韓国次期外相が慰安婦問題で「韓日ともに努力が必要」
「新政権発足で韓日関係が改善される」との期待が韓国側で一方的に高まっていますが、それと同時に、こうした「関係改善の機運」を自分で潰しているのも韓国の側です。こうしたなか、韓国の次期外交部長官候補者が自称元慰安婦問題を巡り、「最も重要なのは被害者の名誉と尊厳の回復」、「韓日ともに努力しなければならない」などと述べたのだとか。
韓国企業の4割「新政権発足で韓日関係改善」
尹錫悦(いん・しゃくえつ)氏の韓国次期大統領への就任まであと20日を切りましたが、相変わらず、韓国メディアからは毎日のように、「次期政権で韓日関係が改善される」といった期待感に満ちあふれた報道が出ています。
こうしたなか、当ウェブサイトでは、尹錫悦政権が発足したとしても、韓国が望むような「韓日関係改善」はあり得ないと考えているのですが(『「韓国が」日韓関係を悪化させた』等参照)、残念ながら、韓国側にはそのような認識はありません。
「日韓関係が悪化」したのではない!「主語」は正しく使おう「日韓関係が悪化した」という表現を見かけますが、これは正しくありません。現在の日韓関係を「悪化」と定義するならば、「韓国が日韓関係を悪化させた」と表現すべきでしょう。もっとも、現在の日韓関係をもたらしたのは、少なくとも韓国側の行動だけでなく、我々日本人の側が、韓国を「正確に」理解するようになった、という側面もあります。このように考えると、現在の状態こそが「良好なもの」だ、とする意見もあるようです。日韓関係が「良好ではない」理由は明らか著... 「韓国が」日韓関係を悪化させた - 新宿会計士の政治経済評論 |
それどころか、韓国メディア『中央日報』(日本語版)には昨日、こんな記事まで出ていました。
韓国企業の10社に4社が「新政権発足後に韓日関係良くなる」
―――2022.04.20 16:39付 中央日報日本語版より
これは、大韓商工会議所が20日に発表した調査で、韓国企業327社に「新政権発足後の韓日関係の見通し」を質問したところ、回答企業の45.3%が「改善されるだろう」と答えた、とするものです。ちなみに「変化はないだろう」が44.0%、「悪化するだろう」が10.7%だったのだそうです。
中央日報はまた、昨年10月に同会議所が実施した調査では、日韓関係改善を予想する企業は12.9%に留まっていたと指摘。同会議所の国際通商本部長は「次期大統領の政策協議代表団訪日を控え、日本と取引する韓国企業を中心に、韓日関係改善に対する期待感が大きくなったようだ」と述べたのだとか。
政権交代で「リセット」?ないない!
このあたり、あまり厳しいことは言いたくないのですが、なんだか意思疎通の難しさを痛感してしまいます。
政権が変われば今までの韓国の日本に対する不法行為が「リセット」されるわけではないからです。
この点、2020年9月に安倍晋三総理が辞任し、菅義偉総理が就任した際にも、翌・21年10月に菅総理が辞任し、岸田文雄首相が就任した際も、韓国国内では「日本で政権が交代したのだから、韓日関係は改善される」といった報道なり、観測なりが相次いでいたことを思い出してしまいます。
ちなみに中央日報によれば、今回の調査で質問に答えた企業の50.4%は、日韓関係が改善されれば貿易や投資を増やす、などと答えたそうですが、その一方で、日韓関係で最も緊急な話題として「輸出規制など両国間の貿易摩擦解消」を挙げた企業が39.4%に達したのだそうです。
日本が韓国に対し、輸出「規制」を適用している事実はありませんし、貿易という面では、むしろ韓国が日本の水産物の不当な輸入規制を課している側です。さらには、日本の農作物の種苗など知的財産権の窃盗事案も相次いでおり、フッ化水素などの横流し疑惑は解消されないままです。
また、中央日報の記事では、回答企業のなかには2.8%が日韓通貨スワップの再開などを挙げたのだそうですが、このあたりは韓国が日本の金融支援を必要としているという点を、民間企業は理解している証拠といえなくもありません。
関係改善機運を自分で潰す韓国
ただ、中央日報によれば、「両国関係の最大の障害」として「過去史問題」を挙げた企業が57.2%にも達していたのだそうですが、そこに向けた問題を韓国がみずから作り出している状態を解消しない限りは、韓国が述べる「韓日関係改善」など不可能ではないか、などと言いたくなってしまいます。
こうしたなか、日本側で外務省の一部役人や経済界の一部企業、あるいは某経済新聞の編集委員の方などを中心に、日韓関係「改善」(?)に向けた期待を述べる人もいないわけではありません。
たとえば、某経済新聞社の編集委員の方が、まるっきり普段の韓国メディアの主張をそのまま繰り返したようなコラム記事を執筆したとする話題については『韓国の約束破り無視する「関係改善論」=日経編集委員』でも取り上げた次第です。
日経新聞に週末、『時代が要請する「日韓同舟」』と題したコラム記事が掲載されていました。この記事からは、日韓関係改善論者の典型的な思考パターンを読み取ることができます。韓国の日本に対する一方的不法行為の数々をことごとく無視し、「安保上の理由で日韓関係改善が必要だ」、などと主張しているものだからです。しかも驚いたことに、これを執筆したのは日本経済新聞社の編集委員の方だそうです。日韓関係改善論の詭弁当ウェブサイトで常々取り上げている「日韓関係改善論者の思考パターン」とは、「日本にとって韓国は大事な... 韓国の約束破り無視する「関係改善論」=日経編集委員 - 新宿会計士の政治経済評論 |
もっとも、次のような記事を読むと、正直、日韓関係「改善」の機運を、韓国が自分で潰しているようにも見えてしまいます。
韓国外交長官候補「慰安婦問題に最も重要なのは被害者の名誉と尊厳の回復」
―――2022.04.20 16:03付 中央日報日本語版より
中央日報によると、次期政権で外交部長官(※外相に相当)に指名されている朴振(ぼく・しん)氏は20日、取材陣に対し、「旧日本軍慰安婦問題」(※自称元慰安婦問題のこと)を巡り、次のように発言したのだそうです。
- 最も重要なのは被害者の名誉と尊厳を回復すること
- 韓日が共に努力する必要がある
…。
日本の現在の首相でもある岸田文雄氏が外相時代に責任者を務めて韓国側と取り交わしてきた日韓慰安婦合意を読むと、安倍総理が謝罪し、日本が10億円を拠出する措置を講じることで、慰安婦問題は「最終的かつ不可逆的に解決した」ことを両国が確認しています。
したがって、少なくとも日本の側がこの問題を巡って、これ以上努力する必要はありませんし、そのことは米国も同意している点です。
いくら日本の外務省の役人が、「日本が韓国に譲歩する」かたちでの日韓関係「改善」を企んでいたとしても、韓国の次期政権の外交部長候補者の口からこのような発言が出てくれば、さすがに「改善」(?)に向けた機運は潰されてしまうでしょう。
その意味では、「政権交代を機とした関係改善」は、政権発足前からつまづいた格好だともいえます。
日韓関係の相対的な重要性は低下している!
なお、少し突っ込んで述べておくならば、個人的には現在の日韓関係を「悪化」と呼ぶべきなのかどうかについては、議論が必要だと考えています。
文在寅(ぶん・ざいいん)政権時代、日韓間に突き刺さる深刻な諸懸案の数々を「韓国が」作り出したことは事実ですが、逆に言えば、日本が韓国との関係をこれ以上深める必要性を、韓国自身が潰してくれた、という意味でもあります。
ちなみに日本政府自身も韓国を巡っては、「基本的価値と戦略的利益を共有している」相手国であるとは述べていませんが、度重なる約束破り、ウソ、不法行為の数々を踏まえるならば、たしかにこれも仕方がない話でもあります。
もちろん、せっかく隣国同士なのですから、仲良く手を取り合い、未来に向けて発展していける関係を構築するのが理想ですが、それと同時に国際社会は非常に冷徹であり、ロシアのような無法国家が突然侵略してくる可能性だってあります。
このように考えていくならば、同盟は信頼ができる国と締結しなければなりませんし、信頼ができない国との関係を迂闊に深めるべきでもないはずです。
この点、日本は最近、CPTPPや日米豪印「クアッド」の枠組みを発足させましたし、米英豪の「AUKUS」などの枠組みとの連携、あるいは台湾との連携などについても可能性が出てきていることは、非常に望ましい傾向でもあります。
日本にとって、約束を守らない国との関係の相対的な重要性は、間違いなく低下しているのです。
現在の日韓関係を「悪化」と称すべきなのかどうかは、このような視点からも議論する価値があると思うのですが、いかがでしょうか?
View Comments (16)
「国際法を守ろう!」って言っちゃうと、言った本人が危なくなるのが韓国と言う国。
そこが理解されているので、日本は観察モードになっているんだよな。
韓国にしてみれば、陳情外交が再開できたらいいだけなんでしょうけど。
いつまでもそういうことを抜かし続けるのなら、事実上の断交に近い状態が継続するという事で。
岸田が訪日団に会う方向で検討とか言ってるがとんでもないこと。
況してや新大統領の就任式に出席など言語道断。
総裁執務室の椅子に縛り付けてでも阻止すべき。
今ここで新大統領が反日から始まるさまざまな無礼を謝罪してしまったら、ほとんど全ての韓国人の自尊心が崩壊してしまう。だからお願いだから日本も悪かったことにして収めて欲しい。そういう懇願。
これが事実なんじゃないかな。日本としては韓国に一方的に都合が良すぎて絶対に受けられない。しかも韓国の素行の悪さを放置したら、すぐ絶対に新たな反日に頼ってくる。
ここは韓国が全面的に謝罪することでしか解決しない。それは無理だろうから疎遠になるしかない。日本に何か助けてもらうことは永遠にあきらめて、極めて仲の悪い国としてほとんどの交流を絶つしかない。案外現実的な解決策。
G様
全面的に賛成です。
同じ人間とも思えない、思いたくもない世界に類を見ない約束を守らない利己的メンタルの民族を隣国に持った我が国は不運です。行き着くところは教えない,助けない,関わらないの菲韓三原則に徹し疎遠になるしかない。
次期大統領が言ったグランドスラムで一括解決とは韓国が全面的に謝罪することではなく日本の譲歩を前提にしているのだから馬鹿馬鹿しくてまともに相手するだけ時間の無駄。とはいえ全く相手にしないと韓国得意のかつ厄介な告げ口外交が始動するので聞く振りだけはするが菲韓三原則遵守のしたたかな外交が理想かと。岸田さん、林さん頼みますよ。
そもそも韓国側は謝罪するようなことは何もないという認識なので無理ではないですか
「最終的かつ不可逆的に解決した」ことは
忘れたというかなかったことになってるようですし
日本側の努力とは譲歩し韓国の思い通りにしろということみたいだから
無理して韓国と付き合わなくてもいいでしょう
何しろ日本は今までいっぱい努力してきましたから
わかります
国家レベルの話じゃないですが
ヤクザやクレーマーに対し、無条件で
「とりあえず謝っておけ、穏便すませろ」
みたいな行為は 従業員と店の信用を潰すという認識に代わってきていると思います
この方は、本日の岸田総理が靖国神社に榊を奉納したことに対し、歴史を直視せよとクレーム。また、教科書にも歴史歪曲は止めろと批判したそうです。
新政権も、何ら変わってませんね!
https://news.yahoo.co.jp/articles/935450a387dd440738e97044f239b3976f3786bf
おい韓国、約束を守るのかい守らないのかいどっちなんだい
まーーもーーらない!
パワー
ハッ(笑顔)
あなたの同僚や隣人にもたまにいますよね、世間の常識(国際法や国際常識)とは違う論理(植民地支配は違法とか、強制連行慰謝料請求権があるとか)をふりかざして、「自分は正しい、あんたは間違っている」と主張したがる輩。絶交できればそれにこしたことはないけれど、それも何かと角がたちますよね。相手が悔い改めるのを待っても無駄というもの。白黒つけられる裁判所があればそれもひとつの手だけれど、国際司法にはそんな強制力はない。とすれば”敬して遠ざける””付き合いは必要最小限度にとどめる”がベター。議論するのも疲れるだけ。日米韓・安保・対中国は協力しますが、後は本音はお断りですが、テーパリング(段階的縮小)で行きましょう。「もっと深く付き合いたい」と言ってきたらどうする?私なら勘弁願いますが、はてさて日本の国民世論はどう判断しますかね。岸田総理、舵取りを間違えないでね。
現時点では、朴振氏は外相候補者であるにすぎず、まだ外相に就任したわけではありません。そのような状況では、たとえ内心でどのように理解していようとも、「日韓関係"悪化"の原因は全て韓国側にある」などと発言できるはずがありません。そんなことをしたら、スズメバチの巣を蹴飛ばしたような大騒ぎになるのは必定で、外相就任を辞退するよう猛烈な圧力がかかるでしょう。もちろん、外相就任後でも大騒ぎにはなるでしょうが、現時点では大統領の威光を背景に押し切るということも不可能です。つまり、現時点では、朴振氏が本当は何を考えているのか、公の場で語ったことから推し量るのはとても難しいのです。
普通の国であれば、政治家や閣僚の発言というのはとても重く、下手に食言でもしようものならば進退にも関わりかねないのですが、韓国では必ずしもそうではないようです。特に選挙前に濫発される"公約"と"その後"を見る限り、その場凌ぎのテキトーな発言も結局は見過ごしにされるようです。選挙はもう終わりましたが、まだ選挙結果に基づく人事が発行したわけではないという、少々中途半端な状態にあるので、○○予定者や○○候補者が何を語ろうとも、一々取り上げて目くじらを立てる意味はありません。
もちろん、朴振氏が本当にそのように考えている可能性は多分にあります。ただ、現時点では、そう考えてようがいまいが、このような発言しかできないという事情は考慮すべきでしょう。正式に就任してからの言動に注視すべきと考えます。
新政権が発足したら「慰安婦」は果たして日本軍に強制されて慰安婦になったかどうかもう一度共同で検証作業をしてほしいです。
『韓国慰安婦被害者 尹次期大統領側に国連委員会への付託要求』
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20220421002700882
>【ソウル聯合ニュース】旧日本軍の韓国人慰安婦被害者、李容洙(イ・ヨンス)さんが21日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期政権への移行を準備する政権引き継ぎ委員会を訪れ、慰安婦問題の国連拷問禁止委員会(CAT)への付託とともに、尹氏が24日に日本に派遣する「政策協議代表団」に同行させるよう求める要求案を伝達した。
ただの元風俗嬢の話を、何故「拷問禁止委員会」に話を持ち込めるのだ? と言って油断してはいけない。日本政府は、徹底的に邪魔をするべし。場外乱闘に持ち込んで、火事を大きくするのは、半島の常套手段。
賛成です。
一方、日本が韓国に対して歴史的な関係について(と言っても主に韓国側の妄想と歪曲の産物ですが)何度も謝罪や賠償をしても、韓国側の要求が「リセット」されるわけではないから、それも好一対です。
鶏でさえも二歩目までは記憶を温存する事を鑑みると絶望というかあきれ果てます。