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日韓関係巡る次期駐日大使内定者のお話にならない認識

「尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権時代においても、日韓関係が健全な姿を取り戻すことはない」。これは、当ウェブサイトで一貫して報告している予想ですが、この予想が正しい証拠が、またひとつでてきました。次期駐日韓国大使に内定している尹徳敏(いん・とくびん)氏が、自称元徴用工問題を巡って「基金案」方式での解決を提案したのです。端的にいえば、お話になりません。

「日韓関係改善」期待が誤っている理由

世間のメディアの潮流と異なり、当ウェブサイトでは一貫して、「尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権下でも、日韓諸懸案が国際法に照らして妥当なかたちで解決されることはないだろう」、と予想してきました。

その理由はいくつかあるのですが、その最たるものは、「韓国の保守政権(※)」に過度な期待を抱くべきではない、とするものです(※なお、尹錫悦氏自身が「保守政治家」なのかどうかについては、本稿ではとりあえず脇に置くことにします。)。

韓国の多くのメディア、あるいは日本の一部メディアには、「5年ぶりに保守政権が発足したのだから、韓日(日韓)関係を巡っても進展があるに違いない」、といった論調も見られるのですが、これがそもそも事実認定を誤っているのです。

もちろん、現在の日韓間に突き刺さる諸懸案の多くが文在寅(ぶん・ざいいん)政権下で発生したものですが、そもそもこれまでの日韓関係史に照らして判断するならば、「保守政権」時代にも多くの日韓諸懸案が発生していたことを忘れてはなりません。

保守政権こそ日韓関係を壊した

恩をあだで返した李明博大統領

その最たる事例は、李明博(り・めいはく)政権時代末期の日韓関係でしょう。

2011年9月に日本で菅直人(かん・なおと)内閣が倒れ、野田佳彦内閣が発足すると、野田首相はさっそく李明博大統領(いずれも当時)との間で、それまで130億ドルだった日韓通貨スワップの規模を、一挙に5倍以上の700億ドルに増額する措置を講じました。

欧州債務危機の余波で、韓国を含めた新興市場諸国から外貨が流出するとの懸念が根強かった時期でもあったのですが、この措置のおかげか、韓国ウォンは2011年を通じて暴落することもなく、むしろ相場は安定したのです。

ただ、こうした多大な恩を、韓国はあだで返しました。

まず、同年12月には李明博大統領が訪日し、京都の迎賓館で野田首相に対し、突如として慰安婦問題を蒸し返します。続いて翌・2012年8月には、韓国が不法占拠中の日本領である島根県竹島に不法上陸し、さらには天皇陛下(現在の上皇陛下)を侮辱するような暴言を吐いたのです。

これを受けて野田首相は慌てたのでしょうか、李明博大統領に対する親書をしたためて送ったのですが、韓国側がその親書の受け取りを拒否し、なんと郵便で日本政府に送り返したのです。

「恩を仇で返す」、「日本国民から最も敬愛されている人物を侮辱する」、「親書を郵送で送り返す」。

これだけでも、大変な無礼であり、国が国なら、あるいは時代が時代なら、それだけで戦争に発展してもおかしくない出来事でした。その李明博大統領を巡っては、当時もいまも、日韓両国では「保守派の大統領」と評価されているはずです。

したがって、「保守派の大統領の時代」に、「韓国が日本に対する非礼行為をしかけてきた」という、厳然たる事例が存在する以上、「保守政権になれば日韓関係が『改善』される」といった主張には、まったく説得力などないのです。

韓国の日本に対する「二重の不法行為」

ちなみに李明博政権時代だけでなく、同じく「保守派」大統領だったはずの朴槿恵(ぼく・きんけい)政権時代にも、産経支局長刑事告訴事件、世界遺産登録妨害事件、慰安婦像新規設置事件など、多数の日韓諸懸案が持ち上がっていますので、「保守政権で日韓関係好転」は、なおさら絵空事なのです。

さて、これまでに何度となく指摘しているとおり、日韓諸懸案については、基本的には「二重の不法行為」という性格があります。それは、韓国が主張する「歴史問題」が、たいていの場合はウソ、捏造、でっち上げであるという点に加え、韓国が日本に対して要求する内容が、違法なものである、という点です。

日韓諸懸案巡る韓国の「二重の不法行為」
  1. 韓国側が主張する「被害」の多くは、(おそらくは)韓国側によるウソ、捏造のたぐいのものであり、最終的には「ウソの罪をでっち上げて日本を貶めている」のと同じである
  2. 韓国側が日本に対して要求している「謝罪」「賠償」などには、多くの場合、法的根拠がなく、何らかの国際法違反・条約違反・約束違反を伴っている

(【出所】著者作成)

このことは、自称元徴用工問題で考えると明らかでしょう。

自称元徴用工問題は、「戦時中、強制徴用された」と自称する者たち(旧朝鮮半島出身労働者、あるいは自称元徴用工)やその遺族らが、日本の「戦犯企業」に対して謝罪や損害賠償を求めている問題のことで、その中核を占めているのは、2018年10月と11月の大法院判決です。

しかし、そもそもの事実関係を調べてみると、彼らの主張する「強制徴用された」とする事実認定自体、明確な物証を欠いており、韓国の裁判所も事実認定をおざなりにしているフシがあります。この「事実認定」こそ、文明国の裁判手続においては極めて重要な要素であるにも関わらず、です。

また、百歩譲って(いや、一万歩譲って)自称元徴用工側が本当に「強制徴用」されていたと仮定しても、日韓間のあらゆる請求権の問題は、1965年の日韓請求権協定により、「完全かつ最終的に」解決されたことが確認済みです。

ということは、自称元徴用工判決のようなものを認めてしまえば、韓国社会は過去に遡っていくらでも「歴史問題」を捏造し、日本企業に対し、無限に謝罪や損害賠償を請求し続けることができてしまう、ということにもなりかねません(いや、むしろ韓国側の狙いは、そこにあるのでしょう)。

「国際法を守ること」は韓国自身のためでもあるのだが…

裏を返して言えば、韓国に進出している日本企業にとっては、ある日突然、韓国に投資した資産が没収されたり、特許権や商標権が無効になったりする可能性がある、ということであり、韓国におけるビジネス上の法的リスクが飛躍的に高まる、ということを意味します。

その意味では、自称元徴用工判決問題は日本企業にとって大きな脅威であるだけでなく、韓国が名実ともに国際社会における無法国家に化けるということを意味しており、自称元徴用工判決を放置することは、長い目で見て、決して韓国のためになりません。

ちなみに日本政府の一貫した見解は、あくまでも自称元徴用工判決自体が国際法違反であり、この国際法違反の状態を是正する責任は韓国側にある、とするものです。この見解は日本の利益を守るうえで当然のものでもあるのですが、それと同時に、この日本政府の勧告に従うことは、韓国自身のためでもあるのです。

では、保守政権になったことで、韓国がこの勧告に従うことはあるのでしょうか。

もっといえば、「保守政権になったことで、韓国が国際法を誠実に守る方向に舵を切る」という可能性はあるのでしょうか?

尹錫悦政権下の日韓関係

次期駐日大使の呆れた認識

それを予想するうえで、極めて重要な手掛かりが出てきました。その「手掛かり」は、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に今朝掲載された、こんな記事にあります。

駐日韓国大使に内政の尹徳敏氏「強制徴用、韓国政府が代わりに弁済するのも方法」

―――2022.05.27 06:56付 中央日報日本語版より

これは、「駐日大使に内定している」とされる、元国立外交院長の尹徳敏(いん・とくびん)氏(63)が26日、日本経済新聞社などが東京で主催したセミナーにリモート参加し、「強制動員問題」(※自称元徴用工問題のこと)を巡って「被害者に代位弁済する解決策」に言及した、というのです。

中央日報によると、尹徳敏氏は講演後の質疑応答の時間、「強制徴用現金化問題」への質問を受け、「個人的意見」であると断ったうえで、次のような趣旨の内容を述べたのだそうです。

  • 尹錫悦政府は韓日関係のこれ以上の悪化を放置しない
  • 判決では日本企業が強制動員被害者への賠償を命じられたが、これを韓国政府が代わりに返済する案が考えられる
  • その際、韓日請求権協定に関連した企業が自律的に参加する財団を作り、賠償を支援する方法もある
  • その財団に日本企業が参加するアイデアもある
  • 問題解決のためには日本との協力が必要で、相当な時間がかかるだろう

…。

呆れた認識です。端的にいえば、まったくお話になりません。

日本政府が求めている「韓国が国際法を守ること」の趣旨は、基本的には2018年の大法院判決を無効化にあります。しかし、尹徳敏氏の言う「代位弁済案」は、最終的には日本企業にも損害を与えるという意味において、まったく解決策になっていないのです。

自称元慰安婦問題も「日本に責任」

問題は、それだけではありません。

百歩譲って、「これっきりだから」、「絶対に追加で賠償を要求しないから」と尹錫悦政権が日本に約束するかたちで「基金案」で日韓両国が合意したとしても、早ければ次の政権で、韓国は必ずその合意を破ります。

2015年12月28日に日韓両国が取り交わした自称元慰安婦問題に関する慰安婦合意が、その典型例だからです。

ちなみに尹徳敏氏は、この自称元慰安婦問題を巡っても「遺憾の意」を示したとしつつも、2015年の慰安婦合意を巡って、こんなことを述べたようです。

問題に対する責任がある日本側で、その後『お金ですべての問題が終わった』というような発言が出てきたことから世論が大きく悪化して状況が変わった」。

この発言について中央日報は、「補償と謝罪は被害者の名誉回復と治癒のための過程の一環にすぎないのに、日本側が補償ですべてのことが終わったと考えることが問題だった」と解釈しているのですが、これもとんでもない話です。

自称元慰安婦問題自体も、先ほど述べた「ウソ、捏造による問題である」という構図に加え、「日韓請求権協定などで完全かつ最終的に決着している」はずの歴史問題を韓国が蒸し返した、という「二重の不法行為」構造を持っています。

ただし、自称元慰安婦問題に関しては、日本政府の側にも重篤な落ち度があります。

その最たるものが、1993年8月に、当時の官房長官だった河野洋平が勝手に発出した『河野談話』のなかで、「自称元慰安婦の強制連行」という歴史的事実が存在しないにも関わらず、「当時の軍の関与の下で」、あたかも強制連行などがなされていたかのように認めてしまったことです。

日本政府(とくに宮澤喜一、河野洋平、あるいは歴代の外務省の役人ら)の重篤な落ち度を勘案するならば、安倍晋三総理や官房長官だった菅義偉総理、あるいは外相だった岸田文雄・現首相らが、慰安婦合意のかたちでこの問題の決着を図ったのも、ある意味では仕方がない話だったのかもしれません。

外務省さん、アグレマンは出してしまったのですか?

こうした経緯を踏まえるならば、「問題に対する責任が日本にある」とする発言は、とうてい看過できません。

ところで、先ほど、中央日報の記事には「尹徳敏氏が駐日大使に内定している」などの記載がある、と指摘しましたが、果たして外務省は尹徳敏氏に対しアグレマンを出したのでしょうか?

このあたり、尹錫悦政権発足前の5月4日時点で韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に掲載された次の記事によれば、尹徳敏氏が駐日大使として赴任するためのアグレマンについては、「政権発足後に手続きが進められる」、などと記載されています。

韓国次期政権の駐日大使 尹徳敏・前国立外交院長が有力

―――2022.05.04 16:13付 聯合ニュース日本語版より

ただ、2015年12月の慰安婦合意をもって、日韓両国間では最終的かつ完全に解決されている自称元慰安婦問題を巡って、「責任が日本にある」などと言い放つ者にアグレマンを付与すること自体、どうにも理解に苦しむ行為です。

そういえば、外務省は姜昌一(きょう・しょういち)現駐日大使にアグレマンを付与した実績がありますが、この者は天皇陛下を「日王」などと蔑み、また、東日本大震災で日本が傷ついた直後の2011年5月には、ロシアが不法占拠中の日本領・国後島に、日本政府の許可なく不法上陸した実績も持っています。

このように考えていくと、外務省のことですから、尹徳敏氏へのアグレマンもすんなり下りてしまうのではないでしょうか。本当にやりきれないところです。

信頼関係壊したのは韓国

さて、先ほどの中央日報の記事によると、尹錫悦氏は「対し内定者としてどのような活動をしていく予定か」と質問されたところ、「失われた韓日間の信頼関係とネットワークを復元させるために全力を尽くす」、と答えたのだそうです。日韓間の信頼関係は「失われた」のではなく、「韓国が壊した」のですが…。

いずれにせよ、自称元徴用工問題を巡って「基金案」を唱え、自称元慰安婦問題を巡って「日本に責任がある」などと発言している人物が駐日大使に就任したところで、「」という事実を眺めている限りにおいては、尹錫悦政権下における対日外交がどんなものになるのか、だいたい想像がつきそうです。

新宿会計士:

View Comments (26)

  • 新任大使には活躍を願ってトクちゃんの尊称を進呈したく思います。
    問題をこじらせた挙句にぐだぐだ弥縫策をこね繰り出し、何か進展があったというと時間を無駄にしただけ、見えたのは自分のケツだけという印象がしてなりません。朝鮮半島伝統芸能を見るかのごとくです。意図不明のミサイル連射(「分かってくれよ」行動?)も、一線を越えない範囲において、同様に生暖かく見守るほかありまえsん。

  • この「事実認定」こそ、文明国の裁判手続においては極めて重要な要素であるにも関わらず、です > 

    誤った前提を基にした議論に乗る必要はありません。否、絶対に乗ってはなりません。断固とした拒絶をすべきです。一つ前のスレへのコメントにも書きましたが、彼らには余り小難しい論は通じません。ごくごくシンプルに「お前の話は前提が間違っている。自称慰安婦及び自称徴用工の証言は虚証にすぎない。従ってお前の云うことは完全に間違い、な」と云ってやればいいだけです。

    その上で「反論があるならICJ(国際司法裁判所)へGo!」と一言云ってやればいいのです。

  • >尹徳敏氏は・・・「個人的意見」

    文政権の頃にどこぞで誰かが言ってた、一時肩代わり+財団方式のコピペですがね。
    自分の脳味噌を0.1秒も使ってないと思います。

  • 徴用工問題についての尹徳敏次期駐日大使の持論は、「2+1案(韓国政府と韓国企業が財団を作って補償、道義的責任を感じる日本企業が参加、日韓の負担比率は2:8)」と聞いていたのですが、第一選択肢を変えられたようですね。韓国政府がいわゆる被害者に”代位弁済”、日韓両政府間の請求は外交交渉ということで事実上棚上げ、ですね。米韓・日韓首脳会談を経て、更なる譲歩やむなしと考えたのかな。この案で、韓国世論が持ちますかね。韓国内の世論の収まり度合、韓国政府からの正式な提案を待って、検討しましょう。
    慰安婦問題については、韓国特有の国民情緒法(国民情緒の行方が全ての正義に優先する)論ですな。国際的には「合意内容が正義」ですよ。産経新聞が報じるように、先日の日米首脳会談で、岸田首相がバイデン大統領に「あなたも副大統領の時、日韓合意に賛成したが、その後に何が起こったのか知っているではないか」と話したのが事実であれば、グッドジョブです。もはや米国が、韓国側の立場や中立的な立場で、日韓問題に介入してくることは、ないでしょう。
    このまま推移すれば、尹錫悦大統領は、米国にも日本にも行けず、公約を破らずには、どこの国にも行けなく、なります(NATO首脳会議の際に、岸田首相と面談して、訪日したことにするかもしれませんが)。いずれにせよ、現状維持で困るのは、韓国の方です。日本は、韓国からの提案を待って、検討すればよい、と思います。

  • 1965年に日本政府が朝鮮半島徴用労働者の未払賃金を直接支払う案を提示したところ、韓国政府が一括で受取り、個々に支払を行うとして合意した経緯がある。
    しかも一時期実際に支払いを行っていたことがあった。
    したがって韓国政府が支払義務を負っているのだから韓国政府が支払うのは当然のこと。日本企業の参加云々は、何とか金取ってやろうという魂胆+今まで言ってきたことのメンツ。

    • 自称元徴用工判決での請求金は未払い賃金ではなく植民地支配下での強制労働の慰謝料です。
      >韓国政府が支払義務を負っているのだから韓国政府が支払うのは当然のこと。
      それ以前の話です。

  • アグレマンは”閣議決定して天皇陛下の承認を得”る必要があるはず。

    本来、外務省は単なる手足、天皇陛下の承認は形式事項とすれば、
    すべての責任は閣僚、特に外務大臣と首相にあります。

    なので、アグレマンに関して”外務省だけ”を責めるのはどうかと思います。

    韓国の駐日大使へのアグレマンに関しては外務大臣、首相こそ責任を感じて欲しい。

    その意味で”無能な政治家”を閣僚に就ける古い自民党政治も早く淘汰されるべきと思います。

  • 韓国側から問題を起こしてくれるのはありがたいですね。

    「相変わらず韓国は条約も国際法も守れず、それを正当化する国家」

    親韓派たちはこれにどうしても言い返せず、ぐぎぎと黙るしかないのですから。
    今ではもう朝日新聞や中日新聞はおろか、神奈川新聞やゲンダイでさえ
    嫌韓を叩くのを怖がると言う事態です。リテラですら頻度が減った様な……?

    この調子で日本が韓国を切り離す準備が進んで欲しいですね。
    あまりに急だと日本企業にも被害が出てしまいますから、じわじわと確実に。

  • 着任前の大使候補者の言動に一々噛みついても意味はありません。まして、前任者......じゃなかった、一応まだ現任の大使だったっけ......のような許しがたい発言というわけでもありませんから。現時点で新大使候補者が「正しい発言」などしようものなら、韓国国内で大騒ぎになり、着任以前に潰されてしまうのが目に見えてます。今回程度の発言ですら、一部には「許せん!」といきり立ってみせる輩が少なくないであろうことも十分予想されます。

    さて、尹錫悦大統領が就任して半月経ちましたが、あくまでも現時点までの様子を窺う限り、尹大統領は前任者と較べて遥かに「まともそう」に見えること、そして、対米対日関係の「改善」に本気で取り組もうとしていることは窺えます。
    しかし、以前にもコメントしましたが、尹大統領が「まとも」であればあるほど、苦しむことになるでしょうね。まず、崩壊状態の外交部の立て直しに始まり、巨大野党への対処や、さらには国民の4割以上が今なお従北左派に傾倒していることなど、どこから手を付けていいものやらという状態だと思います。前政権の残したツケは目が眩むほど巨大です。
    そんな状態にある中、「韓国が誤っていたからそれを正す」という大きな方向転換は非常に困難であると思います。まず国民が納得しません。なので、少なくとも当面、韓国新政権としては、両非論を提起するのが精一杯だろうと思います。たとえ日本が受け入れないことを理解していたとしても、それ以上に踏み込むことはほぼ不可能でしょう。つまり、日韓関係の「改善」とか「正常化」には程遠いということです。むしろこれ以上の「悪化」が避けられたら成功と言えるかもしれません。

    なんでも、6月に韓国では統一地方選挙が行われるとのこと。そこで前与党が壊滅的な敗北を喫し、国会でも多少はおとなしくなるようなことがあれば、少しは潮目も変わるかもしれません。まあ、それでも状況が根本的に変わるわけではないので、せいぜい気の持ちようが変わる程度でしょうが。

    • 龍 様
       韓国の状況的には仰る通りだろうと思います。
       
       ただ、”条約を守らない・合意を守らない・嘘つき”国が其れを正さない限り、”法の支配”を価値観外交の主軸に掲げる日本政府が”それを不問に付すような態度を取ること”は外交方針の自己否定です。

      >「韓国が誤っていたからそれを正す」という大きな方向転換は非常に困難であると思います。まず国民が納得しません。なので、少なくとも当面、韓国新政権としては、両非論を提起するのが精一杯だろうと思います。

      に関して、以前も書きましたが、伊大統領は法律の専門家であり、韓国司法の陥穽を分かっている筈で、朝鮮半島出身者問題での事実認定誤り、戦時売春婦に寄生する活動家の不正問題を白日に晒し、正す活動を行う様、日本の政治家、政府・外務省は活動すべきでしょう。

      それなくして日韓友好を垂れ流す人士、テレビはその背景を疑る必要があると思います。

      併せて、話は逸れますが、ロシアのウクライナ侵略の口実にされた分離独立派と同様の種となる外国人地方参政権論者、帰化条件緩和論者にも注意が必要と思います。

      • > ただ、”条約を守らない・合意を守らない・嘘つき”国が其れを正さない限り、”法の支配”を価値観外交の主軸に掲げる日本政府が”それを不問に付すような態度を取ること”は外交方針の自己否定です。

        当然ですね。従って、当面日本政府としては何も能動的にする必要はない、というかできません。ボールは完全に韓国側にありますから。
        聞くところによると、来月、韓国は外相を日本に派遣するつもりだそうですが、別段拒絶する必要もないでしょう。何だったら、時間さえ許せば、岸田総理が面談しても構いません。ただし、現状日本としてはゼロ回答以外はあり得ないので、折角来日しても、実質的には何も得るものはないでしょうね。それでも良ければどうぞということになると思います。まあ、韓国新政権としては、対日関係改善に努力はしていますという姿をアメリカに見せることができ、日本としても「話くらいは聞いてやる」という姿を見せることで、アメリカの意に沿っているかのように装えますので、成果としては些細であるにしても、マイナスにはならないでしょう。
        もっとも、日韓両国内で、会談すること自体ケシカランといって騒ぐ人も出ることでしょうが、放っておいて問題はありません。

        > 尹大統領は法律の専門家であり、韓国司法の陥穽を分かっている筈

        文前大統領も弁護士上がりでしたよ。尹大統領は、今のところ、前大統領よりはマトモそうに見えますが、前政権下で朴槿恵元大統領捜査を指揮した人でもあります。どうやら、韓国法曹界は、法制の論理的整合性よりも政治的な偏向を優先するように見受けられます。その意味では過度な期待はできません。

        > ロシアのウクライナ侵略の口実にされた分離独立派

        個人的には、沖縄に大量に潜り込んでいるであろう工作員に洗脳されたと思しき「分離独立派」(すでに存在していることは明らかです)が、これ以上増殖しないかどうかが気になっています。

    • 龍さま
      韓国内の状況は、ご指摘の通りかと、存じます。日本にとって望ましいのは、米国が「日韓関係改善が進まない主たる要因は、ねじれ国会の韓国の国内政治情勢にある」(日本が高い要求をし続けているためではない)と理解することか、と存じます。その意味で、先だっての米韓・日韓首脳会談は、きわめて有意義であったと理解しております(米国が中立的立場から介入する可能性はかなり少なくなった)。
      韓国も、”約束・合意を守らない国”との汚名は早く返上したいはず。保守政権が”両非論”(日本も悪かったが、前政権も悪かった)を梃子に、保守系マスコミを使って、韓国民の説得に成功するか。暖かく見守りましょう。仮に失敗しても、日本は何の痛みもありません。

  • (駐日大使の人選)
    日本語が堪能だからって知日派なわけじゃない。
    言葉が通じても話の通じない人ばかりです・・。

  • >日本側が補償ですべてのことが終わったと考えることが問題だった

    最終的に解決したことに合意が成立したから終わったんだと思うのです♪

    自称被害者の名誉回復と治癒は、韓国がなんとかする問題だと思うのです♪

    あと、
    >2011年東日本大震災以降の韓国と日本間のサッカー競技の時のことにも言及した。韓国応援団の前には「地震なんかに負けるな」という日本への応援メッセージが、
    って、地震をお祝いするってメッセージだったんじゃないのかな?

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