傾聴すべき「ロシアを常任理事国から外すべき」の主張
「ウクライナ戦争の後始末として、ウラジミル・プーチンの退陣はほぼ確定的だが、問題は核武装した常任理事国であるロシアの取り扱いだ」――。こんな説が出てきました。社会学者の橋爪大三郎氏の主張ですが、傾聴する価値があります。いったいどんなことが書かれているのでしょうか。
目次
ウクライナ戦争でのロシアの「勝利」(?)は絶望的
ロシアによる違法なウクライナへの軍事侵攻から、もうすぐ8ヵ月が経過します。
「外交評論家」や「軍事評論家」など、「専門家」と名乗る人たちは、当初、もしロシアによるウクライナ侵攻が実現した場合、ウクライナは早ければ数日以内に、遅くとも数週間でロシアに制圧され、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は排除され、親露政権が樹立される、といった見通しを示していました。
つまり、ロシアはドンバス地方に加え、キーウやオデーサなどの主要都市を迅速に占領するなど、局地的な軍事作戦で戦闘を終わらせるに違いない、といった観測です。
しかし、ふたを開けてみたら、局地戦どころか、現在のウクライナ戦争は、ロシアにとっては国家総動員の様相を呈してきました。
ロシア側は短期間でのウクライナの制圧に完全に失敗したからです。
それどころか欧米主要国は直ちにロシアに対する厳しい経済・金融制裁を打ち出しましたし、ロシアからは西側諸国の主要企業が軒並み撤退し、とくに金融面ではロシアという国自体が国際的な決済サービス網からほぼ除外されてしまった格好です。
また、西側諸国がウクライナに対して武器の提供を続けているなどの事情もあってか、ロシアはこの戦争を通じ、いくつかの手痛い敗北を喫していることも間違いありません。
首都・キーウの制圧に失敗し、撤退を余儀なくされたほか、黒海艦隊の旗艦「モスクワ」の撃沈(※ロシア側は「沈没」と言い張っていますが…)、ハルキウ州の奪還、ケルチ海峡にかかるクリミア大橋の「損壊」、クリミア半島での相次ぐ爆発、さらにはヘルソン市やドニプロ川西岸からの撤退――。
ロシアがこの戦争の「勝利」をどこに置いているのかは必ずしもさだかではないにせよ、この状況でロシアがこの戦争に「勝利」することについては、もはや絶望的と考えておいて良いでしょう。
ロシアは資源国で常任理事国だし、国際社会も一枚岩ではない
ただし、この戦争が早期にウクライナの勝利で終結できるかどうかは微妙です。物量ではロシアがウクライナを圧倒しているという事情もあり、また、ロシア本土は今のところほとんど攻撃されていないという点も踏まえるならば、ロシアとしては「まだまだできる」という強気もあるのかもしれません。
じっさい、欧州諸国はロシア産のエネルギーにいまだに依存しており、また、欧州も一枚岩ではありません。
たとえば、欧州連合(EU)は今年6月3日、ロシアに対する第6弾の制裁パッケージを公表しましたが、その際も、一部の国に対して石油輸入に関する特例が認められています(EUウェブサイト “Russia’s war on Ukraine: EU adopts sixth package of sanctions against Russia” 等参照)。
さらには、国際社会も一枚岩ではありません。
国際法的に見れば、今回の戦争は侵略された側であるウクライナではなく、侵略した側であるロシアに全面的な非があることは明らかなのですが、それでも国連総会でロシアを非難する決議などについては全会一致で採択されているわけではありません。
たとえば『国連総会、ロシアにウクライナからの無条件撤退を要求』で取り上げたとおり、ロシアのウクライナからの無条件撤退を求めた3月2日の決議は、141対5の圧倒的多数で成立しましたが、ロシア以外にも4ヵ国が反対したほか、中国、インドを含め35ヵ国が棄権しました。
また、『国連総会がロシアの4州からの撤退を圧倒的多数で要求』でも取り上げたとおり、ロシアにウクライナの4州からの撤退を求めた10月12日の決議は143対5という圧倒的多数だったものの、やはり反対した国が5ヵ国、棄権した国が35ヵ国に達していたのです。
それに、国連総会で決議されたこれらの要求も、安保理決議と異なり、法的拘束力がありませんし、その安保理では今回の侵略戦争という違法行為を働いている犯人であるロシア自身が常任理事国として居座っていて、国連を通じたロシア制裁には当のロシア自身が拒否権を行使してしまいます。
最終的には「核武装した常任理事国による不法行為」という問題
このように考えると、国連という組織は違法な国際紛争を止めるうえで無力であることを、改めて痛感せざるを得ません。なにせ、国連加盟国全体の総会決議よりも、一握りの国しか参加していない安保理が力を持っていて、しかも5つの常任理事国がそれぞれ拒否権を持っているからです。
このように考えていくと、ロシアが近い将来、ウクライナ戦争で敗北する可能性が高いとはいえ、ロシア自身が資源国であるとともに、核武装した国連安保理加盟国であるという事実は、ロシアがなかなか敗北しない要因の一部を構成していることも間違いないでしょう。
そして、「ロシアから資源を買うな」と全世界の国々に命じることが不可能であるならば、「核武装した国連安保理加盟国である」という部分を何とかしないと、「国連常任理事国自身が不法な戦争を発生させる」というリスクを完全に潰すことはできません。
社会学者の橋爪氏「核戦力の無力化」
これについてどう考えれば良いか――。
ちょうど良い論考がありました。ウェブ評論サイト『プレジデントオンライン』では、こんな対談が掲載されているのです。
「ロシアを常任理事国から外す必要がある」ウクライナ戦争の戦後処理でプーチンに与えられる屈辱
―――2022/11/17 13:00付 プレジデントオンラインより
社会学者の橋爪大三郎氏と大澤真幸氏の対談書『おどろきのウクライナ』の抜粋記事ですが、これが大変に興味深いのです。
橋爪氏はロシアのウラジミル・プーチン大統領自体、自身の健康問題に加えて、戦争の敗北の責任を負う形で、政権の座にとどまることはできないと見ます(政変、失脚、あるいは平穏な交代のいずれであるかは別として)。
ただ、それと同時にロシアでプーチンが情報機関や秘密警察などの「内務官僚系の組織」を使って権力を維持してきたことを踏まえるならば、プーチンが去ったとしても、現在のプーチン政権と似たような権力が形成され、似たようなことが続くはずだ、というのが橋爪氏の見立てです。
そうなれば、「ロシアそれ自体をどうするか」という問題が出てきます。
「秘密警察に支持される専制的な権力が、巨大な核兵器を持っている。これは、ヨーロッパにとってもアメリカにとっても、世界にとっても大変に問題なわけだから、これをなんとかしたい」。
では、具体的にどうすれば良いか。
橋爪氏はこれについて、ロナルド・レーガン政権時代にソ連解体を早めたとされる「スターウォーズ計画」を引き合いに出し、米国は10年や20年かけてでも、ロシアの大陸間弾道弾、戦略核兵器を無力化する手法を開発する努力を続けると予想します。
つまり、戦略核が無力化されれば、旧ソ連時代からの核戦力が無力化され、ロシアは単なる「田舎の独裁政権」に成り下がる、というのです。そのロシアの現状に不満を抱く知識人などがロシアを新しく生まれ変わらせるかどうかは、ロシアの問題です。
なるほど、この視点は斬新です。ついでにいえば、もしもロシアの核戦力を無力化することに成功すれば、北朝鮮の核・ミサイル開発問題も(米国にとっては)脅威ではなくなりますし、さらには中国についても、核戦力を無力化させることができてしまいます。
ただし、この核の無力化については、まだ当面時間がかかるでしょう。
別な課題としての「国連再生」は「新国連」か?
そして、橋爪氏は「また別な課題」として、「国連の再生」を挙げます。
記事タイトルに「ロシアを常任理事国から外す必要がある」とありますが、これについて橋爪氏はこう述べます。
「(ウクライナ戦後には)国連の常任理事国にロシアが座ったままでいいのかという問題が起こる。<中略>国連憲章をひっくり返してみても、常任理事国を除名するなんてできないと思う。仮にできそうになったとしても、中国が反対するだろう。同じやり方で中国も除名される可能性があるから」。
…。
たしかにこれは橋爪氏の指摘通りであり、かつ、大変に厄介な問題です。
そこで、橋爪氏はこんなことを述べます。
「反対があってうまくいかない場合、唯一の方法は、国連と別に新国連をつくることだ。そして、アメリカ、イギリス、そのほかの主要国が全部、国連に在籍したまま新国連に加入してしまう。ただし、ロシアは加入させない」。
あるいは、ロシアを加入させても良いものの、常任理事国にはしない、という案です。新国連が成立し、大部分の国が新国連に移ってしまえば、いまの国連は解散可能だ、というのがそのストーリーの大筋です(余談ですが、その「新国連」が発足するなら、日本もその「新国連」の常任理事国を目指すべきでしょう)。
大澤氏が唱える「課題」
ただし、ここで大澤氏は、こう口をさしはさみます。
「今回の戦争はかなりプーチンが絵を描いたもので、プーチンの幻想の下に起こっているけれども、それが純粋に個人的なものかと言えば、ロシア国内でそれなりの支持を得てもいい」。
大澤氏によると、「ロシアの国民が、国営放送に受動的にだまされている、という構図は単純過ぎる」としたうえで、ロシア国営放送のフェイクニューズを「能動的に受容しているところがある」と指摘。一般国民がプーチン政権の軍事行動を支持していると分析します。
したがって、この大澤氏の指摘が事実なら、仮にロシアの核戦力を無力化したとしても、ロシア人が集合的に共有し蓄積されているルサンチマンや敵意の問題は解消しない、というのです(※個人的には、この主張は橋爪氏の指摘の反論にはなっていないとは思いますが…)。
また、橋爪氏が提唱した「新国連」についても大澤氏は、こう述べます。
「これは、おもしろいとは思いますけど、おそらくいろんな意味でむずかしい面があります」。
その理由は、先ほども挙げた、国連総会で「ロシア非難に同調しない国」がずいぶんとあるという問題点です。
現在の国連をスクラップアンドビルド方式で改革しようとしても、すべての国連加盟国がすんなりと「新国連」に移行するかどうかは微妙ですし、とくに同じやり方で安保理常任理事国から排除される可能性がある中国がこれに賛同しない可能性は高そうです。
日本の国会も「宗教団体問題」をやっている場合ではない!
ただ、ここで重要な点があるとしたら、「ウクライナ戦後」に向けての考察は、私たち日本人にも避けては通れない課題のひとつだ、ということでしょう。
とくに、西側諸国が「ウクライナ侵略を絶対に許さない」という意思を明確にし、ウクライナに侵攻したロシアを西側諸国が徹底的に制裁することは、台湾で同じ悲劇を繰り返さないうえでも大変に重要な先例となり得ます。
こんな重要な局面で、相も変わらず国会では特定野党が宗教団体の「問題」の追及ごっこにうつつを抜かしていますし、財務省が雇った御用学者らによる「審議会」は、防衛費増額を「増税によるべきだ」、などとする結論を出そうとしているようです。
このように考えていくと、国民の多数の意見で選ばれたわけでもない人たち(特定野党や官僚組織、オールドメディア)が権力や社会的影響力を握ってしまっているという状況は、一刻も早く是正しなければなりません。
だからこそ、月並みな結論ですが、読者の皆さまには次の3点を徹底していただけるよう、お願い申し上げたいと思うのです。
- 納得がいかない報道をする新聞を購読しない。
- 納得がいかない報道をするテレビを視聴しない。
- 選挙では必ず投票する。
こうした地道な積み重ねを通じ、日本国と日本国民の利益のために働かない人たち(とくに財務官僚や特定の野党議員、特定の新聞・テレビ局関係者など)には政治権力を行使し得る立場や社会的影響力を及ぼし得る立場から、ご退場いただかねばなりません。
その意味では、日本再生ができる唯一の人物とは、この文章を読んでいる「あなた」なのです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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>核武装した常任理事国による不法行為
現在進行形で民族浄化を行っているシナチスが常任理事国と言うのはもっと深刻な問題ですね。国際連盟で喩えるならナチスドイツが常任理事国やってるようなものですし。
国連最大の汚点ですよ。
MI5 がロシアスパイについて声明を発表したと NHK が報道しています。
『イギリス情報機関 ロシアのスパイと見られる400人以上追放』
その記事最後あたりでは MI5 長官はこうも発言したとあります。
>中国については、国会議員や若手公務員への働きかけのほか、各国に設けられていると報じられた中国の警察の出先事務所などを通じて、自国に有利な世論を作り上げようとしていると指摘した
それってほかでもない NHK のことを言ってますよね。金屏風の舞台でにやついて見せた国会議員さんたち、日本経済新聞社を始めとする大手新聞はパンダハガー(中国抱きつき派)と指弾されて仕方ない状況です。現在中国国内で進行中の騒乱は政権打倒共闘に繋がるのではありませんか。いい論マスク氏を日本に呼んで特殊清掃して欲しいものです。
変ですねぇ。
国連憲章では常任理事国にロシアや中国の名前はないんですけどね。
国連憲章
第23条(構成)
1 安全保障理事会は、15の国際連合加盟国で構成する。中華民国、フランス、ソヴィエト社会主義共和国連邦、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国及びアメリカ合衆国は、安全保障理事会の常任理事国となる。~以下略~
あ、台湾の名前がありますよw
改正せずに中国やロシアが常任理事国になれるのなら、逆もアリ。シレっと外せるんじゃないの?
そうですよね。
そろそもロシアは国連加盟国なのか?
という問題が。
ソ連崩壊の当時の状況詳しくないのですが、全く議論に挙がらなかったんですかね。(意図的にうやむやにされてそう?な気もしますが)
お詳しい方いらっしゃいましたら解説とか参考文献とか教えていただければと思います。
通念上は条約の権利や義務などは継承国に引き継がれると思うので問題ないかと
継承国wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B6%99%E6%89%BF%E5%9B%BD
中華民国は存続してますが世界が中華人民共和国を継承国として認めたのでまぁこちらも仕方ないかなと思います
※どこかには政府が変われば条約も無効だと考えてるらしい国もあるみたいですけどねw
政府が変わればどころか、大統領が変われば全部チャラなどと某国は思っているようです。政策の連続性などということには一切関心がないようで。
しかし、5年に一度易姓革命をし続けるなんてことをしていると、国家体制その他もろもろにいろいろと歪みが生じ、その蓄積がどこかで破裂してしまうのではないかと思うのですが……あ、もしかしたら、現在破裂中?
素朴な疑問ですけど、もし米国がロシアの戦略核戦力を無力化する手法を見つけ出したとしても、それが実際に有効かどうかは、究極的には核戦争の状態にならないと分からないのではないでしょうか。また(ロシアになるか、中国になるかは分かりませんが)当然、その米国に手法に対抗するために、(核戦力になるのか、サイバー空間、宇宙空間になるのかは分かりませんが)何らかの手段をとるでしょう。(もちろん、この対抗手段が有効かどうかも、実際の核戦争にならないと分かりません)
蛇足ですが、国連常任理事国が、中華民国から中華人民共和国に、またソ連からロシアに代わったという前例がある以上、現在の常任理事国も代わることもあり得ます。(もしスコットランドが独立したら、常任理事国イギリスは、どうなるのでしょうか)
> 究極的には核戦争の状態にならないと分からないのではないでしょうか
運搬手段を全廃させれば良いのです。弾頭だけならば、いくらあろうが脅威にはなりません。ただし、弾頭を横流しさせないようにする必要はありますが。
# トラックに荷台に乗せて敵陣に突っ込み、自爆させるなどという野蛮な方法は……
# やりかねない国もあるな(-.-;
停戦(ロシアのメンツを考えればこの表現になるかと)後のロシアの取り扱いは本当に微妙なバランスを必要とするかと思います。
新宿会計士様がおっしゃる通り、台湾侵攻を睨む中国が控えているからです。
中国に対して、万が一でも台湾or尖閣に武力侵攻する事があればどういう目に合うかを明確にメッセージとして伝えれる程の強い制裁を、
そして核保有国としてのロシアを自暴自棄にさせないがための最低限のメンツを維持させる温情を、絶妙なバランス感覚で提示し遵守させる政治力と外交力を持った戦後会議が必須になるかと思っています。
大変難しいバランスになると思われますが、世界の平和と日本の安全のためには必要不可欠になるでしょう。その会議に出席するのが岸田首相のままならば大変心もとないですが・・・
第二次世界大戦の戦勝国対敗戦国という戦後レジームに基づく今の国連組織のままで、バランスをとりつつ何とかしようとしても、非常に難しく限界があるように思います。常任理事国の利権は絶大なので。
どちらにしても非常に難しいならば、G7を中心とする新国際連合に緩やかに移行する道を採った方が良いと思います。
ロシアを常任理事国から外すべきって、ロシアが拒否権を行使したら、それで終わりでしょう。これは実質的にはできませんよね。
そもそも欧米のロシア嫌いのエリートが、ウクライナを使ってロシアを潰そうとしてきたのが馬鹿だっただけです。安倍元首相がロシアを西側に組み込んで対中国包囲網を完成させようとしていたのに、米英のバカがロシアを敵に回したので中露を中心としたBRICSが拡大した経済圏ができそうですしね。
ゼレンスキーは、ウクライナによるポーランドのミサイル誤爆をロシアのせいにしようとしました。NATOはミサイルを追跡していたので、ウクライナであることがわかってしまいましたけどね。
問題は、ゼレンスキーが、なんでもかんでもロシアのせいにしてきたことと、欧米がそれを認めてきたことです。ロシア嫌いの欧米でも、さすがに第三次世界大戦や核戦争は回避したいので、ゼレンスキーの嘘を否定しました。
そしてアメリカの共和党は、ゼレンスキーは第三次世界大戦を引き起こしたいだけだと批判し始めました。当然ですが、英米よりも親ロシアの独仏も、ゼレンスキーと距離を置き始めるでしょう。欧米の庶民は、エネルギー高騰による生活苦により、戦争の早期終結を求めるでしょう。ウクライナ難民が欧米の庶民よりも贅沢していると言われている以上は、ウクライナ難民支援は下火になりますし、嘘つきゼレンスキーに支援したくなくなるでしょう。
最終的には、ユーゴスラヴィアの例を参考に、住民投票による独立・併合を承認して和平となるのではないでしょうか? 前例踏襲なら言い訳できますしね。ウクライナの州境を国境にするのではなく、川や山を国境にして分割することで、痛み分けするんじゃないでしょうか?
中国との関係でいえば、米中戦争となったら、中露による包囲網や中国による日本企業の資産凍結・差押が起きるでしょうね。そしてアメリカの軍事力が、性能は良くても、物量という点で厳しいということが判明したのも、少々まずいことになりそうです。
ロシアを戦闘不能、解体に追い込む一番確実な方法は原油価格の大幅な下落。
現在、ロシアは原油とガスを大幅に割り引いて中国、インドに輸出している。
産油国が大幅増産しWTI,Brentが大きく下落すればロシアは戦争継続どころか国の存続が不可能になる。
旧ソ連崩壊の一次的要因はサウジアラビアによる原油の大増産の結果の原油価格下落で国家財政の運営が不可能になったためだが、それの再現となる。
ただサウジはバイデンの増産要請を拒否して大幅な減産に出た。
他の産油国にも増産の動きはなく国際原油価格は高値を維持しロシアの戦争は継続される。
欧米が強気で進めてきた「脱炭素」政策が結果的にロシアを助けているのだから皮肉としか言えない。
「脱炭素」「グリーンエコノミー」を標榜する西側は決してロシアを斬り捨てたりはできないはずだ、というのがプーチン大統領の侵攻決断理由のひとつだったと当方は判断してます。
悪いオトモダチ独逸とグルになって欧州覇権を目指すつもりでしたが、独逸があのような行動に出たことにより Nord Stream は戦略装置としての意味を失い、上得意と分かったうえで潰してしまえと海底工作部隊を放ってパイプラインを破壊しました。
化石燃料はロシアの唯一のドル箱なので、仮に他の産油国が増産となってもなりふり構わず阻止するでしょうね。
紛争の火種には事欠かないので、工作もそれほど難しくはないでしょう。
イランはアメリカと関係改善する絶好のタイミングを逃しました。ロシアとがっちり手を組んでしまったのです。アメリカがイランと仲良くなったら困る人たちもたくさんいることですし、そこいらじゅうで世界は帰還不能点を通り過ぎてしまいもう元には戻りません。
>大澤氏によると、「ロシアの国民が、国営放送に受動的にだまされている、という構図は単純過ぎる」としたうえで、ロシア国営放送のフェイクニューズを「能動的に受容しているところがある」と指摘。一般国民がプーチン政権の軍事行動を支持していると分析します。
ロシアとウクライナとの領土問題は、ウクライナ出身のフルシチョフがウクライナ領と決めたって事でロシア人としては納得いかないところが多々あるでしょうしね。
乱暴に例えるなら、朝鮮併合で生まれた朝鮮系日本臣民から首相になった者が竹島や対馬を朝鮮領だと決めてしまったようなものかと。
とは言え、ロシアの侵略戦争は正当化されませんけどね。
>こんな重要な局面で、相も変わらず国会では特定野党が宗教団体の「問題」の追及ごっこにうつつを抜かしていますし、
うーん、特定野党が「特定宗教団体」の問題追及「ごっこ」をしているのだと考えますが。
とは言え、日本史に其の功績を残す事になるであろう安倍晋三氏が人柱になる事でようやく解決への道筋が出来始めた訳で、教団や指導層の(国内の)全財産を没収して被害者への補償に充てたりする結末になれば良いな、と。
ただ、今まで日本社会での旧統一教会の被害者が何千人何万人何十万人居たのか分かりませんが、それら全ての被害者の犠牲よりも安倍晋三氏ひとりの犠牲が大きいとも言える現状には、人の命の軽重を感じてしまいます。
安倍晋三氏が人柱になる前に、ちゃんと日本社会が、日本国民が旧統一教会を「日本社会の敵」と見做し、除鮮していればなぁ…と。
私見ですが、安倍元総理が暗殺されたのはあくまでも1人の狂信者(語弊があるかもですが、精神異常者)の見当違いの逆恨みと、警護しきれなかった体制の不備(あるいは銃社会でない日本の気の緩み)が主因だったと考えており、統一協会だけの問題と考えるのは違和感を覚えます。
同様の狂信者の逆恨みは、マルクス主義急進派やムスリム・キリスト原理主義者や国粋主義etc、ひょっとすると単純な犯罪嗜好者やアイドルアニメゲームなどのオタクやいわゆる無敵の人にも発生する可能性もあり、
今回偶々「旧統一協会」を逆恨みする個人により関連あると勘違いされた「元首相の安倍晋三氏」がターゲットとして事件が発生し暗殺が完遂されたのであり、「」の中の変数は可変し得たand今後も可変しうるのではと考えています。
旧統一協会がその犯罪要素により糾弾されるのは当然と考えますが、「旧統一協会」だから法律違反以外の面でも、関連があれば関連することが悪い・現行法で罪は問えないが悪い・罪を問うために法を遡及してでも拡大解釈しても・・
という様な風潮には違和感を感じます。
基本的な論旨はクロワッサン様に対してではなく、暗殺事件以降のテレビワイドショーを主としたマスメディアに対する印象なので、お気を悪くされたら申し訳ありません
こんとん さん
ありがとうございます。
うーん、、、その内容での「統一教会だけの問題では無い」は、「騙す人間ばかりが悪いのでは無い、騙される人間も悪いのだ」って主張と重なるんですよね。
山上容疑者の逆恨みや奈良県警の怠慢は事件を構成する要素ですが、大元の原因を遡ればやはり旧統一教会ではないでしょうか?
旧統一教会が社会的に問題となる悪徳商法問題や高額献金問題をしていなければ山上容疑者の家族が破壊される事は無いと考えられるので旧統一教会に対する恨みが起こり得ず、恨みの矛先が安倍晋三氏に向かう逆恨みもなく、逆恨みによる銃撃がなく、銃撃がないので奈良県警の怠慢で暗殺が成功する事も無かったであろうと考えられる訳で。
勿論、山上容疑者の家族が旧統一教会によって破壊される事が無くても他の何者かによって破壊される未来に至った世界があったかも知れませんし、山上容疑者の家族を破壊した何者かが安倍晋三氏に繋がって事件が起きたかも知れませんが、この世界では山上容疑者の家族を破壊したのは旧統一教会です。
>旧統一協会がその犯罪要素により糾弾されるのは当然と考えますが、「旧統一協会」だから法律違反以外の面でも、関連があれば関連することが悪い・現行法で罪は問えないが悪い・罪を問うために法を遡及してでも拡大解釈しても・・という様な風潮には違和感を感じます。
いわゆるワイドショーは一切見ないのでワイドショーでの取り上げ方は知らないのですが、四大公害の例えばイタイイタイ病では、問題を認識した時点では取り締まる法律が無く、問題を認識した後の過程で取り締まる法律が整備されていった事を考えると、法の遡及や拡大解釈とは別の問題として対処していく問題だと考えます。
ちなみに、関連する事が悪いというのは程度問題だと考えるので、一概には何とも言えないですね。
こんとん さん
ありがとうございます。
うーん、、、その内容での「統一教会だけの問題では無い」は、「騙す人間ばかりが悪いのでは無い、騙される人間も悪いのだ」って主張と重なるんですよね。
山上容疑者の逆恨みや奈良県警の怠慢は事件を構成する要素ですが、大元の原因を遡ればやはり旧統一教会ではないでしょうか?
旧統一教会が社会的に問題となる悪徳商法問題や高額献金問題をしていなければ山上容疑者の家族が破壊される事は無いと考えられるので旧統一教会に対する恨みが起こり得ず、恨みの矛先が安倍晋三氏に向かう逆恨みもなく、逆恨みによる銃撃がなく、銃撃がないので奈良県警の怠慢で暗殺が成功する事も無かったであろうと考えられる訳で。
勿論、山上容疑者の家族が旧統一教会によって破壊される事が無くても他の何者かによって破壊される未来に至った世界があったかも知れませんし、山上容疑者の家族を破壊した何者かが安倍晋三氏に繋がって事件が起きたかも知れませんが、この世界では山上容疑者の家族を破壊したのは旧統一教会です。
>旧統一協会がその犯罪要素により糾弾されるのは当然と考えますが、「旧統一協会」だから法律違反以外の面でも、関連があれば関連することが悪い・現行法で罪は問えないが悪い・罪を問うために法を遡及してでも拡大解釈しても・・という様な風潮には違和感を感じます。
いわゆるワイドショーは一切見ないのでワイドショーでの取り上げ方は知らないのですが、四大公害の例えばイタイイタイ病では、問題を認識した時点では取り締まる法律が無く、問題を認識した後の過程で取り締まる法律が整備されていった事を考えると、法の遡及や拡大解釈とは別の問題として対処していく問題だと考えます。
ちなみに、関連する事が悪いというのは程度問題だと考えるので、一概には何とも言えないですね。
うーん、、、返信コメントをしたのですが反映されない。。。
>クロワッサン様
反映されないのがサーバー側の遅延問題かクライアント側(自分)の問題か判別つかず連投してしまうあるあるデスね。私も経験ありです
私も(コロナ関連や安倍元首相暗殺事件以降は特に)胸糞悪くなるので自発的には見ないですが、家人等の関連もありワイドショーも目にすることが多いので・・
>安倍元首相の暗殺に対する旧統一協会の要因の割合
このあたりは各々の主観や判断によるものであると考えるので、あまりクロワッサン様御本人と論争を深めるつもりはありません
私としては御本人よりもこのコメントを目にする他の方々に、こういう見方もあるという知的好奇心の刺激になればと思って書いていきます
現実に起こった事件としては、確かに山上容疑者の狂気と、そこに至らせた旧統一協会の搾取と家庭崩壊という背景は大きいでしょう
ただ私の語りたいのは、第二・第三の山上容疑者による、第二第三の安倍元首相をいかに防止するかという一般論です。
旧統一協会に限らず、個人を無敵の人にしてしまう要因は、他の宗教や政治活動・貧困やそれこそギャンブルや薬物からオタク活動の先鋭化まで考えられるので、事件を旧統一協会独特の問題と考えそこだけに注目するという考えには違和感をおぼえるのです。今後のためにも
>法律の拡大解釈や過去遡及について
公害問題等のように問題発覚後に法律を整備して対応する
クロワッサン様の意見同様、これは全く問題ないというか必要なことだと思います。
但し旧統一協会単独を問題にするのではなく、取締り対象を一般化することが必要であると思います
洗脳ならば、他の宗教や政治団体にも適用できうるもの
集金方法なら、同様に宗教や政治団体、パチンコ等のギャンブルやソシャゲ・アイドル等々依存性を強く保つ場合の対処など
これら対象範囲の定義や一般化を考えると、どうしても骨抜きにならざるを得ない気はしていますが、それでも法整備には旧統一協会特措法という形ではなく一般化することが法の公平性の観点からも必要であると思います
国連憲章は安保理常任理事国が「侵略」を実行するなどという事態を全く想定していませんから、今回の事態を受けて安保理が機能不全に陥るというのは、ある意味当然のことです。そして、現在のシステムのまま置いておけば、将来、例えば中国が「侵略」行動に出た際も、同様に機能不全の状態に陥ることは確実です。それを防止するためには、何らかの国連機構改革が必要である、それが難しいのであれば、いっそ現在の国連とは別組織を作ってしまえという論旨だと思いますが、そもそもの問題として、国連が何を目的とした組織であるのかという観点が少々弱いように思います。その点を押さえておかないと、議論は空転します。
現在、国連の下に多くの国際機関がぶら下がっている形になっているために誤解されがちかもしれませんが、国連はけして「世界政府」などではありません。創設の経緯などから考えても、国連の本質は「集団的安全保障の提供」という点にあります。従って、現国連に代わる組織を構想するにあたっても、単に国際機関の総元締めというだけではなく、集団的安全保障をどのように提供していくかということを考える必要があります。
一つの案としては、国際機関の総元締めという機能と集団的安全保障の提供という機能を分離し、別組織とすることも考えられます。その場合、安保理を廃止した上で、現国連を国際機関総元締めに移行させ、集団的安全保障の提供には新しい組織を立ちあげるという形になるでしょう。そして、新しく創設する集団的安全保障を提供する組織としては、NATOが参考になると思います。一番手っ取り早いのは、さすがに名称は変更する必要がありますが、NATOを引き継ぎ、加盟国を全世界に拡大するというやり方でしょう。要するに、NATOの超拡大版です。そして、都合の良いことに、NATOの拡張であれば、ほぼ自動的にロシアと中国を排除できます。
現在の国連加盟国の全てが新しい集団的安全保障機構に参加するとは思えませんが、軍事組織としての実効性を維持するのであれば、必ずしもすべての国が参加する必要はありません。必要な強制力を必要なタイミングで発動できれば良いのです。
もっとも、このような組織であっても、加盟国同士の紛争にどう対処するかは、予め考えておく必要がありますが。
NATOを世界的に拡大するというのは大変良いアイデアですね。
ただ、加盟国が攻撃された場合は自動的に他の加盟国が参戦することになるというところが問題かもしれませんね。
>国連総会で決議されたこれらの要求も、安保理決議と異なり、法的拘束力がありません
一応、緊急特別総会は採択された決議に基づき法的拘束力のある勧告を行うことができます。
法的拘束力がある(=国際法上の義務が生じる)とはいえ、現在のところ義務履行確保のための強制措置に踏み込むまでには至ってませんが、理論上は現行の国連の紛争解決手続きでも強制措置をとることは可能です。
その上で、国連に代わる新たな集団安全保障体制の構築というのは、個人的にどうなのかなと思います。
そもそも集団安全保障というのが、同盟に基づく安全保障が結局のところ同盟相互間の戦争(第一次世界大戦)に繋がった反省から、そうした同盟関係をも包含するような、より多くの国が参加する一般的な安全保障体制(国際連盟)を構築し、その内部規範(連盟規約)に違反した加盟国に対して制裁を加えることで、集団内の安全保障を図る考えから成立していますからね。
違反国を排除してしまうことで、かえって無法者の自由行動を許してしまう可能性もあるかと。
それに、前に同じようなことを書いた気がしますが、ロシアを排除した新体制を構築できたとして、ロシアに対する実効的な措置が可能になるかと言えば、なかなかうまくは行かないでしょう。
現行の手続きでも可能な強制措置に至っていないのは、記事でも言われているように、「核保有国のロシアに対して強硬な手段に訴えるのはできれば避けたい」といった加盟国の政治的な思惑が影響しているからで、特に軍事的強制措置に関しては顕著に影響することと思いますが、この点は新体制でも変わらないでしょうからね。
かわぐちかいじの漫画『沈黙の艦隊』には、加盟国の政治的な思惑に影響されることのない超国家的な軍事的強制措置の主体、『常設国連軍』の創設なんて構想が出てきましたが、現実的にそういったものは存在せず、加盟国の軍から成る多国籍軍の形をとらざるを得ない以上、どうしても付き纏う問題点と言えるでしょう。
そうした点を克服する上で、「核を無力化できれば」という構想は可能性としてアリな気がしますが、実際どうなんでしょう。
迎撃側の技術が進歩すると、今度はそれを搔い潜る新技術が生み出されるといった経緯を思うと、イタチごっこに終わりそうな気もしますが、ロシアは新兵器開発計画を見直して、その費用を対ウクライナで使用可能な現用兵器の生産や旧式兵器の修理とアップグレード作業に充てる予定と聞くので、そんな余裕のなくなったロシア相手には有効なのかもしれません。
でもこの構想、中国を相手にしたとき通用するとは思えないのですが・・・
ロシアや共産チャイナといった反人道的で時代遅れの帝国主義的な拡張政策を続ける国家を常任理事国から排除するために,国連に代わる新組織を作れば良いのでは?という思考実験は,ウクライナ戦争勃発後,私も何度か試みましたので,この記事はとても興味深く読ませて頂きました.しかも論者が橋爪大三郎と大澤真幸とあっては.(今はもう全く関心がありませんが,両氏の本を数冊読んで面白いと思ったことは私にとっての若気の至りです)
>唯一の方法は、国連と別に新国連をつくることだ。そして、アメリカ、イギリス、そのほかの主要国が全部、国連に在籍したまま新国連に加入してしまう。ただし、ロシアは加入させない」。
上の文中の「主要国」として橋爪氏は具体的にどういった国々を想定しているのだろう?
この「主要国」つまり新国連の初期加盟国として想定している国々の具体的なリストが明確にならない限り,上の文の主張の実現可能性(言い換えれば単なる机上の空論か現実的な意味のある立論か)について評価のしようがありません.
例えば,この初期加盟国としての必要要件をG7諸国とするかG20諸国(-ロシア)とするかで難易度つまり実現可能性は全く違ってくるだろう.
何故ならば,G7諸国は,ハードカレンシー保有国(ドイツ・フランス・イタリアはユーロという共通通貨なので厳密な意味ではハードカレンシー保有国ではないがEUで持っている発言権のの強さから)であり,国民の人権や自由の尊重という価値観を共有し,資本主義と市場主義に基づく経済制度(そしてトリレンマのうちで放棄するのは為替レート)を尊び,高度な科学技術やそれを支える教育制度が整備され,更に日本以外は全てキリスト教国と,要するに「先進国」という言葉で思い描く姿をG7諸国全てが共有しているので,この範囲ならば意思統一も図りやすい.
けれども,新国連のキックオフのための初期加盟国(以下,キックオフ加盟国 と呼ぶ)がG7では,アメリカと繋がりの深いオーストラリア(や恐らくはメキシコも)はともかくとして,他の殆どの国々は新国連に見向きもしない可能性が高い.
その理由を一言で言えば,「G7諸国は世界中から恨まれ嫌われている」からだ.東南アジア諸国やアフリカ諸国で,過去の非キリスト教圏への侵略・征服による植民地化と有色人種に対する奴隷売買や「テロとの戦い」という名目の貧しい国々に対する破壊などの悪行を忘れ,G7諸国に恨みを抱いておらず嫌ってもいない国が一つでも存在するか極めて疑わしい.(そう考えると,G7の中では日本が20世紀前半に犯した迷惑行為など高々10年かそこらの極めて短期間に限られた可愛いレベルであり,日本はカナダに次いでG7では罪の少ない国と言えるだろう)
従ってキックオフ加盟国としてはG7では話にならずG20程度は必要だろうという結論になります.より正確に言えば,例えばG7+α(αとしてはアメリカと親密な関係にあるオーストラリア,メキシコ,韓国やEU加盟国でG7でない国々など)諸国で新国連の機能や体制の大枠について予め十分に検討し合意を得た上で,残りのG20諸国に対して新国連のキックオフ加盟国として参加してもらうべく根回しを進めることになるでしょう.
しかし,問題はロシア以外のG20諸国が新国連に参加してくれるか,特に,石油という戦略資源を握るOPECのリーダーのサウジアラビアと,(新国連の目的の一つがロシア外し…少なくともロシアから常任理事国の特権を奪うこと…にあるのを承知の上で)歴史的にロシアに大きな恩義があり極めて近い将来に共産チャイナをも上回る人口を抱え経済規模でも日本を上回る経済大国になるのが確実なインドが,新国連に参加するかどうか,私個人としては非常に疑わしい.
そもそもG20となればロシアや共産チャイナさらにはサウジアラビアといった非民主的な国家も含まれており,意思統一が決して容易でないことは,例えばG20諸国のウクライナ戦争への態度(特に侵略者であるロシアに対する態度)一つを見ても明らかです.
従って,G20(最悪でもロシアと共産チャイナ以外の全G20加盟国)が纏まって新国連に賛同してもらい新国連が無事にキックオフするのは,非常に困難な外交交渉の果てということにならざるを得ないと考える次第です.
>新国連が成立し、大部分の国が新国連に移ってしまえば、いまの国連は解散可能だ、というのがそのストーリーの大筋です
まず,上の文章の問題は,「大部分の国が新国連に移らなければ今の国連を存続させる」というのでは大部分の国は新国連に移行しないだろうという点です.そう予測する理由は,多くの開発途上国にとって従来の国連は,様々な「補助金」ゲットの場であり,同時に膨大な人数の国連職員という高給雇用をゲットできる極めて大切な場であるという意味で,従来の国連は多くの開発途上国にとって大きな既得権益の場になってしまっている現実にあります.
従って,他の国々を新国連に移行させるためには,旧来の国連を財政的に行き詰まらせねばならない(既得権益のために旧来の国連を続けようとすれば,従来は先進諸国や共産チャイナが分担金として負担していた国連の運営コストを既得権益に集る開発途上国自身が負担せねばならなくする),つまり新国連キックオフから例えば3年で新国連参加国は旧来の国連から脱退し分担金も負担しなくなるようにせねばなりません.(言い換えれば,旧来の国連に対してその死亡日を新国連の加盟国が宣告するということ)
この時,最大の問題は,G20加盟国の中でも
1.ロシア,
2.そのシンパの共産チャイナ,そして
3.非民主制国家として両者と共通するサウジアラビア
が新国連への参加を拒否して,旧来の国連を過剰なサービスを削減して維持する方針を選んだ場合,3によってOPEC諸国の殆ども旧来の国連に留まるでしょうし,レアメタル等の戦略資源を握るアフリカ諸国の大半も(2の共産チャイナによる圧力によって)残留を選択することになるでしょう.
そうなると,新国連側は非常に難しい状況に追い込まれます.何故ならば,石油や天然ガスさらにはレアメタルなどの大半が旧来の国連側に握られてしまうからです.
最初に「私も新国連創立という思考実験を行った」と書きましたが,以上のような状況に追い込まれる危険性が高いという結論に至ったので,新国連を創るというアイデアは実現性に乏しいと判断した次第です.
大変興味深い考察でした。
新国連がG7中心になるとすると、新旧国連で途上国の囲い込みのための綱引きが始まるのでしょうね。
綱引きの勝者がどちらになるかは、GDPシェアが一つの指標になりそうですが、今やG7とBRICSがいずれも3割強でトントン、それ以外の国まで含めた東西陣営のGDPシェアで見ると東の方が上回っています。
【東西陣営のGDPシェア比較】
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220626-00302766
親分であるG7とBRICSのGDPシェアが同じだとすれば、議会も通さず、自国民の生活を犠牲にしてでも他国にばら撒ける東側が有利でしょう。
新旧国連はそのまま東西国連となり、第二次冷戦の勃発です。
旧国連は旧国連を破壊して冷戦を始めたのは新国連だと非難し、その主張は新国連諸国のリベラル勢力を含む国際世論で一定の支持を得ると思います。
このような厳しい状況の中で、GDPシェア7%で高い成長率を維持しているインドの存在感は大きいですね。
【g20諸国のGDP成長率】
https://ecodb.net/ranking/group/XF/imf_ngdp_rpch.html
FOIPの布石が土壇場で効いてくれることに一縷の望みをかけたいと思います。
だいごろう さま
>綱引きの勝者がどちらになるか
これについては結論ははっきりしています。勝敗はテクノロジーで決まります。つまり人間資源の問題です。
漫画のウォッカタイムを思い出した。