高市早苗・経済安保担当相は3日、立憲民主党の小西洋之参議院議員が公表した「放送法の解釈を巡り官邸が総務省に圧力をかけた」ことを示すとされる文書の記載内容を「捏造」だと述べ、もしそれが捏造出なかった場合には閣僚・議員を辞職すると応じたことが話題になっています。ただ、怪文書そのものの信憑性もさることながら、ことの本質は放送業界が放送法をさらさら守っていないことにある、という点については、改めて指摘しておく必要があります。
目次
放送法第4条第1項と放送不祥事
椿事件とBPOの発足
放送法第4条第1項という条文があります。
これは、放送事業者に対し、番組内容の政治的公平性を確保するとともに、事実を曲げないこと、偏向せず、できるだけ多くの確度から論点を明らかにすることなどを要求しているものです。
放送法第4条第1項
放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一 公安及び善良な風俗を害しないこと。
二 政治的に公平であること。
三 報道は事実をまげないですること。
四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
ただ、この放送法の規定、どうにも守られているようには思えないという方も多いのではないでしょうか。『椿事件から玉川事件へと連綿と続くテレビ業界の問題点』などでも指摘しましたが、どうも日本のテレビ局、あるいはテレビ業界は、これまでもしばしば「角度を付けた報道」を行ってきたフシがあるからです。
とある参議院議員が1993年に発生した「椿事件」を「テレビ局に対する政治介入を許した痛恨事」、などと述べたそうですが、この「玉川事件」は歪んだ事実関係が大々的に報じられたという意味で、椿事件と本質的にはまったく同じです。「椿事件」と比べると、今回の「玉川事件」、正直、大したインパクトがあるとも思えませんが、この問題が連日のように炎上しているという事実は、インターネットとテレビ業界の力関係が完全に逆転しつつあるという状況を示すものでもあるのです。玉川事件と放送法玉川事件のインパクト:テレ朝の処分に... 椿事件から玉川事件へと連綿と続くテレビ業界の問題点 - 新宿会計士の政治経済評論 |
このうち「椿事件」とは、1993年にテレビ朝日の椿貞良(つばき・さだよし)取締役報道局長(当時=2015年12月死去)が民放連の会合で、「反自民の連立政権を成立させる手助けになるような報道をしようではないか」などと発言し、その責任を取って辞任したとされるものです。
1993年の総選挙で野党に転落したばかりの自民党は同年10月25日、衆議院で椿氏を証人喚問したところ、椿氏は一貫して偏向報道の事実を否定(衆議院ウェブサイト『第128回国会 衆議院 政治改革に関する調査特別委員会 第8号 平成5年10月25日』参照)。
結局、当時の郵政省はテレビ朝日に対して停波などの処分を下すことはなかったものの、1995年9月に郵政省内に設けられた『多チャンネル時代における視聴者と放送に関する懇談会』が96年12月に取りまとめた報告書で、こんな提言がなされたのです。
「放送法令・番組基準にかかわる重大な苦情、特に権利侵害にかかわる苦情について、視聴者と放送事業者との間では解決が得られなかった場合のために、苦情対応機関を放送事業者の外部に設置することが考えられる」(【出所】『平成9年度版通信白書』第3章8(1))。
そして、この提言をもとに、NHKと日本民放連、民放各局などが共同で設立した「放送倫理・番組向上機構」という組織です。あるいは「BPO」と呼んだ方が通りが良いでしょうか。
BPOでも防げなかった2009年のメディア・クーデター事件
つまり、椿事件はBPO設立のきっかけとなった重要な事件だったわけですが、もっと重要なことは、そのBPOが「第二の椿事件」を防ぐうえで、まったく役に立たなかったという事実でしょう。いうまでもなく、2009年8月30日の第45回衆議院議員総選挙です。
この選挙、当時の民主党が圧勝し、自民党は惨敗して下野が確定したのですが、『立憲民主党の先祖返り、今度のポスターは「変えよう」』なども振り返っているとおり、この選挙自体が一種の「メディア・クーデター」だったのです。
まずは代表から「変えよう。」いまから12年前の2009年8月、麻生太郎総理大臣との党首討論会の最後に、鳩山由紀夫・民主党代表はヒトコト、「チェンジ!」と叫びました。そして、最大野党・立憲民主党は昨日、あらたなキャッチコピーを発表しました。それはなんと、「変えよう。」、です。麻生総理と鳩山代表の党首討論ちょうど12年前のいまごろでしたでしょうか。麻生太郎総理大臣が衆議院を解散し、日本は選挙に突入。21世紀臨調は2009年8月12日、自民党の総裁でもある麻生総理と、当時の野党・民主党の鳩山由紀夫代表の2名を招い... 先祖返りする立憲民主党、今度の標語は「変えよう。」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
たとえば投票日の数週間前の2009年8月12日に開催された、21世紀臨調が主催する「党首討論会」(※現時点では視聴不可)では、麻生太郎総理大臣と当時の鳩山由紀夫・民主党代表が討論したのですが、理路整然とした麻生総理に鳩山氏はしどろもどろだったのが印象的です。
しかし、この党首討論会をリアルタイムで視聴した人はほとんどいませんでした。NHK、民放を含めた地上波テレビが、この討論会を一斉に無視したからです。新聞各紙もこの話題をスルーしたか、取り上げていたとしてもごく小さな扱いでした。
個人的な思い出:従弟との会話
今になって思い出しても、本当に恐ろしかったと思います。
実際、何度も引用して恐縮ですが(これからも何度でも引用する予定ですが)、社団法人日本経済研究センターが2009年9月10日付で発表した『経済政策と投票行動に関する調査』によると、オールドメディアを情報源として重視する人ほど、比例では民主党に投票するという傾向がありました(図表)。
図表 情報源と比例投票先の関係
(【出所】(社)日本経済研究のレポートのP7を参考に著者作成)
これに対し、インターネットを「情報源として重視した人」の場合、比例では自民党に投票した割合が、民主党に投票した割合を上回っていたのです。このことからもわかるとおり、新聞、テレビなどのオールドメディアは、人々の投票行動に強い影響を与えたのです。
ちなみに著者は当時、すでに「新聞・テレビではなく、インターネットから主体的に情報を得る」ということを実践していたのですが(※そうなった理由については話し出すと長いので、本稿ではカットします)、ネットで直接入手した自民・民主両党の公約・マニフェストを比較すると、明らかに民主党のそれが支離滅裂だったからです。
それなのに、世の中は新聞、テレビが完全に「政権交代」ムードを煽っており、民主党のマニフェストの「やばさ」をどの社もほとんど報じていなかったことで、本当に暗澹たる気持ちになったものです。
とりわけ、著者の従弟(※テレビっ子、当時ギリギリ20代)と投票日の前日に交わした会話は、今でも鮮明に思い出せます。
「僕は今回、自民党にお灸を据えるために民主党に入れてやる!」
その従弟、近畿地方で最も偏差値が高いとされる私大を卒業するなど、学歴は非常に良いのですが、大変残念なことに典型的な「テレビっ子」で、テレビで放送されている内容をほぼ信じ切っているフシがありました。
実際、「とにかく民主党に入れる!」と息巻いていたわりに、著者が「自民党の何が良くないのか?」と尋ねてみたところ、ロクに答えず、「とにかく麻生さん(※総理)に庶民感覚がないのが良くないの!」、「(麻生総理は)漢字もろくに読めないの!」など、政策と無関係でトンチンカンなことを述べるばかりだったのも印象的です。
お灸を据えられたのは自民党ではなく日本国民の方だった
この従弟が特殊事例、というわけではないでしょう。正直、2009年8月当時は多くの有権者が「自民党にお灸を据えてやる」などと息巻いていたのであり、こうした有権者のと称し無責任な行動が、民主党政権禍をもたらしたのです。
その意味ではお灸を据えられたのは自民党ではなく、日本国民の方だったのかもしれません。
ちなみにそれから3年後、所用で地元に戻った際、この従弟と会ったのですが、「何で日本はたった3年でこんなメチャクチャになっちゃったの?」とクダを巻いていたので、これに対しては次のように答えておきました。
「君自身を含めた有権者の3年前の選択の結果だよ」。
その瞬間、従弟が3年前のやり取りを思い出し、すべてを悟ったかのような表情となり、シュンとなってしまっていたのは印象的でしたが、ただ、この従弟の事例が特殊なわけではありません。
改めて申し上げておきますが、当ウェブサイトとしては、「自民党が絶対に正しい」、「民主党(あるいはその後継政党である民進党や立憲民主党など)は間違っている」、などと断定的に申し上げるつもりはありません。
私たち有権者の責任は、自身の選挙区の候補者・政党のなかから、「最も良い」、あるいは「最もマシだ」と自分自身で判断する相手に投票することにあります(ちなみに無投票・白票は、こうした判断のなかでも最も無責任で最も無意味な愚行です)。
そして、2009年の選挙は、こうした有権者の「責任ある投票行動」がオールドメディアの偏向報道によって歪められ、その結果、メディア・クーデターが実現したという意味においては、著者自身は「日本の憲政史上の汚点」だったと考えている次第です。
怪文書政治、再び!?
立憲民主党の小西洋之氏「安倍政権下で放送法を私物化」
こうしたなかで、この放送法第4条第1項を巡って、ちょっとした話題がありました。
立民・小西氏「放送法を私物化」 政治的公平性巡り、内部文書公表
―――2023年03月02日21時07分付 時事通信より
時事通信などによると、立憲民主党の小西洋之参院議員は2日、参院議員会館で記者会見し、「放送法の政府解釈を安倍政権時代の2016年に事実上変更する際に作成された」とされる「内部文書」を公表。
当該「内部文書」は内閣法背局の審査を経ずに「一部の権力者によって都合がよい解釈に放送法が私物化されている」、などとも批判したのだそうです。
要するに、安倍政権下で総務省に対し、放送法の解釈を変更するような圧力がかかった、ということでしょうか。
ちなみに小西氏が入手したとされる文書は、小西氏のウェブサイトで(少なくとも昨晩時点では)ダウンロード可能ですが、これについては念のため、いったんダウンロードしたものを当ウェブサイトでも公表しておきたいと思います。
小西氏が公表したとされる文書(PDF、全27ページ)
高市氏「文書は捏造、事実なら議員辞職する」
ただ、この文書を巡って、当時総務相を務めていた高市早苗氏(現・経済安保担当相)が3日、参院予算委員会で小西氏の質問に対し、当該文書が「捏造」であると述べたうえで、その文書が「事実ならば議員を辞職する」と応じたとして、話題になっています。
高市氏、捏造でなければ議員辞職 立民公表の放送法解釈変更図る内部文書
―――2023/3/3 14:30付 産経ニュースより
高市氏、放送法文書は「捏造」 事実なら議員辞職―参院予算委
―――2023年03月03日18時26分付 時事通信より
産経ニュースによると高市氏は3日、当該内部文書を巡り、自身の言動に関する記述を「捏造文書だ」と否定したうえで、もし捏造出なかった場合には「閣僚や議員を辞職する」との考えを示した、などとしています。ちなみにこの文書そのものに関して、産経は次のように述べています。
「文書にはこれに先立つ27年3月に安倍氏が『政治的公平の観点から現在の番組にはおかしいものがあり、現状は正すべきだ』と発言したとの記載のほか、安倍氏と高市氏が電話でやり取りをしたとの記述もあった」。
ちなみに高市氏の発言については、産経ニュースや時事通信などの記事だけでなく、インターネット上ですでに複数のユーザーの手によりなされた次のような文字起こしも参考になるでしょう。
「小西委員が入手された文書の信憑性に、私は大いに疑問を持っています。もし私と安倍総理の電話の内容が文書に残っているとしたら、私の電話に盗聴器でもついてるのでしょうか?大臣室に盗聴器がついてたとしても、安倍総理がなにをおっしゃったのかは入らないはず。まったくの捏造文書だと考えております」。
そのうえで小西氏の「捏造でなければ閣僚、議員を辞職するということでよいか」との発言に対し、高市氏は「結構だ」と応じたのだそうです。
いい加減にしてほしい「怪文書政治」
ただ、正直、この高市氏の「閣僚・議員辞職を辞さない」旨の発言は、「売り言葉に買い言葉」であり、適切なものではありません。
例の「もりかけ・さくら・統一教会」(MKST)問題でもわかるとおり、正直、野党による政権追及は、その多くが言いがかりです。出所不明の怪文書に正面から対応する必要などありませんし、迂闊にそれに応じるべきではないからです。
小西氏が提示した資料が本当に総務省内部で作られたものなのかどうか、もしそうだとして、それが本当に安倍総理や高市氏の「圧力」の証拠として機能するものなのかについては、現時点において何とも断言することはできません。
ただ、この手の「怪文書政治」、正直、大概にしてほしいものです。そもそも内外に諸課題が山積するなか、野党がスキャンダル追及型で貴重な国会質疑時間を空転させ続けていることが、どれだけ日本の国益を損ねているか、わからないからです。
あるいは『「たった53秒」のために国益を犠牲にした日本の国会』などでも指摘したとおり、くだらない理由で首相や閣僚を国会日程に拘束し続けることで、重要な国際会議に参加する機会を潰すこと自体、日本の国益を損ねる行動でもあります。
かねてより、国会日程中に首相や閣僚を国会に縛り付ける日本の国会運営は日本の国益を損ねてきましたが、林外相のG20欠席を巡り、与野党の責任の押し付け合いが始まったそうです。著者自身は本件を巡り、最も大きな責任は最大野党・立憲民主党にあると考えていますが、やはり岸田文雄首相の指導力ないし調整力の弱さという問題についても指摘しておく必要があります。G20会合欠席という「あり得ない決断」たった53秒のためだけに、あれだけ外交上の国益を損ねた――。有権者としては、何とも納得がいかない話です。インドで開催さ... 「たった53秒」のために国益を犠牲にした日本の国会 - 新宿会計士の政治経済評論 |
立憲民主党議員のこうした質問の仕方自体、果たして本当に国益のために資するものなのか、有権者諸氏にはじっくり考えていただきたいところです。
(※余談ですが、小西氏が高市氏に自身の進退を迫った以上、もし小西氏が提示した文書に記載された内容が、高市氏の主張通り「捏造」だった場合、小西氏は議員辞職しなければ理屈に合いませんが、果たして小西氏にそこまでの覚悟はあるのでしょうか?)
重要な論点は放送法第4条の空文化
もっとも、ここで論点が「安倍総理や高市氏が総務省に放送法の解釈を変更するように圧力をかけたのかどうか」になってしまっていますが、そもそも論として放送法第4条第1項自体が事実上有名無実化し、放送局によってまったく守られていないという現実をどう考えるのか、という議論がすっぽり抜けてしまっています。
椿事件からBPO設立、2009年のメディア・クーデターに至るまでの流れは、BPOも結局はたんなる身内のお手盛り組織に過ぎず、放送業界における報道犯罪の抑止にまったく役立っていなかったという点も、何も議論されていないのです。
ちなみに当ウェブサイトとしては、このBPOを巡っては「放送法を順守する体制を整備している」というアリバイ作りのための事実上の業界内の組織に過ぎず、「強制力を伴った第三者」でもないという問題点があると考えています(『「監査論」の立場から眺めるBPOと放送業界の問題点』等参照)。
先日から「放送倫理・番組向上機構(BPO)」なる組織の問題点について議論しているのですが、これについて、本稿ではもう少し深いところから議論してみたいと思います。これには少しまどろっこしいのですが、敢えて公認会計士業界の内情から「独立第三者による強制力を伴った業務適正化の仕組み」について議論したうえで、こうした仕組みが放送業界や新聞業界、さらには官僚業界などに存在していないことによる問題点を探ってみたいと思います。会計と監査の不思議な関係公認会計士の本業は「XX」である「突然だが、ここで『クイ... 「監査論」の立場から眺めるBPOと放送業界の問題点 - 新宿会計士の政治経済評論 |
ただ、この「オールドメディアの偏向報道」問題については、まったく違うアプローチで解決が図られようとしていることもまた事実です。それは「利権の自壊」です。
これに関連し、冒頭の「メディア・クーデター」に関してももう少しツッコミを入れておきたいと思います。
著者自身が従弟に「君自身を含めた有権者の投票行動の結果だよ」と言い放ったのは、少し言い過ぎたのかもしれない、という気もしないではありません。
ただ、「あなたの投票行動で日本がメチャクチャになった」とわざわざ他人に言われなくても、多くの有権者は「その場のノリ」的に民主党に投票してしまったことを、大なり小なり反省したのではないでしょうか(※なかには反省していない人もいるかもしれませんが…)。
実際、当ウェブサイトなりの私見で恐縮ですが、2009年から12年の民主党政権禍を経験したことで、「首相なんて誰がやったって一緒さ」だの、「どこに投票したっておんなじさ」だのといった無責任な発言が、私たち日本国民の間から消えてしまいました。
結局、故・安倍晋三総理大臣の再登板のきっかけとなった2012年12月の衆議院議員総選挙を皮切りに、自民党が大型国政選挙(衆院総選挙、参院通常選)に8回連続で勝利し続けているのは、有権者の投票行動が大きく変わったことの証拠です。
もちろん、これが良いことか、悪いことかは別問題です。
民主党政権禍+ネット普及で変わる日本
著者自身は最近、自民党がかなり緩んでいると危惧しています。
現在の岸田文雄首相(自民党総裁)は約30年ぶりに「宏池会」から輩出されたのですが、「脇の甘い」官房副長官、財務省出身者の税調会長(※首相の従兄)、「脇の甘い」首相秘書官(※首相の長男)などの身内で周りを固めており、重要な意思決定を誤るのではないかと冷や冷やすることも多々あります。
これに加えて宏池会以外の派閥にも明らかにおかしな議員が多数いますし(たとえば例のウソツキ外務省の代弁者など)、さらには4月の衆院補選で自民党は一部選挙区においてかなりおかしな主張を持つ候補者を立てるようです。
やはり、これも「最大野党」である立憲民主党があまりにもグダグダすぎ、万年与党と化しつつある自民党が弛緩し切っている証拠ではないかと思えてなりません。
政治家諸氏におかれては、あまり国民を舐めすぎないでいただきたいと思いますし、むしろ「憲法改正」、「NHK受信料制度の廃止」、「財務省解体と消費税法廃止」、「レジ袋有料化撤廃」などを前面に打ち出した政党が出現すれば、そのような政党はかなりの支持を集めそうな気がします。
ちなみに現状でいえば、財政論的に見て著者自身と最も主張が近いのは国民民主党ですが、それと同時に著者自身は同党所属議員らの過去の言動等に照らし、同党のことが今ひとつ信頼できないと感じているのも事実です。
ただ、これと同じ具合に、有権者ひとりひとりが自分自身でちゃんと情報を集め、比較検討し、投票できるようになるだけで、10年後、20年後の日本はさらに良くなっていくはずです。
幸いなことに、現代社会では新聞の部数は激減し、人々のテレビ視聴時間もかつてと比べ、明らかに短くなり始めています。ネットの出現で、オールドメディア利権が音を立てて瓦解し始めているからです(『【総論】崩壊始まる官僚・メディア・野党「腐敗利権」』等参照)。
社会のネット化が進展して、一番困る人たちは新聞・テレビを中心とするオールドメディア産業関係者であることは間違いありませんが、それだけではありません。官僚・役人や野党議員なども、かなりの割を食うことが予想されます。いったいどういうロジックでしょうか。ここで考えておきたいのが「腐敗トライアングル」という重要な論点です。腐敗トライアングル昨日の『騙せなくなる日本:「自称徴用工」年内妥結は困難に?』では、自称元徴用工問題に見せかけて、当ウェブサイトなりのちょっとした「問題意識」を展開しました。それが... 【総論】崩壊始まる官僚・メディア・野党「腐敗利権」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
ネットの台頭もさることながら、オールドメディアと反社会的な特定野党が長期的に凋落するきっかけを作ったのが2009年の偏向報道と民主党政権禍だったのだと考えるならば、あのときの政権交代、「ショック療法」としては有効だったと言えるのではないでしょうか。
あくまでも結果論ですが。
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オールドメディア全盛期というか、線香花火が消える直前の大きな火の塊というか、2009年の選挙は、メディアの偏向報道で歪められました。とにかく国民に見せたく無いモノは報道しない。意図的な左寄りの意見ばかり放送、記事にされ、メディアによるクーデターが実現しました。
当時、暗躍した連中はしてやったり、と有頂天だったと思います。なにしろガリバー状態の自由民主党を屠ったんですから。「ペンは強し」と、その後の傲慢な姿勢が更に加速化し、ところが今や日本国民の気持ちは離れ、オールドメディアは今の崩壊に繋がっていると思います。
また立憲民主党・小西議員の「安倍総理時代の放送法の私物化発言」は、高市早苗氏は総務相だったから血が逆流したのでしょうが、立憲民主党はK国と同じです。いわゆる0対100を仕掛けて来ます。少しでも戦果を上げようとする。
ただ、高市氏の「閣僚・議員辞職を辞さない」旨の発言は、取り消した方がいいです。言い掛かりですから、出所不明の怪文書に正面から対応しない。脇が甘かったですヨ。
安倍晋三氏も高市早苗氏も、売り言葉に買い言葉をするにしても、相手にも『覚悟』を問わないのが個人的には疑問です。
特定野党が何らリスクを負わずに胡散臭い根拠で与党を攻撃し続ける事を助長してます。
「やる以上はやられる覚悟を決めているんだよな?」ってヤツですね。
多分、「あなたも同じチップを賭けてもらいますよ」と言ったら
野党議員はそれを拒否し、かつ相手を糾弾するから。
そしてマスコミは野党議員の味方をするからだと思います。
それよりは「ネットユーザーに野党議員を批判してもらう
(マスコミが報道しない自由を酷使するのは大前提)」と言う方法で
自民政権を盤石にしておいた方が良い。こんな計算でやってるんじゃないですかね?
前者の場合、マスコミは「後ろめたい事があるからこそ相手に同じリスクを
背負わせようとしているんだ!自民党は傲慢で姑息!」とでも叫ぶでしょう。
後者の場合はマスコミは「ぐぬぬ」と黙り込むしかなくなる。
まだまだマスコミの影響力はそれなりにあるので、この差は小さくないと思います。
雪だんご さん
うーん、「永田メール問題第二幕だと考えております」とかでも十分冷や水を浴びせれると考えるのですが。
>前者の場合、マスコミは「後ろめたい事があるからこそ相手に同じリスクを背負わせようとしているんだ!自民党は傲慢で姑息!」とでも叫ぶでしょう。
物はいいようってヤツですね。
でも、国民に詭弁って見透かされて終わるんじゃないかと。
どうせ喧嘩なんだから、ヒートアップした方が野次馬にとっては面白いですし、ワイドショーのネタとして連日取り上げられれば高市早苗氏の認知度が上がり、其の漢気っぷりに惚れる有権者も出て来るかと笑
安倍さんはあそこまでマスゴミが人権無視の捏造を含む、批判の名を借りた罵詈雑言をしてくるなんてわからなかったからしょうがないと思います、あれはほんと異常すぎて私が地上波TVを見なくなった原因です。だけど安倍さんがあそこまで攻撃されたのを見てるのに辞職を簡単に口に出し、かつあなたのいうように相手にも違ったら辞職するんだなを言わない高市さんはほんとだめですよね。
ぴー さん
ありがとうございます。
そうなんですよね。
高市早苗氏は無名な政治家では無いですが、女性だって事でどうしても軟弱に見られがちな面があると思うので、次期自民党総裁戦に向けて「タフさ」をアピールする絶好の機会だったと考えます。
河野太郎氏が外務大臣時代の韓国大使に対しての言動で漢気っぷりを示したように。
>相手にも違ったら辞職するんだなを言わない高市さんはほんとだめですよね。
僕もそう思いますね。
地元選出なので彼女を贔屓してるのですが、
・頭に血が上る系なら失望
・キレたふりして相手により大きなリスクをベットさせたなら拍手
・咄嗟に臨機応変にアドリブできるかどうかがポイント
今からでもメディアを上手く使いながら、
「男なら勿論責任を取るのですよね小西センセ」
「おっと失礼、ジェンダーとは無関係に、そんなの人間として当たり前の話でしたよね。」
とか、見出しにおいしそうな煽りを提供しつつ、軌道修正ヨロシクですね。
小西はホントに、野党議員とか以前に人間としてどうか?と思いますから、勇み足を指摘して行司の審判を仰いだ方がよいと思います。
逆質問って出来ないきまり(不文律)じゃありませんでしたっけ。
いずれにせよ、あの怪文書による追究を党が公認してるのかどうかが鍵ではないでしょうか。小西一派による独断専行でしくじったら立民がまるごと吹飛ぶ可能性もあるかと。それに文書の出所なども、ほぼ個人が特定できるようなことを言ってましたから、文書が「本物かつ事実」なら政府与党には打撃ですが、「本物でも嘘」なら官僚による倒閣運動(政治介入)ということになる。
「偽物で嘘」なら、小西には前例に倣って頂くしかないでしょうな。
更新ありがとうございます。
今回の怪文書騒動に限りませんが、この手の現象は、中身よりも雰囲気が先行している印象を受けました。平たく言うと「祭り」です。後は個人でも参加している「気になれる」こともあるかと思います。
国民が取れる、最も重要な行動は投票です。
分かってはいても、その日の気分で「気軽」に「正義の味方」になり「悪を叩く」ことを止めるのは難しいのでしょう。スシペロに対する炎上と構造としては似ていると感じました。その全てが悪いことだとは思いません。逆に社会問題化したことで、解決に向かうこともあるかと思います。
立憲さんはそれを分かっている上で、利用している節が見られます。
問題自体は些細なもので良いのでしょう。真偽や是非の決着がつき難いものほど、長期化を狙えます。どこかの自称元慰安婦や自称元徴用工と同じスタンスです。ゴールポストを動かし、次から次へとネタを「作る」のも共通しています。
メディアもそれに乗っている節があります。小さくなったとはいえ、世論に対する影響力から見ると、むしろ煽っている側だと思います。特に朝日と共同は追随が早かったです。
これらを淘汰するのは、今の世代の義務かも知れません。
淘汰と言っても積極的に社を攻撃するとかではありません。ネット黎明期に標語のごとく使われていた「ウソをウソと見抜けない方が間抜け」「アラシはスルーでヨロ」の理念を、次の世代に広め定着していく必要があるのかも知れません。
最後の段落だけ論外
淘汰するためには社を叩きまくる必要がある
第三者から「なんでそんなにマスコミを叩くの?」と聞かれた時に「彼らは社会にとって有害だからだ」と返せるじゃないですか
>高市氏の主張通り「捏造」だった場合、小西氏は議員辞職しなければ理屈に合いませんが、果たして小西氏にそこまでの覚悟はあるのでしょうか?)
小西さんにそんな覚悟は全然無いと思いますね。だって、この方、いつ迄立っても亡命しないですもん。ご自身の発言には一切責任を取らない立憲民主党らしく判りやすい議員さんですね。誰が投票してるんだか。日本の政治の最大の問題はくくだらない議員がやたら多すぎることだと思いますね。少数にして精鋭にしましょう。何の根拠もありませんが、一院制200名位だ丁度良いように思います。
今の衆院選の小選挙区は、50万都市でも選挙区が2つに分かれていたりしますからね。市議選や区議選より選挙区の狭い国会議員選挙って何なんでしょうね?
政令指定都市ではない市区は選挙区が1つになるように小選挙区の定数を減らして、それにバランスが崩れないように比例の定数も減らすのが衆議院の適正な議員定数ですかね?
参議院はアメリカの上院のように 「都道府県の代表」 として、人口とは関係なく 「各都道府県2名」 とかにすれば、存在意義が出てくるでしょう。(それには憲法改正が必要か?)
おはようございます。
怪文書的な読売朝刊の報道ですが、
「元徴用工」韓国側が解決策なら日本政府も呼応、過去の談話踏襲を岸田首相表明へ
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230303-OYT1T50353/
だそうです。
報道内容が事実であれば、安倍外交の成果をキシダフミオが台無しにする事になりますね。
ああ、やはり安倍晋三氏ではなく岸田文雄が死んでいれば最高だったのに、ってなるのかならないのか…
そう言う不謹慎な事は例え岸田首相が嫌いでも口にするモノではありません。
パヨク面に堕ちかねません。
クロワッサン様
不謹慎は充分に承知で書込みをします。
ワタシは安倍晋三さんではなく、キシダフミオさんだったらなぁ、と思います。
何が⁇とは聞かないで下さい。
第2の永田メール事件にならんと良いがな。
小西の文書が「捏造」若しくは出所不明な文書であれば小西は「辞職」するしかない。
私は第2の永田メールになることを危惧している。
第2の永田メール事件なら良いことでは?
だって小西洋之が自さ・・・ゲフンゲフン。
クズ王小西にはそんな覚悟どころか議員辞職する気概すらないでしょう。
高市氏の発言の有無が問われているようですが、仮に内部でこのような発言があったとして、何が問題なんでしょうかね。
サンデーモーニングもニュース23も報道特集も偏向が酷いのは事実で、表現の自由の下で何をやっても構わないと言うことでもないし。
しかも議事メモ内では高市氏はこの件に関心が薄い。
国会答弁に違法性があるとでも?
ところで昔調整ごとばかりやっていた身としては、事務方の残した議事メモが面白かったです。山田秘書官みたいな横槍は面倒だったろうなぁ。(笑)
解釈変更は何の問題もないですよね。総理は行政のトップだから総務省に問題の改善を指示する権限がありますから。マスコミは偏向報道に身に覚えがあるから騒いでるんでしょう。
私も怪文書の書いてあるやりとりにはかなりリアリティを感じました。仮に事実でも問題ないですけど。
小西は「政府がマスコミに口を出すことが怪しからん」に火をつけたいんだろうなと思いました。
心証形成、疑惑が深まった系のモリカケサクラや統一教会と同じ手口でしょう。
そうそう、総務省内で統制派と強調派の対立があったりするんでしょうかね。
その中で流出した文書だったりして。
捏造が確実になってきて、逃げるコニタンが誰からもらったかゲロっちゃう未来も見て見たい。
これ違法行為ではないのに
高市さんは何んでああいうこと言ったのだろうか
私はマスコミの偏向報道・捏造報道を強く批判しており、マスコミが法律によって裁かれることを望みます。
しかし、放送法第4条第1項の解釈はどのようになっているのでしょうか?
つまり、何をもって
「公安及び善良な風俗を害した」のか
「政治的に公平である」のか
「報道は事実を曲げた」のか
「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにした」のか
が明確になっていないように思われます。
この法解釈が曖昧ならば、マスコミを法的に裁くことは難しいのではないでしょうか。
>「報道は事実を曲げた」のか
これについては解釈の余地はないと思います。
客観的事実に反しているものは解釈の余地なく客観的事実に反しているので。
(政府の発表に対する捏造などは、第三者の事実検証も比較的容易ですし)
放送法第4条第1項の規定のうち、少なくとも
「三 報道は事実をまげないですること。」
は主観の入り込む余地がなく、客観的かつ容易に検証可能で、
デマを撒き散らすことに対する悪影響も大きいので
積極的に取り締まってほしいものです。
特に行政機関の公表等についての嘘の報道は
故意か重過失しか有り得ず、悪質性が非常に高いので、
一発レッドカードでもいいくらいでしょう。
>特に行政機関の公表等についての嘘の報道は
>故意か重過失しか有り得ず、悪質性が非常に高い
例えば、新型コロナでは厚労省や自治体が
「本日の陽性者」
とプレス発表しているのに、
「本日の感染者」
と単語を変えて報道していた事例は嘘の報道に該当しないのでしょうかね?
個人的にはこの3年間ずーっと理解できないのですわ。
なんで公式発表の単語を(それもテクニカルタームを)変えるの?
素人向けに噛み砕いたのであれば、その説明も毎回セットでしょ?
JAXAの「中止か失敗か」みたいな感じで、メディアが悪意をもって公式用語を勝手に変えて報道しとるようにしか見えないのです。
放送法第4条第1項の規定
「三 報道は事実をまげないですること。」
の違反ちゃうのかな。