嬉しいことに韓国観察者である鈴置高史氏は今週、新刊書『韓国民主政治の自壊』を上梓されるそうです。今から楽しみでなりません。その鈴置氏が昨日、ウェブ評論サイト『デイリー新潮』に最新論考を寄稿しています。テーマは「謝罪利権復活を目論む韓国に騙されるな」、です。
目次
そんな首相で大丈夫か?
シャングリラ会合で宏池会って…
岸田派、あるいは宏池会といえば、「大宰相」(笑)である宮澤喜一を輩出したことでも知られる派閥です。
宮澤喜一といえば、当ウェブサイトでは退陣寸前の1993年に、ときの官房長官だった河野洋平が、「当時の軍の関与の下で」、「多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題」であるなどとするデタラメな談話を発表したことでも知られていますが、問題はそれだけではありません。
宮澤喜一本人が竹下内閣で副総理兼蔵相として消費税の導入に尽力したことでも知られる、いわば日本の「失われた30年」の原因を作った張本人のひとりである、というのが当ウェブサイトなりの宮澤喜一の評価です。
その宮澤喜一のことを、岸田文雄・現首相はつい先日、こんなふうに評しました。
「私の故郷、広島の先輩であり、私の属する政治集団『宏池会』の先輩リーダーである、宮澤喜一元総理は、『冷戦後の時代』について、日本の国会での演説で『新しい世界平和の秩序を構築する時代の始まりと認識したい』と述べました。宮澤元総理は、我が国が安全保障分野で国際的に一層の役割を果たすことが求められている現実を直視し、大変な議論の末に、PKO協力法を成立させ、同法に基づき自衛隊をカンボジアに派遣しました」。
この発言、驚くことなかれ、シンガポールで開かれた「シャングリラ・ダイアローグ」での一節です。
シャングリラ・ダイアローグ(アジア安全保障会議)における岸田総理基調講演
―――2022年6月10日付 首相官邸HPより
シンガポールの著名な会合で、しかも世界各国の目が集まっているなかで、「宏池会」という「派閥」の名前を出してくるあたり、なかなかに強烈です。「コーチカイ」、などと言われても、世界の人々は頭の中に「なんですか?政党の名前ですか?」といった疑問符を思い浮かべるのは間違いありません。
岸田ビジョン5つのうち4つは前任者の丸パクリ
しかも、文字起こししたら岸田首相が提示した「岸田ビジョン」というものが、これまた滑稽です。
平和のための岸田ビジョン
- ルールに基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化、とくに「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の新たな展開
- 安全保障の強化、とくに日本の防衛力の抜本的強化と日米同盟・有志国との安全保障協力の強化を車の両輪として進めること
- 「核兵器のない世界」に向けた現実的な取組の推進
- 国連安保理改革を始めとした国連の機能強化
- 経済安全保障など新しい分野での国際的な連携の強化
…。
このうち1と2については、麻生太郎総理が過去に提唱した「自由と繁栄の弧」構想を下敷きに、安倍晋三総理が完成させてドナルド・J・トランプ米大統領(当時)と共有するに至った「自由で開かれたインド太平洋」構想をそのまま下敷きにしています。
また、4については過去からの日本の悲願であり、5については安倍総理や「叩き上げの仕事師」である菅義偉総理の仕事をそのまま引き継いだものです。つまり、この5つのうち4つまでは前任者の丸パクリ、というわけであり、岸田首相のオリジナルといえば、3くらいなものではないでしょうか。
岸田政権に対し「具体的な政策がほとんど動いていない」
こうしたなか、日経ビジネス編集委員の安藤毅氏も、昨日の『国民負担増論議は参院選後に先送り 問われる岸田首相の「決める力」』という記事で、岸田政権を巡って次のように指摘しています。
「岸田政権に対しては与野党議員や霞が関の経済官庁幹部、経済界などから『具体的な政策がほとんど動いていない』といった批判的な意見を聞くことが少なくない」。
与野党議員やメディア人、経済人などもそう感じるくらいなのですから、私たち一般人のなかに、「そんな首相で大丈夫か」、と不安視する意見があっても不思議ではありません。
ことに、参院選後には消費税を巡り、減税どころか再増税を目論んでいるのではないかとの疑念もありますし、「骨太の方針2022」に明記された防衛力の抜本的強化という方針も反故にするのではないか、原発再稼働も決断できずに先送りになるのではないか、といった疑念もあります。
さらには、外交や防衛に関しても、中国を相手に台湾海峡危機を抑止するためにどこまで強く対処できるのか、といった論点に加え、日韓諸懸案を巡ってもまたしても韓国に一方的に譲歩してしまうのではないか、といった懸念もないわけではありません。
最新の鈴置論考
鈴置氏「韓国は『キシダ』を騙そうとする」
こうしたなか、日韓関係に関していえば、大変うれしいことに、日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏が昨日、ウェブ評論サイト『デイリー新潮』にこんな論考を寄稿しています。
尹錫悦は「シャングリラ」で従中の馬脚を現した 後は「キシダ」を騙すだけ
アジア安全保障会議(シャングリラ会合)で尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の米中二股外交が鮮明になった。『韓国民主政治の自壊』(新潮新書)を上梓した韓国観察者の鈴置高史氏が新政権の「親米従中」を読み解く<<…続きを読む>>
―――2022/06/14付 デイリー新潮より
このタイトルと短いリード文のなかに、さりげなく、重要な情報がいくつもまぎれています。ひとつは、『韓国民主政治の自壊』という新刊書の情報です。発売予定日は17日とのことですが、今から楽しみでなりません。
また、記事タイトルにある「キシダ」というのも意味深です。なぜかここだけわざわざカタカナ表記になっているからです。裏読みすれば「キシダなら騙せる」、といったことを韓国が考えている、という意味でしょうか。
リンク先記事は全部で6000文字少々、ウェブページ換算で4ページの論考ですが、正直、「本物のプロフェッショナル」が書いたらこうなる、と痛感させられる記事です。表層的な報道を手掛かりにしつつ、そこから一気に深いところまで抉り取る手法は、なかなか真似できません。
おそらく朝鮮半島問題に関心がある方にとっては、「6000文字」という分量の負担をまったく感じることなく、あっという間に引っ込まれ、あっという間に読了し、むしろ物足りなさを感じることは間違いありません。
ただ、リンク先はべつに会員限定記事などではないため、ここでは全文を引用することはしません。是非、直接読んでいただきたいと思います。
米国への擦り寄り失敗⇒卑日、といういつものパターン
それよりも本稿では、いつもどおり、鈴置論考の「流れ」を読んでみたいと思います。
今回の論考でも鈴置氏は、「日韓関係」と「米韓関係」、「中韓関係」を関連付けて、「韓国は米中またさき状態となり、米国に対してはそれをごまかすために『日本』を持ち出す」、という予想を立てます。鈴置氏の怖いところは、こうした嫌な予想を過去にかなり当ててきた実績の持ち主だ、という点でしょう。
そもそも尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権発足時には、日本国内では「5年ぶりの保守政権だ」、「日韓関係を『改善』するチャンスだ」、といった主張だけでなく、「日韓関係を『改善』しなければ米国から怒られる」、などとさかんに煽っている人たちもいました。
鈴置氏はこうした議論に対し、「韓国は韓国だ」と冷や水をぶっかけたのです。
たとえば日米韓3ヵ国軍事訓練を巡っても、さっそく、韓国政府側は中国に対して言い訳を始めただの、米国が主導する「インド太平洋経済フレームワーク」(IPEF)を巡っても、韓国が「中国におべっか」を使い始めただのといった情報が、客観的な証拠付きでこれでもかと出てきます。
「米国に命じられて反中的な動きに加わっても、中国に対しては『米国の言いなりにはなりません』と揉み手する。韓国は保守の尹錫悦政権になろうと、文在寅政権の『反米従中』から『親米従中』に変わっただけなのです」。
まさに、言い得て妙でしょう。
こうしたなか、岸田政権との関係で注目しておかねばならないのは、『「親米」で失点なら「卑日」』の一節です。
「――コアな支持層から不興を買った尹錫悦政権の外交担当者はどう対応するのでしょうか?
鈴置:対日外交で得点を上げ『対米』の失点をカバーする、という手があります。岸田文雄政権に歴史問題で謝罪させるのです。『卑日』政策は一般の国民も喝采を叫ぶでしょうし、外交関係者ら『プロ筋』からも大いに評価されます」。
本当に、嫌な記述です。私たち日本人は、またしてもあの「卑日」――日本を貶める行動――とお付き合いしなければならないからです。本当に困ったことです。
謝罪利権の復活を目指す韓国
ただ、ここで韓国にとってのネックになるのが、安倍総理が政治的なリソースを費やして成し遂げた「日韓慰安婦合意」です。鈴置氏は2015年の日韓慰安婦合意について、こう述べます。
「韓国は『政権が変わるたびに日本に謝罪させる』という利権を失ってしまったからです。国交正常化以来、韓国の外交官は謝罪させることで優位に立って対日外交を進めてきたのに、2015年の慰安婦合意でその武器を安倍晋三政権に取り上げられてしまった。外交関係者とすれば当然、尹錫悦政権に取り戻させたい」。
裏を返していえば、自称元慰安婦問題で「新・慰安婦合意」を取り交わすことができれば、あるいは自称元徴用工問題で「韓国政府による代位弁済案」を呑ませることができれば、そこを手掛かりにして2015年以前の「謝罪利権」を取り戻すことができる、と韓国側が考えている、ということでもあるのでしょう。
とくに、次期駐日大使に抜擢された尹徳敏(いん・とくびん)氏の「問題に対する責任がある日本」「『お金ですべての問題が終わった』というような認識」などの発言(『「知日派」駐日大使就任でも日韓関係が変わらない理由』等参照)に関しては、今回の鈴置論考でも取り上げられています。
「問題の責任は『カネですべての問題が終わった』と考える日本にある」尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権下で次期駐日大使に「知日派」の尹徳敏(いん・とくびん)氏が抜擢されたそうです。ただ、ここでいう「知日派」とは、「日本を知る人」、という意味ではなさそうです。というのも、尹徳敏氏自身、「問題に対する責任がある日本側で、その後『お金ですべての問題が終わった』というような発言が出てきたことから世論が大きく悪化して状況が変わった」と発言したことでも知られるからです。日韓関係「改善」論のその後そろそろ1ヵ月... 「知日派」駐日大使就任でも日韓関係が変わらない理由 - 新宿会計士の政治経済評論 |
そのうえで鈴置氏は、「謝罪の打ち出の小槌」」として、こう述べるのです。
「この記事の見出しにある『代わりに弁済』も韓国が仕掛けた罠です。自称・徴用工に対する『韓国政府の代位弁済』というスキームに日本政府が同意すれば、『植民地支配は不当だったと日本が認めた』証拠に仕立てる作戦です」。
「――日本はまた謝罪するのでしょうか?
鈴置:それを狙い韓国は『共同宣言の罠』も仕掛けています。尹錫悦政権はしきりに『1998年の日韓共同宣言の精神で関係改善を図ろう』と持ちかけてきます」。
これらのくだり、可能ならばすべての自民党議員、あるいは少なくとも外交部会に所属する議員のみなさんに、是非とも熟読していただきたいと思います。
「――そんな見え透いた罠に日本が引っかかるのでしょうか?」
そんな見え透いた罠を見抜けないような者が、よもや首相や外相を務めているとは思いたくないところですし、鈴置氏も記事をこう締めくくります。
「米国は韓国には冷ややかに対応していくでしょう。日本もそれに合わせ、韓国に過剰な期待を抱かず、冷静に応じていけばいいだけなのですが……」。
まったく同感です。
そもそも岸田首相自身が2015年の慰安婦合意の当事者でもありますし、同じ2015年には世界遺産登録の件でも韓国に騙されている人物です。「二度ある」ことを「三度ある」にするのも、「三度目の正直」にするのも、すべては岸田首相次第でしょう。
自民党は派閥政治
ただし、ここから先は当ウェブサイトの考えですが、岸田政権を巡っては、一方的に不安視すべきではありません。
岸田首相は、良い意味でも悪い意味でも、典型的な「日本型の首相」だからです。むしろ「強いリーダー」タイプの安倍総理や菅総理の方が、日本の歴代総理のなかでは例外的な存在ではないでしょうか。
そもそも岸田首相の出身母体である宏池会自体、現在の自民党内では少数派閥です。
『吉川議員の離党にともない衆院第5派に転落した岸田派』や昨日の『吉川赳議員の離党問題が岸田派の弱体化につながる理由』でも議論しましたが、宏池会には「比例ゾンビ」が吉川氏を除いて7人も在籍していますし、所属衆議院議員数ではすでに第5勢力に転落しています。
自民党は派閥政治だといわれています。吉川赳・衆議院議員が先日、自民党を離党したことに伴い、岸田派は衆議院では第5派閥に転落してしまいました。ただ、吉川議員は過去に4回も細野豪志氏に選挙区で敗北したといういわくつきの人物でもあります。吉川氏の離党は岸田派にとって悲喜こもごも、といったところですが、少なくとも首相の足元の地盤は心もとない状況が続きそうです。数字で読む自民党の派閥・続き先日の『【数字で読む自民党の派閥】衆院比例議員の派閥別割合』などでも報告したとおり、著者自身は現在、参院選に向け、... 吉川議員の離党にともない衆院第5派に転落した岸田派 - 新宿会計士の政治経済評論 |
こうした状況は、他派閥にとっては政権運営に影響を与えることが比較的容易である、ということを意味しています。
たとえば外交に関しては「宏池会ナンバーツー」(?)とされる林芳正外相が担っていますが、自民党の外交部会は外務省に批判的な言動が多いことでも知られる佐藤正久氏『佐藤正久氏、韓国に「2度も3度も騙されてたまるか」』等参照)が会長を務めているという事実を忘れてはなりません。
今こそ国会議員の皆さんに読んでほしい優れた鈴置論考「岸田首相が韓国に2度も3度も騙されてたまるか」。これは、佐藤正久外交部会長が昨日発信したツイートに含まれていた表現です。「岸田首相が韓国に2度騙された」という表現、韓国観察者・鈴置高史氏が昨年10月18日付で公表した論考を思い出します。もしかして佐藤氏は鈴置論考をお読みになっているのでしょうか?そして岸田首相は今度こそ本当に騙されないのでしょうか?2022/05/12 14:30追記本文中の誤植等について修正したところ、読者コメントが消えてしまいました。現在、... 佐藤正久氏、韓国に「2度も3度も騙されてたまるか」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
たとえば日韓関係において、日本政府が「謝罪外交」を復活させようものなら、佐藤氏は先日の「竹島近海不法調査」のときのように、外務省担当者を部会に呼びつけ、強く圧迫する(『韓国EEZ無許可調査に「竹島スワップ」活用しては?』等参照)であろうことは想像に難くありません。
韓国の国営企業が日本のEEZ内で無許可の海洋調査を行った疑いがもたれている件について、続報が出てきました。外務省が自民党の外交部会でこれについて報告したのだそうです。これに対し佐藤正久外交部会長が「韓国の説明に対して『はい、わかりました』と追加確認をしないのは問題だ。あまりにも人が良すぎる」と述べるなど、外務省を強く批判したようですが…。例のEEZ無許可調査疑惑をめぐる続報韓国の国営企業が日本の排他的経済水域(EEZ)内で日本の許可を得ずに海洋調査を行った疑いがもたれている、とする話題について... 韓国EEZ無許可調査に「竹島スワップ」活用しては? - 新宿会計士の政治経済評論 |
さらにいえば、早ければ参院選後にも行われるであろう内閣改造では、自民党内の派閥力学のバランス上、林氏が外相に留任できるかどうかは気になります。やや希望的観測ではありますが、安倍派あたりが外相ポストを「明け渡せ」と要求してくる可能性は十分にあると考えているからです。
というよりも、「親中派」などと疑念を持たれている人物を、さすがにいつまでも外相に据えていること自体、自民党自身が看過するのでしょうか?結局のところ、鈴置論考に示されている、「謝罪利権の復活」という「嫌なシナリオ」を実現させずに阻止できるかどうかは、内閣の布陣によるところも大きいように思えてなりません。
こうした点も、注意深く観察する価値はありそうです。
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鈴置高史氏の論説は今回も切れ味がよかったです。
お急ぎのかたは記事最終段落付近だけを先に読み込み、結論に至る状況分析の数々は後で時間のある時に読んで構わないと思います。
「キシダ」が韓国にまんまと騙されるとしたら、それは我々国民世論の大多数が「韓国とは距離を置くべき」と考えているという状態を突き崩された時ではなかろうか。最近のマスコミ論調は硬軟織り交ぜての世論工作に熱心なようだ、
硬「北朝鮮のミサイル多発に対し、ユン政権は強硬姿勢のようなので、ここは日本も関係改善して協力すべきでは?」
軟「韓国では日本製品や日本旅行が大人気!向こうの態度が軟化しているようなので、こちらも答えるべきでは?」
こうして少しずつ国民世論が懐柔され、対韓冷遇派が多数ではなくなったときに政治家の心のブレーキは外れてしまうかも知れない。
大学1年の時サークルの先輩がこう言い放ったのをよく覚えています。
「あいつの仕事はテバサキや」
やったフリをする、仕事が出来たフリをする同学年のやりくちを、翼の先っぽの羽根でちょいちょいと撫でて取り繕って見せているだけの「手羽先仕事」だと揶揄しているのです。
「落第しなかったらそれでOK」
現首相のゴール設定に見られる志の低さ、数々のパクリ、言い換えは、手羽先なやりくちと見事に整合していると思います。
役人がこさえた台本で四苦八苦しながら答弁している姿を見ると不安を感じざるを得ません。
あとでひっくり返す前提の薄っぺらな対策案を持って当座の手打ちを計りに来るはずです。
国民コンセンサスを形成した上で行動で示してもらわない限り応じてはなりません。
言葉だけの空約束で安易な合意は許されません。
勝手に動いてるらしき2Fへの対応や、米国への根回ししっかりできてるでしょうか?
自民は党として協力、監視していただきたいです。
今のところ、岸田首相は、対韓外交をうまくやっていると評価しております。①大統領当選時に電話で祝意を伝え②手ぶらで来た”政策協議団”なるものにも面会しますが、徴用工問題について進展がなさそうと見ると①首脳会談には応じない②その準備会合と考えられる外相会談にも応じないなど、硬軟取り混ぜた対応を行っております。これを受けて、ユンソンニョル政権は、何らかの対案を取りまとめなければならないのですが、はてさて可能ですかね。保守系マスコミを使った韓国民の”教育”はまだ道途上で、韓国民の考える落しどころと、日本が”検討可能”な案との乖離は余りにも大きすぎると思います。日本としては、「日本が合意違反・協定破りを咎めたてする」「韓国がそのことを負担に感じる」状況が、長期間続くことは、望ましい状況なので、これはこれで良いのですが。
国家間合意に反しているではないかと指摘された際、まともな政府であれば、取り得る対処は以下の2つのいずれか以外にはありえないはずです。
1. 合意に反していないことを論証する。少なくとも、試みる。
2. 合意に反していることを認め、開き直る。
普通に考えれば、1は常套手段であり、まずはここから手を付けるでしょう。また、歴史に鑑みれば、二国間合意や条約などが破棄された例はたくさんありますし、関係の決定的な悪化、場合によっては戦争になっても構わないという覚悟があれば、2も取り得る選択ではあります。
しかし、韓国政府は1も2も選択せず、懸命に話を逸らしたり、すり替えようと試みるばかりで、きちんと向き合おうとはしません。この一点だけを取り上げても、韓国政府が「まとも」には程遠いことが明らかと思います。そして、「まとも」でない相手とまともな交渉を試みても、時間と手間の無駄にしかなりません。
とは言え、「無駄」もまた外交の内であると思いますし、韓国政府がどれほど「まとも」でなかろうと、残念ながら消え去ってはくれそうもない以上、日本としては「そーゆー国」だと思って相手せざるを得ません。また、外交の場においては、他国の目というのも気にしなければならないので、対話すら拒絶するというのも、必ずしも得策とは限りません。その意味では、韓国から何か言ってきたら、とりあえず話だけは聞いてやる、その上で「まずは約束を守ろうね。話はそれからだ」とだけ返すのが一番明快だと思います。
現状、ボールは全て韓国側にあります。日本としては、さしあたり外交儀礼には反しないというだけの対応で十分でしょう。実際、それ以上の対応はしようがありませんし。
龍さま
ご返信ありがとうございます。ご主旨には全面的に賛同します。そのうえで、現状の捻じれた日韓関係が生じた主な要因を(韓国の特殊性に求めることも可能ですが)、日本人の戦前の韓半島植民地支配への”過度な”贖罪意識(これも結構特殊だと思います)と、それを背景とした韓国人の理由のない優越意識(もめれば日本が譲るのが当然)にあると、考えています。「日本が咎め立てし、韓国がそのことを負担に感じる」状況が長く続けば、両国民の前記の感覚も薄れていかないかな、と期待しております。日韓関係が、本当に改善に向かうとしたら(永遠に向かないかもしれない)、それからではないでしょうか。
岸田ビジョンは前任者の丸パクリというのは決して悪いばかりではないと思います。
前任者の方針を受け継ぎつつ少しずつオリジナリティを出す方が連続性がある政権運営につながるので安心感があります。
某半島の政権交代や本邦における民主党政権成立直後を見ていただけば、前任者の路線の否定のデメリットの大きさは理解いただけるかと思います。
早く岸田政権でなくて、せめて岸政権になって欲しい。Z省の手先のパパ活派閥は必要ない。某国のハニトラより悪い。
気分は黒田長政公の家臣 様
憲政史上二組目の兄弟宰相も悪くないでしょうね。
一組目が祖父と大叔父でしたから。
輸出管理うんぬんするなら
その根本に立ち返って
ムン政権下で行われた不法なセドリ横流しを追求すべきでしょう
それは検察の仕事でありユン政権の後押しにもなるはずです
なぜそれを行わないのか?
んー、また眠れなくなっちゃう
「一番良い首相を頼む。」
「あいつは人の話を聞かないからな」
大丈夫だ、問題ない。
鈴置氏の論評で「従中の馬脚が…」とありますが、
馬脚ではありません。
南国はどの政権も従中であるからです。
「文大統領みたいなもの」から「尹大統領みたいなもの」に
変りましたが、仮面が変っただけの事です。
(中身はみんな一緒)
ただ、「南国大統領みたいなもの」になると、日本が謝罪するという
南国人の間で最も嬉しい事象を作りだせる事が魅力的であり、
その事象を俺が作り出したとイバレルのです。