キーウ近郊の都市・ブチャなどで大量の民間人の遺体などが発見されている問題で、ロシア側は関与を否定。「ロシアの占領中、民間人は誰ひとりとして暴力に苦しまなかった」、「(民間人の犠牲者は)ロシア撤退後にウクライナ側の砲撃で生じた可能性がある」とする見解を述べたのだそうです。やっぱり、ソ連崩壊から30年以上経っても、ロシアはロシアなのかもしれません。
民間人に大量の犠牲者
今朝の『ロシア「5月9日までの勝利宣言」に合わせ目標修正か』では、ロシア軍が撤退したキーウ近郊の街で、民間人の遺体などが大量に発見されたとする話題にも触れました。
ロシアがウクライナ戦争を巡り、5月9日の対ナチ戦勝利記念式典までに「勝利宣言」を考えているのではないか、とする報道が出て来ました。CNNは米政府情報当局者の発言を引用し、「ロシアがキーウ制圧からウクライナ東部制圧に目標を修正した」と報じています。ただ、英国のトラス外相は「ロシアの戦争犯罪を捜査する活動を英国が全面支援する」と述べるなど、さながら西側諸国とロシアの「持久戦」の様相も呈してきました。当てが外れたロシアウクライナ侵攻からもうすぐ40日ロシアのウラジミル・プーチン大統領が「特殊な軍事作... ロシア「5月9日までの勝利宣言」に合わせ目標修正か - 新宿会計士の政治経済評論 |
このあたり、当ウェブサイトで逐一触れなくても、インターネット上ではかなりセンセーショナルに取り上げられているため、多くの方がすでに該当する画像ないしは動画を目にされていることでしょう。犠牲となった方々には深く哀悼の意を表したいと思う次第です。
そして、問題はこの「犯人」がだれか、という点でしょう。
ロシアの駐米大使が関与を否定
これに関連し、ロシアのメディア『タス通信』(英語版)は日本時間の今朝、こんな記事を配信しました。
Envoy points to Ukrainian shelling of Bucha following Russian troop withdrawal
―――2022/04/04 10:32付 タス通信英語版より
タス通信によると、アナトリー・アントノフ駐米ロシア大使は米誌『ニューズウィーク』の取材に対し、「ロシア軍がブチャを去った時点で、民間人の犠牲者は報告されていなかった」としつつ、「米メディアはウクライナ軍がブチャに砲撃していた事実を無視している」と批判したのだそうです。
アントノフ氏はまた、ロシア軍がブチャで民間人の殺害に関与しているとの疑いを巡り、「ロシア国防省はこうした虚偽の告発を完全に否定している」、「ロシア軍は3月30日にブチャを去っているが、ウクライナ当局がその間、ずっと沈黙を守っていた」と指摘。
キーウ近郊での民間人の犠牲者については「彼らは唐突に、ロシアのイメージを傷つけ、ロシアを自己弁護せざるを得ないセンセーショナルな映像を投稿したのだ」と批判したのだそうです。
そのうえで、アントノフ氏は次のように述べたそうです。
「ブチャがロシアの武装部隊によって統制されていた時点で、民間人はただの1人として暴力に苦しんだことはないことを、責任をもって強調する。それどころか、我々の部隊は452トンもの人道的支援を民間人に対して提供した」。
つまり、ブチャの街で報告されたさまざまな犠牲者の衝撃的な画像は、いずれもロシア軍が撤退した直後にウクライナ軍がブチャを砲撃したことによるものである可能性がある、ということであり、ウクライナはその責任をロシアになすり付けようとしている、と述べているようです。
タス通信はまた、ロシア国防長が日曜日、「ロシア軍がブチャを去ったのは3月30日である」としたうえで、ウクライナ側は3月31日時点で「ロシア軍がブチャを去った」と強調していたにも関わらず、民間人の犠牲者が報告され始めたのがその数日後であるという点を強調した、などとも述べています。
タス通信が本件について、「ウクライナの自作自演説だ」と断定しているわけではありませんが、この一連の主張を眺めると、そのように主張しているようなものであることもまた間違いありません。
ソ連崩壊から30年経っても、やっぱりロシアはロシア
このあたり、西側諸国の報道を信じるのか、それともロシア側の主張を信じるのかについては、読者の皆さまに委ねたいと思いますが、ウェブ主自身の感想を申し上げるならば、「ソ連崩壊から30年以上が経過しても、やっぱりロシアはロシアだ」、です。
「3月30日にロシアが撤収し、4月2日以降に遺体の山が報じられ始めた」として、「ロシアがやったわけではない」、「ウクライナによる自作自演だ」という結論を導くのは、少々強引だからです。
このあたり、日本国内でも「ロシアはもとからキーウを制圧するつもりはなかった」、「今回のウクライナ侵攻は米国が仕組んだものだ」といった説明をなさる方々もいらっしゃるのですが(驚くことに「保守派」を自称する人たちにも、そのような認識をお持ちの方がいらっしゃいます)、言い分としては、さすがにかなり苦しい気がする次第です。
View Comments (33)
イラクのフセイン政権が打倒される前日まで「イラク軍は勝っている」。
と放送していたなあ。
話が脇にそれますが…
黒川開拓団の女性達のことが、どうしても思い出されます。
https://www.dailymotion.com/video/x5wefga
日本には古来より、聖徳太子の「和を以て、貴しと為す」の教えがあり、私たちは子供の頃から耳にしてきました。
本日、各地の聖徳太子にゆかりのあるお寺で、停戦を願い「以和為貴」の揮毫がなされたそうです。
犠牲になられた方々のご冥福を! 合掌
今世紀のプーチン政権下ロシア当局も「カティンの森事件はジェノサイドではない」と公式に表明していましたし、ソビエト連邦から通じてロシアの人々にとってこういった行為についてはそういう認識なんでしょう
ウクライナはソビエト連邦の一つだった。
でもこれだけ抵抗しているのを見るとロシアがどういう国なのか端的にわかる。
ウクライナの人達はもう絶対ロシアに戻りたくないのだ。
日本人だって日本の政治がうまくいかない時、アメリカの51番目の州になった方がマシだ💢なんて言う人はいても、中国の34番目の省になった方がマシだ💢なんて言う人はいないものね。
それなのに民間人が死ぬからウクライナは降伏した方がいいなんて言う評論家がいて驚く。
ヒューマン・ライツ・ウォッチ発表の記事です。
ロシア支配地域での、ロシア軍の蛮行記録です。
第二次大戦のロシア軍の歴史記録かと錯覚するような内容です。
被害者や目撃者の証言がメイン(本人の傷跡などもあるようですが)ではあります。あとから検証されるべきでしょうが、現時点で貴重な記録だと思います。
Ukraine: Apparent War Crimes in Russia-Controlled Areas
Summary Executions, Other Grave Abuses by Russian Forces
ウクライナ ロシア支配地域における明白な戦争犯罪
ロシア軍による即席の処刑とその他の重大な虐待
https://www.hrw.org/news/2022/04/03/ukraine-apparent-war-crimes-russia-controlled-areas
具体的な衝撃的事例が記載されていますので、読まれる場合はご注意ください。
ウクライナに限らず、世界の紛争地域では同様のことは起こっていると聞きます。
「21世紀の現代ではそんなことは起こらない」という弁護士や九条信者の主張も見かけますが、それへの一つの回答だと思います。
コロナ禍第7波の新型株は間違いなくプーチン株ですね。
さっそく Maxstar Technologies 社が衛星写真を公開して、ブチャ市街惨殺はロシア軍による犯行であり、教会敷地に被害者が埋設されている報じているようですね。実は動かぬ証拠は他にあって、ロシアが何か弁解言い逃れをするたびに事実を突きつける、そんなことがこれからも繰り返されそうです。
(独裁者の本性)
自国民に対し、どれだけ "正当仮面(セイトウカメン)" を演じようとも、
実態は、詭弁を発する "正当化面(セイトウカヅラ)"でしかありません。
日本の国会議員の中にもこの期に及んで未だにロシアを擁護したり、ロシアを利する発言や投稿を行う人がいますが、本当に信じられません。
そしてその国会議員が所属する政党も黙認している状態となっています。
その国会議員もその政党も非人道的組織という目で見ざるを得ません。
もっとも問題といえば
3月始めにプーチンの肩を持ち
ウクライナ大統領に『悔改めるべき』とまで
ご自身のツイッターで発言された
支持者が呼ぶところの
ミスター民主党御大将の
鳩ポッポさんと感じます。
気のせいか、最近ロシア大使館のツイートの日本語の質が落ちたような気がします。
https://twitter.com/RusEmbassyJ/status/1510920568270639105?s=20&t=g4zo5DLLmz9DQ3r09yK2-w
日本人職員が辞めたとか。
しらんけど。