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岸田首相「中国からの入国緊急措置」を中国報道官批判

岸田文雄首相が中国からの入国に関する「緊急措置」を講じる方針を明らかにしたことに対し、中国の汪文斌(おう・ぶんひん)報道官は「各国の防疫措置は科学的かつ適切であるべき」、「人的交流に影響が生じるものであってはならない」と述べて批判したそうです。武漢肺炎を世界中に振りまいただけでなく、最近だと「感染者数」の発表を取りやめてしまうなど、「科学的かつ適切」とは思えない措置を講じている国がこれを主張するというのも凄い話です。

2022/12/30 22:30追記

記事のジャンル設定が誤っていました。大変失礼しました。

中国、「新規感染者」数の発表を突如として取りやめ

中国政府は今月25日、これまで毎日行ってきた新型コロナウィルスの「新規感染者」数の発表を、突如として取りやめたそうです。読売新聞の次の記事によれば、発表を取りやめた「理由については説明せず」、下部組織が今後、感染者数などのデータを研究用に提供する、などとしているのだとか。

中国、感染者数の発表取りやめ…浙江省では年末年始「毎日200万人が新規感染か」

―――2022/12/26 07:15付 読売新聞オンラインより

ただ、その背景としては、中国で現在、「感染が急拡大している」(読売)、という事情もありそうです。

記事によると首都北京では市内の体育館に設けられた発熱外来に多くの住民が詰めかける一方、浙江省当局は25日、「新規感染者は1日あたり100万人を超えている」と発表したほか、青島市衛生当局幹部が23日、「新規感染者が1日あたり49~53万人で推移している」との見方を示した、などとあります。

報道が事実なら1日で人口の5%が「感染」か?

ちなみにここで挙げられた地域の人口は、浙江省が6540万人(2021年末、情報源はJETRO『浙江省概況』P3)、青島市が920.4万人(2016年、情報源は在青島日本国総領事館『青島市概況』)です(※ただし、青島市の人口は直近では1000万人を少し超えているようです)。

人口1000万人の地域で1日50万人の「新規感染者」が出ているのだとしたら、1日で人口の5%が感染しているという計算です。このあたり、都合が悪い状況が生じたとして、データの公表を取りやめてしまった場合、却って全世界に対し不安を与えるのではないかとの懸念は尽きません。

当然、日本国内でも「中国からの入国者を制限すべき」とする主張が出てきます。

この点、医療関係者のなかには、「中国の流行株の主体はBF.7で、10月から日本でも一定割合検出してる株」、「そこまで過敏になる必要はない」などとする見解もあるのですが、ただ、この方も「感染者数非公表とゲノム解析禁止措置によるブラックボックス化はよくなかった」と指摘しています。

岸田首相、中国からの入国者すべてに検査を実施する方針

もっとも、国民の間で不安が生じていることもあってか、岸田文雄首相は昨日の会見で、中国からの入国に関する「緊急措置」を講じると発表しました。

復興大臣及び総務大臣政務官の交代並びに中国からの入国に関する緊急措置についての会見

―――2022/12/27付 首相官邸HPより

岸田首相は昨日の会見で、12月30日午前0時以降、中国からの入国者に対する「臨時的な特別措置」を講じると述べました。

コロナの爆発的感染が報じられる中国からの入国についての緊急措置について申し上げたいと思います。中国本土においては、感染が急速に拡大しているとの情報があります。その一方で、中央と地方、政府と民間の間の感染情報が大きく食い違っているなど、詳細な状況の把握が困難であり、日本国内でも不安が高まっています。こうした状況を踏まえ、中国からの入国者に対して、臨時的な特別措置を講ずることといたします。できる限り早く体制を構築し、12月30日午前0時から適用することとしたいと思っています」。

詳細は担当部局から公表されるそうですが、ポイントは次の通りです。

  • 中国本土からの渡航者及び中国本土に7日以内の渡航歴のある者すべてに入国時検査を実施する
  • 入国時検査での陽性者はすべてゲノム解析の対象とし、待機施設で原則7日間隔離とする
  • 入国検査に万全を期すため、今後の中国便の増便等について制限を行う

ちなみに岸田首相はこの措置について、「新型コロナの国内への流入の急増を避けるため、入国時検査や空港の集約を行うもの」だとしつつ、「国際的な人の往来を止めるものとならないよう、可能な限り配慮を行って実施する」と述べています。

ただし、岸田首相は「中国の感染状況等を見つつ柔軟に対応」するとの方針も示していますので、今後追加措置が実施される可能性はあるでしょう。

また、先日の『観光需要の落とし穴:入国外国人は急回復も韓国に偏る』でも指摘しましたが、日本政府観光庁が公表した2022年11月における入国外国人は、934,500人のうちの約3分の1に相当する315,400人が韓国人であり、中国人は21,000人に過ぎませんでした。

11月の入国外国人が93.4万人と、前月(49.9万人)からさらに増えました。ただ、冷静に入国者の構成割合を見ていくと、韓国人が全体の33.75%を占めています。およそ3人に1人は韓国人、というわけです。そもそも入国者が「特定国」に偏るという状況もさることながら、韓国人は「あまり日本にカネを落とさない」ことでも知られています。インバウンド需要の回復を手放しで喜んでも良いものでしょうか。今年11月の訪日外国人は20年5月と比べ562倍日本政府観光局(JNTO)は2022年11月における訪日外国人の国籍別データの速報値を公表...
観光需要の落とし穴:入国外国人は急回復も韓国に偏る - 新宿会計士の政治経済評論

よって、今回の措置が現時点における中国人観光需要に直ちに大きな打撃を与えるものなのかどうかについては疑問です。

非科学的な国が「科学的かつ適切であるべき」と主張

もっとも、この岸田首相の措置に対し、中国外交部の反応が、大変にわかりやすいものでした。

2022年12月27日外交部发言人汪文斌主持例行记者会

―――2022-12-27 22:00付 中国外交部HPより

このなかでAFPの記者は、岸田首相が打ち出した入国制限の方針について質問したところ、汪文斌(おう・ぶんひん)報道官が「各国の貿易措置は科学的かつ適切であるべき」であり、「通常の人的交流に影響を与えるべきではない」と批判したそうです。

【参考】記者会見の様子

(【出所】中国外交部)

原文は次の通りです。

法新社者:日本首相宣布自中国赴日本的旅客抵达后需检测,印度也于近日宣布类似的措。言人此有何评论

汪文斌:疫情生三年来,中国政府始秉持科学精准原,根据疫情形势变化,不断化各疫情防控措施,高效筹疫情防控和经济社会展,全球团结抗疫和世界经济作出了重要献。

当前,需要各方科学抗疫、携手共,保障各国人安全往来,维护全球产业链应链稳定,推世界经济恢复增。中方始终认为,各国防疫措施当科学适度,不影响正常的人交往。

翻訳エンジンの機能を使い、意訳すると、こんな具合でしょうか。

AFP記者:日本の首相は、中国から日本への旅行者は到着時に検査を受けると発表し、インドも最近、同様の措置を発表しました。担当者のコメントは?

王文斌:3年前の流行の発生以来、中国政府は常に科学的精度の原則を遵守し、流行状況の変化に応じてさまざまな防疫対策を継続的に最適化し、世界に対しても防疫と経済復活に貢献するために、効果的に調整してきました。

現在は、すべての関係者が科学的に流行に対処しており、協力してさまざまな国の人々の安全な交流を保証するとともに、全世界の産業のサプライチェーンの安定を維持し、世界経済の回復を促進する必要があります。中国は常に、各国の防衛措置は科学的かつ適切であるべきであり、通常の人的交流に影響が生じるべきではないと考えています。

ほんとうにわかりやすい反応です。また、正直、武漢肺炎を全世界にばらまいた国は中国であり、その中国の政府高官の口から「科学的」だ、「適切」だ、といった発言が出てくることにも驚きますが、このあたり、私たち日本人には理解し辛い発想です。

まさに今朝の『「ゼロ対100」が大手メディアに掲載される時代に!』でも触れたとおり、世界には日本人の常識が通用しない国が、中国以外にもロシア、北朝鮮など、合計で少なくとも4ヵ国あります。私たち日本人は、そのことを、改めて認識しなければならないのではないでしょうか。

新宿会計士:

View Comments (40)

  • 「日本としては、中国の新型コロナの正確なデータが不明のため、警戒するのは当然のこと。日本としては、中国観光客に対してゼロコロナ政策を継続する」と言われたら、中国外交部は、何と答えるのでしょうか。(というより、今後の感染状況次第では、中国国内からゼロコロナ政策復活さえ、言い出す声が起きるかもしれません)

    • すみません。追加です。
      新型コロナの新たな変異株と、新新型コロナは、どう見分ければよいのでしょうか。

      • 引きこもり中年様
        >新型コロナの新たな変異株と、新新型コロナは、どう見分ければよいのでしょうか。

        現状見分ける方法は1つだけ「専門家が然るべき設備リソース労力をかけて分析、ゲノム解析する」ことです。
         これはもちろん日本を含む普通の国々では日々各地の大学病院等で行われていて「発見次第」インターネット上の公開データベースに登録され続けているのですが、、、中共はゲノム解析を禁止したわけですね。

      • 中国は厚顔無恥ですから、平然と「中国のコロナは既に収まっている」と答えるでしょう。ウィルスの分析は他国にはさせないから、本当の事は誰も分からない。残念ながら日本国内でそれが流行ってから判別するでしょう。
        とにかく中国はこういう国です。今更驚く事もありません。それを織り込んで接しないといけないのに、本当、甘いとしか思えないです。

  • 科学的に判断してほしいなら、信頼性の高い正しいデータを公表してほしいもんです。

    ゼロコロナ政策の転換にあたっては、大きな政策転換であるにもかかわらず中共幹部の記者会見による発表がなかったと、中国ウォッチ専門家の指摘がありました。
    民衆のデモなどの意思表示を受けての変更と捉えられるような演出をしていることも合わせてみると、解除の結果の惨事を予想しているのかもしれません。

  • 理由の説明もせずに急遽発表を取りやめたというのは、そうせざるを得ない理由があったからだと思うのです♪

    政治的な理由なのかもしれないけど、そうでなければ、発表するための人的リソースが足りなくなったというのが、素朴に考えられる理由だと思うのです♪

    で、急に人的リソースが足りなくなる理由としては、極めて思い症状を伴うものが広範囲に蔓延しているというのが、真っ先に思いつくのです♪

    これは仮設に過ぎませんから間違っている可能性も高いのですが、万が一当たってると大変なことなので、中国からの入国規制も仕方ないと思うのです♪

    >この方も「感染者数非公表とゲノム解析禁止措置によるブラックボックス化はよくなかった」と指摘しています

    素朴な疑問なんだけど、ブラックボックス化してる状況で、「中国の流行株の主体はBF.7で、10月から日本でも一定割合検出してる株」と言ってる医療関係者は、どうやってその事実を確かめたのかな?って思うのです♪

    • 七味さま
      >理由の説明もせずに急遽発表を取りやめたというのは、そうせざるを得ない理由があったからだと思うのです
      あの朝日新聞でさえ、「ゼロコロナ政策継続は地方財政がもたない」と書いてました。

      • 引きこもり中年様

        コメントありがとなのです♪

        財政的な理由だと中止もやむを得ないですね♪
        ただ、ゼロコロナ政策自体はやめるにしても、感染状況とかの推移を見続けることくらいは、継続させておけば良かったのにと思うのです♪

    • 七味様

      >素朴な疑問なんだけど、、、どうやってその事実を確かめたのかな?

      引きこもり中年様へのレスで一部触れましたが、現在新型コロナのゲノム解析結果はインターネット上の複数の公開データベースにて共有されていて、世界中からのデータで日々更新され続けています。
       この疫病との戦いのために継続的にデータウォッチしている専門家の方々は「その事実」を毎日確認しているようなものかと。

      • 素朴な疑問ですが、中国はWHOにさえ情報を提供していない、と先日報道で見ました。中国のウィルスの情報は公開データベース上に出ているのでしょうか?

      • すみません、追加です。私も七味さんのおっしゃるよう、この医療関係者はどうやって、それを確かめたのか疑問です。

  • ゼロコロナを解除すれば感染が急拡大するのはわかっていたはず。
    致死率が低いことに望みをかけていたのだろうが、中国製の不活化ワクチンでは欧米よりも死亡r率は高くなるだろう。何といっても分母が14億人。中国史上の大惨事になるのではないだろうか。NHKのサイトによれば中国のワクチン接種回数は34億回。
    ワクチンを打つインフラはあるのだから、つまらないプライドを捨ててmRNAワクチンを打っていればよかったんだと思う。
    それはさておき、これを見てゼロコロナ、煽りの帝王 玉川徹は今何を考えているんだろうか?
    テレビ朝日は総括番組をやるべきだ。

    • > ゼロコロナを解除すれば感染が急拡大するのはわかっていたはず。

      解かっていたから解除したのでは?

      > NHKのサイトによれば中国のワクチン接種回数は34億回。

      日本の接種率は、高齢者>若者 ですが、中国は、高齢者<若者 なのが習近平の狙い目なのでしょう。高齢者福祉費の増大を抑える為にも、台湾攻略に必要な軍事費増大を支える為にも、人口ピークアウトを後ろ倒しする必要がある。

      長年の一人っ子政策で歪んだ人口ピラミッドの修正を考えていたが、現実は習近平の予想を超えたという事なのでは?

    • PCR真理教玉川徹氏は、次のように考えているんでしょう・・・知らんけど。

      中国はやり方が悪いんです、地域的な逐次投入で失敗しているんです。
      日本は、日本人全員に一斉PCR検査を実施して隔離すればいいんですよ。
      (デマで不安を煽って日本を貶めちゅご〜く視聴率が上がればいいんですよ。)

      p.s.
      滅びゆく「マスゴミ」の実態は、デマがwぁ〜とおる
      一方、某団体の補助金等の会計不正疑惑は「報道しない自由」行使で一切知らんぷり。
      「マスゴミ」が某団体と密接にコラボしていることの証左なのでしょうか・・・

      • 中国報道官て、
        あの人最近コロナ感染したはず?
        と思いきや
        今回は別人でしたね…。

    • sqsq様

      >つまらないプライドを捨ててmRNAワクチンを打っていればよかったんだと思う。

      こういう分析もあるようです。費用かかりすぎて無理、、軍事費削れば?

      「中国はなぜ国外産ワクチンを使用しないのか?」
       https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20221223-00329689

      リンク先の図表は14億人×1回,2回,3回計算なので、費用かなり多めになってて、実人口や接種率アメリカ並みでよいとすれば個人的には黄色の列が妥当な費用では????と個人仮定します。
       すると、、ファイザー値上げ後の約24兆円というのが中共の今年の軍事費約26兆3000億円、、、と微妙にマッチしててアレアレ

      • 素朴な疑問ですが…

        中国国民への外国製ワクチン接種費用がほぼ軍事予算に匹敵。今後値上がりするファイザーワクチンを4〜5回接種となると国家予算をも脅かす費用となる、と遠藤誉氏は解説されています。

        しかし、感染者の爆発的増加は国の生産活動だけでなく軍事的側面にも大きな影響を与えると思います。「軍関係者は罹患することない」、わけありません。中国政府は、この国防的損失をどのように計算しているのでしょうか? 当面の国防的損失をカバーする為に、諸外国への春節を利用した感染拡大を図っているのでしょうか?

  • 案の定の中途半端な措置です。結局、現場のスタッフに負担がいくだけ。それに中国人の患者を日本の国費で治療する事になる。日本で治療が受けられるなら、中国人は感染が分かってても喜んで日本に行きますよ。中国人が泊まったホテルは風評被害の恐れも出てきます。まさに百害あって一利なし。国民の3年間の辛抱も台無しです。
    中国が日本に文句を言うなら、日本政府もはっきりとデータの開示を求めるべき。強いて言えば、それを日本が中国に要請して、断られてからこの措置だったら良かったかも。旧正月はまだ先なので、引き続き注意です。

  • 人的往来を妨げるな、て
    ウィルス感染は日中間だけの問題じゃないことを理解していない発言だ。
    この3年間何も学ばなかったのか。

  • 武漢コロナリターン 上映決定!

    習近平、中国人の海外旅行を2023/1/8解禁
    https://www.yomiuri.co.jp/world/20221227-OYT1T50167/
    3年前の春節も、中国から世界中にコロナウイルスがバラまかれました
    今回も感染者急拡大、舌が黒くなる?変異株も登場
    そんな中国が春節のタイミングで世界中にお届け!

    • 中国は春節に合わせて海外旅行を解禁して、また変異株を世界へ意図的にバラまこうとしているような気がします。日本の取るべき対策は中国からの渡航禁止ですね。

  • 急に岸田援護方面に切り出しましたね
    散々安倍が良かった〜みたいな反応を続けていて、
    岸田は直ぐに辞めるべきと貫いていたはずなのに
    批判している防衛増税も金利上げることが決まったから、受け入れるしかない(しかも増税する範囲は大企業の法人税率UP、タバコ税UPなどで庶民に影響は低)
    過去の記事で「税収予測の上振れ、歳出削減などで十分に捻出可能なもの」とあるけど、具体的に何を削って1兆円確保するのか言わないから無責任な記事としか思えません
    しかも当事者は危機が迫っていると感じているのにね

    • >過去の記事で「税収予測の上振れ、歳出削減などで十分に捻出可能なもの」とあるけど、具体的に何を削って1兆円確保するのか言わないから無責任な記事としか思えません

      てか歳入が3兆円上振れているのに1兆円増税しないと防衛費がねん出できないかのように主張する貴殿のような主張の方が無責任としか思えません

  •  戦狼外交とか言われてましたが、狼というか鮫ですね。牙をちらつかせて泳ぎ回っていられる間は効果的だけど、病気にかかっても泳ぐのをやめることができない。やめたら病気以外で死んじゃうから。
     この状況で中国ができることと言えば、病気を隠して運良く死ぬ前に治るのを祈りながら泳ぎきってみせるしかないかもしれません。

     実際の鮫の一種は、上昇流を休息に利用しているそうです。上昇流に乗って静止して休むでは死んでしまうので、対向してあまり泳がずにエネルギー消費を抑えながら水流を受けては戻るを繰り返すのだとか。科学的で適切ですね。

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