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「まさかの衆参同日選」なら立憲民主党はどうなる?

かりに現在、「衆参同日選」に持ち込まれた場合、野党はどうなってしまうのでしょうか。報道等によると、現在、立憲民主党は衆院議長の不信任案に加え、内閣不信任案についても提出の準備をしている、などとされているようです。岸田首相にとって今無理やり衆院を解散するインセンティブはありませんが、「もしも」の議論として、衆参同日選がなされればどうなるかについて考えるのは知的好奇心を刺激されます。

結局、議長不信任案については提出するようです。

産経ニュースによると、立憲民主党の馬淵澄夫国対委員長は7日、国会内で記者団に対し、8日夕方から9日朝を目途として、細田博之衆院議長に対する議長不信任決議案を準備していると明らかにしたそうです。

議長不信任案「8日夕か9日朝にも」 立民・馬淵氏

―――2022/6/7 16:13付 産経ニュースより

馬淵氏はこの不信任案について、細田氏の議員定数を巡る一連の発言に加え、『週刊文春』が報じたセクハラ疑惑についても「公の場での説明を強く求めてきたが、全く対応いただいていない」ことなどを理由として挙げたのだそうです。

『文春オンライン』が報じた立憲民主党関係者の脱糞疑惑について全く説明責任を果たしていない(『立憲民主党は「高級焼肉店脱糞疑惑」で説明責任果たせ』等参照)政党が、「週刊誌が報じた疑惑の説明責任を果たしていない」などと述べていること自体、大変に強烈なブーメランでもあります。

これまで品位を保とうとして、なんとか記述を誤魔化してきましたが、もう諦めます。「立憲民主党脱糞疑惑」を巡っては、さすがにその「行為そのもの」を記述しないわけにはいかないからです。本稿では昨日も議論した「例の問題」を巡って、改めて論点を整理するとともに、普段の立憲民主党の態度に照らすなら、本件を巡っても同党が説明責任を果たさねばならないとする点について確認してみたいと思います。品位を保つのを許してくれない立憲民主党当ウェブサイトでは「読んでくださった方々の知的好奇心を刺激すること」を目的にして...
立憲民主党は「高級焼肉店脱糞疑惑」で説明責任果たせ - 新宿会計士の政治経済評論

ただ、問題はそれだけではありません。

立憲民主党のたんなる「見せ場作りのパフォーマンス」のために、通常国会の会期末を控えて重要法案の処理にも遅延が予想されるなど、国民生活にも大きな影響が生じかねないのです。

また、常識的に考えて議長不信任案を提出するなら、内閣不信任案についても提出される可能性は相応にあると思われますが、これに関連し、同じく産経ニュースには、こんな記事が出ていました。

「解散起こり得る」 内閣不信任案で立民を牽制 自民・福田氏

―――2022/6/7 12:51付 産経ニュースより

産経によると自民党の福田達夫総務会長は7日の記者会見で、立憲民主党の内閣不信任案を巡り、次のように発言したそうです。

解散の大権を持っているのは首相だが、そのこと(衆院解散)が反対作用として起こり得ることを理解した上で使うのが、議会人として当然のことだ」。

もちろん、これは(産経によれば)立憲民主党などの動きを「牽制」したものだそうですが、与党の総務会長という立場で「衆院解散」に言及するという微妙さはさておき、もしも本当に岸田首相が衆院を解散したらどうなるか、といった点については、少し気になるところです。

もちろん、衆参両院選ともなれば、自民・公明を含めて多くの衆議院議員は選挙準備もできていないでしょう。

ただ、各メディアの世論調査で岸田首相の支持率が高止まりしていることに加え、今回の参院選で野党の苦戦が予想されるなかで衆参同日選に持ち込めば、岸田首相としては、かなりの権力基盤を手にすることができるかもしれません。

あるいは立憲民主党自体が壊滅的な打撃を被り、場合によっては日本維新の会に「最大野党」の座を明け渡す、といった展開もあり得るかもしれません。

もちろん、岸田首相にとっては現段階で衆院解散に踏み切るインセンティブなどありませんし、公明党との関係でそれも難しいでしょうが、衆参同日選の結果を想像するのは、ひとつの「知的ゲーム」としては興味深いかもしれません。

新宿会計士:

View Comments (13)

  • 衆参W選挙という事になれば、脱糞民主党構成員の面々は恐怖のあまりあちこちで所構わず脱糞することになるでしょうねw
    括約筋がその役目を果たせなくなるでしょう。

  • 内閣不信任案への対応として
    解散総選挙は普通にある話なわけで
    やっでもらいたいものだ

  • 茂木や林を内閣や党役職から放逐するならぜひ解散していただきたい
    岸田氏自身は毒になるような域にすら達してないと思うので周りが変われば多少良くなるのではと思う

  • 理想形は解散にびびって内閣不信任を出せないパターンでしょうね。なんらリスクを負わず立憲の戦略を封じられる。

    もし、びびらず不信任案を出して来たら解散で受けて立てばいいのです。憲法改正を実現するにもさらなる議席増は必要ですし。

    結果的に自民党に大きなスキャンダルもなく選挙戦に突入しそうで、もうこの段階で立憲に勝ち目はないように思います。

    予想ですけど、そこそこ評価される国民民主党へ立憲から鞍替えする議員が続出しそうです。これは同日戦が実現した場合ですけど。一気に立憲は完全消失までいっちゃうかも知れません。

  • 2,3か月前から、愛知2区においては、中川代議士(自民)と古川代議士(国民)とが、ポスターの貼付合戦を繰り広げています。衆議院議員選挙が終わって1年もたっていないのに。これは、衆参同時選挙があることが、政界での周知事項なのかもしれない。
    個人的には、立民の凋落よりも、公明党の議席減を望みたい。公明との連立解消で、自民のみでの安定多数が、理想。

  • 岸田自民党も支持はできないのですが、それ以外の野党はもっと心もとなく選択に本当に迷います。中でもマシに見える国民民主党も連合の紐付きで、実行力は疑問符がつきます。立憲民主はそもそも選挙互助的にできた政党で、理念というのは二の次のいい加減な政党です。

    これも組織としてはわからない部分もありますが、参政党や新党くにもりは主張を見ると、保守層の受け皿になるのでは、と注目しています。組織をまとめるリーダーとしての資質はわかりませんが、参政党代表の神谷さんの演説は動画で見ましたが、なかなかのものでした。

    既存政党や政治家では打破できない現状ですからね。ありかなと思っています。

  • 現在の自民は柔軟で強靭な力を持つ。

    ・何もしない岸田は左派から批判されず支持率が高い
    ・適度に発言を繰り返す安部により保守層を抑える
    ・党運営は麻生-茂木ラインで行い連合を自陣に組み入れる

    このように大変に理想的な状況といえる。

    対して左派マスコミ、野党は深刻なジレンマに陥っている。

    ・岸田を批判しないと自分たちが没落する
    ・かといって岸田を批判すれば次に高市が出てくる

    このジレンマの中で「左派」自体が著しく衰退している。
    最近のゲンダイの記事はそのあたりの悔しさが滲み出ているようだ。

    今の野党はバッラバラの乱立状態。

    自民は「国防と安全保障」を掲げるだけでよい。
    後は自民、公明の組織力だけで衆参ダブル選挙で圧勝できる。

    ここまでくるともはや野党による政権交代など不可能だろう。
    かつてのような野党の復元力、推進力はもはや消え失せた。
    左派マスコミ、野党もそれを認識していると思われる。

    岸田首相により自民1強による「ガリバー型寡占体制」が確立した。
    それは自民の分裂でもない限り永続していく。

    私はこれがベストなどと言うつもりはさらさらない。
    日本の最大の不幸は「現実野党」がないことに尽きる。

  • >もしも本当に岸田首相が衆院を解散したらどうなるか、

    立憲は最近ネタに走りすぎてるんで総選挙はキツイでしょうね。
    選挙は参院選単独でしょう。

    参院選、投票率が低くなりそうな予感。
    低投票率がどう影響するか。
    キッシーはそこそこ勝利を得ると思いますが。

  • 「やってるぞパフォーマンスで 不信任案を提出したら ほんとに解散されてしまった」ということになるのでしょう。
    崖の先端で飛び跳ねるようなものです。
    じっとしてれば 転がり落ちないのに。

  • QBK(急にボールが来たので)ならぬ、
    QKS(急に解散されちゃった)で、大慌てする脱○民主党の右往左往っぷりを見てみたいというのは意地悪ですかね。

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