農水省が狂犬病防疫体制を緩めるにあたり、「狂犬病リスクは上昇しない」として、「ネット上の多くの批判に対し理解を求めた」のだそうです。報じたのは時事通信ですが、これが事実ならば、なんとも呆れる話です。世界でも数少ない「狂犬病清浄国」の状態を守る気があるのなら、一部のメディアだけにリークする「密室行政」方式ではなく、ちゃんと大々的にパブリック・コメントで意見を募るのが筋ではないでしょうか。
目次
事の発端
メディアの一面的な報道と農水省の本末転倒対応
先日の『報道で狂犬病防疫体制を緩める農水省「本末転倒」ぶり』では、外国からやってきた犬などに対し、「狂犬病予防法」に基づいて最大180日間の待機が義務付けられていることを巡り、ウクライナから避難してきた人々が連れて来た愛犬と離れ離れになるかもしれない、とする話題を取り上げました。
日本は1950年に制定された狂犬病予防法に基づき、狂犬病清浄国となりました。この防疫に穴が開きそうになっています。テレビ朝日が先週報じた、「ウクライナからの避難民が連れて来た愛犬の待期期間で巨額の費用が発生している」とされる問題を受け、産経ニュースは昨日、農水省が特例措置を講じる方針だと述べたのです。本末転倒とは、まさにこのことでしょう。ウクライナ避難民の日本への入国・滞在ロシアによる違法なウクライナ侵略で、ウクライナで大勢の方が犠牲となり、また、大勢の方が住まいを失うという事態が生じていること... 報道で狂犬病防疫体制を緩める農水省「本末転倒」ぶり - 新宿会計士の政治経済評論 |
もともとの話を報じたのは、テレビ朝日です。
「愛犬を助けて」ウクライナ避難者の負担…1日3000円 ペットに「法律の壁」
―――2022/04/14 18:56付 Yahoo!ニュースより【テレビ朝日配信】
テレビ朝日の先週の報道によれば、現在の日本では狂犬病予防法に基づき、最長で180日間の検疫所での検査が義務付けられており、これに1泊3000円の費用が必要となり、飼い主の方が「こんな金額を支払うのは難しい」などと嘆いたのだそうです。
戦争で国を追われ、やっとのことで日本に逃げてきたのに、日本政府の画一的な法の運用のせいで家族同様に暮らしてきた愛犬と引き離され、あろうことか巨額の費用まで請求される――。
記事を読むと、そんな気持ちがわきあがる人もいるかもしれません。
しかもテレビ朝日の記事のなかでは、飼い主の方が「彼は私たちと離れていては生き残れません」、「こんなことだったら母国で彼と一緒に死ぬべきでした」と述べた、という情報も含まれています。「本当にお気の毒だ」、「法律は何とかならないのか」、などと感じる人も、少数ながらいるようです。
(※実際、ツイッターなどのSNSを眺めていると、「法の画一的な運用」「お役所主義」といった批判をしている人が、ごく少数いました。)
農水省への「お問い合わせ」
そして、農水省がウクライナ人避難民に限定し、こうした隔離義務を緩和する方針を示した、とする産経ニュースの報道について取り上げた次第です。
ウクライナから避難のペット犬検疫で特例 農水省が発表
―――2022/4/18 17:43付 産経ニュースより
これについて著者自身が農林水産省の『農林水産省総合窓口』に対し、次の趣旨の問い合わせを行った、とするのが、先日までの記述でした。
- 産経ニュースが報じた「ウクライナ人の持ち込んだペットの犬の待機期間を短縮する特例措置を講じる」とする内容が事実なら、狂犬病清浄国であるわが国において、厳格な防疫措置に例外を設けるのはいかがなものか
- 論点が「避難民にとってペットの待期期間の費用」にあるのならば、その費用を免除するなどの措置を検討すれば良い話ではないか
- 産経報道が事実だとすれば、防疫措置に穴をあける今回の措置については強く抗議するとともに、措置を直ちに撤回するよう、強く求める
狂犬病と科学的知見
狂犬病に関する「ファクト」
著者自身がこのような趣旨の意見を書いたのには、ちゃんとした根拠があります。先日の繰り返しで恐縮ですが、「難民の人たちが気の毒だ」という理由で、科学的知見を無視して狂犬病予防法の運用を緩和することは、決して望ましい話ではないからです。
ちゃんと理由を調べていけば、なぜ日本に狂犬病予防法があるのか、そして狂犬病清浄国の状態を維持するのがいかに難しいか、といった実態が判明します。手っ取り早く、厚生労働省ウェブサイトの『狂犬病』というページの記述などをもとに、狂犬病に関する「ファクト」を並べておきましょう。
狂犬病は人間を含むすべての哺乳類に伝染する可能性がある病気であり、とくに人間の場合は潜伏期間が1~3ヵ月とされ、発症してしまえば有力な治療法はなく、呼吸障害でほぼ100%の方が亡くなるという恐ろしい病気です(いちおう、予防策としては狂犬病ワクチンの接種という手段があります)。
日本で狂犬病予防法が施行されたのは1950年ですが、そこから法に従って野犬管理、飼い犬の登録と予防接種などの徹底といった措置が講じられたこともあり、7年後には狂犬病を撲滅することに成功しました。
しかし、個人的な私見も交えて申し上げるなら、これは日本が島国であり、四方を海に囲まれているという事情もあったはずです(現に、農水大臣が指定する「狂犬病清浄国」であるアイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアムの6ヵ国・地域は、いずれも四方を海に囲まれている国・地域です)。
逆にいえば、農水大臣が指定する「狂犬病清浄国」が、現時点において日本を含め7ヵ国しか存在していないという事実は、狂犬病の撲滅がいかに難しいか、という証拠でもあります。
狂犬病は「過去の病気」ではない!
さらに防疫緩和論者にとって不都合な事例を指摘しておくならば、「日本国内で犬などに噛まれて狂犬病を発症する」という可能性はほぼありませんが、邦人が海外に渡航した際に狂犬病で亡くなった事例や、いったん清浄国になったのに再び狂犬病が発生した事例などもあります。
たとえば、大阪府獣医師会の『狂犬病対策』というウェブサイトの説明によると、こんな趣旨のことが記載されています。
- 1958年)以降、日本での発生はないが、1970年に旅行先のネパールで犬に咬まれた邦人男性が帰国後発症し亡くなった事例、2006年11月にフィリピンからの帰国者2名が相次いで狂犬病を発症した事例がある
- 1997年まで狂犬病の発生が無かったインドネシアのフローレス島では、漁師の船に乗って来た、たった3頭の犬の中から狂犬病が発生し、3年後には全島に流行。流行を阻止するために50万頭の犬(犬総数の63%)が処分され、3年間で計81人が亡くなった
- 世界的には狂犬病の発生は増加傾向にあり、世界では今なお多くの国で狂犬病が発生し、年間4万~7万人が死亡している。海外との人や動物の移動が盛んな今日では、日本に狂犬病がいつ侵入してきてもおかしくない状況にある
(※上記要約は、意味を変えない範囲内でリンク元の記事にあった異なる文章をつなぎ合わせている箇所があるほか、文章の順序などについても当ウェブサイト側にてかなり編集しています。また、リンクを教えてくださった「別の匿名」様、大変ありがとうございました。)
要するに、狂犬病は「過去の病気」ではなく、また、日本の「清浄国」としての状態は、世界ではむしろ例外的なのです。
「専門家の意見を鵜呑みにするな」というわけのわからぬ反応も
この点、たしかに避難民の方々には心より同情するほかありませんし、最大180日間、愛犬と引き離されてしまう悲しみは、ほんとうに気の毒だとは思います。
しかし、管轄の官庁や専門家団体などの発信する科学的知見に基づく情報を丹念に読み解いていくと、こうした同情心で防疫体制を緩めてしまうことは、まさに「アリの一穴」にもつながりかねない、大変危険な発想だと言わざるを得ません。
「最長180日間の待期期間」を含め、法規制にはたいていの場合、ちゃんとした科学的な根拠が存在しているのです(「レジ袋有料化」「消費増税」のように、科学的根拠が存在していないなかで強行された政策もないわけではありませんが…)。
こうしたなか、一部では「専門家の言うことを鵜呑みにするな」「防疫体制を緩めても問題がない」などと主張される方もいらっしゃるようです。
ただ、複数の官庁、専門家団体、医療機関などが、きちんとした科学的根拠・統計的根拠を示しつつ、一様に「狂犬病は危険だ」、「防疫が大切だ」と述べている点を無視している時点で、論理は破綻しており、説得力も皆無です。
「専門家の意見を鵜呑みにするな」などと主張されるのであれば、「防疫体制を多少緩めても良い」という点について、これら専門家の方々、あるいは私たち一般人の多くを納得させるたけのきちんとした根拠を科学的に示していただきたいところです。
役立つ読者コメントの指摘
一方、「元韓国在住日本人」様からは、こんなコメントをいただきました。
小生がコロナ禍の最中、韓国から猫を連れて帰国する事がどんなに大変だったことか‥。日本国が認可している狂犬病の抗体検査機関が韓国にはなく、日本もしくは欧州や米国で受けなければなりません。その日本の機関がコロナによる物流の混乱で日本以外での検査を推奨されました。物流の混乱は日本と韓国の間だけではないにも関わらずです。動物検疫所は固体検査証明がなければ、無条件に180日の係留だと言ってきました。180日を費用に換算すると約60万円程になります。<中略>ウクライナの方やペットには罪はないと思います。しかし、日本は法治国家であり、今回の件に関しても検疫法を厳格に適応すべきです。日本は現在まで検疫法を厳格に適応することによって、狂犬病撲滅地域になったわけです。今更特例を設けるのは今までやってきた事が水泡に帰す可能性があります。<後略>
実体験に基づく指摘であり、かつ、実際に外国に在住されていたご経験をお持ちでもあるため、大変に説得力があります。逆に、元韓国在住日本人様から「日本は法治国家であり、今回の件に関しても法を厳格に適用すべき」とする主張があったことは、まさに「わが意を得たり」、といったところでしょう。
ただ、読者コメント欄でご指摘いただいた話題のなかで、もうひとつ紹介しておきたいのが、「元ジェネラリスト」様から教えていただいた、とあるツイートです。
このツイート主の方は、産経報道について農水省に電話で問い合わせた結果、動物検疫所動物検疫課の担当者から報道内容は事実であるとする回答を得たのだそうです。
また、この方は当該担当者に対し、「科学的妥当性、安全性の担保はあるのか」と尋ねると、「それは問題ない」、「今回の処置は規制の緩和というのではなく、普段の検疫に代わるものを可能な限り考えた」と回答したそうです。
ところが、「ならば普段の検疫、係留の意味がなくなるのでは?」と追加質問したところ、この担当者の方は返答に窮したのだそうです。
さらに、「避難先で係留する点の是非」について尋ねたところ、担当者からは「経過観察、報告義務もあるので問題ないと考える」と回答したため、このツイート主の方が「それらは避難民の努力義務でしかなく、動物の逃走防止も十分ではないのではないか」と畳みかけたところ、やはり返答に窮したのだそうです。
当たり前でしょう。検疫所が指定する場所で待機するというのには、ちゃんと意味があるのです。わけのわからない性善説に基づいて今回だけ措置を緩めて良い、という話ではありません。
ネット社会を見くびるメディアと官僚
ネット炎上に釈明=時事通信
このツイート内容が事実だとして、今回の「運用を緩める」という措置が農水省の誰の決断でなされたのかについてはよくわかりませんが、法令に基づく防疫措置をもう60年以上運営してきたのに、それを「誰か」の決断で行って良いという話ではありません。行政の裁量権を著しく逸脱しています。
ただ、それ以上に興味深いのは、「狂犬病予防」という一見すると地味な話題であるにも関わらず、また、感染症の防疫という高度に専門的な内容であるにも関わらず、SNS上でこれほどまでに話題が盛り上がっているという事実でしょう。
これに関連し、昨日はこんな報道がありました。
狂犬病リスク「上がらない」 避難民ペット、ネット炎上で釈明―農水省
―――2022年04月20日21時27分付 時事通信より
時事通信によると、農水省は20日、「報道各社の取材」に対し、今回の措置により「狂犬病のリスクが上がるわけではない」としたうえで、「インターネット上で多く出た非難の声に対し理解を求めた」のだそうです。
いわく、「ワクチンを2回接種し、十分な量の抗体を確認している」。
いわく、「飼い主に健康状態の報告などを義務付けている」。
まったく言い訳になっていません。
潜伏期間の論点はどこに行ったのでしょうか?また、なぜ今回だけ、「性善説」を前提として、避難先での係留を認めるのでしょうか?なにより、これまで60年以上のあいだ行われてきた検疫、係留を今回に関してなくすという科学的根拠は、いったいどこにあるのでしょうか。
時事通信の報道が事実なら、農水省は却って火に油を注いだ格好でしょう。
社会的役割を終えるオールドメディア
ここから先は、余談です。
「新宿会計士」が当ウェブサイトを開設したのは2016年7月のことであり、もうすぐ丸6年が経過しますが、この6年間で世の中はずいぶんと変わりました。
サイト開設当初は、まさか一般人がここまで専門的な話題に耐性があるとは思っていませんでした。
しかし、人々は少々専門的な内容であっても、まじめなサイトを理解しながら読もうとしていますし、なかには一般人でありながら、専門家顔負けの知識を身に着けているケースだってあります。
当ウェブサイトもそうですが、一定の分野(たとえば金融)の専門家が、官庁や中央銀行、国際機関などから統計や報告資料などの原文といった一次資料・一次データを読み込み、その内容を解説するというサイトが、世の中にずいぶんと増えたと思います。
先日、ある業界紙の経営者の方と会食をした際に、「一般紙の社会的影響力の激減」が話題になりました。
かつては1000万部を誇っていた読売新聞、800万部を誇っていた朝日新聞を筆頭に、紙媒体の新聞社の経営が軒並み苦しくなり、新聞部数が社会全体で激減しているにも関わらず、新聞を読んでいない人の知的レベルはむしろ上昇したのではないか、というのです。
「新聞を読んでいない人の知的レベルが上昇した」というのは、もちろん、この経営者の方の主観だと思われますし、なかなか検証することが難しい命題ではありますが、長年、新聞業界にいらっしゃる方がこんなことを発言されたという点に、個人的には大変に大きな興味を覚えました。
しかし、この農水省の防疫緩和に関する話題を巡って、獣医師などの専門家の方々が積極的にSNSで情報発信し、また、一般人も勉強してその問題点に関する意識を深めているという事実を見ると、この経営者の方の発言も、あながち見当外れではなさそうな気がします。
いずれにせよ、新聞、テレビなどのオールドメディアの記者らは、霞が関などの記者クラブに依存して、官僚が垂れ流す情報をそのまま紙面などに流すのが仕事だと勘違いしてきたフシがあります。
しかし、インターネットの隆盛により記事の要求水準が上昇していることは間違いなく、また、そうした時代の変化にオールドメディアは取り残されているのかもしれません。今後、新聞の発行部数、テレビの視聴者はますます減るでしょう。
官僚機構には説明責任が求められる
ただ、このことは、官僚組織の側にも変化を要求します。
官僚機構にとっては、これまでであれば、記者クラブを通じて「飼っている」オールドメディアの記者らを説得してしまえば、それで世の中に対する説明はおしまいでした。しかし、今回の農水省の一件で露呈したのは、旧来型の「オールドメディア関係者だけを説得すれば良い」という行政が通用しなくなっているという事実です。
先ほどの時事通信の記事から判断する限り、今回、農水省による防疫措置の変更という報道を巡って、おそらくは専門家に加え、一般人の多くの意見が農水省の問い合わせ窓口に殺到していると考えられます。
農水省が今回の措置について、本当に自信があるというのならば、メディアにこっそりリークするという「密室行政」方式ではなく、ちゃんとしたパブリック・コメント方式で大々的に意見を募集すべきでしょう。当然、専門家や一般国民を納得させるロジックをちゃんと提示する義務は、農水省の側にあります。
もっといえば、「レジ袋有料化政策の効果が社会的コストに見合っているのか」、「財政再建、プライマリバランス黒字化目標が政策課題として適切なのか」、「2019年の段階で強引な消費増税に踏み切ったことが日本経済にどんな影響を与えたのか」、などについて、官僚機構は国民に説明しなければなりません。
インターネットが出現する前であれば、官僚機構は「ホッカムリ」を決め込むことができたかもしれませんが、今後はそういうわけにはいかなくなるのです。その意味では、今回の農水省の件についても、まずは農水省が一般国民をちゃんと納得させるだけのロジックを出してくることができるのかどうか、という論点だといえるでしょう。
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おはようございます。
ましな人に投票するために必ず選挙に行き、サンケイが少しはましだからデジタル版を購読している「新宿会計士」愛読者ですが、科学的考察に疎いオールドメディアの愚行例と思われる記事が本日のサンケイデジタル3面に掲載されていましたので私見を述べさせていただきます。
記事題目:親露アカウント9割、過去に「反ワクチン」拡散
事実関係:興味深く思い中身を見たところ、東大教授が約30万ツイートを分析し、そのうち228ツイートが「ウクライナ政府はネオナチ」、その228ツイートの87.8%が「反ワクチン」。
私見:228/300,000の意見でドヤ顔で記事を書くのはいかがなものか。事実の歪曲ではないのでテロ朝やぼったくりNHKよりはましですが、自分の言いたいことだけを抜き出すという行為はどいつもこいつも一緒ですね。
これから産経に2回目のクレームを入れます。
貴方の「私見」にケチをつけるつもりは毛頭ないことを先にお断りしておきます。
この場合30万という分母にあまり意味はないように思いますが。
ただ抽出対象となった総件数は、統計学上出しておかなければならないということだと思います(私は統計学の専門家ではないので推測ですが)。
事実として228件の「ウクライナはネオナチ」というツイートをしたユーザーの実に87.8%が反ワクチン的なツイートも行っていた、というわけですから、無作為に30万件のツイートから抽出した228件に特段何らかの印象操作を行おうとしている意図があるとは考えにくいし、逆に無作為な30万件のうち仮に10万件もの「ウクライナ=ネオナチ」的な投稿があったとしたらそっちの方が怪しい(というか恐ろしい)と思います。
特定のハッシュタグを使ったツイートから抽出している訳でもないようですし。
もっと穏便な例にすると、「30万件のツイートを無作為に調査すると、広島風お好み焼きに対して否定的な意見を述べるものが228件ありました。その228件のうち87.8%は関西風お好み焼きに対して好意的なツイートも行っていた」とした場合、228/300,000に作為的なものを感じますか?ということです。
おっしゃる通り、マスコミだけでなく官僚に対しても良い試金石となりそうなケースですね。
時事通信の記事を読んだだけじゃ「これで納得できる訳ないだろ!」と言う
反応が沢山出てくるに決まっている。
ネットの発明で何もかもが変わった以上、報道も広報も何もかもが
「少なくとも過半数の支持を得られる説得力と信頼性」を大前提としないと生き残れない。
でも今の所、どこも「そんなアホみたいな厳しい基準につきあってられるか!」と
言いたげな対応ばかりですね。
果たして20年後、30年後の日本はどうなっているのやら……
そういやこのブログにも先日から「狂犬病予防法を緩めてもいい」と根拠なく書き込む輩が出ていますね。ブログ主を「左翼みたい」って批判しながら「素人考えだけど」みたいな。
何の為に法律があるのか、これが理解できないのでしょうか。
狂犬病について調べましたがかなり恐い病気ですね。調べる前は名前だけで犬だけが感染する病と勘違いしていました。
もし今回の件で狂犬病患者がでたら政府はどう責任取るつもりでしょうか。
感情論で法を曲げてたら、歯止めが効かな区なる。あの時、例外を認めたじゃないかと。
冷たいようですが、本末転倒を起こさず両者の意向を成せる手段は、避難者が愛犬と共に日本を去るか、施設内や離島等の閉鎖環境での隔離生活を受け入れるよりほかはないような気がします。
もしくは、現況の5頭?についてのみ例外的に何らかの基金等からの費用負担とし、以後の受け入れは「覚悟の上での入国」を徹底するより仕方ないと思います。
「過ちて改めざる是を過ちという」です。今なら間に合います。
科学的根拠に基づかない言い訳で良いわけはありません。
日本国内に居れば、日本国の法に従う必要がある。そこに国籍や民族は関係ない。
旅行者だから、難民だから法が適用されない、は通用しない。
ポイ捨てに多額の罰金が科せられる等、旅行者は事前に渡航先の法律について知識が無ければ不利益を被る場合もある。
なので日本の法律に詳しくもなく、事前に知ることも難しい難民などの事例については、受け入れ側は関係しそうな部分は説明する、法の順守を誓約させる等の措置を取る必要があるのではないか。
台湾や半島で何か起こった時に、日本国民が納得できるような受け入れ態勢を整えるためのケーススタディになり得ると思う。
環境省のレジ袋の件もそうだし、経産省のNHKネット配信の件もそうだし、今回の農水省の特例の件もそうだけど、本来であれば、しっかり国会で議論して法律でやるべきことを、省庁裁量の小細工を弄する形を取っているように思う。
これって、何となくだけど、政治が機能してないような気がする。
立憲共産党の野党のせいばかりとは言えないけれども、民主主義の衰退しているような気がして、ちょっと不安を感じます。
昨日からの追加で農水省には説明を求める問い合わせを入れときました。
一応、ここにもリンク張っときます。
・農林水産省総合窓口
https://www.contactus.maff.go.jp/voice/sogo.html
>新聞部数が社会全体で激減しているにも関わらず、新聞を読んでいない人の知的レベルはむしろ上昇したのではないか
環境さえあれば、人間いくらでも賢くなるのだと思います。
今はマスコミ報道一つ読むにしても、ネットで関連情報を簡単に引っ張ってこれますので簡易な検証(知的作業)がすぐできます。情報入手がマスコミ経由に限られた頃には、結論を受け入れるくらいしかできなかったと思います(忙しいし)。
多分、環境があれば進んでそうする人は多いのだろうと思います。すべての人がそうではないにしても。
古代人と現代人の違いは、生来の能力差ではなく環境の差だと思います。
官僚機構が、恣意的にポピュリズムやノイジーマイノリティなどに乗っかって法の運用を曲げることが容認されるのであれば、もう法治国家とは云えませんね
モノポリーからGTAに替えるハードルがまた下がりそうです
新聞社は「法律の壁」とか言ってあたかも法律のほうが問題であるかのような言い方をしていますが、これも「差別ではなく区別」の話なんですよね。
たとえば外国人やあるレベル以上の障害を持つ方には日本の運転免許取得は難しく感じられます。
でも「かわいそうだから取得基準を下げよう」なんてやってはいけません。
そんなことしたら事故が急増します。
事情があって運転したいのに免許の取得が難しい方にはお気の毒ですが、その方々が自己をその基準に合わせていただくしかないのです。
それは差別ではなく区別なのです。