ウクライナ軍、今度は南部でも攻勢:ロシアのジレンマ
今度は南部です。いくつかの報道などによると、ウクライナは東部だけでなく、同国南部でもロシアに奪われた領土を取り返しつつあるようであり、とくに南部・ヘルソン州ではドニプロ川を渡り、対岸の拠点を奪回したとの情報もあります。ただ、政治的にドニプロ川北部に取り残されているであろうロシア軍が撤退するのは難しいのが実情です。なぜならロシア自身が先週金曜日、ウクライナの4州の併合を高らかに宣言してしまったからです。これがロシアのジレンマです。
ウクライナが南部・ヘルソンでも攻勢強める
ウクライナ軍がロシアによって占領された同国東部のハルキウ州やルハンスク州に向け、防衛線を突破して奥深くに侵攻し、一部の領土を奪還しつつあるとする話題は、今朝の『ウクライナ攻勢:プーチン4州併合宣言が裏目の可能性』で取り上げたばかりです。
こうしたなか、このウクライナによる攻勢に関連し、「続報」がありました。英国防衛省の『インテリジェンス・アップデート』によると、ウクライナ軍は同国南部のヘルソン州でも同様に攻勢に出ているのだそうです。
The illegal and unprovoked invasion of Ukraine is continuing.
The map below is the latest Defence Intelligence update on the situation in Ukraine – 06 October 2022
Find out more about the UK government’s response: https://t.co/tx53OWa8gY
#StandWithUkraine pic.twitter.com/bzpSIKlAxy
— Ministry of Defence (@DefenceHQ) October 6, 2022
ロシア軍はドニプロ川の対岸に取り残されている模様
まずはツイートの原文とその意訳を紹介しておきましょう。
- Ukraine’s Armed Forces started a new phase of offensive operations in Kherson Oblast on 2 October 2022.
- Advancing south, Ukrainian units have pushed the front line forwards by up to an additional 20km, primarily making gains along the east bank of the Inhulets and west bank of the Dnipro, but not yet threatening the main Russian defensive positions.
- Russian forces have typically broken contact and withdrawn. Russian commanders are likely to see the growing threat to the Nova Kakhovka sector as one of their most pressing concerns.
- The damaged river crossing over the Dnipro in this area remains one of the few routes available for them to resupply forces.
- Russia faces a dilemma: withdrawal of combat forces across the Dnipro makes defence of the rest of Kherson Oblast more tenable; but the political imperative will be to remain and defend.
- Russia has committed the majority of its severely undermanned airborne forces, the VDV, to the defence of Kherson.
- Therefore, Russia currently has few additional, high quality rapidly deployable forces available to stabilise the front: it likely aims to deploy mobilised reservists to the sector.
- ウクライナ軍は10月2日、ヘルソン州における新規攻撃作戦を開始した
- ウクライナの部隊は南に向けて前進し、戦線を最大で20㎞ほど前進させ、インフレッツ川東岸とドニプロ川西岸を獲得した。ただし、ロシアの主要防衛拠点についてはまだ到達していない
- ロシア軍の多くは接触を避け、撤退してしまった。ロシアの司令官たちは、最も差し迫った懸念事項のひとつとして、ノーバ・カホフカ地区への脅威が増していると判断しているようである
- この地域ではドニプロ川を渡るための交通手段が損傷しているため、この地域は数少ない補給路のひとつでもある
- ロシアは現在、ジレンマに直面している。ドニプロ川の対岸から部隊を撤収させた場合、ヘルソン州の残りの地域の防衛は堅牢になるかもしれないが、政治的にはこの地域に残留し、防衛せざるを得ない
- ロシアは現在、深刻な人員不足に陥っているVDVと呼ばれる空挺部隊の大部分を、ヘルソンの防衛に投入している
- ロシアには現在、戦線を安定させるうえで質が高く直ちに投入できるための追加戦力がほとんどない
すなわち、ウクライナは南部戦線でも攻勢を強めていた、というわけです。
クリミア半島にも近い
ちなみにツイートに出てきた「ノーバ・カホフカ」はヘルソンから北東にあり、ドニプロ川を南に渡った地点です。また、
ノーバ・カホフカを制圧されてしまうと、ドニプロ川の対岸に残されているロシア軍が孤立し、包囲されてしまうかもしれないほか、ロシアが2014年に「併合した」はずのクリミア半島まで、直線距離で70㎞ほどしか離れていません。
ロシア自身が先週金曜日、4州の併合を高らかに宣言した直後だけに、今回のウクライナ側の攻勢は、ロシアの国内に対しても、場合によってはそれなりのメッセージとなりかねません。
ロシアのジレンマ
このヘルソン戦線についてはロイターでもつい先ほどからこんな記事が配信されています。
Ukraine takes more territory in region Putin incorporates into Russia
―――2022/10/06 14:37 GMT+9付 ロイターより
ロイターの記事はあくまでもウクライナ政府の発表ベースとしつつも、「ロシアが併合した4州のうちのヘルソン州で、その領域の一部を取り返しつつある」、などと報じています。
また、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は水曜日の遅い時間になって、ヘルソン市の北東に位置するノボボスクレセンスケ、ノボフリホリウカ、ペトロパブリウカなどの村落を「解放した」と明らかにしたのだとか(ちなみにノボボスクレセンスケはヘルソン市から100㎞以上離れています)。
ロイターはまた、ロシアのウラジミル・プーチン大統領が水曜日、ウクライナの領土の約18%に相当するこれらの地域をロシアに編入する法律に署名したものの、ウクライナ政府や西側諸国は「住民投票は銃を突き付けて行われた不正なものだ」と批判している、と指摘。
また、プーチン大統領らが併合された州を含むロシアの領土を保護する必要があるときには核兵器を使用する可能性があると述べたことも、戦争の激化の可能性を高めていると指摘します。
もっとも、ゼレンスキー大統領は水曜日の夜の演説で、途中でウクライナ語からロシア語に切り替え、こんな趣旨のことを述べたのだとか。
「ウクライナ人は自分たちがなにのために戦っているかを知っている。より多くのロシアの市民は、たった1人の人間が戦争を終わらせないことによって死ぬことの意味に気付き始めている」。
このあたり、ウクライナ側の強気な発言をそのまま信頼するのが正しいのか、という論点はあるにせよ、客観的状況に照らし、ウクライナがここ数週間でロシア側の占領地をかなり回復していることは間違いありません。
先ほどの英国防衛省のツイートにもありましたが、現在のロシアはジレンマに直面しています。
やはりロシアが4州の併合を高らかに宣言してしまったことは、結果としてロシア軍の撤収を難しくし、ウラジミル・プーチン自身の政治的立場を危うくするものだった可能性が高く、その意味ではプーチンは「賭け」に負けつつある、という言い方をしても良いのではないかと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
栄養状態の悪い密集した環境である捕虜収容所に早急に西側開発のコロナワクチンを送ってスプートニクしか接種していないロシア人捕虜に打たないと収容所でコロナのクラスターがクラスター爆弾の代わりに爆発するのでは?
コロナワクチン接種なら日本にも貢献できるでしょう。
大河であるドニプロ川の右岸(西岸)ロシア軍占領地域から対岸に渡れる橋は「3本」しかなく、そのうち1本がノーバ・カホフカ水力発電所経由のものとなります。
周辺の集積所共々HIMARSにより頻繁に攻撃されており、橋のほうは重装備(戦車・装甲車、物資積載のトラック等)は通行不能とみなされていますが、ここをウクライナ軍が奪還する(ロシア軍が失う)ことは、ロシア軍の補給や退却の困難さに致命的な影響を招きます。
他の2本はヘルソン市近郊のアントニフスキー橋(ISWの地図等でも場所を確認可能)、近傍のアントニフスキー鉄道橋しかなく、いずれもHIMARS等の砲撃により同様に重装備の通行路としてはもはや機能しておりません。
他は舟艇やポンツーンを利用しての輸送しか手段がなく、これも今や砲兵のターゲットになっています。
ドニプロ川西岸のロシア軍部隊は、HIMARS(や西側榴弾砲)搭載のGPS精密誘導弾の投入以降、ウクライナ軍が頻繁にこれらの橋や前線・後方の物資集積所を攻撃・破壊してきたことにより、兵站上危機的状況(一度に大量の兵員・重装備を送れない、常時消耗する食料燃料弾薬を送れないし貯めていたものも焼かれる、またその逆の大規模な撤退もできない)に陥っており、その状態が2か月近く続いています。
(各橋は7月末頃に車両通行不可となり以後修理と攻撃を繰り返している)
ロシア軍の部隊・防衛線が現在のウクライナ軍の攻勢を支えられない場合、ヘルソン西岸の部隊もハルキウ方面同様壊滅的な結果となるでしょう。
匿名様って鈴置様では?
残念ながら違います、某掲示板軍板住民です。
侵攻直後から情報追っているとこれだけのことがすぐ出てくるというだけのことでして。
国際政治的にはその前で終わっていてほしかったのですが。
生放送ニュース番組に乱入して反戦プラカードをカメラへ向けたことで世界に知られるマリーナ・オフシャンニコワさんが11歳の娘を連れて逃亡し、お尋ね者として当局は指名手配を掛けたそうです。現在は所在不明だとのことですがうまく国外へ脱出できて欲しいものです。
>プーチンは「賭け」に負けつつある
ロシアの劣勢というかウクライナの善戦によりプーチンは冷静さを失いつつあるようです。
ウクライナの4州併合で引くに引けなくなり、予備役招集でロシア国民に不安と緊張感が広まってしまったようです。
ロシア軍内部では劣勢に対する責任問題が大きくなり始めるとともに内部での不協和音が出ているようです。
また、弱いロシア軍に対する不安が親ロシアであった周辺諸国にも拡がっているようです。
ロシア軍の劣勢は、核使用の可能性が高まるとともに、戦争反対派によるクーデターあるいは内戦勃発の可能性もあります。
今からプーチン政権崩壊に備える必要があります。
事態は流動化、不透明化しています。
第3次世界大戦は何としても避けなければいけません。
ウクライナの勝利の方程式はもう完成されていて
・スキャンイーグル高機能偵察ドローンで昼夜問わず広範囲に索敵
・それで発見した標的にハイマース、ハーム、榴弾砲で精密打撃
・併せてドローンによる爆撃、自爆攻撃や軍用機での空爆
・弱体化を確認して戦車、装甲車による突撃で領地奪還
現在のロシア軍はこれらの行動に対応する能力を持たない。
このサイクルの繰り返しで時間はかかるがクリミアまで奪還が可能。
ウ国のデジタル相はドローンがゲームチェンジャーとした。
人命を損なわず比較的安価に偵察、爆撃、自爆ができる。
日本も国産ドローンの開発、生産、配備が急がれる。
焦点はプーチンが戦術核を使うかどうか。
だが米英ウでもうシミュレーションは完成している。
ロシアの核使用の兆候に合わせてすぐ即応体制をとるだろう。
今頃、米英はこの戦争の落としどころと戦後体制を協議しているはず。
もうすでにロシアは敵ではなく、第1の主敵である中国に全力を向けることとなる。
昨夜のBSフジプライムニュースでも議論されていましたが、ロシアがもしも”戦況打開のために”核兵器をつかうならば、気取られる様な準備が必要で効果範囲もかなり限定されてしまう小さなイワユル戦術核ではなく常時即応体制にあって何時でも射てるイワユル戦略核になるでしょうから、アメリカもNATOも1発目は対応できないのではないかと思われまする
ロシアにとって”1発目の核兵器”使用で負うことになる国際的政治的コストは戦術核だろうが戦略核だろうがどのみち大差ない!となれば、反攻部隊の一部を吹っ飛ばせる程度の戦術核兵器と数十キロ四方に展開しているウクライナ軍をミサイル1機でボコれる多弾頭型弾道弾と、どっち使うの? ってトコロでしょうから
というところで戦後処理についてはいろいろシミュレーションしてはいるでしょうが、米英はまだプーチンの判断ロジック(正気度合い?)と対応策類型を絶賛解析模索中ではないかと愚察しとります
まー追加召集した予備役のことを肯定的にとらえるなら核使用への時間はちょっとだけ稼げてる…カモ???
昨夜の防衛研高橋杉雄氏のコメントは興味深かったです。
軍事的観点では核を使う有効性はあり、むしろ即時使える(はずの)多弾頭の戦略核を戦場での面制圧に使用する可能性。
政治的には既に選択肢たり得ない(詰み)。
鶴岡氏の、被害極小(海とか)で核を使った場合に、米国世論が報復に抑制的になる可能性。核を使用したことに対する制裁が行われない場合の将来への負債の観点。
オールドメディアは、ああいう具体的な議論を茶の間(死語)に伝えるべきだと思いました。
簡単に核を使うの使わないのという話を、軍事評論家はいいますが、もし使って戦況がロシアに有利にでもなろうものなら、世界の戦争は様変わりしますよ。
通常戦力を用いて、シコシコやる戦争なんて、損失と経費と時間がかかるばかりで面倒くさいという認識になれば、核保有している国は、もっと小型の核を開発して、一つの市程度を順番に爆撃しながら、降伏を迫ってきます。
そういう戦争形態に変わる可能性もあります。現在の専門家というのは、従来の路線でしか思考しないものです。
もし、プーチン氏が歴史に悪名を残してもいいと覚悟を決めたら、
明日にでも核を使うでしょうけれど、その覚悟は簡単には、出来ないはずです。
その覚悟をしてまで、得なければならないものとは、彼にとって何なのでしょうか?
少なくとも、私が拝見した高橋氏(評論家ではなく研究者ですが)の見解は、
政治的には既に選択肢たり得ない(詰み)、
でしたね。
BSフジ プライムニュースは、公式サイトで放送後1週間くらいはダイジェスト映像を公開しています。
ご興味があればご覧になってはいかがでしょうか。
軍事専門家は、核を通常兵器の延長の1種だと考えているようです。それで、通常兵器と同じように面制圧だのと、従来の戦闘と同じレベルで考えます。さらに、戦術核だと世論の反応が薄い?と。
これは、核兵器と通常兵器を、混合して使うことを前提としています。ある意味、「牧歌的な話」です。
ここで抜けている観点は、核は「戦略兵器」や「戦術兵器」ではなく、「戦争兵器」だということです。
または、戦争論よりも上に位置する、政治論の領域の問題でもあり得るのです。
核弾頭も、1発しか持っていなければ、戦術核、戦略核の領域でしょうけれども、相手の国を殲滅できるだけの数を持っていれば、これは、政治のレベルの話です。
つまり、一旦、核を使えば、全面降伏するか?ということを問い掛けることになるからです。使う方はその覚悟で使います。しかも、核兵器では、戦争に於ける時間の観念が喪失します。核ミサイルは、数分・数十分で、相手国に到達するからです。
一旦、核を使ったら、相手が降伏するまでずっと核で攻めまくるはずです。それが、核を使うということの意味です。相手が、降伏して、放射能が無くなったら、通常兵器で進駐して行きます。
実際に核が使われたとして、考えてみましょう。
先ず、核を使うのは、核を持たない国に対してです。核を持っている国に対して使えば、即反撃を受けることは、確実ですから。
先ず、1発を敵国たるA国のある地域へ打ち込みます。そしたら、どうなりますか?これは、面制圧なんて悠長なことではありません。
打ち込まれたA国は、即、降伏するしかないでしょう。
何故なら、次に、どれだけの数の核がどこへ打ち込まれてくるか分からないというように考えざるを得ないからです。
1発で一つの都市が壊滅するのです。しかも、敵国たるB国は、A国をものの数時間で全滅させるだけの核弾頭の数を持っているのです。
核に対応できるのは、核しかありません。
B国が核を使うと決めたら、戦略核だの戦術核だのという区別なんかなくなります。1発撃ち込む毎に、降伏せよとA国に迫ります。
これが核戦争だと思います。ですから、使う方も覚悟が要ります。
そして、その後、世界はどのように反応するか?
核を使った国を、徹底して非難はするでしょう。
しかし、戦争のやり方は一変するはずです。
その後の戦争は、通常兵器で戦うなんて悠長なことは言っていられなくなります。
もう、核ありきの戦争になります。
パンドラの箱は開かれたのです。核に対する心の抑止力は無くなります。
まあ、競って核開発をするしかないのでしょうが、もし、それが、核を持っている国にバレると、即刻中止せよと言われます。そうしなければ、核兵器が完成する前に、核を撃ち込まれてしまいます。
そうすると、核を既に持っている国と堅い同盟を結ばざるを得ないのですが、その同盟関係は、今の同盟関係よりも、持っている国に対してより従属的にならざるを得ないでしょう。
持っている国は、お前の国が生きて行けるのは俺のお陰だと言うことを忘れるな、と高圧的になるでしょうから。
日本も核兵器を開発するならば、今の内なのですが、それももう遅いかもしれません。
ロシアが今、核を使えば、パンドラの箱を開けることになり、上記のような世界に成るでしょう。
一旦、核を使ったら、中途半端に止めることは出来ないからです。
ですから、ロシアも簡単には使えないはずです。使うぞ、使うぞ、を言い続けるしかないのではないでしょうか?
ウクライナも、冷戦が終わった時に、国内に残留していた核兵器をロシアに渡さなければ、今こんなことにはなっていなかったでしょう。
それが60年前の冷戦構造でしょ。
一周遅れでパニックになっておられる感じですけども。
討論番組で軍事専門家に”軍事”的視点の意見を求めれば当然に”軍事的観点”からの見識が示されるのは特に不思議もありませんが…
そのために軍事専門家を呼んでるんだと思ってました
あの番組では政治的方面の識者は別に2人呼んでましたから
まー軍事専門家の政治的見解もその軍事的見解とは一致してなかった様ですし
今話題のロシア=ソ連の戦車がなぜあんなに弱いか?というと彼らの戦車は軽すぎるつまりは装甲軽視なのですね。核弾頭で大都市を殲滅後一目散にドーバー海峡まで進撃するため、燃費を徹底的に重視です。我が国の零式艦上戦闘機と同じですね、軽いのに大きな砲装備でスペックはいいんだけど…歩兵随伴のBMPシリーズも同じです。
まあ当然NATOも核兵器を落とされた後のことは考えてます、今だってそうでしょう。核弾頭を大都市投射したからって全部終わるわけじゃありません。同害報復以上のことをやるでしょう、モスクワは火の海になると思います。プーチンもそこはわかってます。そもそもこんな大戦争をやるタイプの人に思えません(ウクライナ戦当初は15万人しか動員してません)から自分の権力基盤を損なわない方法を模索してるでしょう。ニコライ二世と同じく敗北=味方に撃たれての死の公算は高いでしょうから、主戦派をあらかた前線で皆殺しにして丸く収める腹じゃないでしょうか。
元ジェネラリスト 様
CRUSH 様
元ジェネラリスト様に教えて頂きましたので、プライムニュースを見ました。感想は、3つです。
少し、辛口に聞こえるかもしれませんが、感じた通りを書きます。
1.コメントされている方達は、核兵器と言うものは、どのようなものであるかが分かっていないです。
2.コメントされている方達は、やはり、専門家・評論家・研究者(この発言内容から見ると何を研究しているのか分からない)です。仕事の性質上、やはり、テクニカルな視点でしかものが見れていないです。
コメントされている方達は、やはり、サポート役の仕事しかされたことがないですから、核兵器の本当の意味が理解できないようです。
3.核兵器の使用の決断は、「最終決断者」しかできないのです。ですから、戦術核兵器・戦略核兵器という区分は元から無くて、「戦争兵器」という位置付けしかない兵器です。
高杉氏も言っているように、チマチマ使う兵器ではないのです。
つまり、使えば、即戦争の決着をつけれる兵器ですから、そのように使用するものです。
ここで、最終決断者とはどういうことか、と言うことですが、元ジェネラリスト様が、ジェネラリストとして、プロジェクトマネージャーをやられたことがあれば、最終決断者の苦しみは分かっておられると思います。
最終決断者の苦しみを描いた映画があります。
「13デイズ」という、キューバ危機の際のケネディの決断の苦しみを描いた映画です。
普段、最終決断をする仕事をしておられない方でも、最終決断をする苦しみの一片は感じることができるかもしれません。
尚、このプライムニュースを見て、はっきり分かったことは、プーチン大統領は、短期決着しか考えていなかった、そして、楽勝でそれが出来ると思って侵攻を開始したということです。
彼は、今、大後悔しているということだけははっきり分かりました。
彼は、初めから、核を使う気は全くなかったということです。
核を使わなければならないかもしれないと少しでも想定したならば、絶対にこの侵攻は始めなかったでしょう、ということは分かりました。
CRUSH 様へ。
冷戦は、今も続いています。冷戦が途切れたことはありません。自由主義と非自由主義の冷戦は、ずっと続いています。そして、その冷戦の背後には、ずっと核があります。核があるから、冷戦が続くのです。
と言うか、「冷戦で済んでいる」のです。
核が無ければ、通常兵器での戦闘は、もっと多くというか頻発していたでしょうし、国家の枠組みももっと流動的であったでしょう。
つまり、攻めたり攻められたり、が頻発していると思います。実際、クリミアはロシアが取ってしまいました。そういうことが頻発するということです。
それから、戦略核ミサイルは、常時発射できるようになっていることは、誰でも知っていることでしょう。
何故、米国大統領の傍にいつも、核の発射ボタンが入ったカバンを持った人間が、付いているのですか?
最短、15分で発射されます。
それから、核を即時発射できる潜水艦も、世界中を潜航しています。
これが分かっていて、プーチン大統領は、核を使えるものでしょうか?
ビデオで言っていたような悠長なことはありません。
即、モスクワに向けて発射です。
一旦、核が使われたのに、反撃に躊躇する訳が無いです。その為に、常時発射が出来るような体制を維持しているのです。核とは、そのような使い方をするためにあるのです。
この感覚が分からないから、専門家・評論家・研究者のコメントは、テクニカルな解説にしかならないのです。最終決断者になったことが無い人間には、この感覚は分からないのです。
所で、日本の政治家は、こういう最終決断の経験者が少ないから、隣国なんかに甘い顔をするのでしょうね。そして、いつまでもゴネられることになります。
つまり、最終決断をしたことが無い人は、毅然とした態度が取れないのです。
匿名さんへ
匿名さんが記されているような思考実験はおもしろいと思いました。
ただ私は核戦略・戦術について書籍や論文でキチンと勉強したわけではないので、議論に応じるのは難しいです。
1,2の結論に至った理由は端的にわかりません。
私は理由を求めるつもりはありませんが、せっかく批判的なことを書かれても理由を記さなければ読んでいる人には伝わらないと思います。
元ジェネラリスト 様
CRUSH 様
引っ掛かったオタク@二時間スイーツ特集待ち 様
絶対に嘘はつかないと玉川は言った 様
元ジェネラリスト様への返信は、核使用は、政治的に選択肢たり得ないという「詰み」は、どのように考えると「詰み」になるか?という点から考えてみるという仮説の一つとして書いてみました。
それと、核は、通常兵器とは、次元の異なる兵器であり、戦争の有り様を変えるだろう、という観点からも考えてみました。
これは、日本人としては余り書きたくはないのですが、日本は、45年5月頃にはポツダム宣言の受諾を決定しておりましたが、過激な戦争継続派軍人達の存在があり、なかなかそれを世界に発信できませんでした。もたもたしている内に、矢次早やに2都市に連続核投下されてしまいました。それで、8月15日に玉音放送という形で受諾宣言することにしました。これは、内閣総理大臣の宣言では、過激な軍人達を押さえられないと判断したからです。
しかしながら、過激派軍人達は、玉音放送のレコードを奪って放送出来ないようにしようとします。これは、「日本のいちばん長い日」という映画で詳しく描かれています。
玉音放送が遅ければ、別の都市にも順次投下されていたでしょう。
核による戦争とは、このようなものになります。
実際、自分が一国の指導者であると想像してみれば、核を持っていれば、同じように考えるでしょう。
通常兵器での戦闘は、どんなに自国軍が優勢でも、少なからず、自軍にも損害と経費が生じ、時間も掛かります。
核を使っても良いとする戦争は、世界の有り様を一変します。はっきり言えば、世界のコントロールが出来なくなります。
どういうことかと言いますと、強さの序列が生じなくなる可能性があるからです。
「貧者の核」と言われるように、弱いものでも、核を持てば、制御でき難い存在になります。
世界や社会は、強いものは弱いものよりも強い、という強さの序列がはっきりと誰にでも分かるから、秩序が保たれるのです。
これ以上は、省略しますが、核を使う使わないは、軍人だけの戦略でどうこう考えられることではないのですし、政治家だけでも考えられることでは無いように思えます。
(以下の、マッカーサーとトルーマンの話を参照ください)
ロシア大統領は、そういうことを考えられる人であることを祈ります。
尚、朝鮮戦争の時に、連合軍が釜山の海岸まで押しまくられた時に、マッカーサーは、核の使用を要請しましたが、時の大統領のトルーマンは、即刻拒否しました。
これなどは、軍人は核を一つの兵器、通常兵器の延長上として考えるが、政治家、特にアメリカ大統領という世界の秩序に責任を持っているトップであれば、核を使ってしまった後の、世界の有り様はどうなるだろう、ということから考えるのです。これは、一政治家の範疇を超えた想像力と判断力がなければ、出来ないことだと思います。
以上の様なことを少し考察してみるために、コメントへの返信を書かせて頂きました。
ソコハカトナク漂いキタル既視感…
タトエバまるで、
眼下に拡がりつつある新型感染症について、
感染症学問研究者に「最も効果的な感染拡大阻止&封じ込め方法は?」と尋ね、
研究者が「感染地域ロックダウン」と見解を示すと、
「そんなことしたら社会経済が死ぬ!」と叫びだすコメンテーター
というくだりを眺めたかの気分…
>日本も国産ドローンの開発、生産、配備が急がれる。
まさにご指摘の通りかと思います。
日本は(というより西側諸国は)2020年に漸く政府機関からの中国産ドローン排除に乗り出したくらいなので、まだまだ道のりは遠いです。
【省庁のドローン1000機、中国製を排除へ…安保懸念「国産」導入を視野】
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20201129-OYT1T50197/
ついでに、情報戦という意味ではtiktokをいつまで野放しにしておいて良いのかも注目している論点です。
>やはりロシアが4州の併合を高らかに宣言してしまったことは、結果としてロシア軍の撤収を難しくし、ウラジミル・プーチン自身の政治的立場を危うくするものだった可能性が高く
プーチンがいなくなってもロシア軍の撤収を難しくする負のレガシーになる可能性すら
無辜の市民をロシアに無理やり連れ去ったり、ぼ
変なところで切れました。お目汚しすみません。
命令されたとはいえ、実際に手を下したロシア兵にも裁きは下されるのでしょうか。
話に聞いただけですが、家族から頼まれて好きなものを略奪するために兵士になった人もいるとか。
どんどん負けて人間らしさを取り戻して欲しいです。
略奪が目的化しているのは本当のようです。
当方が目にした動画では、ウクライナ軍兵士たちが開放地域住民の家に洗濯機を運び込んでいる光景が撮られてました。おばさん感謝のあまり泣いて兵士にすがりついてます。
アメリカの中間選挙で共和党が勝ち、ウクライナへの援助が抑制されるようなことになれば、核を使うまでもなく、戦局は膠着状態になり、裏返る可能性もある。マスク(スターリンク提供)のつぶやきもまんざらではない。ヨーロッパ政治的共同体で建前上結束はみせたが、ガスパイプはもうウクライナにしかなく、本音ではやめたがっている。
○○「ウラジミール、君を待ってる」