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今夏の参院選、山本太郎氏が東京選挙区で立候補と発表

山本太郎氏が参院東京選挙区に殴り込み――。そんな報道が出てきました。東京選挙区といえば、村田蓮舫氏が圧倒的に強く、また、前回第2位で当選した自民党の中川雅治氏が引退し、代わりに元「おニャン子クラブ」の50代のメンバーが自民党から立候補する予定であるなど、なかなかにカオスな状況です。今回の参院選も見どころはたくさんあるのかもしれません(それが良いことかどうかは別として)。

参議院議員通常選挙が重要である理由

もうすぐ参議院議員通常選挙が行われます。

衆院解散により失職する衆議院議員と異なり、参議院議員の場合、いったん当選すれば、6年間はその地位が保証されます。裏を返していえば、3年ごとに半数しか改選されないため、与野党の勢力が3年間はほぼ固定される、という意味でもあります。

一般に政権を決めるための選挙は衆議院議員総選挙であり、参議院議員通常選挙の場合は「政権選択選挙」ではありません。しかし、今後3年間における政権の自由度を決めるという意味では、やはり大変に重要な選挙でもあるのです。

なかなか強烈な人たちが再選を迎える模様

こうしたなか、今年の選挙では、「錚々たるメンツ」が再選を迎えます。

たとえば、昨年10月の衆院選で落選した辻元清美氏を、立憲民主党は今回、参院比例で擁立することを決定しました。『辻元清美氏の比例擁立で福島瑞穂氏の当選はどうなる?』でも取り上げたとおり、社民党の福島瑞穂氏と票を食い合うことになる可能性が出てきた格好です。

立憲民主党が辻元清美氏を比例で擁立することが、正式に決定したようです。そうなると、同じく比例で立候補するであろう社民党の福島瑞穂氏の地位がどうなるのか、大変に気になるところです。参院の比例は「非拘束名簿式比例代表制」という仕組みを採用しているからです。果たして今夏の参院選はどうなるのでしょうか。立憲、女性候補の通年募集を開始いくつかのメディアに報じられているとおり、立憲民主党は今夏の参院選や来年の統一地方選、あるいは次期衆院選などに向け、昨日から女性候補の通年募集を開始したようです。立民、女...
辻元清美氏の比例擁立で福島瑞穂氏の当選はどうなる? - 新宿会計士の政治経済評論

これで、万が一福島氏が落選するようなことがあれば、ただでさえ泡沫政党と化しつつある社民党は、いったいどうなってしまうのでしょうか。あるいは「2%得票要件」をクリアすることはできるのか、大変気になるところです。

また、立憲民主党に関しては、有田芳生(比例代表)、小西洋之(千葉県)、徳永エリ(北海道)、白眞勲(比例代表)、福山哲郎(京都府)、森裕子(新潟県)、村田(齊藤)蓮舫(東京都)の各氏など、大変個性的で、お名前を拝読するだけでも胃もたれしそうな人たちが改選を迎えます。

今回、有権者が賢明な選択をするのかどうかについては、大変に気になるところです。

山本太郎氏は東京都から出馬

こうしたなか、昨日はこんな報道がありました。

れいわ山本代表、参院選は東京選挙区から出馬

―――2022/5/20 14:04付 産経ニュースより

先日衆議院議員を辞職した、「れいわ新選組」の山本太郎代表が、東京選挙区から出馬する考えを示したのだそうです。

「れいわ新選組」は、最近の各メディアの世論調査では、社民党と並ぶ、いや、社民党を凌駕する支持率を獲得しつつある政党です。ただ、なぜ山本代表自身が衆議院議員を辞めて参議院議員として出馬するのかといえば、おそらくその理由は、「れいわ新選組」に山本氏以外の「著名人」がいない、という点ではないでしょうか。

個人的には、山本氏はてっきり比例で出馬するものだと思い込んでいたのですが(※比例で当選したあとで辞職すれば、「れいわ新選組」から」繰り上げ当選します)、どうも意外な行動だと思ってしまう次第です。

ただ、もしも東京選挙区からの立候補であるならば、いったいどういう影響が出てくるのかが気になります。

前回のトップ当選は村田氏

ここで、前回の当選者の一覧とその得票数を確認しておきましょう。

2016年における東京選挙区の当選者(敬称略)
  • 村田蓮舫(民進)…1,123,145票
  • 中川雅治(自民)…884,823票
  • 竹谷とし子(公明)…770,535票
  • 山添拓(共産)…665,835票
  • 朝日健太郎(自民)…644,799票
  • 小川敏夫(民進)…508,131票

(【出所】総務省『候補者別得票数(選挙区)』より著者作成)

もしも山本氏が東京選挙区で立候補し、当選圏内に入ったとしたら、いったい誰が落選するのでしょうか。

最も可能性が低いのは、東京都では圧倒的な強さを誇っている村田蓮舫氏でしょう。

ただし、村田氏の二重国籍事件が発覚したのが2017年であり、その間、民進党が空中分解し、立憲民主党が発足し、その立憲民主党が2021年10月の衆院選で苦戦した、といった経緯を踏まえるならば、村田氏が前回並みの得票で当選するかどうかはひとつの見物です。

その一方、得票数だけで考えるならば、「押し出される」可能性が最も高いのは、前回最下位だった小川敏夫氏(副議長就任のため、立憲民主党の会派を離脱中)であり、その次に自民党の朝日健太郎氏、日本共産党の山添拓氏のいずれかでしょう。

このあたり、日本共産党の支持層が「若返り」に失敗しているとする仮説が正しければ、山添氏の得票が前回と比べてさらに減り、ここに「山本太郎」効果で一気に山添氏が落選する、といったシナリオも、大変興味深いものです。

同名の山本太郎氏は?

ちなみに自民党の候補予定者リスト(※PDF)によると、前回第2位だった中川雅治氏は今回の参院選に出馬せず、元アイドルグループ「おニャン子クラブ」の会員番号・40番の生稲晃子氏(54歳)が自民党から出馬しますが、これは村田蓮舫氏への対抗馬なのでしょうか?

これに加えて、NHK党の立花孝志党首は、「れいわ新選組」の山本氏と同姓同名かつ同い年の別人である「山本太郎」氏を擁立する考えを示しています。

NHK党が山本太郎氏を擁立 れいわ代表と同姓同名で同い年「最低でも東京であと1人出したい」

―――2022年4月28日15時17分付 日刊スポーツより

いったいどこでそんな人材を見つけてきたのか気になるところですね。

いずれにせよ、参院選はまだ少し先の話ではありますが、今回の選挙戦、「見どころ」は意外とたくさんあるのかもしれません(それが良いことかどうかは別として)。

新宿会計士:

View Comments (4)

  • 山本氏が自党をこのような方法で拡大することは、決して法律違反ではなく、彼自身の正義のために、ルールに基いた正当な戦いだとしても、私自身は、仁義にもとる行動だと思いますし、応援はできません。
    一方、立花氏のやりかたも、決して褒められたものではないけれども、これもルールに基づいた正当な戦い方だ言えると思います。「毒を以て毒を制す」がピッタリな言葉かと。

    できれば、村田謝斎藤蓮舫さんと山本さんは共倒れになればいいなと思う、東京選挙区でした。

  • だんなさんの選挙分析、面白かったんですけどね~。もう書いてくれないのかな?

    • 元ジェネラリスト様。

      だんな様は別のところでご活躍中です。

      ちかの様に『労組苦デモ』参加を目撃されていたようです。

  • 神奈川県もひどいもんなんですけど東京都ですら大変なんですね…
    前回東京選挙区当選者のだれ一人投票したいと思える人がいない。