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3回目接種案内開始:菅義偉総理大臣の功績を振り返る

菅義偉総理大臣が5月に「1日100万回接種」という目標をぶち上げたためでしょうか、日本のワクチン接種は最も多いときで、1日平均160万回近く進みました。そのおかげもあってか、現在、各自治体は住民に対し、3回目接種の案内を開始しているようです。接種条件は2回目接種完了時点から8ヵ月経過していることですが、自治体によっては2回目接種完了時点から8ヵ月というタイミングに合わせて接種券を発送するなど、効率的に接種が進む工夫もしているようです。

「3回目接種者」という欄

すでに当ウェブサイトでも何度となく申し上げてきたとおり、首相官邸ウェブサイト『新型コロナワクチンについて』にアクセスすると、少し前から「総接種回数の内訳」の図表に、「うち3回目接種完了者」という欄が設けられるようになりました。

また、首相官邸に掲載されているデータも「3回目接種」という区分が設けられるようになりましたし、実際、まだまだ微々たる状況ではありますが、3回目接種は始まっている状況です(図表1)。

図表1 総接種回数と接種率(公式ベース)
区分 総接種回数 接種率
①全体合計 198,014,376
うち1回目 100,036,244 78.98%
うち2回目 97,941,682 77.33%
うち3回目 36,450 0.03%
②一般・65歳以上合計 65,629,905
うち1回目 32,891,331 91.96%
うち2回目 32,738,574 91.53%
③②以外の区分 132,348,021
うち1回目 67,144,913 85.12%
うち2回目 65,203,108 82.66%

(【出所】VRSオープンデータおよび首相官邸ウェブサイト『新型コロナワクチンについて』データをもとに著者作成。12月10日時点で取得したVRSデータ、12月10日時点で取得した職域接種データ・重複計上データ・3回目接種データなどを使用。接種率の定義は、その年齢階層における累計接種数を『令和3年住民基本台帳年齢階級別人口』【※エクセルファイル】に記載されている人口で割った数値のこと。「全体」については1億2665万4244人で、「65歳以上」については3576万8503人で、それぞれ割っている。なお、「③」の区分については、便宜上、「12歳未満人口は1200万人だ」という仮定を置いたうえで、若干不正確ながらも、便宜上、対象人口を7888万5741人として算出している)

ワクチン接種は菅総理の「1日100万回」で急速に進んだ

思い出してみれば、日本では2月17日に医療従事者等に対するワクチン接種が、4月12日に一般の高齢者向けの接種が始まりましたが、最初はほとんどワクチン接種が進みませんでした(図表2)。

図表2 ワクチン接種状況

(【出所】VRSデータ、首相官邸データ、厚生労働省データなどを統合して著者作成)

ただ、5月7日の会見で、菅義偉総理大臣が「1日100万回以上の実施を目指す」と表明したあたりから状況は変化し、急加速。

最初に接種が始まった2月17日から数えて、1000万回を初めて超えた5月21日まで93日も要しましたが、その後は2000万回まで14日、3000万回まで10日、と、だんだん間隔が狭まり、最も速いときで1週間前後で1000万回の実施が達成されたのです。

これについて、接種が始まってから1000万回まで、1000万回から5000万回まで、といった具合に、その節目まで何日を要したか、その期間の平均接種回数が難解だったかを示すと、次の図表3のとおり、最大で1日160万回近くの接種が達成されていたのです。

図表3 ワクチン接種の節目
時点 その時点の回数 1日あたり接種回数
2/17(水) 125
5/21(金) 10,370,613 111,511
6/29(火) 51,254,292 1,048,299
7/11(日) 70,158,763 1,575,373
8/2(月) 101,038,273 1,403,614
8/22(日) 130,651,744 1,480,674
9/9(木) 150,257,590 1,089,214
10/27(水) 190,179,983 831,717

(【出所】VRSデータ、首相官邸データ、厚生労働省データなどを統合して著者作成)

また、一般高齢者向け接種、医療従事者等向け接種は7月末で一巡し、8月以降は高齢者以外の一般向け接種や職域接種などが本格化。10月27日には1.9億回を達成したのです。

まさに、これを菅義偉総理の功績と言わずしてどういえば良いのかわかりません。

自治体で3回目接種の広報が届き始める

こうしたなか、著者自身が居住する某自治体では、ついに「3回目接種」という広報が届きました。

ためしに東京23区のいくつかのウェブサイトで調べてみたところ、すでに「3回目接種」のウェブサイトを設けている自治体も多いようです。なお、どの区でも、接種するための条件は、次のとおりです。

  • 2回目接種から8ヵ月以上経過していること
  • 18歳以上であること
  • その自治体に住民票があること

その際、「重症化リスクが高い人」(高齢者、基礎疾患のある人)や「重症化リスクが高い人との接触が多い人」、「職業上の理由などによりウィルス曝露リスクが高い人」などについては、とくに接種をおすすめする、などと付記されています。

また、一部の自治体では、2回目接種完了時期に応じて3回目接種の接種券の発送時期を決めるなど、接種がスムーズに進むような工夫もなされているようです。

(著者自身の場合も、予約システム自体はすでに稼働しているようです。ただし、2回目接種から8ヵ月以上が経過している時点でなければ予約は入れられないようですが…。)

いずれにせよ、すでに現時点において、対象者の8割以上(年代によっては9割以上)が2回接種を完了し、さらに3回目という議論が出ているという状況は、1年前だと考えられなかったことでもあります。

この点、著者自身は10月に内閣総辞職した菅義偉総理の偉業を、日本国民はもう少し高く評価しても良いのではないか、などと考えている次第です。

新宿会計士:

View Comments (9)

  • 今の自民党や内閣支持率の高さは菅さんのお陰と言っても過言ではない。岸田首相は本当にラッキーだった。しかし、安倍さん、菅さんが民主党がボロボロにした日米同盟を硬固なものとしてくれたが、優柔不断な岸田がそれを無にしようとしています。本当、あの首相は日本にとって最大の不幸だと思います。

    • ジロウ様

      私には岸田さんが堅固な日米同盟を「無にしようとして」いると判断できる材料がありません。岸田さんのどのような言動でそう思われるのでしょう?

    • 岸田のせいで日米関係が悪くなっても
      「半分以上は痴ほう症の売電のせい」とアメリカ人が思うので
      次の首相が新しい大統領と関係改善したら大きな問題にはならないはず
      多分

  • アメリカ、イギリス、イタリアなどの西欧諸国のいくつかと中共がどうやら三回目接種を始めた様です。但しこれらの諸国はいずれも日本程度の一回目二回目の接種を終えないまま、強固な接種拒否者を積み残しての三回目接種開始と言えます。こう言う諸国のやり方がまだまだ接種者が低いままの低開発国を置き去りにした金持ち国の贅沢との誹りは免れないと思います。
    とは言え自国民がバタバタ斃れて居るのに無策で居る訳にも行かず背に腹変えられないのでしょう。
    ここ半年の日本のワクチン接種は見事でした。菅義偉首相(当時)の奮闘も勿論、総裁選ではここで散々に言われていたワクチン担当相河野氏の活躍もあった様に思います。内閣府への逐次のデータを上げるなどと言う不慣れな行政事務能力も日を追う毎に短期間に獲得しました。国民のために住民のためにと公務員諸氏も良く持ち堪えたと思います。ちょっとした民族的叙事詩と言えるのでは無いか。
    八月ごろにロードショー公開されたアンチ安倍菅映画『パンケーキを毒味する』と言うひどい作品がありました。日本アカデミー賞を与えられた東京新聞のイソコ記者の原作の『新聞記者』のシリーズ三作目と言えるモノでしたが、【諸外国は良い薬も貰えてちゃんと治療されて助かって居るのに日本国民は愚かなヒツジの様に反安倍反菅の声も上げず黙って政府に殺されてゆく】などと言う国民を愚弄するメッセージを交えたモノでした。実際には早くからワクチン接種を終えたはずの高齢者の観客が結構多かった。菅首相を皮肉って声を上げない愚かな家畜の様な国民が殺される、と言うメッセージに快哉を挙げていたのはチャッカリ菅首相の踏ん張りで確保されたワクチンを自分は接種した人たちでした。もしもこうした映画館にワクチンも拒否して或いはワクチンの案内が来ないのに、イソイソと出かけて反安倍菅映画だから喝采するのだとしたら更に愚劣であり得ない。やはり彼らは接種済みの皆様。そう思いますとこのアンチ安倍菅映画さえも楽しめる日本の国民の安全を支えた皆さんの偉大さを思わずにいられません

  • 独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
    (というより、流石に自分でも独断や偏見だと思いたいので)
    (他国のことはよく分からないので日本国内に限定させてもらいますが)日本人、それも特に自分は特別だと思いあがっているマスコミ業界人や、それに踊らされた人間は、菅義偉(前)総理を(正義の名のもとで)批判することで得られる脳内麻薬で快楽をえていたので、今更、その政策による功績を認めることは苦痛でしかないのではないでしょうか。つまり、その人が何をしたかではなく、その人が好きか嫌いかでしか評価できない、ということです。
    駄文にて失礼しました。

  • 3回目接種に向けて、
    堀内詔子ワクチン接種推進担当大臣
    牧島 かれんデジタル大臣
    後藤茂之厚労大臣
    には、VRS入力のリアルタイム化を推進してほしい。

    これができるか否かが岸田内閣の能力を見極める試金石になると思う。

  • 岸田総理になっていきなり出てきた留学生の消費税免除の撤廃も実際は安部・菅ラインで決していた鉱石だと思う。

    こんな優遇税制があった方が不思議だ。

    私自身留学歴あるけど現地の税制・法制に従うのは当たり前だと思っていた。

    食品やらタバコや酒の話ではない。
    毎年年末登録が増えて新年初売りで大量に出てくる自動車の登録済み未走行の新古車なんかの温床だったのでは?

    販売台数稼いで市場シェア争い各社が大ディスカウントして消費税免除者(必ずしも留学生だけではない)に販売したことにして手数料何%か払い新古車として転売するとか。

    非課税の身分でいるだけで金が転がり込む。

    納税するのが嫌になるようなシステムがあったのかも。
    最近は年中常設で軽自動車とか新古車専門店があるし希望の車種のオーダー受けてるし…

    まともに商品買ってる国民への冒涜ですよ?

    金稼ぎやハク付けや技術パクりで留学してくる留学生の学費なんて、他国の様に割高で上等。
    国費で補助する必要無し!