鈴置氏が「対韓譲歩論者」を完璧に論破してしまう
「日米韓3ヵ国連携のためには日本が韓国に譲歩しなければならない」。こんな主張をよく耳にしますが、この主張は完全に誤っています。日本が韓国に譲歩していないにも関わらず、(おそらくは米国の圧力で)日米韓3ヵ国訓練が実現したからです。韓国観察者の鈴置高史氏は、「日本に韓国を動かす力はない」としたうえで、「日本が譲歩すれば韓国を動かせるとの考えは極めて傲慢」、「なぜか、ここが分かっていない専門家が多い」と指摘するのです。
目次
韓国の対日不法行為
二重の不法行為
当ウェブサイトを以前からご愛読いただいている方なら、下手をするともう何百回と読んだ論点のひとつが、「韓国の日本に対する不法行為の落とし前のつけ方」、です。
最初に、韓国が日本に対して発生させている不法行為の一覧を確認しておきましょう(図表)。
図表 韓国の対日不法行為の一覧表(※引用・転載自由)
(【出所】著者作成)
これらの対日不法行為の多くについては、基本的には「①韓国がウソ、捏造、歪曲に基づいて日本の名誉と尊厳を貶め」、「②法的に根拠がないこと(たとえば謝罪や賠償など)を要求している」、といった共通点があります。これが日韓諸懸案を巡る韓国の「二重の不法行為」という論点です。
日韓諸懸案を巡る韓国の「二重の不法行為」とは:
- ①韓国側が主張する「被害」の多くは韓国側によるウソ、捏造のたぐいのものであり、最終的には「ウソの罪をでっち上げて日本を貶めている」のと同じである
- ②韓国側が日本に対して要求している謝罪や賠償の多くは法的根拠がないか、何らかの国際法違反・条約違反・合意違反などを伴っている
(【出所】著者作成)
日本が譲歩するか、韓国が国際法を守るか
そして、重要な点があるとしたら、これらの不法行為問題を巡る落としどころとしては、究極的には①韓国が国際法を守るか、②日本が国際法の原則を捻じ曲げて韓国に譲歩するか、③日韓ともに譲らず、最終的に関係が破綻するか、の3つしかありません。
日韓諸懸案を巡る「3つの落としどころ」
- ①韓国が国際法や国際約束を誠実かつ完全に履行することで、日韓関係の破綻を回避する
- ②日本が原理原則を捻じ曲げ、韓国に対して譲歩することによって、日韓関係の破綻を回避する
- ③韓国が国際法や国際約束を守らかったことの結果として、日韓関係が破綻する
(【出所】著者作成)
このあたり、当ウェブサイトを以前からご愛読いただいている皆さまであれば、基本的に「②の選択肢については絶対に避けなければならない」と著者自身が考えていることについては、もうご存じのことと思います。
その理由はいくつかあるのですが、その最たるものは、「相手に国際法を破らせること」を前提とした行動を取るというのは、国家としてあり得ないという点にあります。
韓国も米国も「日本が100%正しい」ことは理解している
以前の『韓国元高官「日本が100%正しいが譲歩してほしい」』でも取り上げましたが、韓国政府関係者なども、国際法を正確に理解している人たちであれば、たとえば自称元徴用工問題を巡っては「日本が100%正しい」と認識しているようです。
「日本が100%正しい。けれども現実問題として、日本が何もしない形では韓国国民は受け入れがたい」。これは、時事通信が今朝の記事で報じた「韓国政府元高官」の発言だそうです。しかし、韓国によるウソ、捏造、国際法破りを前提として日本が譲歩することはあり得ませんし、あってはなりません。もしかすると、そろそろ日本は「諦める」べきときなのかもしれません。自称元徴用工問題は二重の不法行為の典型例韓国の朴振(ぼく・しん)外交部長官は18日、「日韓関係を改善する」として、満を持して日本を訪れて林芳正外相と会談をした... 韓国元高官「日本が100%正しいが譲歩してほしい」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
「韓国が間違っていることは事実だが、それでも日本が譲ってほしい」などと言わんばかりの米国人の主張については『米国人「日本が韓国に手を差し伸べよ」の思考停止ぶり』などでも取り上げましたが、これなどもまことに意味不明な主張といえるでしょう。
思わず自分自身で執筆した「インチキ論考」を読んでいる気分になりました。米国人が産経ニュースに対して寄稿した、「日本は韓国に手を差し伸べよ」と主張する論考が、当ウェブサイトの「インチキ論考」そのままの論調だったからです。では、こうした「日本が譲歩せよ」とする主張の、いったいどこがどう間違っているのでしょうか。そして、これを米国人が主張すること自体が、いったいどんな問題をもたらすのでしょうか。時間を無駄にするインチキ論考シリーズ日韓関係を巡っては、「関係改善が急務である」などとして、こんな主張が... 米国人「日本が韓国に手を差し伸べよ」の思考停止ぶり - 新宿会計士の政治経済評論 |
ちなみに匿名コメント主様からいただいたコメントをもとにこの米国人の主張を要約すると、こんな具合です。
「弟(=韓国)が悪いのはわかるけど、あんた(=日本)はお兄ちゃんなんだから我慢しなさい」。
少なくとも私たち日本人にとって、そんな「弟」を持ったことはない、などと思う人は多いと思いますが、少なくともこの米国人にとっては、そんな認識なのかもしれません。
また、現在の日本は故・安倍晋三総理が残した大いなる遺産である「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)を推進しなければならない立場にあります。
もしも日本が「国際法の原理原則を韓国に譲歩する」式の解決策を模索しようものなら、それは日本自身が国際法を破ろうとしているのと同じことであり、その意味では日韓関係の「改善(?)」とやらと引き換えに、日本は国際的な信頼を大きく損ねることになるのです。
したがって、日本が韓国に譲歩するかたちで事態を収めようとすることは、何があっても避けなければならないのであり、著者自身は日本が国際法の原理・原則を譲るくらいなら、いっそのこと日韓関係が破綻した方がまだマシだ、とすら考えているのです。
立憲民主党議員は「輸出規制厳格化解除を」
ただ、この手の「日本が韓国に譲歩すれば万事うまくいく」系の主張を展開する者は、後を絶ちません。
その一例でしょうか、昨日はこんなぶっ飛んだ記事を発見しました。
日韓関係改善の好機 「輸出規制厳格化」解除が第一歩
―――2022/10/19 7:35付 Yahoo!ニュースより【毎日新聞配信】
(※当ウェブサイトではポリシー上、毎日新聞の記事については可能な限り引用しないことにしているのですが、さいわいなことにこの記事は『Yahoo!ニュース』に転載されていたので、本稿ではそちらの方を引用したいと思います。)
毎日新聞によると、立憲民主党の太栄志衆院議員は毎日新聞政治プレミアの取材に応じ、韓国の尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権が「日本との関係改善に意欲を見せており」、「今こそ日韓関係改善の大きなチャンスだ」、などと語ったというのです。
記事タイトルにもあるとおり、太氏は「輸出規制厳格化」の解除を提案しているのですが、毎日新聞に掲載された太氏の発言をそのまま紹介すると、こんな具合です。
「2019年に韓国の貿易管理体制に不備があるとして始められた半導体材料の輸出管理規制の厳格化を解除することを提案したい」。
本当にこんな発言をする人物が衆議院議員なのでしょうか?
「輸出『規制』」という表現は、韓国メディアや韓国政府からしばしば出てくるものですが、この手の表現を用いる者は、おそらくは2019年の日本の対韓輸出管理適正化措置を自称元徴用工問題への報復と位置付けているのでしょう。
この点、『対韓輸出管理の厳格化は日本を守るために必要だった?』などでも指摘したとおり、そもそもの対韓輸出管理適正化措置自体は輸出「規制」ではありませんし、自称元徴用工判決問題に対する報復措置でもありません。
とある理由に基づき再開した『数字で読む日本経済』シリーズ、本稿で第8回目となりました。今回は「中韓がなくても大丈夫な日本経済」をテーマに、おもに数字を使いながら日中関係、日韓関係について議論しているのですが、日韓関係に言及した際に欠かせない論点のひとつが、安全保障上の措置に基づく輸出管理の強化・適正化措置です。追記:本文中で数ヵ所表現などを修正しています(詳細はコメント欄などをご参照下さい)。韓国との関係をどう見るか両国関係を数字で読むことの重要性『数字で読む日本経済』シリーズとして、現在展... 対韓輸出管理の厳格化は日本を守るために必要だった? - 新宿会計士の政治経済評論 |
あるいは「輸出管理『規制』」という用語に至っては、ここまでくると逆に新鮮であり、面白いと思ってしまうほどです。
政治家は鈴置論考を読め!
一見もっともらしい、「北朝鮮の脅威に対抗するために韓国に譲歩せよ」
もっとも、毎日新聞によると、太氏は「北朝鮮が頻繁にミサイルを発射するなど東アジアの安全保障環境は厳しくなっている」としつつ、「韓国との友好関係の強化が重要であることに異論はないはず」、「日本側から韓国へ歩み寄る姿勢を見せるべきではないか」などと述べたのだそうですが、これなど典型的な対韓譲歩論です。
ただし、「安保環境が厳しい」などと言われると、「確かにその通りだ」、などと感じてしまう人もいるかもしれませんが、ここに大きな罠があります。
そもそも韓国と「友好関係を強化」して日本の安保環境が変わるというものなのでしょうか?
これについて考えるうえで、極めて有益な記事があります。
優れた韓国観察者であり、今年6月に『韓国民主政治の自壊』(新潮新書)という書籍を刊行した鈴置高史氏が昨日、ウェブ評論サイト『デイリー新潮』に寄稿した、こんな記事です。
日米韓共同訓練で韓国の国論は真っ二つに… 迷走の本質は「恐中病」
韓国が「親日か従北か」で迷走する。日米との3カ国共同軍事訓練を左派が「日本の再侵略を誘う」と批判。すると保守は「北朝鮮の核ミサイル開発を座視するのか」と反撃した。韓国観察者の鈴置高史氏は「反日騒ぎの本質は中国への恐怖感」と見切る。<<…続きを読む>>
―――2022年10月20日付 デイリー新潮『鈴置高史 半島を読む』より
今回の鈴置論考も長文ですが、あっという間に読めてしまうこと間違いありませんが、敢えて当ウェブサイトなりにこれを解釈すると、「韓国を(旧)ホワイトリストに復帰させる」式の解決策が無意味であるだけでなく有害である、という点に尽きるのだと思います。
尹錫悦政権が合同訓練に応じたのは米国の圧力
鈴置氏の論考は、今回も本当に重要なポイントを網羅しています。北朝鮮が今年1月から10月14日に至るまで、じつに27回もミサイル発射したためでしょうか、尹錫悦政権が前言を翻し、日米韓の共同訓練に踏み切ったことが話題に取り上げられています。
鈴置氏によると、今回の訓練、北朝鮮が日本海の真ん中からSLBM(潜水艦発射型弾道ミサイル)を発射した場合などに備えて、その「いざ」というときに、SLBMが発射されるよりも前に、北朝鮮の潜水艦を撃沈するための「潜水艦探知技術」の伝授にある、というのです。
「海上自衛隊の関係者は今回の合同訓練の狙いを『海自の潜水艦探知技術を韓国海軍に伝授することだった』と説明します。韓国海軍の対潜能力は極端に低い。<中略>そこで米国は日本に『探知技術を韓国に教えてやれ』と言ってきたのです」。
…。
そんな大事なノウハウを、韓国に教えてしまって大丈夫なのでしょうか?
鈴置氏も指摘する通り、すでに韓国は北朝鮮と同様、SLBMを実用化してしまっていますので、韓国の潜水艦が日本に核を向けたときに、それを捕捉する「手の内」を韓国に飽かしてしまっても良いのか、という疑問が浮かびます。
ただ、それ以上に強烈なのは、韓国の側の反応です。
現在、韓国国内では、韓国の最大野党「ともに民主党」の李在明(り・ざいめい)代表が今回の合同訓練を舌鋒鋭く批判するなど、例の「親日」論が出てきている、というのです。例の韓国内の「左右対決」、というわけですね。
韓国国内では左右の非難の応酬という泥仕合
鈴置氏によると、今回の日米韓の対潜水艦訓練の目的も、北朝鮮が核弾頭の小型化に成功したとみられるなか、その軍事的脅威を少しでも抑えることにあるため、こうした訓練を「親日」「反日」フレームで批判する李在明氏に対し、大統領室側は「日本の助けが必要だ」と表明するなど、非難の応酬が始まっているようです。
「左右の対立は激化するばかり。保守の国会議員やメディアは左派を『従北』と指弾。一方、左派議員らは保守を『親日』と罵倒する泥仕合の展開となりました」。
このあたりの「泥仕合ぶり」を丹念に追いかけるのも、いつもの鈴置論考と同様、大変に読みごたえがあります。
ただ、それ以上に興味深いのは、韓国ギャラップが日米韓共同訓練に関して実施した世論調査です。「北朝鮮の危険に対応目的の日本との軍事協力は?」との設問に対し、「必要」が49%、「不要」が44%と拮抗したのですが、これについて鈴置氏は次のように述べます。
「――なぜ、半数近い人が日本との軍事協力を嫌がるのでしょうか。
鈴置:『中国が怖い』からです。北朝鮮の核に対抗しようと日本と軍事協力を進めるうちに、日米韓の対中包囲網に組み込まれてしまう――との恐怖です。もっとも『中国が怖い』と言えば『腰抜け』扱いされるので、左派は『反日』のオブラートにくるんで共同訓練を非難するのです」。
このあたりは、大変に興味深い点です。
ちなみに鈴置氏は、日米韓共同訓練が韓国社会において、「日米と組むのか、それとも中露と手を組むのか」という議論にも端緒を開いてしまったと指摘します。これが「パンドラの箱」論です。ただ、それでも結局は、保守が勝ったとしても韓国は中国に強く出られない、というのが鈴置氏の見方です。
「――保守派は『中国に立ち向かう』のですか?
鈴置:そうはなりません。保守は『日米韓の結束』を訴えますが、左派と同様に『中国に立ち向かう』覚悟はありません」。
鈴置氏はその証拠として、韓国の保守紙として知られる『朝鮮日報』の社説を引用するのですが、その社説の記述から「じつは保守であっても3NO(※)を尊重することを暗黙の前提に置いている」という点を読み解く手腕は見事なものです。
(※「3NO」とは…文在寅(ぶん・ざいいん)政権時代の韓国が中国に対して立てた、▼高高度ミサイル防衛システム(THAAD)を追加配備しない、▼日米韓3ヵ国連携を同盟に発展させない、▼米国のミサイル防衛システムに参加しない、という3つの誓約のこと。)
対韓譲歩派の浅知恵
ただ、こうした鈴置論のなかでも、やはり自民党を含めた政治家の皆さんに絶対に読んでいただきたいのは、「対韓譲歩派の浅知恵」と題した一節です。
「――日本はどうすればいいのでしょう?
鈴置:距離を置いて、展開を見守ればいいのです。一番の悪手が余計な手出しをすることです。ずぶずぶと沈みゆく国と深くかかわってはいけません」。
まったくそのとおりです。
「余計な手出し」とは、たとえば例の「ウソツキ外務省」あたりが韓国の立場にたって、自称元徴用工問題などの「解決策」を考えてあげる、といったことを指すのでしょうか。
そのうえで、鈴置氏はこう強調します。
「ところが日本には『韓国に譲歩して、こちら側に引き寄せよう』と唱える外交専門家や韓国専門家がいます。日米韓の共同軍事演習を見ても、彼らの主張はとっくに破綻しているというのに」。
「対韓譲歩論者の主張はとっくに破綻している」。
これはいったいどういう意味でしょうか。
「対韓譲歩派は『中国や北朝鮮の脅威に抗するには韓国との軍事協力が必要だ。保守政権が登場した今がチャンスだ。半導体素材の輸出管理の緩和など、韓国の要望を受け入れるべきだ』と言ってきました」。
「でも、輸出管理を緩める前に日米韓の共同訓練は実現しました。『日本の譲歩』がなくとも『米国の圧力』があれば、韓国は共同訓練に参加するのです」
…。
たしかに!
今回の日米韓3ヵ国訓練も、日本が韓国に対してなにひとつとして譲歩していないにも関わらず実現しました。おそらくは米国の強い圧力によって実現したものでしょうし、ということは、日本の譲歩は無意味である、ということでもあります。
韓国に譲歩しても無意味
鈴置氏は、こう続けます。
「逆に、『日本の譲歩』があろうとなかろうと、『中国の威嚇』があれば韓国は共同演習から抜けるのです」。
要するに、「日本に韓国を動かす力はない」、ということです。
「鈴置:まさに、そこがポイントです。韓国は米中のパワーゲームの下で動いている。『日本が譲歩すれば韓国を動かせる』との考えは、極めて傲慢な発想です。なぜか、ここが分かっていない『専門家』が多いのです」。
まったく、身もふたもない記述です。
日本国内にも、「日本が韓国に手を差し出して、日韓関係を円滑化することで、北朝鮮の脅威にともに備えよう」、などと主張するものは多いのですが、残念ながら日本が韓国に手を「差し出す」、「差し出さない」は、日米韓3ヵ国連携にまったく影響を与えないのです。
これこそまさに、「対韓譲歩論の破綻」そのものです。
著者自身は鈴置氏のこれまでの発言のうち、とくに「日韓関係がうまくいかないのは日韓関係の特殊性の問題ではなく韓国の特殊性の問題だ」、といった発言を心に刻んでいるのですが、今回の「日本に韓国を動かす力はない」という発言も、極めて重要な指摘であることは間違いありません。
その意味では、立憲民主党議員の「北朝鮮の脅威が深まるなかでの日韓協力を目的とした対韓譲歩が必要だ」とする主張のインチキぶり、デタラメぶりは明らかであり、そしてこの「沈みゆく国と深く関わるな」とのアドバイスを、岸田文雄首相あたりはしっかりと受け止める必要があるのです。
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韓国が動くのは「米国の脅し」や「中国の威嚇」だと言う事で、結局は「利・理」ではなく「身の安全」が優先って事でしょうけど、文在寅韓国が米国相手にGSOMIA破棄つまり身の危険を外交カードにしたのは、単に馬鹿だからなのかそれとも米国がそれまでロクに脅してこなかったのか。。。
>身の危険を外交カードにした
某所では韓国あるいは文政権を「他者の関心を引くために狂言の自殺未遂する女」というような意味で「リスカブス」と呼んでいましたね
初夏頃から、日米の当局者が「GSOMIAを破棄するだなんてバカなことを考えるなよ」と盛んに警告していました。それは、韓国の一部に根強くGSOMIA破棄論が燻っていたがためなのですが、韓国政府はこのように考えたのです。
「日本もアメリカも盛んにGSOMIAを破棄するなと言ってきている。してみると、GSOMIA破棄は日米にとって大きな痛手であるに違いない」
ピコーン(閃いた!)
「ならば、GSOMIA破棄は対日外交カードとして使えるに違いない。たとえ日本がグズってもアメリカが日本に圧力を掛けてくれるはずだ。ならば、そうすれば、輸出『規制』解除を勝ち取れること間違いなしだ」
まあ、致命的な錯誤と言うべきか、単に絶望的におバカであるのか、どちらでも大差はありません。そして、意気揚々と「有効な外交カード」のつもりで提示してみたら、日本政府には完全にスルーされるわ、アメリカにはしこたま怒られるわ(彼らは、なぜ日本ではなくて自分たちが怒られるのか、全く理解できなかった筈です)、おまけに国民向けにさんざん勇ましいことを言ってきた手前、いまさら引っ込めようも無くなり、「終了通告有効化の延期」とかいう苦し紛れの言い訳をせざるを得なくなりました。
破棄通告の事実上の撤回が、期日間際になったのは、最後までアメリカによる日本へのオシオキと日本の譲歩を信じていた、もしくは信じたかったがためです。
まあ、この顛末を見ると、「おバカ」という感想しか出てこないのは当然ですね。
>韓国が動くのは「米国の脅し」や「中国の威嚇」
自分の見解は
韓国が動くのは「自ら外国勢力を招き入れて、権力抗争をくりかえした結果」という認識です
昔から朝鮮半島は中国 ロシア 日本と、それなりに脅威になる外国勢力を背景に
その場限りの権力闘争を繰り返してきました。
だから 権力闘争で勝利した後も その外国勢力と友好になるわけでなく、
行動がチグハグなのです
韓国への「輸出監理厳格化の解除」はその政治家の思想なので、変えることは難しいと思います。
憲法改正、原発再稼働、防衛問題、LGBT、その他諸々を考慮して、自分の思想に少しでも近い候補者を選挙で選ぶしかないと思います。
当方も鈴置論考が好きですが、多分、韓国政府が嫌いなのだと思います。韓国に行きたくないし、BTSが人気があるのも理解出来ないし、K-POPは興味ないし、韓国人タレントを見ると不愉快になるけど、韓国政府が嫌いです。
兄だの弟だのという幼稚なままごと遊びは気持ち悪いからいい加減やめにして欲しいよなあ。
対北なら喜んで協力します、ってだけだよね。
韓国が変わって日本と協力してるみたいなミスリードをよく見るけど日中に対しては何も変わってない。
日本にとっては見返りも無く潜水艦絶対殺すマンの海自の技術を一方的に教えただけ。
言うなれば、対韓譲歩論は「21世紀版の征韓論」なのかもしれません。日本の譲歩で韓国を意のままに動かすという発想なので、広義の「支配」と言えます。
井沢元彦(著)の「逆説の日本史」の世界ですが、(別に韓国の専門家とは限りませんが)日本の専門家(?)は、自分たちの村の外の人間が、自分たちの専門分野に口をはさむこと自体が許せないのではないでしょうか。(もちろん、村の中と外の人の言い分の、どちらが正しいかは別問題です)
毎度、ばかばかしいお話しを。
韓国問題の専門家:「俺は朝日新聞にやっと、韓国問題の専門家と認めてもらって発言できるようになったのに、素人の新宿会計士や、その仲間は、自分の専門分野で好き勝手なことを言いやがって。愚にもつかないなら、それはそれで腹がたつが、良かったら、それはそれで腹がたつ」
これって、笑い話ですよね。
>そんな「弟」を持ったことはない
ODA / JICA 事業のいやらしさは、当事者である相手国が「日本人の尊大さ」をよく見抜いておりそれに辟易しながらも、兄貴はスゴイやさすがだとおだてる簡単なやりかたで日本人の自尊心をくすぐりながら、大金はとにかくよろしく受け取っておけという戦術が広まっていることです。人様のお役に立ちたいなどという浪花節的人生指針は海の向こうでは違うように受け取られているわですね。
>人様のお役に立ちたいなどという浪花節的人生指針
日本人は
「良かれと思って善意で行動すれば、必ずや伝わる。報われる。」
という風潮というか定説がありますが、こと韓国&韓国人に対してはダメですね。
例えば、資産家や芸能人の親子によくある関係ですが溺愛のあまり援助しまくると子供はダメになります。
自立支援とは是々非々で突き放すことなのですが、今回限り!と泣かれてお小遣いをあげたら速攻で麻薬を買いに行く訳です。
韓国に譲歩しろという人たちは、悪気は無いのかもしれませんが、バカ息子に更にお小遣いをあげようとしてる訳なのです。
別の例えをするなら、アル中患者に今回限り!と泣きつかれて缶ビールをあげる人みたいなもんで、ある種の自殺幇助。
きつく当たることが、韓国&韓国人のためなのですよね。
>「2019年に韓国の貿易管理体制に不備があるとして始められた半導体材料の輸出管理規制の厳格化を解除することを提案したい」
太氏は輸出管理の制度を本当には理解していないことを白状しているようなものです。「輸出管理規制の厳格化」ではなくて、旧ホワイト国というフリーパスの扱いから一般の他の諸国と同じ扱いになっただけです。おそらくは、その筋の団体関係者から吹き込まれたことを演説しただけでしょうが、こんな勉強不足の議員が所属する立憲民主党が万一再び政権を執るようになったら、と思うと背筋が冷たくなります。
太氏には一度輸出業務を自身でやってみることをお勧めします。法令の付表は複雑な上に通達や省令によって品目の扱いが時々変わるし、あちこちから証明書を取り寄せたりと、まるで罰ゲームのようです。まぁ確かに厳格化と言いたくなるのは分かりますが、書類をきちんと整えれば、ちゃんと輸出できるのであり、面倒だというのはあくまで「愚痴」です。韓国の言う愚痴を大真面目で代弁する日本の国会議員を見ると、やはり背筋がぞっとします。
「日本に韓国を動かす力なし」は事実ですが、
それを言うと、概ねそこで終わってしますので、言えないのが現実かと。w
それに「本当に韓国を動かしうる力」なんて、日本は欲していませんし。
だから、朝鮮半島の未来は「日干し」or「焦土」の二択だと思うのは、
未だに変わりませんね。
管理の規制……管理を減らすという事でよろしいか。
日本政府の立場の「管理」と韓国政府の立場の「規制」を両立させようとして、ニポンゴおかしくなっちゃったのでしょうか。こんなだから相手の肩を持ち過ぎなのと日本語があやしいという二重の意味で「お前はどこの国の議員だ」と言われるのですが。
こんな政治屋の頑張りも虚しく日本に韓国を動かす力は無いわけですが、どうも韓国にも韓国を動かす力が無いように思えます。最も持っているのは中国、次いでアメリカ・北朝鮮のどちらかかな。
うかうかしているとじきに建前上独立してから100年経つわけですが。主権の使い方もわからず民主主義も法治主義も根付かず、どころか主権の一部をあっさりと明渡したりしながらも100年存続する国家というのは、むしろスゴイですね。