パチンコファンと思しき方が執筆した記事によれば、上野でパチンコ屋がかつての10分の1にまで減ったのだそうです。この方いわく、「ブームが去れば……つまりは参加している人口が減ってしまえば、そのジャンルが廃れるのは必至であり必然でしょう。バイク街と同じようなことが上野エリアのホールで起きているだけだとすれば、それは仕方のないことです」。要するに、パチンコがゲームとしてつまらなくなれば、すたれていくのも自明の理でしょう。
パチンコ論
もともと当ウェブサイトは世の中に少ない「金融評論サイト」として開設したものですが、同じ「マネー」の話題でも、基本的には積極的に取り上げたくないもののひとつが、ギャンブルです。
以前、当ウェブサイトに、ほかの読者の方から嫌がられているにも関わらず、しつこくギャンブルの話題を書き込んでいた者もいましたが、そうしたコメント者についてはすでに排除済みであり、基本的にはギャンブルとは無縁のウェブサイトでもあります。
ただ、それと同時に、「知的好奇心」という観点からは、ごくたまにパチンコの話題を取り上げることがあります。『【読者投稿】パチンコ~三店方式と「不都合な真実」~』などでは、読者の方から寄せていただいた議論をもとに、パチンコ業界の現状について紹介したことがあります。
当ウェブサイトでは「読者投稿」を歓迎しており、投稿要領等につきましては『読者投稿要領と過去の読者投稿一覧(コロナ騒動等)』などでもまとめております。こうしたなか、過去2回ご登場いただいた「まんなっか」様というハンドルネームのコメント主様から、ご投稿の第3弾を頂きました。あわせて、第1回目の問題提起についても「答え合わせ」がなされています。さて、どのようなことが記載されているのでしょうか。読者投稿以前から『お知らせ:読者投稿を常設化します』などでもお知らせしているとおり、当ウェブサイトでは読者... 【読者投稿】パチンコ「三店方式」と不都合な真実 - 新宿会計士の政治経済評論 |
今になって読み返してみても興味深い論考であり、寄稿してくださった「まんなっか」様には心より御礼申し上げたいと思う次第です。
三店交換方式
さて、数あるギャンブルのなかでも、パチンコは本当に異例なビジネスでもあります。
いちおう、形式的には「ギャンブルではない」という風体を装っており、いわゆる「三店交換方式」もこうした屁理屈のために編み出されてきたものですが、実質的に見れば明らかなギャンブルでしょう。
ただ、「まんなっか」様いわく、結果的には既得権などの問題もあり、現状では行政はさまざまな理由があって、パチンコ店の根絶に至ることができていないのだそうです(※このあたりの事情については上記論考で大変わかりやすくまとめられています)。
結局のところ、パチンコというゲーム自体に、ギャンブルとしての「魅力がある」、という状態が本質的な問題なのであって、もしも行政がパチンコをなくすために努力できるとすれば、パチンコというゲーム自体に「魅力がない」という状態にすればよい、というわけです。
「いつ行っても勝てなくて、リターンに期待できなければ流石に人は学習します。皆お金を入れなくなります。パチンコ屋がそこら中になければ、行くのも労力がいるので、そのうちユーザーは減るでしょう。次々台が変われば、新し物好きな人はともかく、昔からの人は老いて最新台に適応できなくなれば辞めます」。
「ありとあらゆる部分を規制すれば、いずれ資本や他業種の新規参入も絶えます。既得権者だけが儲かる世界ですが、それは新陳代謝がないことも意味します。新規参入さえ拒めば、業界は細り、ユーザーもいずれ消え去り、やがて砂のように消えるでしょう」。
本当に優れた論考です。
上野でパチンコ店は激減した
そして、じっさいにパチンコ業界は徐々に縮小しているようです。娯楽系のウェブサイト『日刊SPA!』に数日前、こんな記事が掲載されていました。
パチンコの聖地・上野でパチンコ店閉店ラッシュ。軒数は全盛期の10分の1以下に
―――2022年09月04日付 日刊SPA!より
『日刊SPA!』によると、「パチンコの聖地・上野」でパチンコ店の閉店ラッシュが発生しているのだそうです。
著者の方によると、かつては「アメ横」を中心とした上野から御徒町までエリアに「30軒以上のホール(※パチンコ店)がしのぎを削っていた」そうであり、また、「当時はパチンコの聖地などと呼ばれ、朝にはあちらこちらのホールに開店待ちの行列ができていた光景もあった」のだそうです。
(※著者自身も長年、東京に住んでいますが、不肖ながら上野が「パチンコの聖地」と呼ばれていることを存じ上げませんでした。)
ただ、こうしたパチンコ店がどんどんと消滅しており、今年の8月31日で上野の2つの「老舗ホール」が閉店したのだそうであり、これで「現在、上野エリアで営業を続けているホール」は「地場の競合チェーンの3軒だけ」となってしまったのだとか。
30軒が3軒に減ったのですから、これが記事タイトルにもある「10分の1」の意味でしょう。そのうえで、この記事を執筆しているライターの方は、次のように述べます。
「直近まで通っていただけに、個人的には一抹どころじゃない寂しさを覚えます」。
パチンコファンの方にとっては「一抹どころじゃない寂しさ」を覚えるのかもしれませんが、当ウェブサイト的には「事実上の違法ギャンブル」であるパチンコが徐々に干上がっていくのは大歓迎です。
魅力がなくなって廃れる
ちなみに「なぜ上野がパチンコの聖地となったのか」についてはリンク先記事で取り上げられているのですが、これについては当ウェブサイト的には興味がないので、あえて引用しません。ご興味があれば、リンク先記事を直接お読みください。
とくに、かつての「筆者の大好物である違法改造されたパチスロ裏モノ」などの記述を読むと、正直、頭が痛くなりますが、こうした反社会的な記述についても、あえてツッコミを入れないようにしようと思う次第です。
ただ、それよりも、リンク先記事で興味深いと感じたのは、次の一文です。
「ブームが去れば……つまりは参加している人口が減ってしまえば、そのジャンルが廃れるのは必至であり必然でしょう。バイク街と同じようなことが上野エリアのホールで起きているだけだとすれば、それは仕方のないことです」。
じつはこれ、先日の「まんなっか」様の指摘とまったく同じです。
正直、著者自身もあるパチンコファンの方から聞いたのですが、パチンコをする人とその人の年収には正の相関があるのだそうです。というのも、普通に働いて得られる賃金と比べて、パチンコの「大当たり」で勝てる金額が大きければ、その分、パチンコの魅力が上がる、というわけです。
逆に言えば、規制の強化などを通じてパチンコの大当たりの金額を引き下げいけば、パチンコ人口が減るのは自明の理、ということなのかもしれません。
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パチンコをする人とその人の年収には正の相関があるのだそうです。⇒この表現は年収が高い人ほどパチンコをする、という意味になりませんか。その後の文脈では負の相関かと思うのですが…。
パチンコはギャンブル
無くなって困るのは「警察」をはじめとする一部の利権団体とパチンコ(ギャンブル)狂くらいです
悪徳組織といえど、直接規制(お取り潰し)することは憲法上難しいので、「魅力がない」という状況に誘導して、根絶できなくても影響力がほとんどない程度にジリ貧にさせるというのは、よいアプローチと思います。
おれは、今年で61才になる。カネに縁がある人生とはいえない。そんな訳でパチンコ歴は通算10回もない。それ程経験がないオレのお気に入りは昔のじぶんで弾いて玉をたすタイプ。今の電子仕掛けのやつは「あっ」という間に玉が尽きて5千円なんてすぐに無くなると感じる。じぶんには博才はないって、嫌っていう程思い知らされる。スロットも同じだと思うから、一度も経験がない。なのでパチンコ屋がなくても痛痒はない。だけどなぁ、、ボーリングの例もある。復活するかもしれぬ。パチンコ屋の経営者は在日朝鮮人が多いと聞く。日本人が遊んで落としたカネが連中の母国に送られるなら問題だ。日本人がかの国を援助しているものだ。警察利権が本当なら、尚更潰すべきだ。
日本のギャンブルというのは利権の巣窟。
・農林水産省→競馬
・経済産業省→競輪、オートレース
・国土交通省→競艇
・総務省→宝くじ
・文部科学省→スポーツくじ
・警察庁→パチンコ
最近、ウマ娘により業績が好調な競馬で少し具体的に説明すると、
・JRAは有力な農水省の天下り先
・競馬場の維持管理運営を独占的に担うファミリー企業が多々存在
・そこに随意契約にて余剰金を流し込み、もちろん農水省の有力な天下り先
おおよそこんな感じで、他もだいたい似たようなもの。
パチンコについて。
昭和のある時期にパチンコに強い規制が入った。
日本人オーナーは撤退したが韓国、朝鮮人オーナーは踏みとどまる。
これは他に行くところがなかったためで、結果としてパチンコオーナーは朝鮮系が多くなる。
パチンコは長らく30兆円産業として君臨。
ざっくり日本のGDP500兆円で個人消費が6割300兆円。
その10分の1が使われたのだからいかに巨大な産業だったかがわかる。
パチンコ梁山泊という組織があった。
ゴトなしの正攻法でパチンコを攻略し荒稼ぎした集団。
だが現在ではもう稼げないと活動していない。
プロが手を引いている以上一般人が勝てるわけがない。
台の規制強化により否応なしに稼げなさを実感する。
パチンコ、パチスロはやがて消滅する運命にあると言える。
なお、韓国では早々にパチンコを禁止したことを付け加えておく。
>普通に働いて得られる賃金と比べて、パチンコの「大当たり」で勝てる金額が大きければ、その分、
パチンコの魅力が上がる、というわけです。
パチンコにしろ宝くじにしろ、胴元が収益をあげなければなので、いくら金額が大きくとも確率との兼合い
があり期待値的にはどう考えてもマイナスですよね。
パチンコは賭博ではない、自衛隊は軍隊ではない、ソープランドは売買春ではない・・
小学生でも信じない、こんな建前を公の場では「信じてるフリ」をしなければならないのが
現代日本人の嗜みなわけですが、このうち「パチンコは・・」が将来的に消えるんですかね?
・パチンコは「統一教会」同様、K国(=反社会組織)の日本における集金スキームである
・自衛隊は中国、ロシア、北朝鮮(=反社会組織)の武力侵攻を抑止する軍事組織である
以上で良いと考えます。
早く IR を作って、そこに統合していただきたい。
そして、出玉規制なんぞ廃止して、ギャンブルとしての面白さを追求するのが、正しいあり方かと。
先ず、パチンコの何が問題になっているのか?
1.ギャンブルであるからなのか?
2.いろいろと危ない構造になり易いからなのか?(換金の仕組みに反社が入り込む余地がある、等)
先ず、1のギャンブルそのものがイケないのか?
公営ギャンブルは、いろいろあるし、IRなんてものを経済と地域活性化の名目の下に、誘致しようとしている。
公営ギャンブルは、日本の公的機関に金が落ちるが、IRは、外国の胴元の元に大金が流れる。
次に、ギャンブルを射幸心を煽るものとすれば、宝くじもギャンブルです。
商店会の抽選は? これは、商店会が、お客サービスのイベントとしてやるから、ギャンブルではない。
2.では、この記事のように、何故パチンコが、殊更問題視されるのか?
どうもこの記事と「三点方式」の記事を見ると、換金に伴う反社勢力の資金源になるリスクがあることが問題だ、ということらしい。
又、射幸心を煽り過ぎる高倍率の機械はダメ、という点は当然あります。
次に、そもそも、何故パチンコは、人気があるのか?
愛知県か岐阜県の過疎の町では、町で唯一のパチンコ屋を存続させるために、町がパチンコ屋に補助金を出していた、という記事が昔ありました。その理由は、その町では、老人が多く、年寄りの娯楽がないので、パチンコ屋が無いと、年寄りの日中の時間潰しができないから、と言うことでした。
しかし、そのパチンコ屋も遂にその町から撤退することになって、困った町は、隣町のパチンコ屋へ年寄りたちを運ぶためにバスを運行することにした、と。
この記事を見ると、パチンコは、手軽な娯楽と言うことになります。
パチンコに関する結論は、高いギャンブル性を排除し、娯楽の域までになればいいと言うことになりそうです。
が、そうすると、パチンコ業者が、やっていけなくなるので、数が減って行く、しかし、完全には無くならない、と言うことでしょうか?
パチンコ屋を完全に消滅させたら、年寄りが怒ります、ということです。
もう数年もすれば、若者のゲーセン、年寄りのパチンコ屋、というイメージになるかもしれません。
その時のパチンコ屋の経営者は、誰でしょうか?
まさか、町営パチンコ屋ということは出来ないから、経営者を募集するのでしょうか?
次に、外国に多額のお金が流れることが分かっている、IRの誘致は絶対に止めて欲しいです。
経済活性化という名目の、地元の僅かな雇用創出と税金の為に、多額の日本人のお金が外国に流れる構造の、IRは、絶対にやめてほしいです。
いや、IRは外国の富裕層を呼び込み、日本にお金を落とさせるためだ、ということもあるらしいですが、外国人が日本でお金を使ってカジノをやっても、そのお金の大半は外国の胴元の元に流れます。
日本に落ちるのは、IRで働く現場仕事をする人達の給料と税金位でしょう。後、少しは、物品が売れるかもしれないです。
これは、真剣な話ですが、日本は外国人から見れば、本当に魅力的な自然と
伝統工芸と、料理と、歴史、文化、があるのですが、それが充分に海外にアピールされていないし、又、観光の開発も充分ではないです。
国際展示会の誘致、国際会議の誘致といろいろとやってはいますが、日本の魅力を充分にアピールした観光開発の方が、金額も利幅も大きいし、日本の地方の活性化にも有効です。
そしてこの観光開発は、インバウンドの様な安易なものではなく、本格的なものにする必要があります。
中韓東南アジアを主としたインバウンド客は、数は多いが単位観光消費額が少ない。欧米の中流層の消費額は、その2倍以上、富裕層になれば、桁違いです。
そして、日本には、中流から富裕層を呼び込める魅力があります。
パチンコ → ギャンブル → IR → 地方と経済の活性化 → 日本の魅力をアピールする本格的な観光開発(中流富裕層むけの観光消費額の多い観光開発)
というように話が流れて来てしまいました。
IR=Integrated Resort ですがそれはカジノだけでなく国際会議、展示会などMICE=Incentive Travel,Convention,Conference,Exhibition が含まれています。もちろんホテル、劇場、アミューズメントパーク、スポーツ施設。カジノは全体面積の3%にすぎません。
シンガポールには2つのIRがありますがカジノ税収で2000億円を超えています。私は地方活性化の鍵だと思います。
カジノばかりが注目を浴びすぎです。
ご返信ありがとうございます。
IRについて補足して頂きありがとうございます。
追加で、IRについての個人的な印象を書かせていただきます。
シンガポールは、国土が極めて小さいので、このような統合型のものが有効なのかもしれません。
統合型が相乗効果を発揮するように見えますが、統合型小売店のデパートは廃れています。
統合型の罠、と言う事も言えると思います。
外国のIRにカジノがあるから、そのまま持って来ると言うのも何故?とも思います。
感覚的に、日本には合わないように感じます。
ハウステンボスの例もありますが、広大な面積の場所が閑古鳥が鳴くようになったら困ります。
日本では、保養施設を作る時に箱を作れば良いというようになりがちです。
しかし、実際に成功しているのは、コンテンツに独自性のあるところです。
そんな気持ちで、日本の各地域の独自性を発掘した観光開発の方が効果が高いだろうと考えます。
ご返信のお陰で、補足説明が出来ました。ありがとうございました。
「日本の各地域の独自性を発掘した観光開発の方が効果が高いだろうと考えます。」
本来ならIRと両立しなければならないし日本ならできると思うのですがそれが置き去りになってしまっている計画やカジノばかりが話題になるというのが問題。また、入管、不法滞在者の問題があるのですがその法整備、体制も安易かなと思っています。
IRなんて日本の上層部に居座ってるじいさん達が「外国で流行ってるものは正義!ウチにも欲しい!」ってなってるだけでしょ。あと、誘致段階で利権構造作りやすいからとか。真剣に地方の魅力を活かそうとかこれっぽっちも考えてなさそう。
仰る通りです。
>>>誘致段階で利権構造作りやすいからとか。
これだけでしょう。
カジノだけつくりたいけれど、カジノだけだと、大反対になるから、統合型とか何かよさそうな名前をもってきているだけなのは、見え見え。
何故、日本に統合型が必要なのでしょうか、はなはだ疑問を通り越して、言葉も出ません。
国際会議、展示会などMICE、は、個別に最も効果的な促進策をやればいいです。ホテル、劇場、アミューズメントパーク、スポーツ施設、これらを利用するのに、統合型である必要があるのでしょうか?
そもそも、これらのものを個別に見ても、それぞれ維持して利益を上げるのは難しいので、皆さん苦労しています。それを統合型にして、1か所に纏めた所で活性化するとも思えません。
スポーツ施設など、オリンピックの負の遺産が大量に残っています。
>>>真剣に地方の魅力を活かそうとかこれっぽっちも考えてなさそう。
真剣に地方の魅力を活かしましょう!!
地方の魅力を発掘しましょう。日本は、地方も都も魅力だらけです。
それが分からず、発見発掘できないのは、自分達の見識が足りないからです。
この地方の魅力を発掘するのは、日本国内向けではありません。
外国人向けです。
今、外人観光客が認める、日本観光の黄金ルートは、東京→富士山→京都、だそうです。
日本では、この他にも、沢山のほぼ無限ともいえる位の、黄金ルートが、設定できます。
日本のように、四季があり、四季折々の食があり、絶景から里山まで、多様な風景があり、温和な風があり・・・・、と数え上げたら切りが無さそうな国は、
世界では、日本だけです。
リピート客が間違いなく増えます。
日本人には当たり前のものが、外国人には、「こんな国があるの?」というくらいの魅力的なものです。
単に、観光客数を増やすなんて、形式的な目標設定では、永続する観光資産は産まれません。
素人目にも厳しい見通しばかりです。
・新電力契約の場合、料金の大幅値上げ
・新紙幣対応
・メダルレススロット等への対応(人件費は減らせる)
・店舗数減によるガチ勢客の集約過密化(収益源である一般客減)
・遊戯者の高齢化
・インボイス制度の導入による3店方式への影響(当方ボンヤリとしかわかりません)