ワクチン接種回数が少ない人ほどロシアの主張に賛同するとの傾向が出てきたようです。『ニューズウィーク』に掲載された記事に紹介されていた、カナダのイーコス・リサーチが3月に実施した世論調査に基づけば、ロシアによるウクライナ侵攻に対する見解とワクチン接種回数の間には、明確な相関関係が見られたのだそうです。
『ブチャ事件と火器管制レーダー照射事件の共通点とは?』で、「ブチャ事件を『ウクライナの陰謀』と主張する人と、火器管制レーダー照射事件を『低空威嚇飛行』と主張する人の思考パターンは、じつはそっくりではないか」、という点を議論しました。
「ブチャの惨劇はウクライナの自作自演だ」。こんな主張を真に受ける人を見ていて、ふと思い出すのが、今から3年前の火器管制レーダー照射事件です。この事件、韓国側はあくまでも「低空威嚇飛行事件だ」と言い張っているのですが、韓国政府、韓国メディアの主張を丹念に追いかけていくと、むしろ韓国側に矛盾がボロボロと出て来る、という代物です。ロシアの主張も、当時の韓国の主張とパターンがまるで同じなのです。「日本が低空威嚇飛行を仕掛けてきた!」「2018年12月20日、東海(日本名『日本海』)の海上で、北朝鮮漁船に対す... ブチャ事件と火器管制レーダー照射事件の共通点とは? - 新宿会計士の政治経済評論 |
ただ、これに関しては、もう少し広く、「ロシアの肩を持つ人は、たいていの場合、非科学的な言説を信じる傾向があるのではないか」、といった仮説にも結び付きます。
「アポロは月面に着陸していない」、「火星に人工の施設が建設されている」、「宇宙人は地球に到来している」、「血液型占いは当たる」、といった主張をする人たちと話をしていると、どうも共通した傾向を持っているのではないかと思わざるを得ないのです。
こうした「非科学的な態度」の典型例といえば、最近だと「反ワクチン」「反マスク」もそうではないかと思います。
当ウェブサイトにもごくまれにですが、「ワクチン接種を煽るな」、「mRNAワクチンは人体にとって危険だ」、といったコメントが付くこともあります(たいていの場合は当ウェブサイトの読者層を説得することができずに自然にフェードアウトしていきますが…)。
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こうしたなか、ニューズウィーク日本版のウェブサイトに昨日、こんな記事が掲載されていました。
コロナ・ワクチンを忌避する人とロシア支持する人との相関が示唆される──カナダの調査
―――2022年4月5日17時59分付 ニュースウィーク日本版より
記事ではカナダの調査会社イーコス・リサーチが3月に実施した世論調査に基づけば、新型コロナウィルスワクチンの接種回数とロシアへの支持に相関関係が存在することが判明した、とする話題です。調査の原文は “Public Attitudes to Ukraine Conflict by Vaccine Acceptance” で読むことができます。
気になってこの調査を読んでみると、これがまた大変に興味深いものです。
たとえば、「仮に国内の経済が減速し、物価が上昇することになるとしても、カナダはロシアに対してより厳格な制裁を科すべきである」という見解に賛成するかどうかを尋ねたところ、ワクチン接種回数に応じて賛成割合が明らかに変化するのです。
具体的には、ワクチンを3回以上接種した集団では「賛成」が82%に達している一方、ワクチン接種が2回に留まっている集団では「賛成」が50%・「反対」が33%、そしてワクチン接種を拒否している集団では「賛成」が18%、「反対」が75%にも達していたというのです。
また、「ロシア語話者がドンバス地域で受けていた抑圧を考えるならば、ロシアによるウクライナへの侵攻は正当化される」とする考え方については、もっと露骨です。
3回以上の集団だと88%が「反対」したそうですが、2回の集団だと「反対」の割合が63%に減り、接種を拒絶している集団では「反対」が27%に留まる一方で「賛成」が26%に達しているのだとか。
いろいろと考えさせられる内容だと思う次第です。
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相関関係は因果関係を証明するものではないという臨床統計の常識は、知っておいて欲しいです。
傾向が見える
まででとどめおく…のも難しいかなあ、と
まあなんというか情報なるべく単純化して取り込もうとしがちですし
その通りですが,この場合は因果関係を説明できそうな要因として「情報分析能力」が上げられると思います。つまり,賛否両方の見解を聞いたとき,どちらのほうがより確からしい情報を多く含んでいるか判断する能力です。この能力が極めて低い人は,しばしば「貧乏」だったり「反社会的」なこともあります。
このスレッドの下の方、12:59のコメントにも書いたのですが、反露性向の高低とワクチン接種回数や接種志向性の間には因果関係はないでしょう。
ただしご指摘のように、この二つの特性両方に関係する特性はあると思います(それが情報分析力なのか論理的思考力なのか血液型なのかはわかりませんが…)。
相関や因果という言葉自体は日常会話でもよく出てきますが、こういった話題・文脈で(直接の/間接的な)因果関係という言葉を使うときには、よく注意したいですね。
>相関関係は因果関係を証明するものではない
いやまったくその通り
ワクチン接種率(2回目まで)Our World in Data より
ロシア 50.6%
ウクライナ 34.3%
(中国 87.9%)
「ワクチン接種率が高い方が、ロシアを支持する傾向」というデータとなりました。
結論
ワクチン接種回数が少ない人ほどロシアの主張に賛同するとの傾向、というデータは何の因果関係も証明しない。
国や地域ではなく、個人としての見解と接種率の関係が面白いね、ということ。
「アベが~」、の方々の接種率や、「不自由展」の主催者の方々の接種率はどうなのかな、という興味本位が沸くなぁ、ということ。
それはそうでしょう。
アイスクリームの売上と水難事故の件数は相関関係にあるが因果関係にない、という奴ですね。
直接の因果関係は無いでしょうが、明確な相関関係にあるのであれば、何かしら間接的には関連性を持つと思われます。
因果と相関は異なるものであることは知っておかなければならない、という話には全く同意ですが、そう書かれた意図は量りかねます。
ブログ著者も研究者も、相関について述べているのであって因果には触れていません。
「ワクチンを打てば打つほど反露になる」あるいは逆に「反露の性向になればなるほどワクチンを打つようになる」といった因果関係に当たるような文を書いてみると、なるほどこんな因果はありえないだろう…ということは、一目瞭然だと思います。
おそらく著者・研究者の意図は第3因子や疑似相関に関するものではないでしょうか。
反露性向やワクチン接種志向性の両方を高めるあるいは弱める特性が別にある、ということです。
反露性向を強める(あるいは弱める)ことにも、ワクチン接種志向性を強める(あるいは弱める)ことにも繋がるような特性って何でしょうね、という話です。
千鳥 様
コメントを拝読し昨日から抱いていた違和感を消化できました。
名文の感謝に併せ素晴らしく透徹した論旨に賛辞をお送りいたします。
私はこの記事を面白がっていたんですが、やむを得ない事情で接種できなかった人々が、気分を害するコメントにならないように気をつけねばと、私は思いました。
元ジェネラリストさま
第3因子となるような特性を考えるにしても、そういった様々な背景を持つ方がいることは十分考慮しなくてはならないですよね。
どうもありがとうございます。
ワクチン関係の論文を曲解し、ワクチンは有害で危険なんだと主張する有名なTWアカウントがあるんですが、この御仁がロシアを応援し始めたんです。
なんか「繋がった」んですが、これは因果関係を示す具体例ですかね。
千鳥様 現様
元コメ匿名で書込みましたので匿名2として書込み、ご容赦下さい。
>因果と相関は異なるものであることは知っておかなければならない、という
>話には全く同意ですが、そう書かれた意図は量りかねます。
反例になるかも怪しい反例を上げましたのは
「自分たちの目を曇らせないための自戒として」です。
新宿会計士さんが因果関係を述べていられないことは、その通りですが
これは因果関係であると誤解しやすい事例と思いました。
自戒の内容は
「一見、因果関係を説明するようでいて、実はそうではない」データは
「恣意的に探せば」いくらでも出すことが出来、
ここで 「わかった!繋がった!」 と閃いてしまうのが危険
己の心の中で「レッテル」が形成され、ああ、これもあのことね。と思考停止してしまうのが危険。
「傾向」から導かれるのはあくまで「仮説」であり、「仮説」は「検証」がなされるまで間違いである可能性も高い。という自戒は常に必要で、
単なる自戒を、会計士さん記事批判のように書いてしまいましたことは申し訳ございません。しかしながら出来れば皆様にも共有頂きたい自戒と思い書き込みました。
ロシアの最大の敵対国アメリカでブースター接種が伸び悩んでますが・・・
収入や学歴での相関関係やら荒唐無稽な陰謀論やら・・・一部の反ワク者(迷惑者)はともかく
非接種者を十把一絡げにマヌケ扱いするのはなんとも・・・
紙おむつを買う男性は同時にビールを買う傾向にあるという30年くらい前にデータマイニングという言葉と共に流行った伝説?の焼き直しですね。最近、結論ありきのレッテル貼りの根拠に利用されがちです。
面白い相関だと思いました。
論理的な議論によっても一切考えが変わらないような、陰謀論に染まる人は一定数いるのは、経験からもなんとなくわかります。
理由は様々でしょうが(プロパガンダ、天邪鬼、謝ったら死ぬ病、マウント取り、低理解力、等々)、社会の世論形成に与える影響とか、民主国家では無視してもよいことと思いません。
科学的な分析が進むことを私は期待します。
ちょっと別の見方をすれば、
相関関係は、2つの別々の
ものの関連性なのですが、
日本の場合は単に主張している人が
別物を装っているだけとも感じます。
ならず者国家とは『友愛(?)』結びたい人と、
ロシアの肩持つためウクライナを非難する人は、
相関関係という別のものの関係性ではなく、
豆鉄砲喰らったようなお顔についている
同じひとつのお口でおっしゃっているようですから。
私の最大の関心事は、相関の一部に含まれるであろう、その因果関係です。w
日本でも「憲法九条を支持するか」と「ロシア語話者がドンバス地域で受けていた抑圧を考えるならば、ロシアによるウクライナへの侵攻は正当化される」の世論調査をやってみたらどのような相関が現れるか知りたいです。
おもしろそうに見える傾向も、岸田さんのために台無しです。基礎疾患持ちの初老でワクチン早く打ちたいロシア大嫌いの私でも、ようやく来週3回目です。1,2回目の菅さんの時は、私も私の家族もみんな早かったねーと感心しました。
鳥海不二夫東京大学教授も類似の分析をされておりました。
ツイッター上でウクライナ政府をネオナチ政権だと拡散しているのは誰か
https://news.yahoo.co.jp/byline/toriumifujio/20220307-00285312
「ウクライナ政府はネオナチ」というロシアの主張に沿ったツイートを拡散しているアカウントを分析したところ,これらのアカウントは反ワクチン系のツイートも拡散しているアカウント群である、との事です。
反ワクチンデマはロシアが煽ってたんじゃないかと疑ってしまうような結果ですね。
他に、米大統領選挙陰謀論とも何らかの共通点があるのではないかと感じています。
>ちなみにクラスタBのアカウントもそこそこQアノン系を拡散していますが,クラスタBにはいわゆるネトウヨアカウントが多く含まれているようです.
戦争反対を叫ぶネトウヨクラスタ、ウクライナはナチスだから侵略されても仕方ないという反ワククラスタ。なかなか味わい深いですね。
>「アポロは月面に着陸していない」
月面から地球を撮った写真ないし映像がないので、人類の月面到達はアメリカの嘘だと思います。技術的に今でも不可能だと考えます。
ネリチャリ 様
反ワクでありませんが昨年8月貴コメントはワクチン接種しないとの由でした。
https://shinjukuacc.com/20210803-04/#comment-178596
今回の人類月面到達否定説と併せ興味深く考えています。
差し支えなければロシアの振る舞いの見解もお聞かせいただけないでしょうか。
アどうせ信じないでしょうが、アポロ18号の時に撮られた写真があります。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/122700576/?P=2
「客観的に観察されたとしても自身の信条に都合の悪い事実は無視する」のは割合普通な傾向だと思います。
ちょっと本題から離れますが、自国民に対する人命に関わらない、主に経済的な待遇を「日本の重大な戦争犯罪」とする東アジアの隣国はロシアの占領地域での民間人粛清を擁護しているようですな。
あー彼らベトナムでやらかしてるからデショ
ベトナムへの謝罪と賠償はどーなっとるんかは知らんケド
彼らは「永遠の被害者()」なので謝罪は要求してもする事は無いのですw