そもそも論として、超豪華な舞台セットで人気歌手が歌い踊る『紅白歌合戦』は、果たしてNHKが騙る「公共性」に合致しているのでしょうか。2006年の紅白歌合戦では、出演した歌手が素っ裸に見える格好で踊るという下品なシーンもありましたが、そもそも人気歌手を集めてきている時点で、それは単なる商業放送ではないかという気がしてなりません。本稿では改めて、NHK自身が主張する「公共性」について、考えてみたいと思います。
目次
テレビのない生活は意外と快適
冒頭でひとつ、報告があります。
かつてから報告しているとおり、著者自身は自宅にも職場にもテレビを設置しておらず、日常的にテレビを視聴することはありません。
コロナ禍以前には、職業柄、地方出張などをしていたのですが、ホテルの朝食会場や空港の待合室などでつけっぱなしになっているテレビを受動的に見せられる場合などを除けば、基本的にテレビ番組を目にすることはありません。
こんな生活を、指折り数えてみたら、かれこれ20年近く続けていますが、これまでに「テレビがなくて困ったこと」は、ただの1度もありません。
そして、おもしろいもので、1回でも「テレビがない生活」に慣れてしまうと、むしろテレビがついていると落ち着かなくなります。
とある地方に出張をする際の定宿では、かつて、朝食会場で常にテレビがつけっぱなしになっていたのですが、コロナ禍直前にそのホテルに宿泊した際には、朝食会場ではテレビが消されていました。もしかすると、「テレビを消してくれ」という要求が増えたからかもしれません。
そして、著者自身は知り合いに、「テレビをダラダラ見ることのデメリット」を説くなど、「脱テレビ教」(?)を布教しているのですが、今年は1人の友人の家庭からテレビが消えたそうです。
もっとも、この友人の話を総合するに、単純に「今まで使っていたテレビの映りが悪くなり、買い替えようかと悩んだのだが、実際に家庭でテレビを見ていないことに気付いてテレビを捨てることにした」、などと述べていたので、べつに「新宿会計士」の「脱テレビ教」に感化されたわけではなさそうですが…。
公共放送ってなんだ!?
正体不明の「公共放送」という定義
先日の『NHK、大谷選手に紅白歌合戦への出演を依頼=週刊誌』では、写真週刊誌『FLASH』などの記事をもとに、NHKが水面下で、野球の大谷翔平選手に対し、カネに物を言わせて『紅白歌合戦』への出演を依頼したが、断られたようだ、とする話題を取り上げました。
NHKが大谷翔平選手に紅白歌合戦への出演を打診しているらしい、という記事がありました。ビックリする話です。「大人気の野球選手が出演するポップ・ミュージックの番組」というものは、どうも商業番組にしか見えないのですが、報道によれば、大谷選手はこの出演のオファーを「今の時期に大切なトレーニングのルーティンを崩したくない」という理由で断ったのだそうです。正当な理由と言わざるを得ません。野球選手に野球のことではなく結婚のことを尋ねる日本の記者当ウェブサイトを運営する「新宿会計士」は金融評論家・エクセル... NHK、大谷選手に紅白歌合戦への出演を依頼=週刊誌 - 新宿会計士の政治経済評論 |
このときの議論ではあまり焦点を当てなかったのですが、本稿ではもうひとつ、「そもそも論として、NHKが『紅白歌合戦』などの歌番組を制作して放送することは、公共放送として適切なものなのか」という切り口から、NHK問題を考えてみたいと思います。
議論の出発点は、「公共事業」という概念です。
NHKは自身のことを、(いちおうは)商業団体ではなく「公共放送」だと認識しているようです。
ただ、NHKが公表する『公共放送とは何か』というウェブページを見ても、次のようにしか記載されていません。
「電波は国民の共有財産であるということからすると、広い意味では民放も公共性があるということになりますが、一般的には営利を目的として行う放送を民間放送、国家の強い管理下で行う放送を国営放送ということができます。これらに対して、公共放送とは営利を目的とせず、国家の統制からも自立して、公共の福祉のために行う放送といえるでしょう。/NHKは、政府から独立して受信料によって運営され、公共の福祉と文化の向上に寄与することを目的に設立された公共放送事業体であり、今後とも公共放送としての責任と自覚を持って、その役割を果たしていきます」。
NHKによる公共放送の説明は、これがすべてであり、正直、正体不明です。
NHKが公共放送について詳しく説明しない理由は、あまり詳しく書くと、各方面から突っ込まれるであろうことを自覚しているからなのでしょうか。
いずれにせよ、この記述だけだと、どうも「公共放送」というものは、なんだかよくわからないのです。
紅白歌合戦は芸能?娯楽?
ここで、もうひとつの視点を持ち出しましょう。
NHKは『日本放送協会番組基準』というものを策定し、公表していますが、『紅白歌合戦』のような歌番組は、第2章第7項でいう「芸能番組」か、同8項でいう「娯楽番組」のいずれかに該当するのではないかと思います。
第7項 芸能番組
- すぐれた芸能を取り上げ、情操を豊かにするようにつとめる。
- 古典芸能の保存と各種の芸能の育成に役立つようにつとめる。
- 放送の特性を生かした新しい芸術分野を開拓する。
- 芸術作品の放送については、その芸術性を尊重し、取り扱いは、良識に基づいて慎重に行う。
第8項 娯楽番組
- 家庭を明るくし、生活内容を豊かにするような健全な娯楽を提供する。
- 身体的欠陥などにふれなければならないときは、特に慎重に取り扱う。
- 方言や地方特有の風俗を扱うときは、その地方の人々に反感や不快の念を与えないように配慮する。
(【出所】『日本放送協会番組基準』第2章より抜粋)
少なくとも紅白歌番組は、出演している歌手、審査員などから判断して、少なくとも「古典芸能」ではありませんし、「放送の特性を生かした新しい芸能分野」とも言うのも難しいとは思います。
また、大みそかの深夜にわたって放送されるという時間帯、あるいは2006年に出演した歌手グループが素っ裸にも見える服装で踊った、などの不祥事も思い返すと、『紅白歌合戦』が果たして「健全な娯楽」なのか、どうも怪しい気がします。
むしろ、派手で超豪華な舞台セットで歌い踊る人気歌手を眺めていると、バリバリの「商業放送」そのものではないかと思えてなりません。
見ていない人に支払わせることの不合理
ただ、百歩譲って、「古典芸能」だか「健全な娯楽」だかは知りませんが、『紅白歌合戦』自体が、このNHK自身が定める番組基準には抵触していないものとしましょう。
だからといって、『紅白歌合戦』という番組をNHK自身が製作し、放送して良い、という話かどうかは、また別問題です。
本稿で取り上げておきたいのは、そもそも論として、「公共放送」を謳う放送局が、教養、教育、学校放送、児童向け、報道、スポーツ、芸能、娯楽など、幅広いジャンルにわたって総合的に取り上げる必要性があるのかどうか、という点です。
このあたり、極論すれば、「公共放送は必要だ」と考えている人たちが自発的に料金を支払う、などの仕組みで運営されているのであれば、そこまで文句を言うべき筋合いのものではないのかもしれません。
NHKの番組に納得する人だけが受信料を払う、という仕組みを採用しているのであれば、極論すれば、2006年の『紅白歌合戦』のような、ポルノまがいの低俗なコンテンツを垂れ流したとしても、視聴者として苦情を申し立てる話ではない、という言い方もできなくはありません。
(※もっとも、仮にそうだったとしても、公共の電波を使ってコンテンツを流している以上は、「電波帯の所有者」である日本国民の1人として、「NHKから放送免許を取り上げろ」と要求する権利はいささかも損なわれるものではありませんが…)。
しかし、現実の放送法第64条第1項本文には、こう明記されています。
放送法第64条第1項本文
協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。
この条文を読む限りにおいては、「NHKの放送を受信することができる設備(≒テレビ)を設置したら、NHKと契約を結ぶ義務が生じる(≒受信料を支払う義務が生じる)」、としか読めません。
したがって、テレビを設置している人は、極論すれば、NHKをたった1秒も視聴していなくても、放送法の規定に基づきNHKと契約し、その契約に基づき、NHKに受信料を支払わなければなりません。
逆に言えば、NHKはどんなにくだらない番組を作っていたとしても、放送法第64条第1項本文の規定などに基づき、テレビを設置したすべての家庭に対し、「受信契約を結べ」と要求することができますし、事実上のNHKの言い値で受信料を徴収することすらできます。
いわば、「見ていない人に支払わせることができる」、言い換えれば、「私たち日本国民が消費者としての選択の結果、NHKを倒産させるという自由を有していない」点が、NHK問題の要点なのです。
公共放送の3要件
この点、「法律で決まっている以上、テレビを設置したら受信料を支払わなければならないのは仕方がないじゃないか」、「法律は私たちの代表者である国会議員が決めたものだから、NHKに文句を言うのは筋違いじゃないか」と反論する人もいるのですが、これは典型的な論点そらしであり、詭弁です。
そもそも論ですが、「ある法律で決まっている以上、それを守るしかない」という論点と、「ある法律の規定自体が現代社会において、妥当性を持っているといえるのか」という論点は、それぞれまったく別物です。
さらにいえば、NHK自身がメディアの一角を占めており、「放送法第64条第1項を改正する」という世論を、「メディアとしての力」を使って封殺することができる(かもしれない)、という点を勘案すれば、やはりウェブ評論サイトとしては、NHK自身の姿勢を問題にするのは正当な話なのです。
そこを踏まえたうえで、先ほどのNHKの「公共放送とは何か」に戻りましょう。
NHKは、公共放送を次のように定義しています。
「公共放送とは営利を目的とせず、国家の統制からも自立して、公共の福祉のために行う放送といえるでしょう」。
つまり、①営利を目的とせず、②国家の統制からも自立し、③公共の福祉のために放送を行うこと、という3つの要件が、NHK自身が考える公共放送の要件です。これを便宜上、「公共放送の3要件」と定義しましょう。
この「公共放送の3要件」のうち、①については、現在のNHKの姿勢は明らかに逸脱しています。
実際、NHKは毎年、民間平均給与の2.5倍(!)という破格の給与を支払っていること(下記「参考:NHKの人件費」参照)に加え、巨額の剰余金を発生させていること、さらには金融資産を含め莫大な資産をグループ内に抱え込んでいることを考えると、NHKは巨額の利益を上げていると考えるのが妥当です。
だからこそ、野球の大谷選手に何百万という出演料をポンとオファーした、といった報道も出てくるのでしょう(※ただし、この「大谷選手に何百万円を提示した」とする情報自体は、週刊誌の報道によるものですので、裏取りができているわけではありません)。
次に、②については、基本的に放送内容自体に国家の統制を受ける必要はない、という議論は成り立ちますが、経営内容については国家の統制を受ける必要があります。現在のNHKのように、業務範囲が無限に拡大していくおそれがあるからです。
さらに③については、「NHKが公共の福祉のために放送をおこなっている」ということを担保する仕組み自体が存在しません。「公共の福祉」の定義がなされておらず、また、NHKの放送内容を監視・検証する独立第三者機関も存在しないからです。
(※なお、いちおう、NHKは民放と共同で「放送倫理・番組向上機構(BPO)」なる組織を立ち上げていますが、このBPOなる組織は放送業界による事実上のお手盛り組織であり、「放送業界から独立している」とはとうてい言えません。)
公共放送から逸脱するNHK
参考:NHKの人件費
ちなみにNHKの2021年3月期の人件費は図表1のとおりです。
図表1 NHKの人件費(2021年3月期)
区分 | 金額 | 前期比増減 |
---|---|---|
職員給与(①) | 1090億4925万円 | ▲20億円(▲1.80%) |
役員報酬(②) | 3億8693万円 | ▲0億円(▲1.52%) |
退職手当(③) | 325億1377万円 | +38億円(+11.66%) |
厚生保健費(④) | 211億6687万円 | +3億円(+1.29%) |
①~④合計 | 1631億1681万円 | +21億円(+1.28%) |
①、③、④合計 | 1627億2989万円 | +21億円(+1.29%) |
NHKの職員数(⑤) | 10,343人 | ― |
(①+③+④)÷⑤ | 1573万3335円 | +187,797円(+1.21%) |
(【出所】NHK『令和2年度 財務諸表』P65より著者作成)
広義の「職員人件費」は職員給与(①)に退職給付費用等(③)や福利費など(④)を足しあげたものですが、狭い意味での「給料」に限定しても、図表2のとおり、NHK職員の1人あたり給与は任天堂、トヨタ自動車のそれらを超えており、さらには民間平均給与の2.5倍にも達しています。
図表2 平均給与比較(2020年12月ないし2021年3月基準)
区分 | 平均給与 | 出所 |
---|---|---|
任天堂株式会社 | 9,710,405円 | 有報ベース |
トヨタ自動車株式会社 | 8,583,267円 | 有報ベース |
NHK | 10,543,290円 | 図表1①を職員数⑤で割る |
民間平均給与 | 4,331,278円 | 国税庁 |
(【出所】著者作成)
「放送でなければ実現できない公共性」とは?
さて、人件費の件も大きな問題ですが、少し視点を変えて、公共放送というものが現代社会に必要なのかについても考えてみましょう。
いちおう念のために申し上げておきますが、当ウェブサイトで申し上げているのは、「公共放送」なる存在があってはならない、という話ではありません。
公共放送として放送事業を営むのであれば、まずはその「公共性」をしっかり定義することが必要であり、その公共放送が制作・放送する番組が「公共性」から逸脱しないことを担保することが必要であり、また、「公共性」に応じて費用を負担する仕組みが必要だ、という話です。
「公共放送」、すなわち「非営利で、国から独立し、公共の福祉に寄与する放送局」でなければ実現できない放送というものが、この世にいったいどの程度あるのか、まずはその棚卸を始めるところからスタートするのが筋でしょう。
もっとも、大変申し訳ないのですが、「公共放送でなければ実現できない情報提供」など、ほとんど存在しません。というよりも、社会のインターネット化が進むに従い、「放送」でなければ実現できない「公益」というものが、どんどんと少なくなっているのです。
たとえば国会中継に関しては、国会がインターネット審議中継というサービスを提供しており、直近のものであれば、原則としてすべての国会審議を視聴することができます。また、天気予報であれば、気象庁ウェブサイトなどで地区別・時間別の詳細を確認することもできますし、たいていの報道はニューズサイトで確認可能です。
また、子育て世代にとっては、正直、現代社会において「テレビでなければできない教育」というものはありませんので、教育番組についてもその必要性は極めて疑わしいものです。敢えて言えば、文部科学省が一部の問題大学などへの補助金を打ち切り、浮いた経費で製作する、というのはひとつの手でしょう。
個人的に思いつくものといえば、せいぜい、選挙のときの政見放送や、緊急地震速報くらいなものですが、どれも渋谷の大掛かりで豪華なスタジオセットがなければ放送できないコンテンツではありません。
ネットがつながらない人のためのコストと考えると高すぎる
もちろん、一部の「インターネットが使えない人たち」にとっては、NHKの放送はある程度は重要かもしれない、という点については否定するつもりもありませんが、きょうび、「インターネットが使えない人たち」は社会の少数派になりつつあります。
社会の少数派のために、テレビを設置したすべての人から年間13,650円(地上波のみの契約で、口座振替やクレジットカードでの1年一括払いの場合)という受信料をかき集め、ドラマ、歌番組、アニメ、クイズ、お笑いなど、民放と同じようなジャンルのコンテンツを提供する必要が、果たしてあるのでしょうか。
社会の公平性という論点からすれば、とうてい是認できない話でしょう。
なお、上記の議論は、あくまでも「公共放送とは」という議論であり、「現在のNHKが公共放送を担う組織として妥当か」という論点については、また別物です。
これに加えて、「公共放送とはこういうものだ」、「公共放送局とはこのような組織であるべき」、といった社会的な評価が固まったとしても、NHKにそれを担う資格があるかどうかについても、まったく別問題です。
このように考えていくと、NHKが「我々には公共性があるから受信料を払え」と主張しているのは、議論としては大変に乱暴であり、雑です。
前田会長が紅白歌合戦廃止を検討?
こうしたなか、ここで先ほどの「公共放送の3要件」のうちの「①営利を目的とせず」の部分については、ほかにも気になる話題がありました。
『リアルライブ』というウェブサイトに日曜日、こんな記事が掲載されていたのです。
「紅白を終わらせる」NHK会長の言葉は現実になる? 淘汰されていく番組は
―――2021年12月26日 17時00分付 リアルライブより
同記事によると、NHKの番組を巡っては、現在、「長寿番組」とされるいくつかの番組が来年3月末で終了すると報じられていおり、また、その背景には前田伸晃会長の「大改革」がある、などとしています。
同記事は、雑誌『週刊文春』の報道をもとに、前田会長自身、『紅白歌合戦』を巡って「紅組と白組を分けたり、優勝旗を渡すシステムをやめるべきでは」などと発言し、そのうえである幹部には「『紅白を終わらせる』とも言った」、などとしています。
そのうえで、こんな記述があります。
「前田会長は同誌記者から来年の紅白開催について聞かれ、『今年は止めるとか言ってないけど、来年のことはわかんないよって言ったんだよ。どんな長寿番組だって見直さなきゃおかしいじゃない』と回答したというのだ」。
もしこの報道が事実だとして、また、前田会長が「視聴率」を念頭にこんな発言をしたのだとすれば、これは大変におかしな話です。
「営利を目的とせず」、「公共性の高い番組を放送する」とするNHKの存在意義に照らすのであれば、視聴率などを気にしてはなりません。
『紅白歌合戦』も「公共性が強く、これを放送することが公共の福祉の増進につながる」とNHK自身が本気で思っているのならば、視聴率が低迷しようがなんだろうが、とにかく放送すべきでしょう。
この点、一部のメディアの報道だけをもとに「こうだ」と決めつけるのは適切ではないにせよ、どうも現在のNHKは、自分で自分の公共性を否定するような行動を取っているのではないかと疑わざるを得ない部分が多々あるのです。
テレビ業界の将来
ドンキTVの威力
さて、ここでひとつ思い出しておきたいのが、『NHKはイラネッチケー「逆転勝訴」で自滅の道を行く』でも取り上げた、「チューナーレスTV」という話題です。
「イラネッチケー訴訟」を巡り、最高裁の堺徹判事が愚かな判決を下したことで、NHKがテレビ業界を道連れに、自滅の道を歩み始めました。せっかく「テレビを設置してもNHKと契約しなくて済む」という合法的な道ができるチャンスを、この堺徹判事がぶっ壊してくれたため、テレビ業界の衰退がこれから加速すると考えられるからです。「NHK利権を守るための判決」が「NHKを含めたテレビ業界をぶっ壊す」のだとしたら、皮肉としては最高に強烈です。利権の3つの特徴当ウェブサイトの定義で恐縮ですが、「利権」とは、「不当な... NHKはイラネッチケー「逆転勝訴」で自滅の道を行く - 新宿会計士の政治経済評論 |
株式会社ドン・キホーテは今月、「AndroidTV 機能搭載チューナーレス スマートテレビ」の発売を開始しました。
ネット動画専用! あえてテレビチューナーを外した『AndroidTV 機能搭載チューナーレス スマートテレビ』~12 月 10 日(金)より全国のドン・キホーテ系列店舗で発売!~【※PDFファイル】
―――2021/12/06付 株式会社ドン・キホーテHPより
今回発売したのは同社のオリジナルブランドのスマートテレビで、24型が19,800円、42型が29,800円(いずれも税別)なのだそうであり、同社はこの「チューナーレステレビ」の狙いについて次のように述べています。
「本製品はあえてチューナーを外して、アンドロイドOSを搭載したインターネットでの動画視聴に特化した商品です。また、接続環境を充実させているためインターネットでの動画視聴以外にも、家庭用ゲーム機を接続して大きな画面でゲームを楽しむことや、DVD・ブルーレイプレイヤーに接続して映画を鑑賞、ノートパソコンを接続してデュアルモニターとして活用するなど、ニーズに合わせて様々なシーンでご使用いただけます」。
この製品自体が良いのかどうかはわかりません。
ただ、ドンキ社がこの製品の発売に踏み切ったのは、「売れる」と思ったからでしょう。
実際、『紙媒体の新聞から10代が離れた』を含め、これまでに当ウェブサイトでしばしば触れてきた総務省の調査などによれば、「テレビを日常的に見る人」もさることながら、「インターネット上の動画サイトを日常的に見る人」の割合が着実に上昇していることがうかがえます。
「テレビ利権」はいまだに根強いが、果たしてその将来は?以前の『新聞を「情報源」とする割合は10代以下でヒトケタ台』では、総務省の調査結果を速報的に紹介したものの、記事のなかに盛大な事実誤認が含まれており、その訂正に追われるあまり、続きについて紹介しそびれてしまいました。ただ、ネット上でちょっと興味深い記事を発見したという事情もあるため、あらためて「メディア利権」についての先行きについて、考えてみたいと思います。総務省の調査当ウェブサイトにおける盛大な事実誤認のお詫び以前の『新聞を「情報源」とす... 紙媒体の新聞から10代が離れた - 新宿会計士の政治経済評論 |
正直、ドンキ社のテレビが注目されているのは、一般向けにチューナーレスで安く売りだしたから、という側面があるのではないかと思うのですが、それと同時に、もしもドンキ社のテレビの売れ行きが好調であれば、家電メーカーなども、チューナーレステレビの製造に踏み切るかもしれません。
テレビのない空間、快適ですよ!
すなわち、結果として放送法第64条第1項の規定にいうところの「NHKの放送を受信することができるテレビ」に該当しないものが、仮に徐々に増えて来るようであれば、NHKと契約しなくても良い世帯が増えてくる(かもしれない)、という意味でもあります。
もっとも、そうなって来ると、NHKだけでなく民放各社も含めて、地上波テレビをまったく視聴しない世帯が増えて来る(かもしれない)、という意味でもあります。
これこそがまさに、当ウェブサイトで以前から提唱している、「NHKの受信料至上主義という強欲が、民放各局を道連れにして、地上波を終焉させる」という仮説なのですが、これが正しいかどうかについては、10年以内、あるいは早ければ5年以内にその傾向が見えてくるのではないかと思っている次第です。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ここから先は、管理人の独り言です。
「テレビのない空間、本当に快適ですよ!」
以前の『バラエティ番組のオファー自体が大谷選手に迷惑では?』でも少し触れたのですが、正直、著者自身は地上波のバラエティ番組などを視聴していて、知性というものをあまり感じることができません。
野球の大谷選手に対し、バラエティ番組への出演を依頼した日本のテレビ局があるらしい――。こんな話題が出て来ました。正直、こうしたオファー自体が迷惑ではないかという気がしてなりません。そういえば、少し前にはバラエティ番組の収録中に卓球選手がレスリング技をかけられて肋骨を折る全治8週間のけがを負うという「事件」もあったばかりですが…。大谷選手に結婚について尋ねる記者当ウェブサイトでは芸能、スポーツなどの話題を取り上げることはあまりないつもりなのですが、ただ、「ちょっとこれはあまりにも酷いのではないか」... バラエティ番組のオファー自体が大谷選手に迷惑では? - 新宿会計士の政治経済評論 |
むしろ、地上波の番組の多くを見ていると、どうも頭が痛くなってきますし、ふらりと入った居酒屋などでテレビがつけっぱなしになっていたら、会話に集中できない、というタイプです。
こうしたなか、自宅などでくつろぐ空間からテレビを追放すると、本当に気分が爽快になると思うのですが、いかがでしょうか(このあたりは人それぞれなので、何とも言い難いとは思いますが…)。
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競争率の高いチケットに応募ハガキを送ったり苦労して席を取り、高い料金を払い、何日も予定を立てて、地方からならば列車に揺られるか巡業を待ち、やっとで見られる憧れの歌謡ショー…しかも大勢のスタァ達が揃い踏みする、を、家に居ながらタダで(受信料を払っている分を勘案しても格安で)家族と楽しめる。庶民の娯楽の少ない時代には、とても画期的で文化的で素晴らしい取り組みだったのではないでしょうか。
…昔なら。
NHKの問題体質を抜きにしても、もういらないんじゃないかな。芸能記者批判でも同じ理屈(もうそんな時代ではない)を挙げましたが。
今や各アーティストがyoutubeチャンネルを持って無料で配信をしています。PVなので映像作品としても。見たくない枠(W田A子とかK-POPとか)を無理して見ることもありません。紅白は生放送なのが醍醐味?特にコロナ禍からこっち、生配信だってあります。個人的にはそもそも生放送とかいうものの価値がわかりません。事故るだけで。
そいや世界中で大人気のあのなんとか少年団、呼ばなかったようですね。
安倍のマスクと同じでNHKも役目を終えた
NHKは「営利を目的としない」を美名の如く語りますが、「営利は卑しい」という勘違いした暗黙の前提でもあるんでしょうかね。
営利を目的にしていなくても、事業を多角化したり資産を溜め込んで肥大化することを自己目的化するようなら、立派な腐った組織だと思います。
えげつない料金収集と肥大化は、営利企業と官僚機構の悪い面を兼ね備えているように見えます。
SDGSだのジェンダーフリーだのって世の中に、男女を分けて競わせるなんてことが罷り通るんですね。氷川〇よしはどうすれば良いんでしょう?
公共放送の3要件のソースってここかな?
NHK>>よくある質問>公共放送とは何か
https://www.nhk.or.jp/faq-corner/1nhk/01/01-01-02.html
ところで、3要件のうちの
>②国家の統制からも自立し
ってところを財政面から担保するのに受信料制度が必要だってことなんだと思うのです♪
でも、国家の統制から自立するために、国家の作る法律で保護されなきゃいけないって、なんか変な感じがするのです♪
放送法第64条の規定ってNHK以外には関係ないから、こればっかりに頼っていると、その改廃なんかをネタに国家からの統制を受けてしまいかねない危うさがあるように思うのです♪
なんていうのかな? 国家から特別扱いされるようでは、国家の統制からは自由にならないと思うのです。
放送基金でも作って、それで運営すればどうなんでしょう?
一応政府予算からは独立するし、基金の範囲でやり繰りしようとすれば合理化も必要だし、やくざを使ってみかじめ料を強制徴収しなくてもすむし・・・
門外漢様
コメントありがとなのです♪
元ジェネラリスト様が触れているけど、公共性と営利目的って反しないと、あたしは思うのです♪
ちゃんとできてるかどうかはともかくとして、理念に社会への貢献を入れている営利企業なんて、たくさんあると思うのです♪
NHK>>よくある質問>民放は無料なのに、なぜNHKは受信料をとるのか
https://www.nhk.or.jp/faq-corner/2jushinryou/01/02-01-02.html
に、
>NHKが、特定の勢力、団体の意向に左右されない公正で質の高い番組や、視聴率にとらわれずに社会的に不可欠な教育・福祉番組をお届けできるのも、テレビをお備えのすべての方に公平に負担していただく受信料によって財政面での自主性が保障されているからです。
なんてことを書いてるけど、国を含めて「特定の勢力、団体の意向に左右されない公正で」ってところは、NHKだけで担わなくても、民放を含めて複数の情報発信者が存在することで担保すれば良いと思うのです♪
「質の高い」って部分は、NHKだから質の高い番組を作れて民放だと質の低い番組しかつかれないってわけじゃないだろうし、そもそも同じ番組でも人によって質の高い/低いの判断は異なるんだろうと思うのです♪
あと、
>視聴率にとらわれずに社会的に不可欠な教育・福祉番組をお届けできる
ってところだけど、見る人がごく僅かでも必要な番組ってのがあるのかもだけど、そういった番組の制作費用の負担をテレビを持っているかどうかで決めるってのはおかしいように思うのです♪
番組を見ない人も負担しなきゃいけないんだったら、テレビを持っていない人にも負担を求めるべきだと思うのです♪
多少の公平性を犠牲にしても効率的に集められるならって考えもあるかもだけど、数百億円っていう支出の決して少なくない割合の費用をかけているようだど、その言い訳もできないと思うのです♪
そういえば紅白のパクリで韓国に青白歌合戦みたいなのがあったけど、今もやってんの?
南国に娯楽を提供するという崇高な極めて公共性の高い任務があります。
日本国向け? そんな人達っていましかね~。
By NHK
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(そう自分に言い聞かせないと、素人が舞い上がってしまうので)
NHKは、「自分たちは、(倒産もあり得るので)営利も目的にせざるを得ない(朝日新聞などの)他のメディアより、国民に信頼され、そして国民から必要とされている」という自尊心が強いのだと思います。確かに、他との相対的な問題ですので、低いなら低いなりに、高ければ高いなりに優劣は出ます。問題は、自分たちが自画自賛するほど、国民から思われているか、ということです。(これば別にマスゴミ業界に限った話ではないのかもしれません)
駄文にて失礼しました。
まずはご報告
googleで「紅白歌合戦 公共性」で検索したところトップで表示されました
NHKに問題が多数存在することはわかりますが
話題を盛り過ぎ 論点がボヤけてしまうことを危惧します
紅白歌合戦の公共性について
すでにコメントされている方もいらっしゃいますが
かつて娯楽が少なかった田舎や海外に住む日本人(グローバル企業や移民等)に向け
一定の公共性は存在していたと思いますが
電波法等とともに時代に取り残された感は拭えません
参考
読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/culture/20210311-OYT1T50133/
※紅白歌合戦にいくらかかっているかは「秘密」のようです
視点をNHK側から視聴者側に変えると、NHKとは受信設備導入とともに強制加入させられるサブスクであり、その恩恵は全国どの地域でも最低限の番組視聴が可能になるもの。
その最低限の番組に娯楽が含まれるのはいいとしましょう。しかし、内容の公共性なんて視点でNHKに何か言っても、視聴者全員に恩恵のあるコンテンツなんてほぼ無いし、結局は予算の許す限りは何でもありでしょう。
(番組内容に不満があれば料金を安くしろという声が上がるだけなので、視聴率や評判は気になるところでしょう)
テレビというものは、そのような仕組みで既に普及してしまったんだと考えています。個人的には、現在のテレビの仕組みを改善するよりは、テレビでしか成立しない特殊な仕組みをネットなどの外の世界に持ち出すのを絶対に防いで、テレビ以外の公共性(公共の福祉)を担保するべきかなと思います。
つまり、サブスク料金込みでテレビを見る人はテレビを買って、それが嫌、あるいは必要ない人は買わない、というのが正解です。