIPS and Science Act” です。
「米政府はサムスン電子など補助金を貰って米国工場を新設する企業に『今後、10年間は中国で製造拠点を拡張しない』というタガをはめました」。
「最近、これに加え『米国工場で使う製造装置や素材を申告したうえ、製品の販売先を明らかにするよう』求めました。韓国企業による先端半導体の対中輸出を封じるだけでなく、製造装置や素材の中国への横流しも監視すると宣言したのも同然でした」。
…。
ということは、日本が韓国に対する3品目の輸出管理を緩和したことは、こうした米国の方針とは矛盾する動き、ということになりそうです。ではなぜ、米国はそれを容認したのか――。
そのヒントが、次の記述でしょう。
「尹錫悦大統領は4月に米国を国賓訪問します。国賓と言えば聞こえはいいのですが、J・バイデン(Joe Biden)政権は尹錫悦大統領の頭をなでて、半導体分野でも中国との腐れ縁を断ち切らせるつもりでしょう」。
これが事実なら、バイデン大統領も焼きが廻ったものだと思います。
韓国が米国の言うことをホイホイ聞くような国なのかどうか。
これについて鈴置氏はこう述べます。
「――韓国は中国との腐れ縁を断たないのですか。
鈴置:そのつもりはありません。日韓首脳会談後の会見でも尹錫悦大統領は本音をのぞかせました」。
鈴置氏が突き付ける証拠は、韓国の「自由、平和、繁栄のインド太平洋戦略」です。これについては日本が掲げる自由で開かれたインド太平洋(FOIP)とは似て非なるものだからです。
「まず、留意すべきは日韓の『インド太平洋戦略』は根本から異なることです。日本は『開かれた』という文言で、中国の不法な海洋進出と対決する姿勢を明確にしました。一方、韓国は中国を刺激する『開かれた』を使わず、『平和、繁栄』を形容詞にしました。これは、『中国との対立を避け、共同繁栄する道を選ぶ』との意思表示です」。
これが、鈴置氏のいう「中国と韓国の腐れ縁」です。
米国も「大韓民国」発足以来、かれこれ75年以上、韓国と付き合ってきているわけですから、そろそろ気付いてほしいものだと思います。
読者コメントの反応
なお、デイリー新潮の仕様変更のためでしょうか、今回の記事を読んでいて気づいたのが、読者コメント機能です。
この機能の存在に気付いている人が少ないためでしょうか、昨日の夜時点でこの記事にコメントを付けているのは、山手線の駅名を冠した怪しげな自称会計士1名でしたが、読者コメント機能が周知されれば、やがてコメントを投稿する人も増えるのではないでしょうか。
その一方で、転載先の『Yahoo!ニュース』では、相変わらずコメントは大盛況です。
見たところ、昨晩時点で100件を超えるコメントが付いていますが、このうち高評価が付いているコメントの上位10件に関しては、いずれも鈴置論考を支持するものであったり、岸田首相を批判するものであったりします。いわば、鈴置論考の「ネットは…」のくだりの正確さを直接確認することができるわけです。
いずれにせよ、「韓国に騙されるのが3度目」の岸田文雄首相が政権を握っている状況が危機的であるというのはそのとおりですが、それ以上にネットを通じて見えてくる日本国民の知性を見る限りにおいては、過度に心配する必要もないのかもしれません。
View Comments (34)
3/6の“解決案”への評価が無いのが気になるところですね。
>鈴置氏が突き付ける証拠は、韓国の「自由、平和、繁栄のインド太平洋戦略」です。これについては日本が掲げる自由で開かれたインド太平洋(FOIP)とは似て非なるものだからです。
此れを「歓迎する」などと評価した岸田文雄や公明党は、韓国同様中国に立ち向かう意思が無いと米国などから判断されても仕方がない気がします。
「反日を隠れ蓑にした離米従中」が「用日を隠れ蓑にした離米従中」になるんでしょうね。
端的に言えば、韓国は「蝙蝠させてぇえええ!!しないとウチの経済死ぬのぉおお!!」状態。
だからその為にまず騙せる可能性がある日本を騙した、と……
平和ボケした岸田首相を見事狙い撃ちにした、と評価すべきでしょうかね(溜息)。
ただし、この程度の譲歩では韓国世論は到底満足しない(と言うか、現在進行形で
大ブーイング中)ので、もっともっと日本からかすめ取らないといけない。
更に本命のアメリカをどうやって言い包めるか……ハードモードですねえ。
このごろの報道記事はヤギ記者への紙渡しが露骨に行われ続けている印象が強いです。論旨展開・単語選び・話法がどれもそっくりです。G7 に向けてもっとひどくなって行く悪い予感がします。
半導体の内実においては、「韓国の”供給網排除”も吝かでない米国と、韓国を供給網に留まらせたい中国」の構図のように思っています。
中国にとって、最先端でなくなった韓国には利用価値がないからです。
サムスン電子が無謀な在庫積み上げに挑んでるのも、財務諸表上の体裁(在庫評価額の過大計上による利益の捻出)に留まらぬ事情によるものではないのかと・・。
安倍総理の時は若者が自民支持していたのに、今は高齢者ほど自民を支持している。
若者の方がテレビや新聞などのオールドメディアではなくネットから情報集める傾向が強いからネット世論の動向は明らかですね。
>>日本が韓国に対する3品目の輸出管理を緩和したことは、こうした米国の方針とは矛盾する動き、ということになりそうです。ではなぜ、米国はそれを容認したのか――。
>>バイデン政権は尹錫悦大統領の頭をなでて、半導体分野でも中国との腐れ縁を断ち切らせるつもりでしょう
ここまでして韓国側が報道されているG7出席や4月の訪米で米中蝙蝠のスタンスのままだったら、それこそ米国の堪忍袋も切れるんじゃないかな?
今回の訪日では岸田が多分に譲歩したが、6月以降はこちらも総理が変わる可能性もあるし日本の対韓外交も結局は米国に追随してる訳で、また一気に韓国を締めに掛かる可能性もありそうだ。
来月から始まる、統一地方選では、
宏池会 所属 或いは、宏池会 所属議員が
推薦する、立候補者
岸田総理との握手写真をポスターにする立候補者へは
投票しません。
その前に、選挙へ行き、投票するように、周囲に働きかけます。
誰に投票しても良いので。
最近、異様に「韓国推し」「韓国良いとこ」のテレビ番組が増えてますね。たまに街頭で点いているテレビが目に入ると、何かとソウルの街や韓国料理店(日本内での)紹介です。「ホントはそんなにいいもんじゃ無いだろが」(笑)と見たくない人も多いだろうに。マスコミ界は何故、興味無い、日本を嫌う国の「良いところ探し」を煽るのか?やればやるほど、反感を買うだけだ(嘲笑)。親韓勢力が日本にもまだまだいるのでしょう。
尹錫悦大統領は日本とのビジネスで、半導体、バッテリーなどと協同を狙っているが、「素部装」で日本からの供給を絶たれるのを恐れている表れです。すでに台湾は熊本県に半導体事業の広大な基地、人材を確保し、日本政府も資金協力を惜しまない。もう既に日本ー台湾ー米国ーオランダで世界地図は抑えられている。韓国に出る幕は無いヨ〜(笑)。中国とも手を切れないんだから、信用出来ない国です。
で、何はともあれ岸田首相が悪い。「昼行燈」は要らない!
私は半島人との間で最も差が目立つのはここだと常々思っています。
一生懸命いいところだと主張すればするほど嫌われるということが理解できない。これがいつもやり過ぎに繋がっている原因なのでしょうね。ビルボードの集計方法が変更されたりもしましたしね。
名前はまだない様
仰る通りです。ぜんぜん分からない民族。
なるほどです。
ただ、
そうした国際情勢の中で
弱小派閥の岸田が総理の座の保身のために
進んで韓流方面とウッシッシを
していることには改めて嘆息します。
自民党の鳩ぽっぽWとまで
呼ばれてしまっていた
河村建夫は引退しましたが
総理の座にありながらの
岸田鳩ぽっぽには言葉をなくします。
さりとて、
韓流政党立憲民主党など論外で
困ったものだと感じます。
日本を騙しにきているというよりは、抱きつきにきているというべきでしょうね。
半導体サプライチェーン再構築から弾き出されそうになっている韓国としては、中国の手前台湾に接近するわけにはいかず、アメリカ相手の懸命なロビー活動も功を奏しそうもない、となればなんとかして日本にしがみつくよりありません。でも、半導体製造装置の対中禁輸が進められている以上、たとえ日本から調達したフッ化水素やフォトレジストを横流しできるようになったとしても、使い道がありません。つまりは無駄な努力でしかないということです。
また、鈴置氏が指摘するように、先の輸出管理強化がアメリカの意を受けてということであるならば、そうそう簡単にグループAに戻すことはないでしょう。さらに、輸出管理の「運用見直し」を受けてフッ化水素などの対韓輸出が激増するようなことがあれば、アメリカはそれらの資材の対中禁輸、もしくは制限を打ち出してくる可能性が高いと思います。ということは、仮にグループA復帰が実現したしたとしても、韓国が目論むサムスン/SK中国工場の「救済」、あるいは中国様への「貢献」は実現できないということになります。
先に韓国は中国との間でサプライチェーンの円滑化や強靭化を図るための協議体を設置しました。一応、韓国政府は、その協議体において半導体関連は協議対象としていないと言っていますが、そんな発言を信じる人など誰もいないでしょう。でも、韓国は先端半導体製造装置やそこで使用される資材を自力で生産していないので、中国に供給することはできません。また、これまで韓国が大量に輸出していた中間財についても、相当量は中国が自力で生産できるようになっているため、これまでのように多額の貿易黒字を計上するのは難しくなっています。ゆえに、サプライチェーンに関する協議体は、むしろ韓国が中国の経済的植民地に転化していくための一歩とも成り得るのではないかと睨んでいます。
いずれにしても、韓国として焦眉の急であるのは、サムスン/SKの中国工場の競争力をこれまで通りに維持することです。そして、それは日本を相手に少々の小細工をしたところでどうにかなるものではありません。ならば「死なばもろとも」と日本を巻き込もうとしてくる可能性は十分にありますが、外務省はいざ知らず、経産省がそこまで愚かだとは思いません。というわけで、放置しておいても特に問題はないだろうと思います。
なお、G7広島サミットに尹錫悦大統領を招待すると決定した件ですが、尹大統領がゲストの一人としてG7拡大会合に参加したとて何もできはしないでしょうから、日本としては何もプラスはないけどマイナスもありません。ゆえに、呼んでも呼ばなくてもどーでも良い話です。
むしろ、G7首脳会議や拡大会合で、中国を名指しにした共同声明が出されたときに(十分可能性はあります)、尹大統領がどのような姿勢を示すかが注目ポイントかもしれません。これまでの実績に鑑みると、広島では共同声明に同調するかのように振舞いながら、その直後から全力で中国様に対して言い訳を試みるというパターンが予想されますが、さて。
龍様
御説に同意します.
鈴置氏の「半導体で日本を瞞す」は、ちょっと見方が意地悪すぎるような気がしますね。
半導体を巡る日米台vs.中国の角逐で、自国の棲息環境が日増しに悪化していくのを目にして、尻に火が付いたということでしょう。
「困った時の神(日本)頼み」ってことでしょうが、
お賽銭もあげずに頼み事だけされてもね(笑)。
せめて油揚げくらいは持ってこい、と(笑)
なお、今回の尹大統領訪日での唯一の「成果」とも言える「運用見直し(韓国に言わせれば"規制解除")」ですが、どうやら、韓国では「得点」としては受け止められてないようです。と言うのも、文在寅前大統領が何度も何度も「国産化に成功した」と謳っていたため、それを未だに信じ込んでいる多くの韓国人は「とっくに国産化したんだから何の意味もないじゃん」と感じているからなのだとか(憫笑)。
さらなる愚民化に絶大な貢献をした文在寅氏に乾杯!
龍様のいうとおり、今も"半導体製造装置"等は 輸出管理されたままです。
ので、いくら フッ化水素等があっても 最新の半導体製造(中国国内でも)は 不可能でしょう。
そして 半導体米国グループに入るのなら 中国へ投資した半導体工場は あきらめないといけません。
損をするなら 髪の毛一本でも発狂する韓国人にそれができるのか見物です。
米国での援助を受けての米国工場も "韓国内で作った方が安くつくのに"と 訳のわからん不満を垂れ流すのに 米国グループに 素直に入るかは不明 というより 入れないでしょう。
なら、日本を道連れに というのは 言い得て妙です。