X

ツイッター社がトランプ氏の「アカウント凍結」を解除

ドナルド・J・トランプ前米大統領のツイッター・アカウントの凍結が解除されました。改めて思い起こしてみると、トランプ氏のツイートにツイッター社から「このツイートの内容は間違っている」と示唆するような警告が付けられ、酷いときには「いいね」が禁止されるなどの状況は、やはり異常なことでもありました。

ツイッターのトレンド欄が明らかに変わった!

実業家のイーロン・マスク氏がツイッター社を買収したことで、ツイッターのトレンド欄、『いまどうしてる?』欄などに表示される内容が明らかに変わったとする件については、『ツイッターの解雇後にトレンド欄が明らかに変わった件』などを含め、当ウェブサイトではこれまでしばしば取り上げてきた論点のひとつです。

ツイッターの『いまどうしてる?』欄に明確な変化が生じているようです。ここ数日で、明らかに特定のメディアの記事ヘッドラインや特定の政治的立場に基づくツイートなどが表示されなくなったからです。これについて事情を調べていくと、どうやらツイッター・キュレーションチームが解雇されたことと密接にかかわっている疑いが浮上しました。キュレーションとはなにか一般に「キュレーション」(curation)とは、「情報を収集したうえで取捨選択して整理する作業」を意味し、もともとは美術館、博物館、図書館などに勤務する学芸員(...
ツイッターの解雇後にトレンド欄が明らかに変わった件 - 新宿会計士の政治経済評論

これについては明確で定量的な「証拠」があるわけではありませんが、傾向としては、たとえば『朝日新聞デジタル』や『ハフィントンポスト日本版』、あるいは左派的な政治性向を持っているユーザー(たとえば日本共産党支持者など)などが発信するツイートが、トレンドなどに上がらなくなっているようです。

一部報道等によれば、マスク氏のツイッター社買収に伴い、広報部やキュレーションチームが軒並み解雇されたとのことですが、ツイッターのトレンド欄の変化も、ほぼ同時に発生しています。

このため、「これまでのツイッターでは、トレンド欄などを人力で操作していたのではないか」という疑いが、大勢のネット・ユーザーらの間から、ほぼ同時多発的に指摘されているのです(『トレンド操作がトレンド欄に?ツイッター「人力問題」』等参照)。

田中秀臣氏「左翼的誘導記事が鳴りを潜め、朝日やハフポストを見なくなった」

こうしたなかで、経済学者で上武大学教授の田中秀臣氏も先週、産経系のメディア『zakzak』に寄稿したこんな記事で、やはり同じような違和感を述べています。

イーロン・マスク氏の買収でツイッターが一変 鳴り潜めた左翼的誘導記事 目にすることがほぼなくなったハフポストや朝日新聞

―――2022/11/15 06:30付 zakzakより

記事から田中氏の指摘の一部を引用すると、こんな具合です。

マスク氏の決断は、思わぬ効果を、日本のツイッター利用者にもたらした。それは日本のツイッターのニュースフィードやトレンドから、政治的に左に偏った記事や発言がほぼ一掃されたことだ」。

私もこの変化にはすぐに気が付いた。例えば、ニュースフィードでは、ハフポスト、朝日新聞などの記事を目にすることがほとんどなくなった」。

このくだり、まったくそのとおりでしょう。

しかも田中氏は、ハフポストについてこう述べます。

ハフポストについては、私はアカウントをブロックしている。だが、ブロックしていても毎日のように読みたくもない偏向した記事がニュースフィードに並んで、正直げんなりしていた」。

アカウントをブロックしているのに表示されるというのは、なかなかに興味深い現象ですね。

田中氏はまた、「左翼的なニュース記事が目立たなくなると同時に、トレンド欄には、左翼系の識者やジャーナリストの発言、または活動家たちのハッシュタグ運動がほぼ鳴りを潜めた」とも指摘しているのですが、この点についてもやはり、個人的には深く共感する部分です。

実際、田中氏が指摘するとおり、トレンド欄では(おもに左派的な)政治的主張がほぼ消え、「アニメやドラマ、食や天気の話題、そしてちょっとした時事問題」などが中心を占めている状況です。正直、個人的にも非常に「快適」だと感じてしまうのは気のせいでしょうか。

トランプ氏のツイッター騒動

こうしたなかで思い出すのは、ドナルド・J・トランプ米大統領(当時)のツイッター・アカウントが「凍結」された事件です。トランプ氏のアカウントは大統領としての任期が切れた当日に突如として凍結されてしまったのですが、異変はそれ以前から発生していました。

ツイッターでは2020年11月の米大統領選以降、トランプ氏が「選挙不正」の可能性をツイートした際、ツイッター上に勝手に「注意喚起」が行われていました。たとえば2021年1月7日にトランプ氏が「不正だ」と主張した、次のツイートがその典型例でしょう。

このトランプ氏のツイートに対し、ツイッター上では “There is no evidence of widespread voter fraud in the 2020 US presidential election, government officials and election experts confirm” と題したページへの誘導リンクが出現します。直訳すれば、「2020年の米大統領選において広範囲な投票不正がなされたとの証拠がないことを、政府当局者や選挙の専門家らは確認している」、といったものであり、米国内のメディアの報道などを示しているのです。

また、このツイートを「いいね」しようとすると、「Twitterが信頼できる情報源となるようご協力ください。このツイートをいいねする前に詳細を確認することをおすすめします。」とするポップアップが出現し、先ほどのページに誘導される、というしかけになっています。

さらにひどいときには、一時的に「いいね」することが禁止されたこともありました(図表)。

図表 「いいね」禁止

(【出所】当時のツイッターの画面より著者作成)

現時点で確認する限り、この「いいね禁止」はさすがに解除されているようにも見えます。ただ、こうした異常ともいえるような情報誘導も、いまになって思えば、ツイッター社が「特定の思想」の持ち主らによって支配されていた証拠ではないか、といった疑念は払拭できません。

マスクし、トランプ氏のツイッター凍結解除

もっとも、当ウェブサイトでトランプ氏のツイートを引用しているのには、理由があります。トランプ氏のツイッター・アカウントの凍結が昨日、解除されたからです。

マスク氏が11月19日付でトランプ氏のアカウント凍結を解除するかどうかに関するアンケートをツイッター上で実施したところ、1500万を超える投票が行われ、51.8%対48.2%で賛成が多数を占めたからです。

現時点においてトランプ氏はまだツイートを発している様子はありませんが、トランプ氏が凍結解除後にどんなツイートを発するのかについては気になるところでもあります。

いずれにせよ、当時、ツイッター社で何が発生していたのかについては、続報を待ちたいと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (13)

  • マスコミ=mass communication マスメディア=mass media の意味が再定義されてしまって、このごろは新聞TV局は真っ青。火症精神を大発揮して総攻撃する未来が水晶玉に浮かんで見えます。

    • 「troll 対 bot の仁義なき戦いを、乱入して来た柴犬が棍棒を揮って追い払う」twitter 投稿を目にしたような気がします。
      新聞TV局にはまるで手に負えない世界が広がっている。インターネットが無知と蒙昧が支配する愚か者たちの大地だと見下したのは失敗だったのです。気が付いていないんでしょうけど。

    • 連投すみません。

      SNS を社会的実験装置として積極活用していたのが(かつての)facebook です。どんな仕掛けがこの「振る舞い」の奥に隠されているのか、辣腕プログラムたちはブラックボックス装置の内側を推測するのに忙しかったです。

  •  支那は軍事費よりはるかに多くの膨大な予算を投じて支那共産党批判をする連中をあぶりだし、排除する行動をとっている。アメリカおよび日本のメディアも似たようなことに膨大な人件費を投じて運営していたが、今後はこのようなことが徐々に廃止されて行けば、メディアの経済状況も相当に改善されるのではなかろうか。

     馬鹿なことをやって企業の利益を無意味に捨てていたことになるのであり、このようなおぞましいことが全廃されれば好ましい社会になろう。フェイスブックも支那、朝鮮がヘイトスピーチをすることを奨励まではしないが自由放任主義を取っていたが、少なくとも日本では厳重に監視し、すぐに警告を送ってきて、従わないならアカウントを凍結する手段を取っていた。ヘイトスピーチに対しては従来化の方針を変えたのか変えないのか知りたいところだが。

     変えたとすると余分な人件費が不要になり企業にとっては良いことではなかろうか。ヘイトスピーチも内容によっては投稿者が読者全体から冷たい目で見られるのであるから、人件費をかけて排除することもなかろうと思うのだが。不都合があれば当事者が訴訟で争えばよいだけであろうに。そのためには裁判所から要求があったときは発言者の情報を裁判所に開示すると公言しておけば良かろうに。少なくともsns運営者がヘイトスピーチを排除するために無駄な費用を払うこともあるまいと思うが。

  • (もちろん、勝手な妄想ですが)イーロン・マスク氏は、従業員に「週80時間労働の激務か、退職か」の選択を迫ったとのことですが、これは(GAFAでさえ人員整理しているので)肥大化した組織をスリム化し、「技術者バカと、変態技術オタクと、(彼らにワクワク感を与えて上手く管理する)中間管理職だけの会社」だけにしようとしているのではないでしょうか。もちろん、狙いどおりになるのか、それで会社が回るのか分かりませんが、ベンチャー企業というのは、こんな感じでしょう。
    話は変わりますが、今の経営陣が若手だったころのテレビ局には、下っ端の間でも「自分たちが世の中を動かしている。それに向かっている。会社も将来、成長する」という幻想が共有されていました。だから、激務にも耐えらましたが、今は、そんな幻想を持っているのは上だけで、下っ端には共有されていません。なのに上は下に(自分たちが若手の時のように)激務を求めて、下は、それを下請けに押し付けているのではないでしょうか。(技術の発達で、昔より出来ることも増えましたが、それによる余計な仕事も増えました)

    • 週80時間てのは一次的にはブルームバーグ、ハフポストが報じている
      みたいですが、イーロン氏本人はリモートワークは週40時間オフィス
      での勤務が前提と言っているだけではないかとの話も。
      (≒超過勤務をオフィスでなくリモートでするのは認める)

    • 脱線失礼いたします
      >GAFAでさえ人員整理している
      コレについての日本メディアのトリアゲ方にいささか気持ち悪さを感じてオリマス
      所詮伝聞ですので正確な情報上で踊りに参加しているわけではないのは自覚しつつ…
      首切りメタ11000人アマゾン10000人はよく見ましたが、分母となる従業員数については某番組のコメンテーター1人位しか記憶にないです(ワタシがテレビっ子ならもっと目にしたかも??)
      聞くところによるとメタは従業員数六万人、アマゾンは120万人とも150万人とも(某コメンテーターによれば154万人とのこと)、コレガチならメタは2割に迫る減員なれどアマゾンは1%にも遠く及ばない減員で企業として首切りのインパクトやら意味合いが違うように思えます
      日本メディアは不況煽りしたいだけなんじゃないか???
      と曲解邪推してしまう自分が居ったりシマス

      • 皆様

        黎明期のGoogle・Microsoft・Adobe ・Facebookとか見てきた世代としては…
        いつからこの辺の会社が優雅な生活満喫するユルい企業って事になったのか疑問でしかありません。

        私の知ってるGAFAとかは超優秀なN.E.R.D.の皆さんが寝食忘れて汚くなってトランス状態で激務こなしているイメージだったので…
        スーツなんか着てられないからカジュアルな服で、自宅帰れないから社内に飲食・睡眠・シャワー・アスレチックジム施設があったりしたのが、変な意味付けされて改変された気がします。

        正味、ワーカホリックの集団が今のIT産業の基礎作ってきた過程をみてきたもんで。

        • 今や少々影の薄くなったYahooも含め、黎明期のIT産業を支えたのは、ワーカホリックというよりも、ひたすらに濃いオタクたちだったのではないかと思います。彼らが寝食を忘れるほどのめり込んだのも、要するに彼らにとってはこれ以上に面白いことや楽しいことなんかなく、労働しているという意識があったかどうかもちょっと疑問です。伝説的なプログラマーであるビル・ジョイの軌跡を見てると、特にそう思います。
          そんな中、最初からビジネスを強く意識し、その拡大に注力していたビル・ゲイツ率いるマイクロソフトは、一部の信奉者を除く、研究者や技術者たちからは相当嫌われてました。nerdの風上にも置けないなどと思われていたのかもしれません。

          当時の風潮を引きずっているせいか、今でも私はマイクロソフトには好意的ではありませんww

  • 2024年の大統領選立候補を宣言したトランプ氏ですが、現時点ではまだ彼が大統領選に勝てるのかどころか、党内予備選を勝ち抜けられるのかどうかもわかりません。でも、間違いないのは、彼を支持する人たちが、無視できないどころか、相当数に上るということです。
    「進歩派」を気取る米メディアやリベラル性向の知識人たちは、トランプ氏をあたかも"厄災の権化"のように扱い、彼の言動を冷笑的に扱うか、全面否定を匂わせるような扱いしかしません。そのくせ、なぜ彼がこれほどの支持を集めるのか、私が読んでないだけかもしれませんが、きちんと分析しようとはしません。おそらく、まともに分析すると、「彼ら」にとって甚だ不都合な結論に至ることが分かっているために、あえて目を瞑っているのではないかと睨んでいます。もし本当にそうなのだとすると、「彼ら」が見ているアメリカ合衆国と、そうでない人たちに見えるアメリカ合衆国とでは、非常に大きな乖離があることになります。昨今言われるような「アメリカ社会の分断」も当然の帰結ということになるでしょう。

    なお、トランプ氏が優秀な大統領たり得るのかどうかについては措いておきます。ただ、安倍晋三という希代の猛獣使い亡き今、少なからず不安を覚えるのは確かです。

  • もう叶わないが、安倍晋三元首相にリアルタイムで接して欲しかったニュースだ。
    Twitterで積極的に情報発信する人だったし。