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ロシア外相「日本の戦争犯罪に時効なし」のブーメラン

ロシアの外相は28日、「戦争犯罪には時効はない」と高らかに宣言しました。セルゲイ・ラブロフ外相はモスクワの外交アカデミーで、「日本の軍国主義の犯罪は時効がない」、「忘れてはならない」と表明したのだそうです。戦争犯罪といえば、日ソ不可侵条約を破って対日参戦した旧ソ連時代のものを含めれば、日本もロシアに対してはずいぶんと貸しがあります。国際社会において、ウラジミル・プーチン本人を含め、ロシアの戦争犯罪を徹底的に追及すべきでしょう。

ロシアの外相によると、戦争犯罪には時効はないのだそうです。

時事通信の昨日の記事によれば、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は28日、モスクワの外務省外交アカデミーで第二次世界大戦の歴史を巡り「日本の軍国主義の犯罪は時効がないものであり、忘れてはならない」と表明したのだそうです。

「日本の戦争犯罪に時効なし」 ロシア外相、歴史でけん制

―――2022年09月28日18時49分付 時事通信より

これはまた強烈な話題です。

ロシアといえば、そもそも国際法や国連憲章などに違反し、今年2月24日に一方的かつ不法にウクライナに侵攻し、それ以来、戦争を続けています。また、その過程で、キーウ近郊のブチャをはじめ、さまざまな地域で明らかな国際法違反行為、戦争犯罪行為を働いていることが明らかになっています。

そのロシアから、「戦争犯罪には時効がない」という発言が出てくるとは、皮肉にしては強烈過ぎます。

しかも、時事通信によると、ラブロフ氏は次のようにも発言したのだそうです。

残念なことに、アジア太平洋地域の国々への侵略に対する反省の弁がない一方、全く根拠のないばかげたロシア非難が聞こえてくる。歴史に対するこうしたアプローチは、国連中心の世界秩序を損なうもので、受け入れられない」。

戦争犯罪といえば、日本もずいぶんとロシアに対しては貸しがあります。

そもそも旧ソ連自身、日ソ不可侵条約を一方的に破って対日参戦したという国際法違反の実績を持っていますし、ロシアが不法占拠している領土のうち、とくに旧ソ連による千島列島、北方四島などの地域に対する占領作戦が始まったのは、昭和天皇の玉音放送が流れた8月15日以降のことです。

さらには、旧ソ連軍は侵略した地域での暴行・略奪行為に加え、日本軍の兵士らをシベリアに抑留し、強制労働させるなどのような無法行為も働きました。この場合、「戦争犯罪国家」とは、旧ソ連やその後継国家であるロシアそのものでしょう。

そのロシアが日本を「侵略に対する反省の弁がない」とは、ラブロフ氏の発言自体、「まったくばかげた主張」そのものです。

いずれにせよ、ロシアの外相自身が「戦争犯罪には時効がない」と明言した以上、国際社会は安心して、時効を気にせずに、徹底的にロシアの戦争犯罪を追及し続けるべきでしょうし、そのなかには、ロシア大統領であるウラジミル・プーチン自身を軍事法廷に立たせることも含まれるべきです。

それにしても、日本の特定野党といい、オールドメディアといい、特定の近隣諸国といい、どうして彼らはみな、揃いも揃ってブーメランが大好きなのでしょうか?

謎です。

新宿会計士:

View Comments (42)

  • 自分達のやっている事が支離滅裂で、主張も弁解も正当化出来ることが何一つ思い浮かば無くなったので、何か言わねばと、昨日の夜寝る前にでも思いついたか、誰かに言わされたか。
    もう歳だから、引退した方がいい。心筋梗塞にならないうちに。

  • こんな反撃のチャンスに政府は言われっぱなしなのでしょうか?
    そんなんだから近隣諸国からバカにされるんです。
    下半島なんか国力全然下なのに同等でなく上と思ってますから。
    日本は小学生で言ういじめられっ子から脱却しなきゃ。

    • 自滅して行くものを相手にせず、自滅するままにする。
      反撃は、最も効果的な時にやるもの、そうしてこそ、決定的な反撃になります。
      今は、沈み行く者たちを、見ていましょう。
      その内に、誰にも何も言えなくなる反撃のチャンスが訪れます。

  • 私の親の世代より少し上の人たちの中には、結構シベリア帰りの方たちが身近にいらしたものです。

    大学時代のロシア語の恩師であったN教授もそうでしたし、先日友人と初めて行った居酒屋の店主のお父上もそうであったと聞きました。それ以外にもやはり身近なところに、そういう経験をお持ちの方たちは割と普通にいました。

    それだけすさまじい人数の方たちが、そのような目に遭われたということでしょう。こればかりは自称元慰安婦とか自称元強制徴用工の類いなんぞとは違って、まごうことなき本当の歴史の証人でした。

    そして帰国の願いも叶わず、彼の地で無念の最期を遂げられた方たちも同様にに数多くおられた、そのことも我々は絶対に忘れてはならないと思います。

    • この方達は、積極的に自らの体験を語られない。わたしにも身近におられましたが、何故話されないのですか?と尋ねると、辛くて辛くて、と小さな声でそれだけ呟かれました。
      その時、人間、本当に辛い時は、思い出すこともしたくない、出来ないのだな、と深く思いました。

      • そのつらい体験を元に書かれた『生き急ぐースターリン獄の日本人ー』という書籍があります。上で紹介したN教授の後輩にあたる内村剛介氏畢竟の名著です。

        当時、N教授は「僕は小物だからたった4年で済んだけど、アイツは優秀だったから11年も食らっちまったんだよ」と仰っていました。

        その半ば自虐的な褒め言葉に、ほろ苦いユーモアを感じたものです。

        • 確かに、ポツポツと何人かの方が体験を記しておられます。有名な作曲家の吉田正さんも、私の履歴書の中で体験を書いておられます。待遇処遇や労働は、下級兵ほど厳しく、その代わり、割と早く帰還出来たのでしょう。上級官になるほど、労働はそれほどでなくても抑留期間は長かったのでしょう。

  • >それにしても、日本の特定野党といい、オールドメディアといい、特定の近隣諸国といい、どうして彼らはみな、揃いも揃ってブーメランが大好きなのでしょうか?

    共通項は、威勢はいいけどその実は追い詰められた人たち、でしょうか。
    焦ってんでしょうね。

  • 第二次大戦終結のどさくさに紛れて旧ソ連が獲得した領土ないし勢力圏のうち、旧東欧地域の大半は民意に反した共産党支配を脱し、EU圏、NATO加盟国へと転じていきました。おそらくソ連の勢力拡張は、カイロ、ヤルタ会談あたりの密約で米英側の黙認の約束を得ていたのでしょうが、一応独ソ戦で蒙った被害の代償という名目が立つはずの東欧地域の支配権でさえ、失われるのを指をくわえてみているしかなかった旧ソ連、現ロシアにしてみれば、日本の北方領土の強奪については、さらに理がないことは十分承知していると思います。

    軍事力の優位が国にとってのすべてと考えているロシアのことです。多大な戦費を浪費し、厳しい経済制裁を科された挙げ句に、おそらくみじめな負け戦に終わるか、よくて不本意な条件での講和しか途がなさそうな現在の状況は、耐えられない屈辱に違いありません。なんとしてもこれ以上の後退は避けなければならないにもかかわらず、この後もNATOとの対峙に必要な軍事資源を、衰えた経済力を以て西側国境地帯に配備しつづけようとするならば、極東方面で日本の自衛隊に対抗できるほどの余裕はないと見ているのでしょう。あるいは極東共和国なんてのが分離独立して、日本と独自に国境交渉を始めかねないくらいの悪夢のような可能性も想定しているのかも知れません。

    日本軍国主義の時効云々の言い草が通用するのは、今や中国と朝鮮半島の2国くらいのものですが、それでも対日牽制材料としては十分効果はありそうです。自力では無理でも、露中南北朝鮮でスクラムを組んで。極東地域の軍事的バランスをなんとか維持したいという狙いがありそうに思えます。

    • ウクライナ情勢は、「いつ」「どんな形で」一段落するのかさっぱり見えてきません。確実なのは、長期化すればするほど、ロシアにとってのダメージが増大するということくらいです。でも、ここまでくると、ロシアとしては「敗け」を認めるような事態だけは避けたいでしょうね。プーチン氏が失脚するだけならまだしも、天文学的な額の賠償金支払いを課せられることが確実ですから。

      ただ、まあ、あくまでも個人的な感想ですが、日本としては、ロシアが大いに弱体化するだけならば歓迎すべき事態だと思いますが、ロシアが大混乱に陥る、あるいは無政府状態になるというのは、必ずしも歓迎すべき事態だとも思えません。東アジア情勢に予測不可能性が大いに増すばかりでなく、SLBMを含む戦略核兵器の取り扱いがどうなるかもわからなくなるからです。

      # 今頃、北京は沿海州還収に向けて、秘かに準備を進めているかも。

      • >ウクライナ情勢は、「いつ」「どんな形で」一段落するのかさっぱり見えてきません。

        ウクライナとロシアを停戦に向けて仲介できるのは中国だけという見方が盛んに言われており、すごく説得力があります。両国ともすごく中国を頼っていて、ウクライナは、未だにすごい親中みたいです。でもアメリカはいい気がしないでしょう。ウクライナが中国に接近するなら、たちまち武器の供与をしぶったり、ただではすまなくなるかも。それに中国だってこれからはイバラの道でしょう。これまでみたいな大盤振る舞いはできなくなるのでは。

        北方領土は、返ってきても実質的にはアメリカのものになりそうな気がします。

        • はたして中国が火中の栗を拾うような真似をするかどうかはちょっと疑問があります。先の対面による中露首脳会談でも、習近平氏はプーチン氏が期待していたような明確なロシア支持、支援については何も触れず、むしろ半年前よりも姿勢を後退させていたと伝えられています。中国は、ロシアよりも対外依存度が高く、ロシアが食らっているような制裁を受けたらひとたまりもありません。ロシアに入れ込むような姿勢を見せたら危険だという程度の判断はできるようです。
          そうかといって、昨今東欧諸国で対中不信が募っており、うかつにウクライナに手を差し伸べようとすると、東欧諸国が騒ぎ出す可能性があるため、ウクライナとしても簡単には受け入れられないでしょう。
          中国としても、ウクライナでの戦争継続は何もいいことはありませんので、なるべく早く事態が収拾されるに越したことはないと思っているでしょうし、どちらか一方に偏らない立場を取れなくもありませんが、ここまでこじれた事態を解きほぐすような外交力が中国にあるかどうかはかなり疑問ですし、さらに中国自身が西側から強く警戒されてる現状では、ますますうかつには手を出せないでしょう。そのような状況を押してまで中国が仲介に乗り出すかどうかというと、個人的には少々疑問です。

          ただ、そうなると、仲介できそうな国が見当たらないのは事実です。国連は無力ですし、トルコではいかにも力量不足です。あとはサウジがどの程度やる気があるかどうかくらいですね。
          まあ、ロシアが継戦不能になるほど疲弊し、かつ米欧も支援疲れでこれ以上何もできないとかいう事態になれば、中国の出番が回ってくるかもしれません。でも、それは最悪のシナリオだと思います。

    • 大国ロシアは今の所ウクライナ領土内で戦争をして居るので、死傷者はほぼ軍人に限られ損耗は軍需品に限られています。この状態で敗戦すると言うのは指導者にも国民にも物理的な打撃よりも精神的な打撃、威信の失墜、自信の喪失、統治の正統性や統合の意味、更には法治国家の秩序まで崩れるのでは無いかと思います。

      • 本当に、どうなるのか見当がつきませんね。経済の面では、中国が相当に浸透するのでしようが、これは、中国政府の方針というよりも、華僑の経済力によるものでしょう。政治的には、相当混乱するのではないでしょうか?
        ゴルバチョフ、エリツィンの後は、いろんな勢力が出て来て、収拾がつかず、最後にケイジーピー出身のプーチンが
        出て来たから収まった経緯があります。強権でなければ治らない民族というのはあります。

        • ロシア帝国やスターリン、フルシチョフ時代のソ連など、過去の栄光を取り戻したいスラブ民族派の力が相変わらず強いのでしょうね。
          ゴルバチョフ、エリツィン以後、西欧派が今どのような状態なのか気になります。
          プーチンによってほぼ駆逐されてしまったのでしょうか?
          西側諸国は、ロシア国内外の西欧派を支援する必要があると思います。

  • >ラブロフ外相:「歴史に対するこうしたアプローチは、国連中心の世界秩序を損なうもので、受け入れられない」

    典型的な「お前が言うな」ですねん。
    戦争犯罪に時効はないと言ったな。ウクライナにおけるロシア軍の戦争犯罪も時効はないのだぞよ。「千年でも謝罪し続けろ」などと下品なことは言わないけれど。

  • はは 
    プーチンロシア敗戦後 
    経済疲弊しての日ソ漁業交渉や
    明日のパン欲しさに制裁解除求めてきた時
    ラブロフはプーチンの犬 
    さんのお言葉を引用して
    「ロシアの戦争犯罪に時効なし」
    と突き放してあげましょう(笑)

  • 中共は当然沿海州を取る事は考えているでしょう。なにせジャイアンですから。
    ただ取ると言うのを見せないけど実質取るような感じになるのかな。
    10年後は完全に取るんだけど。
    腹芸は得意ですからね。
    日本人なんか絶対まねることが出来ない腹芸。
    ・賠償で調整に入り中国人を大量にウクライナへ入れ(中国空母はウクライナ製、なじみ有り)
    ・激減したロシア労働力をロシア国内で助け(ここでも中国人労働者)
    ・アメリカへは台湾問題の棚上げを図り世界の工場復活
    ・日本の北方領土なんか立ち入る好きを与えず(キッシー、悔しいね)
    ・ロシアが獲得したアフリカ利権も優しく受け取り(陰の賄賂と武力の取り纏め)
    おっと中国一人勝ち? ですか

  • 第二次世界大戦終戦後のソ連のあれは、戦争犯罪どころか『ソ連という国家が犯した犯罪』ですよね?

    しかも今現在ソ連なんて国は存在しない。
    ロシアという建国数十年の新興国が旧ソ連の権利を相続のように保有しているなら、負債にあたる責任・義務も引き継いでるんですよね『犯罪責任』も。

    国連の常任理事国は旧ソ連崩壊後に現行ロシアが権利と義務の継承を認めた国名変更を申請怠ったため、いまでも正式には旧ソ連が常任理事国であり現行ロシアは国連法上の常任理事国と明記された文書は存在しません。

    法治を旨とするのが国連のあるべき姿なら、黙認やら慣習やらとは関係無くロシアは常任理事国でないどころか国連に加盟していない可能性さえあります。

    どの口が戦争犯罪だの言うんだか?
    時効が無いのなら、全世界はアフリカや南米に賠償するんですね?
    ざっくり80000年前の事実も時効が無くなりますんで。
    都合がいい年代で切り取って便利に使わないで下さいね。
    帝政ロシアの戦争犯罪なんかも当然これから裁かれて賠償はロシアがするんですよね?

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