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不信任案ダブル否決で立憲・泉代表の進退はどうなる?

不信任案否決は「泉健太氏に対する不信任」でもあるのかもしれない

このままだと泉健太氏は、早晩、立憲民主党の代表を辞任しなければならなくなるかもしれません。そうであるならば、いっそのこといま身を引くというのも手ではないでしょうか。何の話かといえば、昨日、立憲民主党が提出した2つの不信任案を巡り、野党にも支持が広がらずに無様に否決された、という話題です。将来の再起に備えて泉氏が身を引き、代わってフレッシュな誰かがイメージ戦略を担えば良いのではないでしょうか。ついでにその新党首が参院選で落選すれば、かつての海江田万里氏のように「いとをかし」、といったところでしょう。

筋が悪すぎた不信任案

昨日は立憲民主党が提出した内閣不信任案、議長不信任案がいずれも否決されるという珍事がありました。

内閣・議長不信任案を否決 与党反対、立民に同調広がらず―衆院

―――2022年06月09日18時56分付 時事通信より

時事通信によると、不信任案に賛成したのは統一会派を組む立憲民主党と社民党の2党に加え、同調した日本共産党に留まったそうであり、議長不信任案は自公が、内閣不信任案については日本維新の会、国民民主党が反対したのだそうです。

これを受けて岸田文雄首相は官邸で「信任をいただいた」、「引き続き責任を果たし、期待に応えていきたい」などと述べたそうですが、今回の不信任案はさすがに筋が悪すぎたようです。

そもそも細田博之衆院議長に対する不信任決議案の理由のひとつには、週刊誌が報じた「女性へのセクハラ疑惑」を巡って「説明責任を果たしていない」というものが含まれていますが、これもめちゃくちゃです。「やっていないというのならやっていない証拠を出せ」、などと要求しているようなものだからです。

この「疑われたら疑われている方が無実の証拠を出せ」という論法、俗に「悪魔の証明」とも呼ばれており、立憲民主党の前身の民進党が2017年ごろから「もりかけ問題」で好んで使ったものです(※ちなみにこの「もりかけ問題」の結果が、立憲民主党を筆頭とする現在の野党のていたらくではないでしょうか?)。

また、「週刊誌で疑惑が報じられたなら、疑われている方が無実の証拠を出せ」、という議論が罷り通るのならば、立憲民主党こそ、報じられた「脱糞疑惑」に対する説明責任を果たしていません(『立憲民主党は「高級焼肉店脱糞疑惑」で説明責任果たせ』等参照)。

これまで品位を保とうとして、なんとか記述を誤魔化してきましたが、もう諦めます。「立憲民主党脱糞疑惑」を巡っては、さすがにその「行為そのもの」を記述しないわけにはいかないからです。本稿では昨日も議論した「例の問題」を巡って、改めて論点を整理するとともに、普段の立憲民主党の態度に照らすなら、本件を巡っても同党が説明責任を果たさねばならないとする点について確認してみたいと思います。品位を保つのを許してくれない立憲民主党当ウェブサイトでは「読んでくださった方々の知的好奇心を刺激すること」を目的にして...
立憲民主党は「高級焼肉店脱糞疑惑」で説明責任果たせ - 新宿会計士の政治経済評論

まさに、大変に強烈なブーメランでしょう。

泉健太氏の進退問題

さらに、内閣不信任案に至っては、同じ野党の立場にあるはずの日本維新の会や国民民主党が反対に回ったという事実については、泉健太代表は重く受け止めた方が良いかもしれません。野党を束ねることにすら失敗したからです。

正直、「議長と内閣への不信任案が否決された」というよりはむしろ、「泉健太代表、そして立憲民主党そのものへの不信任案が可決された」ようなものに思えてなりません。

そして、ここまでの醜態をさらしたのであれば、泉健太氏はいま、このタイミングで身を引いた方が良いかもしれません。

このままの情勢だと、立憲民主党は参院選で大敗するかもしれません(※ただし、『和田政宗議員、「岩盤支持層の離反で自民苦戦」を予想』でも述べたとおり、実際に自民党の和田政宗参議院議員は「自民党は苦戦する」との危機感を示していますが…)。

和田政宗参議院議員がウェブ評論サイト『月刊Hanadaプラス』で、参院選に向けて危機感を示しました。これまで自民党に票を投じてきた「岩盤層」20%のうち、すでに10%弱が自民党から離反した可能性がある、というのです。もしこれが事実なら、メディアの世論調査では見えてこない動きがある、ということであり、自民党が議席を激減させる可能性があるだけでなく、「参政党」や「新党くにもり」といった新興保守政党にも勝機が見えてくる、ということでもあります。岸田首相「高支持率」「何もしていない岸田首相が高支持率」の謎先日...
和田政宗議員、「岩盤支持層の離反で自民苦戦」を予想 - 新宿会計士の政治経済評論

そして、参院選で大敗すれば、おそらくかなりの確率で泉健太氏の責任問題が浮上するでしょう(あるいは立憲民主党自体が再分裂するかもしれませんが…)。

そうであるならば、いっそのこといま代表を辞任すれば、いちおう、参院選大敗(?)の責任を取らされることはありません(多分)。泉氏はまだ40代と若く、今はいったん身を引くことで、「将来の再起に賭ける」こともできるかもしれないからです(あまり再起してほしくはありませんが…)。

新党首落選なら「いとをかし」

また、立憲民主党も新代表の方がフレッシュな感じがして良いかもしれません。どうせ中味がスッカラカンなのですから、イメージで売るという意味では、いっそのこと、たとえばSさんやKさん、Aさんあたりが次期党首、といったあたりで参院選を戦う、というのも「いとをかし」、でしょう。

もっとも、下手な人を次期代表に据えてしまうと、「党首自身が選挙で落選する」という、かつての海江田万里氏のような椿事が発生するかもしれません。そうなったらそうなったで、さらに「いとをかし」、といったところでしょう。

新宿会計士:

View Comments (10)

  • 今までも「絶対に成立しないだろ」と言われながら提出した不信任案を出したことがちょくちょくあるから
    野党の平常運転

  • 何にせよ、早く世代交代を進めて、
    民主党政権の残滓を無くさないと終わると思いますけど。

  • SとかKとかAとか言われても
    全く誰だかわからないですね
    人材払底極まれり

  • 泉さんは代表選の時に、
    「他社の製品をいくら批判しても自社の製品が売れることにはならない」とか言っていたので、
    少しは立憲さんが変わるかも、と思っていたんですが、結局同じでしたね。
    「内閣不信任案」は既に「伝統行事」なので中止できないんでしょうけど。

  • 泉がここでやめたところで、意気揚々としゃしゃり出てくるのは小川淳也だと思う。
    枝野らは参院選で泉が失脚したところで辻元辺りを挿げ替え要因にしそう。ただこれはあくまで辻元が参院選で当選したらの場合だが。
    辻元が落ちたら枝野・陳体制復活かも知れないけど。

  • >将来の再起に備えて泉氏が身を引き、代わってフレッシュな誰かがイメージ戦略を担えば良いのではないでしょうか。
     と言われても、今取りざたされている次の党首候補は、蓮舫と辻元のツートップ体制ですからね(片方は、現国会議員ですらない)。国会における野党質問が吉本喜劇のレベルに墜ちることは、間違いないでしょう(失礼しました。ただ今の記述は、吉本興業に対して、余りに失礼でした)。個人的には、この二人が笑い物になるのは愉快至極ですが、日本の政治にとっては不幸としか言えません。