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大統領国会演説を「国民は許さない」=ジャーナリスト

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が近いうちに日本の国会でも演説をする可能性があります。こうしたなか、この演説を「国民が許さない」としたツイートが、ちょっとした話題を呼んでいるようです。なぜなら、ちょっと主語が大きすぎるからです。ただ、こうした話題を目にすると、新聞記者が自分たちを「国民の代表」だと勘違いしていたとする話題を思い出します。

ケンポーキュージョー教というカルト宗教

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が日本の国会での演説を打診してきたものの、立憲民主党や日本共産党が難色を示していたようだ、とする話題は、先日の『ウクライナ大統領の国会演説に立憲民主代表が慎重姿勢』でも示したとおりです。

ウクライナのゼレンスキー大統領が日本の国会でオンライン演説を希望しているとする話題が出て来ました。これは「ケンポーキュージョー教」にとっては大変に都合が悪い話となりかねません。「ケンポーキュージョー」など、外国の侵略に対し何の役にも立たないという事実が、外国から侵略を受けている国の当事者の演説から露呈してしまうおそれがあるからです。「ケンポーキュージョー教」日本には、「ケンポーキュージョー教」信者と呼ばれる人たちがいらっしゃるようです。以前の『憲法第9条では外国からの侵略を防ぐことなどできな...
ウクライナ大統領の国会演説に立憲民主代表が慎重姿勢 - 新宿会計士の政治経済評論

このあたり、繰り返しになりますが、立憲民主党や日本共産党などがゼレンスキー氏の演説に後ろ向きである理由として、真っ先に考えられるのは、いわゆる「ケンポーキュージョー教」にあります。

「ケンポーキュージョー教」とは、「日本国憲法第9条が存在すれば、日本は戦争に巻き込まれない」とする、一種の呪術的なカルト宗教のようなものですが、その「教祖」(?)のような存在のひとりである日本教唆の津の志位和夫委員長からして、言い分をコロコロと変えているのが印象的です。

志位和夫

憲法9条をウクライナ問題と関係させて論ずるならば、仮にプーチン氏のようなリーダーが選ばれても、他国への侵略ができないようにするための条項が、憲法9条なのです。
―――2022/02/24 17:51付 ツイッターより

議論のすり替えであり、詭弁そのものです。

それを言うなら、「侵略されている側」であるウクライナの側に憲法第9条があったとしたら、今回の事態が防げたのかについて議論しなければ意味がありません。説得力は皆無です。

そして、こんな詭弁に騙される有権者が一定数存在するからこそ、日本共産党の議席がゼロにならないのだと思います(ただし、昨年10月の衆院選で日本共産党の勢力が公示前から2議席減り10議席となったことは、日本共産党支持層が減少している兆候かもしれませんが…)。

ゼレンスキー氏の演説は22日か23日には実現?

それはさておき、個人的には、ゼレンスキー氏にはぜひとも演説をやっていただきたいと考えています。

この点、米議会での演説で真珠湾に言及したことが、日本国内では批判を招いているフシもあるのですが、どうせならゼレンスキー氏には広島・長崎の原爆、ソ連の参戦と樺太・千島の戦い、日本人のシベリア抑留といった、米ソなどによる戦争犯罪についても述べていただきたいところではあります。

ただ、ウクライナにとっての最大の効果といえば、ゼレンスキー氏が議会演説を行った国のひとつに日本が加わることで、国際社会の連帯を示すことであり、日本にとっての最大の効果といえば、やはり日本人に意識変革を促すことでしょう。

こうしたなか、FNNプライムオンラインに金曜日、こんな記事が出ていました。

【速報】ウクライナ・ゼレンスキー大統領の国会演説 3連休明け22日で調整

―――2022年3月18日 14:18付 FNNプライムオンラインより

FNNプライムによると、ゼレンスキー大統領の国会演説は3連休明けの22日も視野に「早期に実施すべき」との方針で与野党が一致した、というのです。今後は演説をオンライン形式で実施するかどうかなどを巡って調整が行われるそうです。

また、産経ニュースの次の記事によれば、「23日に実施する」、とも記載されています。

ゼレンスキー演説 国会の「熱意」がみえない

―――2022/3/19 05:01付 産経ニュースより

いずれにせよ、これらのメディアの報道が正しければ、ごく近いうちにゼレンスキー氏の演説は実現するでしょう。

強硬に反対する人たち

このあたり、立憲民主党の泉健太代表あたりは、3月16日時点で、「国会演説の前に『首脳会談・共同声明』が絶対条件だ」「演説内容もあくまで両国合意の範囲にすべき。それが当然だ」などと述べていたことを思い出します。

泉健太🌎立憲民主党代表|衆議院議員

ゼレンスキー大統領による日本の国会での演説。
他国指導者の国会演説は影響が大きいだけに、オンライン技術論で論ずるのは危険。
私は日本の国民と国益を守りたい。だから国会演説の前に『首脳会談・共同声明』が絶対条件だ。
演説内容もあくまで両国合意の範囲にすべき。それが当然だ。
―――2022/03/16 8:31付 ツイッターより

このため、ゼレンスキー氏の演説が実現するまでに、立憲民主党からのもう一段の「妨害」がある可能性には十分な注意が必要でしょう。

もっとも、この「ゼレンスキー演説」を巡って、さらに強硬に反対している人物がいらっしゃったようです。

鳥越 俊太郎

おいおい、ゼレンスキーはそんなことを言ったのかい?紛争の当事者だ。何を言うか、分からんねぇ?国民は許さない。たとえ野党まで賛成してもだ‼️
―――2022/03/17 7:55付 ツイッターより

ジャーナリストの鳥越俊太郎氏はツイッターで、やや過激な表現も使いつつ、「紛争の当事者」であるゼレンスキー氏が日本の国会で演説することにあくまでも反対する考えを示したそうです。

このあたり、「ゼレンスキー氏の演説をしないでほしい」なども含め、日本ではどんな意見を述べるのも自由です。鳥越氏も都知事選への出馬経験があるなど、非常に著名な方ではありますが、あくまでも私人ですので、どのようなツイートでも問題はありません。

ちょっと主語が大きすぎやしないですか?

ただ、それと同時に、このツイートでは「国民は許さない」、とありますが、これはちょっと主語が大きすぎではないでしょうか?

ちょっと真面目に突っ込んでおくと、国会議員は選挙を通じて日本国民から選ばれますし、その意味で、日本国民の代表そのものです(実際、日本国憲法前文でも、「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」、とあります)。

その「国民の代表」である国会議員が「演説をやる」と決めたのであれば、これは「国民の意思に反するもの」とは一概には言えないのではないでしょうか。

そして、ついでにいえば、メディア関係者は「国民の代表」では決してありません。

このあたり、今から約3年前の『「国民の代表」を騙る新聞記者、そして「国民の敵」』などでも議論しましたが、どうも新聞業界、マスメディア業界に長年いらっしゃる方のなかには、「自分こそが国民の代表だ」と勘違いされている方も多いのかもしれません。

以前、『新聞労連の思い上がり 新聞記者は国民を代表していない』のなかで、新聞労連の思い上がった声明文を、「国民の敵」という言葉とともに紹介しました。これについて、一部メディアの報道によれば、東京新聞側は首相官邸から「記者が国民の代表とする根拠を示せ」と要求されていたのだそうですが、「根拠を示せ」と正論を突きつけられたとしても、そんな根拠など示せるはずがありません。なぜなら、新聞記者は「国民の代表」ではないからです。新聞記者は国民の代表ではない!以前、『新聞労連の思い上がり 新聞記者は国民を代...
「国民の代表」を騙る新聞記者、そして「国民の敵」 - 新宿会計士の政治経済評論

しかし、新聞記者の場合は、国民の選挙を通じて選ばれたわけではなく、あくまでも単なる民間企業に過ぎない新聞社の採用試験に合格しただけの存在に過ぎません。「試験に合格しただけであって、選挙を通じて選ばれたわけでもない」という意味では、官僚とも非常に似ています。

その意味では、インターネットが普及する前は、選挙で選ばれたわけでもない存在が、ペンの力を使って不当に大きな社会的影響力を持っていたわけであり、こうした構図が現在、ネットの普及などにより、ガラガラと音を立てて崩れつつあるのかもしれません。

いずれにせよ、近いうちに実現するであろうゼレンスキー演説については、個人的には非常に注目したいと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (41)

  • 下手な演説して日本の保守派の少なくない人がウクライナ嫌いになり
    パヨクの方がウクライナ擁護する展開も有り得る
    いろんな要素を考えても、ウクライナが米英に対する配慮や持ち上げを行うとは思えない
    ドイツに対してすら微妙だったから、日本に対してはさらに非難してきそう

  • 確かにゼレンスキー大統領が国会で何を言い出すか分からない一抹の不安はあります。既に他国で行ったゼレンスキー演説の内容をよく分析しておくことが必要です。
    ところで、泉健太代表の「私は日本の国民と国益を守りたい。」とか、岸田首相も「国益に沿って判断する」等の答弁をこのごろよく聞きますが、「国益」っていったい何? 双方とも「国益」を考えている筈なのに、言うことが反対となっています。コクエキ・マジックですね。

    • 攻撃型原潜様

      国益?
      それは自分の私益と特定者に対する利益の間違いでしょう。
      誰も政治屋がまともな人間だと思ってません。
      自分の私利私欲のために権力を握る輩=議員、ということでしょう。
      選挙に批判票が入れられるのであれば、喜んで選挙に行くのですが。
      しかしながら、毎回投票したい人間や政党がないので残念ながら白紙投票です。

      • 国会議員も各界の利権代表みたいなところはありますね。
        しかし白紙投票はせっかくの権利を、もったいないです。

  • ウクライナ侵攻で絶滅危惧教となった「憲法9条真理教」のみなさんは、必死のパッチ♪
    信者らがアチコチで連呼する「国民」は「憲法9真理教のみなさん」に限る、ですね♪

    9条改正に向けて大きな影響を与える(であろう)
    ゼレンスキー大統領の国会での演説は、絶対阻止で騒ぐも力及ばない可能性大・・・

    なので、必死にポンコツ反論理論?構築中らしいので、生暖かく絶滅過程を見守りましょう♪

  • 国民の代表を騙ってみせる元新聞記者、ですか
    哄笑指弾されてますよね、まだ気が付いてない

  •  たぶん、民法連あたりが忖度して、「憲法を守るため」と称し、拳法「報道しない自由」拳が炸裂するのではないかな。演説をどのように報道もとい「報導」するのか、見物です。

  • 鳥越俊太郎氏のツイートに魅了された一人です。
    彼の国会演説反対の論旨は、ウクライナが紛争の一方の当事者だから、でした。世にはびこる「ロシアにも事情がある」説とは少し違うんですよね。

    推測ですが、彼は確か非武装中立論者だったので、ウクライナが「反撃して戦闘」しているから、「どっちも平和の破壊者」だということなのでしょう。
    このツイートを見て、「戦争になったら降伏しろ」という非武装中立論者が、どっちが先に仕掛けたかを一切考慮しない「どっちもどっち論」なのだと気づきました。どっちもどっち論でつながる界隈の人たちの相性のよさに気づいて、ちょっとワタシ的には腑に落ちた感がありました。

    戦争になったら降伏して生き延びろと、私が子供の頃には多くの大人からそう言われました。
    でも今回、ウクライナの民間人が両手を上げて車から降りて来たところを、ロシア兵に射殺されたとするドローンの映像が流れています。映像の真偽はわかりませんが、戦時に降伏して生き残れるかどうかは、例えば対面した兵士の「胸先三寸」だったりするんですよね。
    降伏すれば生き延びられるなんて、保証の無い話です。

    だとすると、命を大事にする観点でも、戦争を思いとどまらせる抑止の考え方を捨てる理由にはなりませんよね。
    非武装中立論者に国の舵取りを任せる気にはならないと改めて。
    ダラダラ書いてしまいました。

    • カチンの森では降伏したポーランド将校その他がソ連兵に全員殺された。その数22000人。生き残りがいないので証人なし。ソ連はナチスのせいにして言い逃れ。

      降伏するとこういうことになるかもしれない。

    • 我が国は命を守るために侵略を受けたら降服する事を国民に推奨しています。
      なんて対外的に公言したら北朝鮮や中国、ロシアはすぐに行動を起こすでしょうね、核を持っていれば国際社会は手を出せないことが証明されましたから。

  • 世間から忘れられた様なセクハラ爺さんが、「国民の声」を僭称する事態で滑稽ですね
    あの!立憲ですら、原則的には反対してないのに
    あなたの言う国民って、何百人とかのレベルじゃねーの?

    余命なんちゃらとか本出してましたが、まだ生きてたんですね
    まだ生きてたのかって感慨しか無い人物です

    • 世間から忘れられた様なセクハラ爺さんに「化石賞」を授与します。

  • >「国民は許さない」
    ほんと主語がおっきすぎますね♪

    ただ、米国議会の演説で、リメンバー・パール・ハーバとか言ったことの反応みたいなので、気持ちとしてはわからないでもないと思うのです♪

    国会での演説をさせるべきじゃないとまでは思わないけど、あたしも、憎悪を煽るような演説には不快感を感じるのです♪

  • 国会議員やマスコミが、「国民がー」と言うとき、国民という印籠でも振りかざして自分の好き勝手を言ってるようにしか見えないことも、多々あります。

    古い話ですが、国民新党を立ち上げた綿貫民輔氏が、「国民」と書かれた印籠を本当に作って、マスコミカメラの前で「この印籠が目に入らぬか」と、たちの悪いブラックジョークのパフォーマンスをやっていたのを思い出しました。
    いまだに、ズレてる人は多いと思います。

    • 元ジェネラリスト さま

      >「国民」と書かれた印籠を本当に作って(中略)たちの悪いブラックジョーク

      本当にあったんですか、当方は今知りました。笑いのツボです。

      この機会を借りて昔話をさせてください。
      「市民運動と国民運動の違いがあなたに分かるかしら」
      そう尋ねて来たのは元科学技術庁官僚の女性です。「元」の理由は当時すでに文部科学省の一部となっていたからです。省庁向けの作文(研究開発の某提案公募)の添削をしてもらっていたときに、作文にはうかつな言葉遣いは混ぜてはいけないとのお諭しの一部がこれでした。20年近く昔の話です。ありがたく拝聴しわが身の至らなさを恥じ入ったたものでした。
      カスミ官僚とはこういうひとたちなのかと彼女とのやりとりで学んだものは多かった。余りに面白いので他のもいつか披露します。

  • ゼレンスキー大統領 米国議会演説全文(NHK)
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220318/amp/k10013540231000.html#referrer=https://www.google.com&csi=0
     NHKは信用ならんと言う方はYou Tubeでも探して下さい w
     国内報道は「真珠湾攻撃」に特化して報道しているようですが米国批判も辛辣に行っています

     かつて国家演説をされた国家元首と言えば「ブータン王国」
    ブータン王国演説全文
    https://media.yucasee.jp/9605/
     ブータンはながらく中国からの侵略をうけていながら震災直後の日本をたたえて下さいました
    ※経済援助と裏を考えれば中国の侵略を知って(助けて)欲しいと言う思いがあったと思います
    ※状況が違うので単純な比較はできないと思いますが23日に注目です
     

    • わんわん様

      わんわん様> ブータンはながらく中国からの侵略をうけていながら震災直後の日本をたたえて下さいました
      ※経済援助と裏を考えれば中国の侵略を知って(助けて)欲しいと言う思いがあったと思います

      同感します。FOIPは対中国の不法な拡張を抑える為の縦横家で言う縦の国際的行動です。

      ブータン王国等の現在領土喪失する国家への支援策等が日本からクアッドへの戦略提供される事で上記の目的に関する日本の存在価値が継続する事を日本政府は理解するべきではないでしょうか。

      アイデアが岸田が頭の政府では思いつかない可能性があるので当方が一例を書いておきます。

      一例として山岳防衛の共同訓練、研究の名目で自衛隊中心でクアッドから総勢で中隊規模の部隊を常時活動させるべきではないでしょうか。

      ブータン王国にクアッド版PKFの常駐。

      FOIPをより機能させる為に政府で検討しアメリカ等に提案活動を希望しますね。

      以上です。駄文失礼しました。

    • わんわん様

      演説の全文ありがとなのです♪

      あたしも、リメンバー・パール・ハーバに反応したくちだったけど、反省なのです♪

      演説全体を読むと、思ったよりまっとうに助けを求めてるものなんだと感じたのです♪

    • 憲法9条を守りたい人達は、ゼレンスキー演説の中の

      「一国の平和はもはや、あなたとあなたの国民だけによって決まるものではありません。それは隣国であって、力を持った国によって決まるのです。」

      を国会で暴露されるのを恐れているのでしょう。「力を持った隣国」はロシアに加えて日本は中国と2方面に対峙せねばなりません(核を持つ北朝鮮と日本を敵視する韓国も加えて4方面というべきか)。まだ平和ボケから覚めやらず半睡状態の日本国民が目を覚ましてしまうのを警戒しているようです。しかし、それは「力を持った隣国」の立場と違いますか。

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