佐渡金山世界遺産登録は政治ではなくファクトで勝負を

岸田文雄首相は金曜日、佐渡金山の世界遺産登録を推進する方針を明らかにしました。これについては2015年の明治期の産業革命関連施設の世界遺産登録という「汚点」を思い出しておかねばなりません。そして、その轍を踏んではならないことは間違いありませんし、これに加え、韓国のさまざまな不法行為については、利息を付けてそのコストを負担させなければならないのです。

世界遺産登録にむけて…

「岸田から妥協を引き出すのは安倍・菅より難しい」

昨日の『鈴置論考に見る文在寅政権の5年と「日韓関係の未来」』では、わが国を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏の『韓国は猿芝居外交のあげく四面楚歌に… 「文在寅」退任でも日韓関係は修復せず』という記事を手掛かりに、日韓関係の未来予想図などについて取り上げてみました。

この論考のなかで鈴置氏は、もしも韓国の文在寅(ぶん・ざいいん)政権の次に「保守政権」が誕生した場合、その「保守政権」が米国に「親米保守政権に戻ったのだから韓日対立の際は韓国側に立ってくれ」と頼み込み、日本に妥協を迫るのではないか、などと指摘するのですが、そこでこんな記述が出て来ます。

一方、日本の保守の間には『岸田文雄政権は中国と韓国に弱腰』との警戒感が強まっていますから、妥協を引き出すのは安倍晋三政権や菅義偉政権の時より却って難しいかもしれません」。

この見方は、大変鋭いものです。

この点、岸田文雄首相自身、安倍晋三総理大臣のもとで外相を務めていた2015年に、明治期の産業革命関連施設の世界遺産登録と日韓慰安婦合意を通じ、韓国に2度も騙された人物ですから、脇の甘さもあります。

ただ、安倍総理、あるいはその後継者である菅義偉総理大臣らが敷いた、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)を重視する」という方針は、日本外交にとっては大きな路線変更であり、これを軌道修正するにはかなりの政治力が必要です。

岸田首相自身、日韓関係、日中関係などの視点からは、かなり「危なっかしい」人物だ、といった批判があることは事実でしょう。しかし、岸田首相の指導力、政治力、あるいは自民党内の権力基盤などを考えていくならば、却って韓国に対し妙な妥協ができないという側面もあるのかもしれません。

(※といっても、個人的に岸田首相に対する「危なっかしさ」という懸念が払拭できるわけではありませんが…。)

世界遺産推薦の方針を決定

こうしたなか、この鈴置論考の正しさが証明される事例が、さっそくひとつでてきました。

世界遺産登録見送りが10年後の日韓関係に与える影響』でも指摘した、佐渡島の金山の世界遺産登録推薦です。岸田首相は金曜日、佐渡金山の世界文化遺産登録にむけ、政府として推薦することを決定し、会見でその旨表明しました。

佐渡金山の世界文化遺産登録に向けての検討状況等についての会見

―――2022/01/28付 首相官邸HPより

これについては先週時点では、岸田首相、林芳正外相らは態度を明らかにしていないなか、産経新聞や読売新聞などが「政府が佐渡金山の世界文化遺産登録推薦を見送る方針だ」、などと報じられていたのですが、ちょうど1週間で方針が固まった格好です。

岸田首相は会見のなかで、2月1日に閣議了解を経て、世界文化遺産への登録をユネスコに申請することにするとともに、滝崎内閣官房副長官補をヘッドとし、関係省庁が参加するタスクフォースを設置する、などと明らかにしています。

こうした動き自体は、歓迎すべきものでしょう(ちなみに記者会見では、記者側から「自民党内の保守派議員の意見を聞いて方針転換をしたのではないか」との質問に対し、岸田首相はこうした指摘が「まったく当たらない」などと述べたのだそうです)。

韓国の歴史プロパガンダ

この点、「世界遺産登録の政策上の優先順位がそこまで高いのか」、といった批判をする方もいらっしゃいますし、そうした批判も真っ当なものですが、それと同時に、本件については日本が「国家」であるためには、絶対に避けられないものでもあります。

なぜなら、佐渡金山の世界遺産登録を巡っては、長崎県端島(いわゆる「軍艦島」)などと同様、韓国が「朝鮮人の強制労働がなされていた」などとして、これを妨害しようとしているからです。

これに関連し、さっそく、こんな記事がありました。

韓国政府、佐渡金山の世界遺産推薦に「強い遺憾」…日本大使呼んで抗議

―――2022.01.29 09:59付 中央日報日本語版より

韓国政府が日本大使呼び抗議 佐渡金山の世界遺産推薦決定で

―――2022.01.28 22:07付 聯合ニュース日本語版より

韓国メディア『中央日報』(日本語版)の昨日の報道によると、佐渡金山の世界文化遺産推薦を巡って韓国政府が「強い遺憾を表す」、「こうした試みを中断することを厳重に求める」などと反発。

また、同じく韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)は金曜日、韓国外交部の崔鐘文(さい・しょうぶん)第2次官が28日夜、相星孝一・駐韓日本大使を外交部に呼んで抗議した、などとも伝えています。

この点、正直、韓国政府側の反発は、想定どおりでしょう。昨日紹介した鈴置論考にもありましたが、韓国側の目的は、「日本何するものぞ」とばかりに、日本を貶めることにあるからです。それが事実であるかどうかは関係ありません。

実際、中央日報の記事にも、こんな記述が出て来ます。

日本が登録申請を決心しただけに、外交戦の戦場は国際舞台に移った。<中略>韓国政府は2015年の日本の軍艦島(端島)などのユネスコ登録当時と同じく、ユネスコと関連国を対象に外交戦をする計画だ。<中略>当時のように『ネガティブヘリテージ』(否定的文化遺産)として歴史的な真実をすべて知らせることに重点を置く可能性が高い」。

このあたり、日本側も相当に覚悟しておくことが必要でしょう。

日本にも責任がある

マヌケすぎる外務省の「汚点」

ところで、『ユネスコ軍艦島遺憾決議、日本は「根元を断つ」努力を』あたりでも説明しましたが、韓国の「歴史プロパガンダ」に日本が敗北してきた理由は、日本の外務省の怠慢と不作為にあります。

その典型例が、長崎県端島などの明治期の産業革命関連施設の世界遺産登録という「汚点」です。

2015/07/14付の外務省『「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼,造船,石炭産業」のユネスコ世界遺産一覧表への記載決定(第39回世界遺産委員会における7月5日日本代表団発言について)』などをもとに、佐藤地(さとう・くに)ユネスコ大使の発言を意訳しておきましょう。

日本は非常に多くの朝鮮人を含めた労働者がいくつかの場所で、1940年代に厳しい環境の下、自らの意思に反して連行され、強制労働に従事させられた<中略>ということの理解の促進に向けた行動を取る準備がある」。

客観的に見て、この発言、「日本による朝鮮人の強制連行・強制労働」が事実であると、日本政府自身が認めたようにしか見えません。

これに対する外務省の言い分は、こうです。

  • 「意思に反して連れて来られ(brought against their will)」と「働かされた(forced to work)」との点は,朝鮮半島出身者については当時,朝鮮半島に適用された国民徴用令に基づき徴用が行われ,その政策の性質上,対象者の意思に反し徴用されたこともあったという意味で用いている。
  • 今回の日本代表団の発言は,従来の政府の立場を踏まえたものであり,新しい内容を含むものではない。
  • 今回の日本側の発言は,違法な「強制労働」があったと認めるものではないことは繰り返し述べており,その旨は韓国側にも明確に伝達している。

…。

まったく呆れて物も言えません。

これで「日本は違法な強制労働があったことを認めていない」などと言われても、困ってしまいます。外務省がどう言い訳をしようが、日本政府として、あたかも強制連行、強制労働などがなされていたことを認めてしまったかに見えてしまうことは、間違いないからです。これなど、「足して2で割る」という「事なかれ主義」の典型例でしょう。

政治ではなくファクトで勝負を

日本政府のこうした下手な言い分を、韓国が利用しないはずがありません。実際、先ほども紹介した中央日報の記事の続きには、軍艦島の世界遺産登録を巡り、こんな記述があります。

韓国政府は世界遺産委員会加盟国を説得する一方、日本との外交的交渉を通して『条件付き登録』という結果を引き出した。日本が強制労役の事実を認めて情報センターを設置し、これを含む全体の歴史を記述すべきという条件だった」。

しかし日本は強制労役の歴史を正しく知らせず、犠牲者をたたえるという後続措置の約束をまだ守っていない。にもかかわらずまた強制徴用という犯罪行為があった佐渡金山を世界文化遺産に登録する動きを見せているため、これは今後の外交戦で韓国に有利に作用する可能性がある」。

まさにこれなど、「事実ではないこと」に対し、日本が毅然と「事実ではない」と否定してこなかったことの弊害そのものでしょう。

いずれにせよ、ユネスコ世界遺産登録を巡っても、「政治」ではなく「ファクト」をベースに、徹底して議論を交わしてほしいと思う次第です。「韓国が怒っているのだったら、とりあえず足して2で割る」、といった考え方こそが、さまざまな禍根を残したからです。

不法行為のコストは利子付きで負担させるべき

もっとも、世界遺産登録に関しては毅然と反論することが必要ですが、それと同時に現在の日本にとっては、やらなければならないこと、優先順位が高いことは、たくさんあります。

正直なところ、「防戦」にここまで政治的資源を取られなければならないこと自体、非常に困った問題でもあります。

では、いったいどうしなければならないのか。

拙著『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』などでも申し上げたとおり、歴史問題については「根元を絶つ努力」が必要です。具体的には、韓国が日本に対し、不法行為を仕掛けてきた場合、それに対するコストを、利息を付けて韓国に負担させることです。

岸田政権のうちに、それはできないかもしれませんが…。

日韓歴史問題は「国際化」が正解

もっとも、やるならば徹底的にやる、というのは、大変に良いことです。

先ほども取り上げた「2015年7月の失態」でもわかるとおり、これまで日本が「歴史戦」で防戦の一方だった理由のひとつは、日本政府(とくに外務省)が「毅然と反論する」という姿勢を持っていなかったからです。

もしも日本政府が「ファクト」に基づき粛々と意見発信をするようになれば、それだけで潮流が大きく変わる可能性があります。当然、国際社会に対しても、「佐渡島や長崎県端島などでの強制徴用の事実はなかった」と訴えかけなければなりません。

とくに、外務省の不作為で、「大日本帝国時代の強制徴用」というウソが世界中に広まりかけているわけですから、これはもう全力で取り組んでもらわなければなりません。

それに、むかしから、「ウソツキは事実を嫌う」と言います。「ファクトをベースに国際問題化する」というのは、じつは、日韓の歴史問題を本当に解決するための、もっとも確実な方法なのかもしれません。

いずれにせよ、これは息の長いテーマでもあります。歴史的な「ファクト」の発信も大変に重要ですが、それだけではありません。

並行して、日本は粛々と、「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)を推進し、米国、豪州、インド、英国、カナダ、台湾、ASEANなど、価値を共有する友人を世界中に増やし、「来るべきとき」に備えるのが良いのではないかと思う次第です。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. カズ より:

    「損得社会の住人」に忖度で対峙したのが日本側の誤りであり、韓国側の誤解(助長)の始まり。
    ファクトチェックの伴わない事勿れの妥結は ”事勿れ無かれ” の始まりでしかありませんでした。

    *求められてるのは、モグラ叩きではなくて “モグラ退治” なのかと・・。

    1. イーシャ より:

      カズ 様
      モグラ退治には罠を仕掛けることが多いですが、子供の頃、庭の畑で一度だけ、スコップで仕留めたことがあります。
      比較的浅いところでも、かなりのスピードで掘り進みますので、モグラが居る場所ではなく、先を読んで狙う必要があります。

      1. カズ より:

        イーシャ様

        我が家の道向かいの田んぼの堤も、アリの一穴どころか ”モグラの多穴” 状態です。
        その場しのぎの対峙ではなく、根本的な退治が求められています。

        返信ありがとうございました。

      2. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

        アメリカではモグラ退治し過ぎてジャパニーズビートルズが大発生したのだよね

  2. イーシャ より:

    ファクトを突きつけ、韓国の嘘を暴くことが最も重要ですね。
    しかし、「ファクトをベースに国際問題化する」のも、防戦に過ぎません。

    日本を貶めることに一生懸命な韓国からは、全ての優遇措置を剥奪すべきです。
    例えば、輸出管理区分のグループBにとどめず、普通の国としてグループCに落としましょう。
    「グループA(旧ホワイト国)に戻せ」と喚いている韓国は一層反発するでしょうが、泣く子に餅を与えてはいけません。
    日本が大事にすべき隣国は、嘘で塗り固められ価値観を共有できない韓国ではなく、価値観を共有できる台湾です。
    貿易額で見ても、すでに台湾は韓国を上回りつつあります。
    その台湾の輸出管理区分は、グループCです。
    いつまでも韓国を優遇し、グループBに留めておく必要はありません。
    むしろ、韓国が北朝鮮へ物資の横流しなどを行った証拠があれば、北朝鮮と同じグループDに落としてもよいでしょう。
    他にも、韓国に対してはビザを復活しましょう。
    その結果、韓国との関係が希薄になってもよいではありませんか。
    韓国は No JAPAN ! と叫んでいるのですから。

    韓国は、UNCTAD で先進国と認定された「誇らしい先進国」です。
    優遇されなくても、十分やってゆけるはずです(棒)。
    嘘で日本を貶めようとするならば、相応の痛みを伴うことを思い知らせましょう。

    1. 赤ずきん より:

      大賛成です。併せて害務省のクリーン化も必要ですね。もちろん大臣も。

    2. j より:

      賛成でございます。
      中国が韓国にやってる事見たら、理由など言う必要もないとおもいます。

    3. Naga より:

      ビザ復活だけでなく韓国や中国のようなあからさまな反日教育等をしている国の国民の帰化や永住ビザは不可にしてもらいたいところです。

      日本は制裁の発動要件が厳しいとのことですが、日本は韓国に対して通貨スワップ協定を締結することはないなどと何かの機会に発信してみるのはどうでしょう。意味ないんでしょうかね?

      1. がみ より:

        皆様

        めんどくさい争乱の予想される佐渡島の騒動の前振り・布石として、江戸時代には罪人流刑の島でもあったと何気に広報しておくというのはいかがでしょうか?

        1. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

          江戸時代佐渡罪人の仕事は多くが鉱山での強制労働だから
          佐渡島は罪人の流刑地でもあった、ではなく
          佐渡金山そのものが罪人の労働で運営されていた、が正しい

  3. j より:

    お疲れさまです。

    自称徴用の問題は、読者雑談専用記事で農家の三男坊さまがおっしゃってた、日韓併合を植民地支配と嘘をついて憲法にも書いてあるらしいのが一番の原因だとおもいました。

    この溝は埋まらない。

    そのウソをなんとなく認めて日本から埋めようとすると、日本が地獄に落ちる。
    それなら関係破綻の方が、比べられないぐらい良いと思いました。

    結局、朝鮮民族のウソから始まっている。

    国家単位の邪悪に負けてはいけない。

    1. j より:

      国会で改めて、日韓併合について質問しても良いと私はおもいます。

      相手は日本の曖昧さを、ついてきているようにも思えるからでございます。

      ここまで問題が大きくなっているのですから、はっきり日本の意見を事あるごとに主張した方が良いのではとおもいます。

      向こうは100パーセントのウソでも、主張しているのですから。

  4. 七味 より:

    登録の場ではファクトで勝負するにしても、ちゃんと殴りつける必要があると思うのです♪

    1. だんな より:

      七味さま
      その通りニダ。

    2. 匿名 より:

      殴りつけないとこれから難癖、言い掛かりをことあるごとにやってきますからねぇ。
      この辺りで、チンピラ行為にはリスクが大きいことを体感させることは重要。
      デタラメだと断罪した上で、それを理由に金融制裁くらいして欲しいところ。

  5. G より:

    やってはいけないのは佐渡金山は江戸時代の話だから第二次世界大戦中の話と関係ないと逃げることです。

    軍艦島の一件が失敗したのは外務省の失策ですが、その最たるものが「明治時代」に限定して戦争中の話から逃げたことです。

    戦争中に他の一般的な国々の例に漏れず「徴用」が行われたのは事実です。ただ、そもそも国内の貴重な物資生産拠点で労働意欲が最低な徴用による労働力を使うなんてあり得ないのです。高い給料で質の高い労働力を得てこき使う。少なくとも近代には資本主義の元経済学の知識がありますから、普通ならそうするはずです。意欲のありようのない強制労働力で生産性が上がらないなんて到底我慢が出来ないはずです。見張りの人件費考えたって非効率です。

    近代以降で強制労働でさらに過酷な労働というのは、犯罪者を強制収容するような例に限られます。そこでの生産性などどうでも良く、単に罪人に罰を与える目的で。罪人ではないけれどシベリア抑留なんかも似た感じでしょう。

    こうかくと、佐渡は江戸時代の流刑地だから云々って議論もあり得ます。そこは私に確かな知識はないのですが、「黄金の国ジパング」たらしめた先進的な鉱山ですから、非効率的な強制労働はごく一部な感じします。例えば罪人を労働力に使うにしても、報酬なり恩典なりを準備していたはずです。

    とにかく議論から逃げないこと。これが大切です。

    ヤフコメとかでも「江戸時代だから戦争中関係ない」の論調が多くて辟易します。前回の失敗を学んでない外務省レベルの低いレベルの認識です。

  6. taku より:

    岸田政権の佐渡金山の世界文化遺産登録の推薦方針を支持します。実際に登録が認められるかは微妙かもしれませんが、事実を以て、韓国の”独りよがりの”主張を、国際的に論破することに、意義ががあると考えます(もちろん従軍慰安婦の実態への波及もやむなし)。まあ岸田首相はさほど本件に思い入れがなく、安倍元首相を含む右派や国民世論の動向(産経新聞の世論調査)を慮ったのでしょうね。米国が本件を歓迎することはないでしょうが、少なくとも韓国側に立つことはないでしょう(日韓関係悪化の原因は韓国にあると考えている)。中国は、歴史につき日本が独自の主張をすることを牽制するために(南京大虐殺への波及を恐れる)韓国側に立つかもしれませんし、自国には無関係と中立かもしれません。その他の国は、「まあ揉めないでやってよ」でしょうし、「揉めるんなら現状維持(登録見送り)」ではないでしょうか。その場合、韓国は「日韓外交戦に勝利!」と喝采を叫ぶことになりますが、それをも日本国民は覚悟しておくべきです。韓国の、日本に対して難癖ならぬ韓癖を付けたがる性向を受け入れてはいけません。

  7. 名無しの権兵衛 より:

     従軍慰安婦に関する「河野談話」と同様に、「明治期日本の産業革命遺産」の世界遺産登録時の「佐藤発言」を日本政府が根底から否定することは、「禁反言の法理」に反し、世界から「嘘つき国家」と言われてしまいます。「佐藤発言」とは、次のようなものでした。
     「1940 年代にいくつかの施設において、その意思に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者等がいたこと、また、第二次世界大戦中に日本政府としても徴用政策を実施していたことについて理解できるような措置を講じる所存である」
     したがって、韓国政府と「ファクトをベースに、徹底して議論を交わす」としても、日本政府が「佐藤発言」を否定することはできません。
     「佐渡の金山」においても、第二次大戦中に、兵役による労働者不足を補うため、当初は募集、末期は徴用により、朝鮮半島から多数の労働者が動員され、主に坑内労働に従事したことは事実です。
     ただし、「1930年に国際労働機関(ILO)で採択された『強制労働条約』が禁止していた『強制労働』が『佐渡の金山』でも実施されていた」という韓国側の主張は事実ではありませんので、断固として反論すべきだと思います。
     また、「明治期日本の産業革命遺産」の世界遺産登録時の「佐藤発言」での約束を日本政府は誠実に果たしていることを、国際社会に主張するべきだと思います。 

  8. 無病息災の男 より:

    月刊Hanada 2020年10月号に、「朝日新聞が目の敵にする産業遺産情報センター」の記事があり、そこには産業遺産センターへ取材に来て難癖をつける活動家記者や、世界遺産の登録に関して韓国のロビー活動の悪質さ、外務省の対応のお粗末さ、などの記載がありました。朝日新聞は、心底日本のこと、日本国民が頑張って日本を強い国にしてきた、という歴史がきらいで、それを否定したいのですね。

    ある方も月刊Hanada 2020年10月号に関してツイートで発信されていました。↓
    https://twitter.com/Okami_Chikara/status/1304057970590793728

    軍艦島の審査の時に日本の外務省などの関係者も、『世界遺産の審査員全員に説明文書を持って訪問して説明して回る』くらいのことを、やってきたのでしょうか。それともなおざりで、幾人の審査員に説明しただけで終わったような対応だったのでしょうか?
    また、軍艦島の世界遺産登録時に岸田外務大臣(当時)が、説明文に 『forced to work』 という語を入れてしまったのは、韓国との間を取り持っている外務省北東アジア第一課辺りから、韓国との間を丸く収めて登録を勝ち取る方がいいとそそのかされてのことと思っています。
    私には、今の外務省の担当課だけでは心もとなく、今後設置する省庁横断的タスクフォースにいかにして優秀な人間を一人でも多く引き込めるかに、勝負がかかっていると思っています。

    1. はにわファクトリー より:

      軍艦島が巷間をにぎわせた時、当時の外務大臣(だったか)が取り下げの言い訳に、文部科学省には外交が分からないから、と語ったとの報道を目にしています。嘆かわしいを通り越して、侮蔑的と考えます。そのような発言が本当にあったのならば由々しき事態。事実関係を明らかにしておきたいものです。

  9. クロワッサン より:

    韓国側の手口を見てると、ポリコレを掲げて「配慮」を相手に要求し、相手が配慮をしたら「利権」として恒常化する「自称弱者」を連想します。

    で、そんな韓国側の手口に対して日本側の最終的な対応が「韓国が変わらない以上、関係を疎遠にして最終的には無縁になる」で、リアル社会でも結局はそうなるのかなぁ…と、ふと思いました。

    例えば米国の黒人って公民権運動が行われたようにかつては人間扱いされていなかった弱者なのは確かで、今現在のBLM運動を見てると「弱者であり続けている」黒人側の問題の方が大きいと受け止めて良いのではないかと。

    米国社会における黒人と日本社会におけるコリアンとは歴史的経緯が全く異なるのですが、強者の配慮がひと段落した事で、「変わるべき」なのは弱者の立場に安住している側ではないかと。

    1. クロワッサン より:

      自己レスです。

      >例えば米国の黒人って公民権運動が行われたようにかつては人間扱いされていなかった弱者なのは確かで、今現在のBLM運動を見てると「弱者であり続けている」黒人側の問題の方が大きいと受け止めて良いのではないかと。

      >例えば米国の黒人って公民権運動が行われたようにかつては人間扱いされていなかった弱者なのは確かですが、今現在のBLM運動を見てると「弱者であり続けている」黒人側の問題の方が大きいと受け止めて良いのではないかと。

      です。

    2. はにわファクトリー より:

      「差別の論法」「分断の論法」にも大いに気を付けないといけませんね。NHK や大手全国紙記者が恒常的に繰り出すジャーナリズムにとってお手軽な道具になっていて、見かけるたびにへきえきしています。

      1. クロワッサン より:

        はにわファクトリー さん

        ですね。

        差別をコリエ…クリエイトして飯の種にしている「差別で生きていけないのは困る人達」が目に付きます。

        例を挙げると、「女性の社会進出を進める」を掲げている人達が、専業主婦業を目の敵にしているケースですね。

        専業主婦業も職業であるとの認識を日本社会に広める、なら共感出来るのですが。

      2. はにわファクトリー より:

        「格差の論法」を含めるのを失念しておりました。
        あと、日本のジャーナリズム産業従事者たちにはジャーナリズムカースト意識が強くあるともこの際指摘したいです。「本流アメリカンジャーナリズム」に頭が上がらないのです。「ジャーナリズム英語力に磨きをかける修練を切り抜けていない」のが頭が上がらない理由です。は近藤大介氏が若き日を振り返って中国ジャーナリズム専門家を目指す決意をした理由のひとつに、英語圏ジャーナリズム界でアジアを語ったところで、決して日本人は一流にはカウントしてもらえないから、と書いていました。NYT や WSJ や WP におべっかを使っても鼻で笑われ続ける、ならば彼らに真似ができない分野を目指そう、そう考えたそうです。ジャーナリズムカーストから距離をおくみごとな決断と思います。

    3. クロワッサン より:

      >もしも日本政府が「ファクト」に基づき粛々と意見発信をするようになれば、それだけで潮流が大きく変わる可能性があります。当然、国際社会に対しても、「佐渡島や長崎県端島などでの強制徴用の事実はなかった」と訴えかけなければなりません。

      日本軍慰安婦問題での間違いを繰り返さない為に、「強制徴用」を「徴用」と「いわゆる強制徴用」に分けて説明する必要があると考えます。

      日本軍慰安婦問題には「歴史的事実を踏まえた日本軍慰安婦問題」と「歴史的事実を無視したいわゆる日本軍慰安婦問題」のふたつがあります。

      いわゆる強制徴用工問題も、「歴史的事実を踏まえた募集工・徴用工問題」と「歴史的事実を無視したいわゆる強制徴用工問題」に分け、後者を否定するに当たって前者まで否定しないよう警戒する事が、国際社会に日本側の見解を訴える際に大事ではないでしょうか?

  10. だんな より:

    ファクトだけじゃ無くて、何も関係無くても日本が韓国の上だという風に思わせる行動した方が良いでしょう。

  11. ちょろんぼ より:

    会計士様
    「幼児のイヤイヤ期状態」にある南国に「ファクト」を言ってもムリですよ~。
    ファクトより妄想の方が重要で、妄想を認めろと泣き喚く人達なのですから。
    ほっといてお腹が空くまで、気長に待つしかありません。(ニュースの写真のように)
    又は4~5歳程度のイヤイヤなら、制裁する方法もありますが、
    日本はどっちもやらないんでしょ。
    (ところで制裁ってできるんでしたっけ? コロナ後もビザ無し渡航を中断するのは
    盗難・防閤等犯罪が多いから中断するとういうのは、一つの案ですが、
    コロナ中の制裁手段としては、有効なのが無いのですよね。)
    世界遺産申請をやるだけやってダメなら、次から中共・朝鮮半島地域の世界遺産
    申請を全て拒否すればよいだけの事です。

  12. 匿名 より:

    ファクトで戦うという姿勢には大賛成なのですが、ファクトの中身がよく分りません。国外に説明する前に国内でファクト(国の公式見解)を説明いただくことも必要かと思います。
    何度でも繰り返す強力なクレーマーを相手に、今後長期に渡って戦うわけですから、耐久力のあるぶれないファクト、主張し続ける指導者の気概、そして国民の共感が必要だと思います。日本が本気であると相手に知らしめるためにも。

  13. 元ジェネラリスト より:

    人の話をよく聞くけども自分に芯がない人って、小突き回すと左へ右へ色々勝手に動き出すんですよね。本人に悪意はありません。至っていい人です。やる気も満々です。
    最後に加えた力のベクトル方向に走っていっちゃって、戻ってこないこともあるかもしれません。
    そういう人に関わると、最後まで目が離せないので疲れます。
    一般論です。

  14. Sky より:

    本日の日経朝刊記事によれば、外務省と文科省は推薦見送り方針だったということです。外務省は、かつて佐藤優氏を排除したとしか思えないことをしましたし、文科省は例の学術会議メンバー問題に対応できる能力がありません。出る杭はお嫌いそうですし、長いものには巻かれるのがお好きなのでしょう。流石に岸田さんもリーダーの立場になると、見えてくる景色が変わり、そんな外務省や文科省じゃマズイと気づくのではないかと思います。と思いたいのだが、当初官邸は世界遺産問題に関心は薄かった、とも書かれており、韓国には2度も騙されていてそれかと。バイデンさんよりお前こそ認知症かとも思ってしまいます。

  15. 匿名 より:

    佐渡金山の世界遺産などやって何の価値があるのだろう。あんなもの日本人だけが名所旧跡として保護すればいいだけ。何でいちいち世界のお墨付きが必要なのか?それに韓国が嫌がっているものをなぜ、またわざわざ取り上げ、不必要な摩擦を今、このときに起こす必要があるのか?

    1. 匿名 より:

      各地域での遺産保存のコンセンサス形成がはかれるからです。
      文化遺産は、保存しようとする意識がないと簡単に滅んでしまうものです。
      観光とかによるインセンティブへの期待などによって保存の動機付けが可能となるだけでなく、公的補助金の支出の根拠と行政による保存関連法規の制定が可能になります。
      そしてなにより、日本産出の金が世界史的な意味を持っていたことは事実であり、その遺産を可視化できることで保存することは世界貢献にほかなりません。
      韓国は、日本憎しで、そうした世界史的、学問的な視野狭窄を起こして政治問題化しているのが問題で、それは世界史や学問に対する挑発以外の何者でもありません。

    2. はるちゃん より:

      佐渡金山は「黄金の国ジパング」という日本に対する世界の評価に貢献したという意味では世界遺産に値すると思います。
      佐渡金山の世界遺産登録が佐渡の観光振興と鉱山の保護に繋がれば良いとは思います。
      ただ登録されようが却下されようが佐渡金山の価値は変わらないと思いますので、地元の方の保存に対する熱意が無ければやがて衰退するのでは無いかと思います。
      単なる地域振興のネタにしようという考えは浅ましいのではないかと思います。
      佐渡金山の歴史的価値を地元の方がどれだけ認識しているのかどうか若干の不安もあります。

      登録に関しては、佐渡金山の歴史的事実を基に韓国の横槍を退けて頂きたいと思います。
      ただ、担当が外務省ですので何とも頼りない限りではありますが。
      おまけに外務大臣が林さんで首相が岸田さんですから不安しかありません。
      トホホですね。
      どうしましょう?
      大丈夫ですかね?

    3. 農家の三男坊 より:

      >それに韓国が嫌がっているものをなぜ、・・

      こちらにいらっしゃる方の言とは思えませんね。

      佐渡の金山は”One of them”でしかありません。
      それに、嫌がっている訳ではありません。

      反社会勢力のやり口、難癖のつけ方と同じで対象は何でもよいのです。

      対処策は○暴と同じ、
      ”付き合わない・迎合しない・委縮しない・法の裁きを受けさせる”
      です。

      これをご理解いただければ、
      申請保留が、如何に間抜けなことか
      お分かりただけると思います。

  16. がみ より:

    ユネスコも遺産認定を他国推薦に限定してはどうでしょうか?

    私は文在寅さんや尹美香さんや李在明さんやチョ・グクさんや古くは李承晩さんを世界奇人遺産に推薦したいな。

    記録的に変でしょ?

    1. 門外漢 より:

      ギネスなら可能じゃ無いでしょうか?

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