共同通信の調査でも、比例投票先で「維新>立憲」となりました。新潟日報によると、夏の参院選比例代表の投票先は日本維新の会が13.5%であったのに対し、立憲民主党は9.2%に留まったのです。インターネットが発達し、オールドメディアの社会的影響力が急低下するなか、果たして立憲民主党が夏の参院選までに支持を挽回することはできるのでしょうか?
最新版・内閣支持率
当ウェブサイトでは内閣支持率、政党支持率などの数字を「定点観測」しており、具体的には6つの世論調査(読売新聞、朝日新聞、時事通信、共同通信の4社のものに加え、産経・FNN、日経・テレ東の2つの合同調査)をもとに、そのときどきの状況を確認するようにしています。
もちろん、これらのメディアが実施する世論調査については「盲信」すべきものではありませんが、それでも「同じメディアの世論調査結果がどう変遷していったか」、「同じ期間で異なるメディアがどのような調査結果を発表したか」については、参考になる部分もあるのだと考えている次第です。
こうしたなか、現時点でこの6つの調査のうち、時事通信と共同通信の結果が公表されているようですので、先月から今月にかけての6つの結果を列挙しておきましょう(図表1)。
図表1 内閣支持率(2021年1月~2月、カッコ内は前回比)
メディアと調査日 | 支持率 | 不支持率 |
---|---|---|
産経・FNN(1/22~23) | 66.9%(+0.5) | 26.8%(+0.6) |
朝日新聞(1/22~23) | 49.0%(±0) | 22.0%(▲1.0) |
日経・テレ東(1/28~30) | 59.0%(▲6.0) | 30.0%(+4.0) |
読売新聞(2/4~6) | 58.0%(▲8.0) | 28.0%(+6.0) |
時事通信(2/11~14) | 43.4%(▲8.3) | 25.3%(+6.6) |
共同通信(2/19~20) | 56.6%(+0.7) | 27.4%(+2.2) |
(【出所】各社報道より著者作成)
共同通信の調査では、内閣支持率が前月比少し上昇していますが、それを除けば1月下旬ごろからいくつかのメディアで支持率が下落する一方、不支持率が上昇傾向にあることが確認できます。
それでも時事通信と朝日新聞の調査を除けば、いずれも支持率は50%を越えており、また、どのメディアの調査でも不支持率は30%以下に留まっています。少なくともこれらの調査からは、現時点においては内閣支持率は「危機的状況」ではないと考えて良いでしょう。
政党支持率でも相変わらず「維新>立憲」
ただ、本稿で注目しておきたいのが、やはり政党支持率でしょう(図表2)。
図表2 政党支持率(2022年1月~2月、カッコ内は前回比)
メディアと調査日 | 自由民主党 | 立憲民主党 | 日本維新の会 |
---|---|---|---|
産経・FNN(1/22~23) | 40.3%(+1.7) | 6.0%(▲1.2) | 6.7%(▲1.4) |
日経・テレ東(1/28~30) | 46.0% | 8.0% | 10.0% |
読売新聞(2/4~6) | 40.0%(▲1.0) | 5.0%(±0) | 7.0%(+1.0) |
時事通信(2/11~14) | 26.0%(+0.4) | 4.8%(+0.8) | 3.8%(▲0.5) |
共同通信(2/19~20) | 48.4% | 8.0% | 12.6% |
(【出所】各社報道より著者作成)
時事通信の調査を除けば、①どの調査でも自民党の支持率が40%以上であり、かつ、②日本維新の会の支持率が立憲民主党の支持率を超えている、という点は、注目に値します。とくに、共同通信の調査だと、支持率で日本維新の会が12.6%と、立憲民主党の8%を大きく超過しています。
こうした傾向が続くのかどうかについても、興味は尽きません。
さらには、先月の『比例投票先でも「維新>立憲」の逆転=各種世論調査で』でも取り上げたとおり、いくつかの調査では今夏の参院選に向けて、投票先として日本維新の会が立憲民主党に競り勝ち始めている可能性があります。
世論調査によれば、有権者の立憲民主党への支持が揺らいでいます。政党支持率では複数の調査で「維新>立憲」となっているほか、次期参院選での投票先として、日本維新の会が立憲民主党を大きく上回っていることも示されたからです。もちろん、世論調査に全幅の信頼を置くべきではありませんが、今後の動向として見るならば、これはこれで興味深い話です。世論調査を定点観測当ウェブサイトで「定点観測」しているデータのひとつが、各メディアが実施する世論調査(内閣支持率、政党支持率)です。ただし、普段から申し上げているとお... 比例投票先でも「維新>立憲」の逆転=各種世論調査で - 新宿会計士の政治経済評論 |
共同通信調査でも比例投票先で「維新>立憲」
こうしたなか、共同通信の最新調査でも、比例代表の投票先で「維新>立憲」となったようです。
3回目接種「遅い」73%/内閣支持率横ばい、共同通信調査
―――2022/2/20 18:31付 新潟日報より
新潟日報の記事によれば、「夏の参院選比例代表の投票先」は「▼自民42.7%、▼日本維新の会13.5%、▼立憲民主党9.2%、▼公明党4.2%、▼国民民主党3.1%、▼れいわ新選組2.4%、▼日本共産党2.0%」――、などとしています。
社民党の名前が見えないという点も気になりますが、国民民主党が日本共産党を上回り、公明党に迫っているという点、さらには日本共産党が7政党のなかで最下位という点については、大変に興味深いところです。
もちろん、この共同通信の調査に全幅の信頼を置いて良い、という話ではありませんし、これはあくまでも現時点の支持率調査に過ぎないという点を踏まえるならば、今夏の参院選の勢力図が現時点で決まったとまで見るのは行き過ぎでしょう。
立憲民主党は挽回できるのか?それとも…
ただ、立憲民主党が現在、いくつもの問題を抱えていることはじじつでしょう。
たとえば、立憲民主党にとっては日本共産党との選挙協力をせざるを得ない状況にあるにも関わらず、最大の支持基盤であるはずの連合からは強く牽制を受けているという状況にあります(『連合、参院選で「立憲民主党を支援せず」もあり得るか』等参照)。
連合が立憲民主党を見放しつつあるというのは、本当だったのかもしれません。先日の『支持率低迷の立憲民主に対し連合が突き付けた「警告」』では、「連合が今夏の参院選に向けてまとめた選挙方針で、支持政党を明示しなかった」とする時事通信の報道を取り上げましたが、朝日新聞が昨日、ほぼ同じ趣旨の内容を報じました。異なるメディアが報じたということは、やはりこの報道は事実である、という可能性が濃厚です。野党勢力に「地殻変動」最近、わが国の野党勢力に「地殻変動」が生じつつあるのかもしれません。最大野党である立憲... 連合、参院選で「立憲民主党を支援せず」もあり得るか - 新宿会計士の政治経済評論 |
また、年初来の「CLP/ブルージャパン」問題、菅直人元首相の「ヒトラー発言」問題などに代表されるとおり、さまざまな不祥事、混乱が生じている、という状況にあります(『立憲民主党が「野党国対騒動」巡って日本共産党に謝罪』等参照)。
「立憲民主党はブーメラン政党」。最近だと、すっかり人口に膾炙してしまった表現です。こうしたなか、最新の「ブーメラン」事例が、「野党国対騒動」でしょう。14日に日本共産党を外したかたちで野党国対が開かれたものの、15日に立憲民主党は方針を一転し、日本共産党に謝罪したのだそうです。立憲民主党の小川淳也政調会長が岸田文雄政権を「朝令暮改」と揶揄したそうですが、こうした批判がそのままブーメランとして突き刺さった格好です。立憲民主党のジレンマ立憲民主党といえば、各種世論調査では政党支持率、「投票したい政党... 立憲民主党が「野党国対騒動」巡って日本共産党に謝罪 - 新宿会計士の政治経済評論 |
個人的に、日本維新の会が優れた政党なのかどうかは疑問でもありますが、少なくとも立憲民主党と異なり、「くだらない問題で揚げ足取りをするように国会を停滞させる」、「社会のごく一部しか満足させない政治的主張をする」、ということはなさそうだ、という点で、有権者の立憲から維新への乗り換えは進むかもしれません。
いずれにせよ、社会のインターネット化が急速に進み、新聞・テレビを中心とするオールドメディアの社会的影響力が急低下しているなか、はたして、立憲民主党が支持を挽回することができるのかどうかを含め、今夏の参院選に向けて、目が離せない展開が続きそうです。
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公約と候補者を公募しているようでは、上り目が無いでしょう。
候補者の公募はまだしも、公約を募集するだなんて、自分たちには政策がありません、政策を考えるだけの知恵もありませんと言っているのと同じだからね。どの面下げて「政党」を自称しているのやら。
いつぞやは自民が内閣を解散しようとすると「まだ我々のマニュフェストができてないから時期尚早だ!解散権の濫用だ!」とか喚いてましたしね。
今すぐ解散しろ、総選挙なら受けて立つ、とか豪語した舌の根も乾かぬ内からコレですから。
彼らにとってのホントの政策は、
コアな支持層である
専従でおまんまと
海の外ゆかりの団体さんには
しっかり浸透しているものの
表立って公表する政策なるものは、
無党派層獲得のための
お飾りにすぎません。
まあ、これまでも
鬱憤層煽り立てのための
「せいさく(?)」ならぬ
「腹いせ策(?)」のような
空疎なものでしたから。
特に公約の公募なんて、、政党や国会議員の存在理由を全く理解してない証左でしょうね。所詮は「見返りの源」たる議員バッジに浅ましいまでに固執する政治屋の集団、それが立憲民主。
支持を挽回?冗談じゃありません。あんなクズ政党はこの世から一分一秒でも早く消滅するのが日本の為です。
昨年の10月末に行われた衆議院選挙ですが、選挙前に私の住んでいる関西の地方都市(大阪府ではない+県庁所在地でもない)の駅前に吉村知事が候補者の応援にやってきました。かなり人気があるようで、ビックリするくらい多くの人が集まっていました。特に吉村知事は大阪のおばちゃんに人気があるとか・・。関西では「日本維新の会」は相当の認知度があります。
さて、「維新」がここのところ支持層が増えてきているらしいのは、必ずしも「立憲民主党」のだらしなさだけでが原因はないと思います。「維新」は比較的右寄りの主張が多く、安倍政権と重なる部分があったように感じています。もし、安倍政権が続いていれば、あるいは首相が高市早苗氏であれば、維新の支持層は増えていないのではないでしょうか。つまり、「維新」の支持層増は現岸田政権に対するまっとうな批判を集めているのではないかと考える次第です。
どうでしょうね。以前もコメントしましたが、東京では依然として維新を大阪(関西)ローカルの地域政党としてしか認識されていないように思います。都民ファーストの会よりは多少は政党らしいという認識はあるでしょうが、多分。
その意味では、維新の支持率が伸びているというのは、とにかく「非自民」でさえあればなんでも構わないという人たちが、立民のあまりの惨状に呆れているだけであるようにも思えます。維新が本当の意味で全国政党になるためには、組織面も含め、少なくともあと数回の国政選挙が必要になるでしょう。
大正解
なかなか鋭い御推察だと思います.
確かに,本来は自民党支持層の中で岸田政権に失望している人達の一部が,維新の本当の中身(特に現在でも実質的にキングメーカーとして君臨している橋下氏の対韓問題(含:在日永住者問題)に関する諸々の発言から推測できる本音)を良く見ずに,過激で目立つ主張だけから維新支持に回って,維新の支持率を押し上げている部分は無視できないでしょう.
もっとも私は明確に保守支持者ですが,今の岸田自民がダメだからと言って自民でなく維新を支持しようとは間違っても思いません.
岸田がダメなら岸田を下ろしてマトモなのに交代させれば良いだけの話ですから.そして自民党にはそれなりの人材はいる筈(少なくとも全ての政党の中では人材的に最もマシなのは確か)ですから.
そのためにも岸田自民には参院選での議席減という形で罰を与えて,無能の塊である岸田さんに彼自身の能力に照らして分不相応な権力の座に就いたことへの責任を取らせねばなりません.ここまで就任早々から日本という国への愛情の欠片も見せず国や国民に対してゼロどころかマイナスばかりする総理を見たのは,鳩ポッポと韓や姜という字の方が相応しそうな菅氏ぐらいしか思い当たらない.
いっそ宏池会を引き連れて立憲民主党にでも移られたほうが実は彼自身にとっても居心地が良いのではないですかね,岸田さんの場合.もっともせっかく手に入れた権力の座を手放すのは岸田さんにとっては絶対に嫌だろうが.
立憲さん…リストラで希望辞職募っても全員残留希望だろうな…
有能な議員からだから…
また辻元さんがもう一度「総理に質問があります」って言いたいんだって。
質問って言いたいから質問を都度考えている政党なのは現代表の泉けんた氏のHPで「選挙公約質問年間10回達成♪」っての読んでもわかるが脱力する…
>立憲さん…リストラで希望辞職募っても全員残留希望だろうな…
(議員なのでというのは置いといて)立憲が退職金出すと思えないですしね。
どんなに世話になった議員であっても、用済みなら叩き出そうとすらしそうです。
元ジェネラリスト様
故永田議員って惨たらしい事例もありましたしね。
>「選挙公約質問年間10回達成♪」っての読んでもわかるが脱力する…
「三ツ星国会議員」「田原総一朗」で検索!
質問の回数がステータスだなんて思ってる阿呆の集まりが立件共産党です。
維新には、自民党に危機感、緊張感を持たせるためにも、野党第一党の地位を確立して頂きたいと思っています。
今のところ保守には選択肢がありませんので。
出来れば政権交代可能な政党になれば良いのですが、これには長い時間が必要です。
間違っても他の野党との選挙協力は避けて頂きたいと思います。
自殺行為です。
維新が箱根を超えられるかどうかは次の参議院選挙次第だと思います。
まだ関が原も超えてませんけど。
質の良い議員をどれだけ立てられるかどうかが運命の分かれ道ですかね。
はるちゃん様。
箱根と関ケ原と質の良い人材……全面的に賛成です。
蛇足です。
京都にはたどり着けたでしょうか⁇
大阪から攻め上ってきた維新秀吉軍は、現在天王山を突破しようとしているところです。
京都は共産党の穀田恵二と立憲民主党の福山哲郎、泉健太連合軍が迎え打つ体制ですが、仲間割れしそうです。
京都陥落は目前です。
箱根どころか逢坂関すら越えてないようでは、道程まだまだ遥かですな。
夜をこめて 鳥の空音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ
—清少納言
自民党もまだ大丈夫と油断していると北条氏の二の舞になりかねません。
東西を逆にすると平家の立場になりますが。
保守の第二党が出現しそうな状況になって来ました。
自民党もそろそろ危機感を持った方が良いのでは無いかと思います。
龍さま
「逢坂」といえば
恫喝野党ヒアリングでの
党代表代行さんが見えますなあ。
こらあ!このお!
行きも帰りも暴れては
知るも知らぬも
逢坂の議席
ー蝉丸の友人
はるちゃんさん
>まだ関ケ原も・・・
京都なんぞ放っておいて、飛び石戦略でもう少し東へ来て欲しいのですが・・・ たとえば愛知7区とか愛知7区とかにw
そうすれば自民党ももう少しまともな候補者を立てると思うので。
まあただ一気に候補者を多数擁立しようと思うと、ろくでもないのが混じるので、そこは慎重に進めなければいけないことも分かりますが・・・
私は維新の京都進出が政界の流れを変える一里塚だと認識しています。
維新は、大阪から京都に通じる要衝である高槻の辻本清美を蹴散らし、京都に迫ろうという勢いです。
京都は、共産党と立憲民主党に加えて国民民主党の前原議員など野党の金城湯池でもあります。
維新の京都進出は日本の政界に与える影響は大変大きいのでは無いかと思います。
京都を維新が落せば、逢坂の関どころか関が原を越えて一気に三島まで迫るのではと思っています。
来年の参議院選挙で維新が躍進すれば、秀吉の北条攻めが見られるかもしれません。
はるちゃん様。
私も次期参議院選挙で維新が議席を増やして、出来うれば野党第一党になれば、日本の議会政治は変わる⁇可能性が有ると感じます。出来うれば参議院選挙で維新に頑張って欲しいものです。
蛇足です。
維新には批判する人がたくさんいます。その批判も含めて維新を支持しています。今のヘタレの自民党に比べたらまだまだ、維新はマシだと信じています。橋下徹氏と維新の関係は部外者の私には判りません。橋下徹氏は貧しい人々も政治の力で救済すると、私には感じられますが、そのような『オンブにだっこ』には反対です。維新が大阪で高校無償化をやりましたが、私立高校の無償化はやり過ぎでは無いでしょうか?私立より公立高校だと思います。子供の頃『ニコヨン』と言う言葉がありました。失業対策と聞きましたが、額に汗して対価を得るべきです。大きな声で叫べば政府が援助すると云う、自民党政治はウンザリです。(私にはそう見えます。)自民党が目指しているのは社会主義と私には思われます。資本主義、小さな政府がすきです。
あんな体たらくな立件共産党にまだ10%も支持者がいることが正直驚き。
政策はともかく、何事にも”ブーメランな” 他人に厳しく自分に甘く、のどこがいいんだか。
支持者にそこんところ聞いてみたい。いや、聞くだけ無駄か。
まあ、質はあの体たらくでも
鬱憤層煽り立てで、
ご自身の思い上がりのようには
当たり前に世間では認めてはもらえないお方さんを
掻き寄せれば、それぐらいにはなるかとも思います。
最近、時事通信のコメント欄などで
菅直人氏のヒトラーレッテル貼り発言騒動
擁護のような支持者の己の欲望での
独善暴走コメントぶりを見ていると、
しでかし反省せずして満を待して
入党された米山さんに付き従った
考え方生きザマ同じくする
全国のハッピーメール会員さんのような
人たちが合流なされたのでは(?)
と感じています。
岸田はリベラルそのもの。
朝日毎日現代も岸田批判はしない。
よって支持率の動向を考察すると
・立憲の一般支持層が自民に流れ
・自民の批判層(保守)が維新に流れ
・立憲には純化した左傾が残る
こういう構図ではないか?
夏の参院選は
・自民、公明は現状維持かやや落とす
・維新は躍進、国民はやや伸ばす
・立憲、共産は激減
と予想する。
それにしても保守層の行き場がない。
今日本で真っ当な保守政党を立ち上げれば大躍進すると思うのだが…
小池はそれをやろうとして失敗したんだよな。
ところで、
立憲民主党のロゴマークですが
ミススペルではないでしょうか?
CDP?のように見えてしまいますが
CLPであるほうが妥当だと感じます。