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新聞業界を支えてきたチラシ需要が、ついに崩れ始めた

この20年あまりで新聞広告市場は3分の1に縮小する一方、新聞部数の減少にも歯止めがかかりません。こうしたなか、新聞販売を長年支えてきた「折込チラシ」自体が、存続をかけた危機的な状況に置かれているようです。なぜなら、新聞販売店にとってチラシ広告の収入が急減すれば、宅配網自体が存亡の危機に立たされるからです。

広告費で「マスコミ>ネット」の衝撃

マスコミ4媒体受難の時代へ

昨日の『ついにネット広告費がマスコミ4媒体広告費を追い抜く』では、株式会社電通が公表した『日本の広告費』というレポートをもとに、ネット広告費がマスコミ4媒体(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)全体の広告費を追い抜いた、とする話題を取り上げました。

ついに、ネット広告費がマスコミ4媒体広告費を追い抜きました。株式会社電通が先月公表した2021年版の『日本の広告費』によれば、マスコミ4媒体(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)の広告費はコロナ禍で急減した2020年と比べてやや持ち直したものの、成長著しいインターネット広告費に、あっけなく追い抜かれた格好です。本稿ではまず、その事実確認をしておきたいと思います。株式会社電通『日本の広告費』の最新版当ウェブサイトでは例年、株式会社電通が公表している『日本の広告費』というレポートをもとに、インターネット広告費と...
ついにネット広告費がマスコミ4媒体広告費を追い抜く - 新宿会計士の政治経済評論

あらためて、広告費のうち、インターネットとマスコミ4媒体の推移を確認すると、図表1のとおりです。

図表1 広告費(インターネットvsマスコミ4媒体)

(【出所】株式会社電通『日本の広告費』および「埼玉県民」様提供データより著者作成)

これで見ると、この20年あまり、インターネット広告費については急伸する一方、マスコミ4媒体広告費は横ばいか、ないし減少に向かっていることが見えてきます。

2000年における広告費はマスコミ4媒体だけで3兆9707億円に達していた一方、ネット広告費はたった590億円で、マスコミ4媒体の市場規模はネットの67倍(!)だったのです。

しかし、2021年においては、マスコミ4媒体の広告費は2兆4538億円で、ネットが2兆7052億円と、とうとうネットだけでマスコミ4媒体を大きく凌駕してしまったのです。

新聞広告市場は20年で70%も縮小した

では、なぜマスコミ4媒体は広告費でネットに追い抜かれてしまったのでしょうか。

先ほどの図表1を見て気付くのは、マスコミ4媒体全体の広告費が2000年代なかば以降、どんどんと下落し始めていることは間違いないものの、4媒体のすべてが等しく減少しているわけではない、という点です。とりわけマスコミ4媒体全体の減少を主導しているのは、テレビではなく新聞でしょう。

そもそもテレビ広告費については多少の変動はあれ、あまり大きな変化がありません。

2000年における広告費は、テレビが2兆0793億円、新聞が1兆2474億円でしたが、2021年にはテレビが1兆8393億円、新聞が3815億円にそれぞれ減っています。しかし、減少率で見ればテレビは11.54%であるのに対し、新聞は69.42%に達しているのです。

いわば、新聞広告の市場規模は、20年少々前と比べ、じつに7割も失われたのです。

じつに衝撃的な結果です。

そして、これについて詳しく検討する前に、統計的事実をもうひとつ確認しておきたいと思います。『新聞社幹部「新聞には正確な情報源として需要がある」』などでも説明した、「新聞の部数が減少している」とする話題です。

新聞部数はこの20年あまりで約4割減少しましたが、それは新聞業界の自業自得、という側面が強いように思えてなりません。インターネットの出現によるテクノロジーの進化に取り残されただけでなく、記者クラブ制度だ、消費税の軽減税率だ、再販価格維持だ、といったさまざまな特権に守られている間に、業界自体がすっかり腐敗し切っているのかもしれません。新聞の部数の減少20年間で新聞部数は約4割減った昨年の『データで読む:歯止めがかからない新聞の発行部数減少』では、一般社団法人日本新聞協会が公表する『新聞の発行部数と...
新聞社幹部「新聞には正確な情報源として需要がある」 - 新宿会計士の政治経済評論

新聞市場の分析

わかり辛い日本新聞協会のデータ

ここでは、一般社団法人日本新聞協会が公表する『新聞の発行部数と世帯数の推移』というページに掲載されている、2000年から2021年までの22年間における新聞の発行部数に関するデータを使ってみましょう。

ただし、日本新聞協会のデータは少々わかり辛く、種類別に「一般紙」「スポーツ紙」、発行形態別に「セット部数」、「朝刊単独部数」、「夕刊単独部数」、という区分で集計されています。とくに「セット部数」、つまり朝刊と夕刊をセットで1部ととらえる考え方は、大変に特殊だと思います。

いずれにせよ、とりあえずは日本新聞協会の公表数値どおりに、最も古い2000年のデータと最も新しい2021年のデータを比べてみます。「種類別」が図表2、「発行形態別」が図表3です。

図表2 種類別発行部数(2021年と2000年の対比)
区分 2021年 2000年対比
合計 3303万部 ▲2068万部(▲38.51%)
うち一般紙 3066万部 ▲1674万部(▲35.32%)
うちスポーツ紙 237万部 ▲394万部(▲62.42%)

(【出所】日本新聞協会『新聞の発行部数と世帯数の推移』より著者作成)

図表3 発行形態別発行部数(2021年と2000年の対比)
区分 2021年 2000年対比
合計 3303万部 ▲2068万部(▲38.51%)
うちセット部数 648万部 ▲1170万部(▲64.34%)
うち朝刊単独部数 2591万部 ▲779万部(▲23.11%)
うち夕刊単独部数 63万部 ▲119万部(▲65.46%)

(【出所】日本新聞協会『新聞の発行部数と世帯数の推移』より著者作成)

まず、種類別にみると、スポーツ紙の落ち込みが大変に激しいことがわかります。この20年あまりの間でのスポーツ紙の落ち込みは60%を超えており、いわばスポーツ紙全体が3分の1にまで縮んだ計算ですが、その一方で一般紙の部数の落ち込みは35%ほどに留まっています。

一方、発行形態別でいえば、セット部数と夕刊単独部数がそれぞれ3分の1程度に減少した計算ですが、朝刊単独部数については23%程度の減少で留まっています。

朝刊単独部数の減少が少ない理由は不明だが…

このあたり、「一般紙」の減少が35%程度、「朝刊単独部数」の減少が23%程度で留まっている明確な理由についてはよくわかりませんが、著者自身はこれについて、「①チラシ需要」、「②訃報欄需要」、「③押し紙などによる不正」――などの仮説を立てています。

仮説①折込チラシの需要が強いこと

朝刊に折り込まれる、近所のスーパーだの、不動産だの、量販店だのといった折込チラシをじっくりと読みたい、という需要が強く、チラシ目当てで新聞を購読している人が一定数存在する。多くの場合、チラシは朝刊にしか折り込まれないため、必然的に朝刊の購読が続く。

仮説②新聞の訃報欄などの需要が強いこと

地元紙の場合だと、新聞に掲載される地域密着情報、とりわけ「訃報欄」に対する需要が強く、とくに商売をしている人を中心に、新聞の根強い購読需要がある。

仮説③不正(押し紙、無料紙など)

一般紙の朝刊についても、本来の有料購読者数はスポーツ紙や夕刊と同じくらいに減少しているはずだが、新聞社が不正を働き、実売部数以上の部数を新聞販売店に押し付けている。販売店はそれらの押し紙を捨てるか、近所のホテル、ファミレスなどに譲渡している。

上記①~③は、あくまでも単なる仮説ですが、このうち③に関しては、著者自身も含め、目撃事例は多数存在します。

一時期、ファミレスに出掛けると、某大手新聞の朝刊が各席に配られていたことがありましたし、また、某地方都市(北海道、東北、北陸、甲信越、関西、中国、四国、九州など)に宿泊すると、ホテルによっては朝刊を無料で配っていました(最近はどうなのかについてはよく存じ上げませんが…)。

すなわち、こうした無料紙が新聞の発行部数を押し上げている、という仮説であり、もしこの仮説が正しければ、「有料で販売されている部数」は上記よりも最も少ないはずでしょう。

セット部数をバラしてカウントし直すと…?

もっとも、「朝刊単独部数」が「セット部数」、「夕刊単独部数」と比べて、さほど落ち込んでいない点については依然として謎ですが、日本新聞協会のデータに含まれる「セット部数」を分解すると、また違った姿が見えてきます。

そもそも上記の図表2、図表3がわかり辛い理由は、日本新聞協会のデータでは「朝夕刊セット部数」を1部とカウントしているためですが、ここで「朝夕刊セット部数」を「朝刊1部・夕刊1部の合計2部」とカウントしたうえで、発行形態別の発行部数を改めて数え直してみましょう。

  • 「セット」1部→「朝刊」1部+「夕刊」1部に分解
  • 「朝刊単独部数」、「夕刊単独部数」それぞれと合計して「朝刊部数」「夕刊部数」を計算
  • 「朝刊部数」と「夕刊部数」から改めて「合計部数」を計算

このようにして計算したものが図表4です。

図表4 朝夕刊の部数(2021年と2000年の対比、朝夕刊セット部数を朝刊と夕刊に分解)
区分 2021年の部数 2000年との比較
合計(※セットを2部とカウントした場合) 3951万部 ▲3238万部(▲45.04%)
うち、朝刊部数 3240万部 ▲1949万部(▲37.56%)
うち、夕刊部数 711万部 ▲1289万部(▲64.45%)

(【出所】日本新聞協会『新聞の発行部数と世帯数の推移』より著者作成。なお、図表中、「朝刊部数」は「セット部数+朝刊単独部数」、「夕刊部数」は「セット部数+夕刊単独部数」を意味する)

先ほどの図表3と異なり、こちらの図表4の方のデータで見れば、朝刊の減少率は40%近くに増えます(※夕刊の減少率については、ほとんど変わりません)。これでもまだ「減少率が少なすぎる」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それにしても、図表3より図表4の方が、私たちの肌感覚には近いかもしれません。

広告費との比較で払拭できない「部数水増し」説

いずれにせよ、「夕刊単独部数」「セット部数」はいずれも、この20年あまりで7割近く減少しており、「セット部数」をバラして数え直した「朝刊部数」についても、この20年あまりでやはり4割近く減少している、ということがわかります。

ここで思い出しておきたいのが、冒頭で取り上げた、「マスコミ4媒体の広告費については、新聞が減少を主導している」というデータです。

とりわけ、新聞広告費についてはこの20年あまりでやはり7割ほど減少したというデータと見比べると、朝刊部数の減少が4割近くで済んでいるというのも、なんだか違和感があります。

自然に考えたら、朝刊部数の減少率が4割程度なのだとすれば、新聞広告費が7割も減少するというのはおかしな気がしますし、逆に夕刊単独部数、新聞広告費ともに7割前後減少しているのだとしたら、朝刊部数も同様に、7割近く減っていないとおかしいのではないかと思えてなりません。

このことからも、「新聞部数の水増し」説については、どうしても払拭し切れません。

もちろん、「新聞の部数と比べて新聞広告費が下がったのは、新聞広告の単価が下がったからだ」、などとする言い訳も考えられないではありませんが、新聞部数と新聞広告費の乖離を「新聞広告単価の下落」だけで説明するのには、やはりかなりの無理があるのです。

チラシ需要と新聞の未来

チラシ需要が減っている!?

ただ、こうした論点もさることながら、先ほど示した「新聞の朝刊部数がさほど減っていない理由」に関する仮説の①、つまり「折込チラシの需要が大きいから、朝刊の需要はさほど減少していない」とする仮説についても、健闘しておく価値はあります。

冒頭に示した『日本の広告費』のデータでは、「マスコミ4媒体」、「ネット」に加え、もうひとつ、「プロモーション・メディア」、すなわち屋外広告、交通広告、折込広告などの分野が含まれています(※本稿では以下、この「プロモーション・メディア」を「PM」と略します)。

そこで、総広告費、マスコミ4媒体広告費、ネット広告費、PMの各項目について、直近3年間の推移をとってみると、興味深いことが判明します(図表5)。

図表5 広告費の比較(2019年~2021年、金額単位:億円)
区分 2019年 2020年 2021年
総広告費 69,381 61,594 67,998
マスコミ4媒体 26,094 22,536 24,538
うちテレビ 18,612 16,559 18,393
うち新聞 4,547 3,688 3,815
うち雑誌 1,675 1,223 1,224
うちラジオ 1,260 1,066 1,106
ネット 21,048 22,290 27,052
PM 22,239 16,768 16,408
うち折込 3,559 2,525 2,631

(【出所】株式会社電通『日本の広告費』より著者作成)

総広告費、マスコミ4媒体、PMは、いずれも2020年において、前年と比べ大きく落ち込みました。前年比で延びているのはネット広告くらいなものでしょう。

この点、コロナ禍の翌年にあたる2021年に関しては、マスコミ4媒体のうち、テレビ広告費については、2020年と比べれば回復しています(※といっても、2019年と比べて回復し切れていませんが…)。

しかし、マスコミ4媒体について詳細を確認してみると、新聞・雑誌がコロナ禍以前の水準にほど遠く、さらにPMについても折込広告費が落ち込んだまま回復できていないことがわかります。

すなわち、チラシ需要が減っている可能性がある、というわけです。

チラシは朝刊に折り込まれる

こうしたなか、ひとつのポイントがあるとしたら、チラシが折り込まれるのはたいていの場合、一般紙の朝刊である、という点でしょう。そして、新聞広告費と折込チラシ広告費に関しては、2020年にコロナ禍でガクンと下落したのですが、これが2021年に入っても回復していません。

言い換えれば、先ほど列挙した「朝刊単独部数の減少が少ない理由」に関する仮説の①、つまり「折込チラシ需要」という点に関しては、コロナ禍を契機に急減した、という可能性が出てくるのです。これについてもう少し詳しく検討するために、新聞広告費と折込広告費の身をグラフ化してみたものが、図表6です。

図表6 新聞広告費と折込広告費の推移

(【出所】株式会社電通『日本の広告費』および「埼玉県民」様提供データより著者作成)

これで見るとわかりますが、新聞広告費についてはこの20年間、猛烈な勢いで縮小し、市場規模が約3分の1に落ち込んでしまったのですが、折込広告費については、長らく4000~5000億円で安定していたことがわかります(といっても、2013年ごろから緩やかに縮小し始めていますが…)。

この様子が一変するのが、コロナ禍が日本と世界を襲った2020年です。

新聞広告費だけでなく、折込広告費についても同様に、ガクンと落ち込んでいるのです。

現時点であまり断定的なことを申し上げるべきではないのですが、もしかすると、折込チラシの世界でも、長年堅調だった需要が、ついに崩落し始めた可能性があるのです。

チラシもスマホで見る時代!?

当ウェブサイトの読者の皆さまであれば、ほとんどの方がスマートフォンをお持ちだと思います。

そして、紙媒体のチラシというものに対し、スマートフォンで徐々に代替できるものが増えてきました。

著者が調べた限りだと、無印良品、ユニクロ、ニトリ、イオン、イトーヨーカドー、東急ハンズなどがスマホアプリを開発していて、なかにはポイント還元に加え、アプリ上でチラシを確認することができる、という機能が内包されているものもあります。

もちろん、個人経営の商店などの場合だと、依然としてチラシ需要は大きいのかもしれませんが、それと同時に、最近だとウェブ上でチラシを確認することができるというアプリなども、徐々に普及しつつあるようです。

このあたり、現状ではまだ「何でもかんでもスマホで代替できる」という状況には至っていませんが、それでもコロナ禍で引いたチラシ需要が十分に戻り切っていないのは、一定層がネットに吸収されてしまったからだ、といった仮説は十分に成り立つでしょう。

いずれにせよ、以前の『紙媒体の新聞から10代が離れた』でも話題として取り上げましたが、社会全体で紙媒体の新聞を読む人は急速に減っており、若年層では紙媒体の新聞を読んでいる人は、ほぼ10人に1人いるかいないか、といった状況にあります。

「テレビ利権」はいまだに根強いが、果たしてその将来は?以前の『新聞を「情報源」とする割合は10代以下でヒトケタ台』では、総務省の調査結果を速報的に紹介したものの、記事のなかに盛大な事実誤認が含まれており、その訂正に追われるあまり、続きについて紹介しそびれてしまいました。ただ、ネット上でちょっと興味深い記事を発見したという事情もあるため、あらためて「メディア利権」についての先行きについて、考えてみたいと思います。総務省の調査当ウェブサイトにおける盛大な事実誤認のお詫び以前の『新聞を「情報源」とす...
紙媒体の新聞から10代が離れた - 新宿会計士の政治経済評論

これに「折込チラシ需要」という「最後の砦」が崩れれば、新聞部数も一挙にガクンと落ち込む瞬間が到来するかもしれません。

そろそろ新聞というビジネスモデルが終焉する

朝日新聞社半期決算は意外と堅調』でも報告しましたが、新聞業界では最大手の一角を占めていて経営に余裕がある株式会社朝日新聞社でさえ、中間期の営業利益の3分の2は不動産業が叩き出しており、新聞の本業(メディア・コンテンツ事業)の営業利益は全体の3分の1程度にすぎません。

株式会社朝日新聞社の半期報告書が出てきています。収益認識会計基準の影響で減収に見えますが、その影響を除外したら、好調な不動産事業の影響もあってか、意外と決算の内容は堅調です。また、新聞の部数が急激に落ち込んでいるにも関わらず、メディア・コンテンツ事業では堅調な黒字を確保しています。やはりウェブ事業が好調なのでしょうか。もっとも、今後の新聞業界に待っているのは、優良資産を抱えている新聞社と、そうでない新聞社の二極化なのかもしれません。新聞社の決算分析は非常に困難当ウェブサイトではときどき、大手...
朝日新聞社半期決算は意外と堅調 - 新宿会計士の政治経済評論

株式会社朝日新聞社以外の全国紙、各地方紙などの経営状況については、残念ながら断片的な情報でしか判断することはできませんが、『某新聞社、4期連続営業赤字で自己資本比率も3%割れ』でも述べたとおり、さる新聞社のケースだと、経営はまさに「火の車」です。

以前の『「実質債務超過」も疑われる、某新聞社の決算公告画像』では、ツイッターに投稿された、とある新聞社の決算公告と思われる画像をもとに、その新聞社の過去決算を簡単に分析してみました。こうしたなか、昨日はじつにけしからんことに、ついうっかり投稿されたと思しき最新の画像もありました。これがその新聞社の決算なのかどうかを確認することはできないので、とりあえず本稿でも、会社名を伏せたまま、純粋にその財務諸表のみに絞って決算を分析してみたいと思います。決算公告ついうっかり投稿――某新聞社の決算公告以前、...
某新聞社、4期連続営業赤字で自己資本比率も3%割れ - 新宿会計士の政治経済評論

不動産業などの収益源がない新聞社の場合だと、某宗教団体系の機関紙の印刷を請け負う、中国共産党から宣伝費を受け取る、といった方法で生き残りをはかるしかないのでしょうが、それにも限界があります。

だいいち、チラシ収入の激減は、紙媒体の新聞の宅配を支えている新聞販売店網の経営の根幹にかかわる問題でもあります。

新聞というビジネスモデル自体、そろそろ終焉のときを迎えつつあるのかもしれません。

新宿会計士:

View Comments (20)

  • 販売所の収益源は折込チラシでしたね。
    30年前の首都圏の読売・朝日・日経は折込機械で長時間かけて折込チラシをまとめていました。
    現在、専売所が統合されても、折込作業時間は大幅に短時間になっているのでは?
    (折込広告費に、まだ押紙分が含まれていれば、いろいろと問題ですが・・・・)
    今年の正月コンビにで買った、日経の社の特別版が寂しくなっていましたので、来年はやめます。
    今後、折込機械は必要なくなりますね。
    新聞産業の終焉を見ているのでしょうか。

  • みなさんに、お尋ねします。
    (だいぶ、前の話ですが)「家庭の主婦はチラシが好きで、それが新聞をとる理由の一つである」と聞いたことがあります。ということは、「チラシが減れば、主婦が新聞をとる理由が減る」ということでしょうか。

    • 自宅では、新聞紙よりチラシのほうが、真剣に購読されているようです。
      金曜・土曜は、近くのスーパーのチラシを見比べてから、家を出ます。
      なお自宅管理人により、ネット環境は、広告ブロックを使用しています。

  • 今年1月に父が他界して実家がとっていた新聞を読む者が居なくなりY新聞を解約…しようとしたんですが、長年付き合いのあった販売店に懇願されて契約はしているが配達は停止して料金は払わないでいいという不思議な幽霊購読者になったそうです。

    そういうのも含まれるているんだと知りました。

    • がみさま

      不思議な幽霊新聞契約者とは、ほとんどオカルトですね。
      数が減ったらまずいから事実を覆い隠すために糊塗しているんですね、新聞産業界。

      • はにわファクトリー様

        結構前ですが私が独身だったころにA新聞の勧誘団の方に頼まれて、新聞契約月数×月5000円キャッシュバック貰って新聞とってました。
        いわゆる団の方々が長期契約取れた時のお手当てが月額5000円を大きく超えていたようですしノルマが大変そうでした。

        そうなんです。
        私、お金貰って新聞とってあげてました。
        今考えると、私の所だけで10000部位とってあげればよかった…

  • 専門店だと2-8の法則(上位2割の客層が売上の8割)がバッチリ。
    量販店でも4-8くらいの割合ではあるんじゃないのでしょうか?
    専用アプリの普及とともにチラシは廃れ行くサダメのかと・・。

    店側としてはターゲット広告の方が効率がいいのだし。客側(特にコアな客層)も浮いたチラシ代をポイント還元してもたった方が嬉しいんですよね。

  • 広告代理店のランキングを見るとよくわかる。1位、2位は電通、博報堂だがトップ5にサイバーエージェントなどのインターネット広告代理店が2社入っている。

  • >ホテルによっては朝刊を無料で配っていました

    私が泊まったTインでは朝刊、夕刊がフロントの近くに積み上げてあり、ご自由にいった感じ。
    おそらく部屋数くらいの部数はあるのでは。

    実際の有料購読は2-3部じゃない?

    • >> 実際の有料購読は2-3部じゃない?

      ホテルの部屋数ぶん受信料を徴収するという電波媒体と比べて新聞は随分良心的だなあと思いました。

  • 以前にも投稿しましたが中高年の家庭の主婦にとってのチラシ広告は、新聞を購読する理由の重要な部分だと思います。

    ただ、ここにきてスマホによるポイント付加サービスが次々と出てきた事によって「安く買う」事にかけては理性を失いやすい主婦たちが、スマホを利用する人が激増しているのではないかと思います。

    ※理性を失う例、、安いからと言って遠くまで車で買い物に行くなど。

    その波が、60代以上の高齢者まで飲み込んで津波のように広がっていると推測しています。

    実は、最近60代以上の高齢者にスマホを使ったポイントサービスのインストールや使いかたなどを相談される事が増えています。

    今までですと、こちらがスマホの便利な使い方を説明しても、まったく興味を示さなかった人たちです。その人たちが、自ら進んで聞きに来るようになったのはひとえにポイントサービスのおかげですね。

    このままいけば、近い将来「安売り情報はスマホで見る」というのが高齢者にも広がって「チラシのために新聞を購読する」人たちがいなくなるのではないかと思います。

  • 現在の大新聞の数百万部という発行部数が宅配制度によって維持されていることは明らかであり、その宅配制度を担う新聞販売店の経営が折込チラシによって支えられているというのも有名な話。従って、折込チラシが減れば販売店の経営が危うくなり、宅配制度が崩壊しかねないというのも、当然そうなるだろうという話でしかありません。
    実際、販売店の統廃合は進んでいますし、経営状態も悪化していると推測されます。その証拠に、以前は半年ごとの契約更改で呉れてた洗剤などの景品をほとんど貰えなくなりました。まだ、以前に潤沢に貰えていた頃の洗剤が多少残ってますが、近いうちに洗剤を買わねばならなくなりそうです。他所の地域のことや、他の新聞社のことはよくわかりませんが、この「景品問題」も部数減の理由の一つかもしれません。

    もうだいぶ前から、新聞社の経営は広告収入に依存しており、押し紙などによる発行部数の水増しも、広告媒体としての価値を維持するためと言われてきましたが、あまりにも有名になりすぎて、もはやトリックが通用しなくなってきたのかもしれません。その意味では、新聞社のビジネスモデルが破綻寸前であるとは言えるのでしょう。宅配制度が崩壊すれば、おそらく発行部数は1/10以下になるでしょうし、そうなれば広告単価も激減するはずです。個人的には紙媒体の絶滅はけして歓迎すべき事態だとは思っていませんが、しだいにそういう方向に行くのだろうなぁとは思っています。

    余談:
    もっとも、紙面に掲載されている記事と折込チラシを含む広告と、どちらが情報としての価値があるかというと......

    • 当方の弟は高校生時代新聞配達にいそしんでいました。今や新聞配達を担当しているのは高齢者ばかり。清掃担当や交通整理と同じ業界構造になっているようです。配達網は今以上の維持コストを負担できず、高齢化社会の進行に伴って仕事を引き受けてくれる層が消滅、自壊していくのではとにらんでいます。

    • >…近いうちに洗剤を買わねばならなくなりそうです。

      「新聞の衰退による洗剤的需要を喚起する」事ですよね。

  • 誤三家の一角を占める『支那野悔日新聞』の場合、地域新聞の印刷を請け負っている関係でセット購入を勧めています。工場の稼働率が上がればその分増収となるからでしょうね。

    あ、『しょこたん』が在籍していたカナコロリ社は一般企業の社報の印刷業務もしていました。でも、イマドキ「社報」は絶滅してるかも・・・?

  • プロモーションをまとめてしまったのですね。
    金額ベースで行くと当たり前ですが1番減少したのはイベント、展示です。
    折り込みは新聞部数の減少はもちろんありますが1番の理由は折込大判サイズの減少。コロナ禍で流通サイド自粛した結果お金がかかる大判が無くなったからです。
    OOHは広告接触率が低くなりましたから媒体費用も減りますが新しい技術により単価が上がりましたはので減少はしましたがこれからの期待。
    1番減少が少なかったのはDM
    広告費は媒体費と制作費に大まかに分けられますが制作費の減少。つまりは新聞広告などにもう制作費はかけませんよ。っていうのが広告費の減少の大きな理由です。新聞広告って部数x単価という料金体系でもありません。つまりは部数が半分になっても媒体費は半分にならないです。それに反して制作費はいくらでも削減できるんです。撮影、ロケなどしない出演費をつかわないでイラストにするだとかで数分の一になります。実際にそういう広告ばかりです。
    大手企業はビジュアル戦略を先につくりあとから媒体戦略をてくりますから話は違いますが。

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