韓国が最も嫌うのは、日韓諸懸案の「国際化」であるということが、見えてきました。日本で竹島問題を国際化する動きが出てきたことに対し、韓国政府外交部当局者が動揺を隠せないように見受けられるからです。日韓間のトラブルについては、日韓が水面下で不透明な交渉をするのではなく、国際的なルールの下で透明に解決を図るべきであるという「鉄則」を、ここで確認することができるに違いありません。
竹島問題の本質
竹島問題は、日本領である島根県竹島を、李承晩(り・しょうばん)が一方的かつ違法に宣言した「李承晩ライン」に基づき、本日に至るまで、韓国が国際法の根拠なしに不法に占拠していることに起因します。
そして、それと同時にこの問題は、現代の日韓関係をさまざまな意味で象徴するものでもあります。
もちろん、韓国の行為は侵略そのものであり、国際法的には絶対に許されない行為ではありますが、それと同時に、日本政府がこれまで不思議なほどに、この問題に対して弱腰外交を続けてきたことも否定できない事実でしょう。
また、なかには「竹島のような資源的価値のない島など、韓国に差し上げて、それで日韓関係を円滑にすべきだ」、などと寝言を言う論者もいるのですが、竹島問題はそのような安易な方法で解決するものではありません。
なぜなら、竹島とは韓国にとって、「日本と戦って取り戻したわが国の領土だ」、などと認識されているからです。
もちろん、「日本と戦った」も、「日本から取り戻したわが国の領土だ」も、どちらもかなり悪質かつ低レベルなウソです。どちらかといえば、韓国がそのように信じることで、「日本に勝った」という虚構を楽しむ、というのが主目的でしょう。
そして、このように考えると、韓国の不可解な行動の理由がかなり解明できます。
通常、領土紛争が生じている場合、本当にその領土を失いたくないと思えば、その問題が国際化するのを嫌がるはずです。
しかし、韓国はこの問題を全世界に向けて一生懸命に喧伝しているのですが、それは言い換えれば、「わが国が日本に勝った」「日本に占領されていた独島(どくとう)を取り戻した」ということを、国際社会に対して高らかに宣言しているようなものなのです。
会見拒否の本質は「竹島問題に米国を引き込むこと」
ただし、韓国の目的はあくまでも「日本に勝った」という虚構を楽しむことにありますので、もしも日本が本気で竹島問題を国際化しようとしたら、困るのは韓国の側です。なぜなら、国際社会が見て、韓国の行動は国際法的に「アウト」だからです。
そして、『日本が会見見送りで米国のメンツ潰した「本当の意味」』などでも説明したとおり、現地時間17日に行われた日米韓3ヵ国外務次官級協議で、日本が記者会見の参加を拒絶したことは、竹島問題に米国を引きずり込み、国際化するという日本政府の意思でもあります。
松野官房長官は昨日、ワシントンで日米韓の共同記者会見が見送られたのは日本政府の判断だったことを認めました。結果的に、米国に対する牽制となったのではないでしょうか。なぜなら米国は、竹島占拠をはじめとする韓国による明らかな不法行為の数々に対し、見て見ぬふりを貫いてきたからです。ついでにいえば、日本政府が現在推進しているFOIPも「クアッド」も、もしかすると、本当の効果は「違うところ」にあるのかもしれません。「6対6」じゃなく「5対6」ですよ!本文に先立って、最初に、少しだけ寄り道をしておきます。... 日本が会見見送りで米国のメンツ潰した「本当の意味」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
さらには、『日韓トラブルの解決は「国際社会に委ねること」が基本』でも触れたとおり、自民党がこの竹島問題を国際問題化しようとして動き始めているとの情報もありますが、これは大変に賢明な動きでもあります。
これまでの日韓関係に大きな間違いがあったとしたら、日韓間でトラブルが発生したときに、国際社会のルールではなく、韓国が求めるままに、不透明な解決策を模索して来たことでしょう。しかし、先週発生した韓国の警察庁長の竹島不法上陸以降の日本外交は、なかなか興味深い展開です。日韓間のトラブルを国際化しようとしているフシがあるからです。そして、こうした試みは、歓迎すべき変化です。大変無責任な米国の姿勢韓国が不法占拠中の日本の領土である島根県竹島に韓国の金昌龍(きん・しょうりゅう)警察庁長が上陸したことで、... 日韓トラブルの解決は「国際社会に委ねること」が基本 - 新宿会計士の政治経済評論 |
なぜなら、日韓間のトラブルは、日韓間が水面下の変な協議で解決すべきものではなく、基本的に国際社会のルールに沿った透明なプロセスで解決すべきものだからです。
「論じる価値なし」?焦りまくる韓国政府
そして、案の定、韓国政府の反応が出て来ました。
韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)の昨日付けの記事によると、韓国政府・外交部の当局者は26日、「独島」を巡って日本側が領有権を主張し、「紛争」化しようとしている動きを見せていることを、「これ以上論じる価値はないと一蹴した」、というのです。
韓国政府「論じる価値なし」 日本の独島領有権主張に
―――2021.11.26 19:30付 聯合ニュース日本語版より
聯合ニュースはこの「当局者」の発言を、「一蹴」、などと格好良く表現していますが、どちらかといえば韓国政府側が焦りを感じる証拠そのものに見えてなりません。
その証拠に、聯合ニュースによると、この当局者は次のように述べたのだそうです。
「独島は歴史的、地理的、国際法的に明白なわが国固有の領土で、不当な領土主張には断固たる対応を取る」。
竹島が「歴史的、地理的、国際法的に明白な韓国固有の領土だ」という自信があるのであれば、堂々と国際司法裁判所(ICJ)の場で、「明白な韓国固有の領土だ」という根拠を滔々(とうとう)と騙っていただければ良いのではないでしょうか。
また、「不当な領土主張に断固たる対応」を取るというのであれば、まさにICJはうってつけの場でしょう。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
もちろん、当たり前の話ですが、韓国がICJで何を騙ろうが、おそらくは支離滅裂な主張に終わるのが関の山でしょう。要するに、自分たちの主張が根拠を欠いていることを、自分たち自身が誰よりもよく理解しているからこそ、このような反応になるのです。
日本国内で「竹島問題を国際化しよう」とする動きが出てきただけで、韓国政府がここまで動揺している、ということであり、裏を返していえば、竹島問題の国際化はそれだけ日韓関係が正常化するうえで有効な対応であるといえるでしょう。
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太陽に呪われ、恐れる民族ですから、日の当たるところに出ると死んでしまうのです。Moonshine国。
福島処理水の件もそうだった。韓国はウチと協議しろ!とか騒いでたけど日本はIAEAと話すのが正解。
IAEAの次期議長国は韓国になるそうです。
まず自国の原発が垂れ流しているものを
きちんと処理してから就任してくださいね^^
日本、特に外務省の拠り所である国連などの国際機関の正体を首相と国民は認識しないといけません。
特に、「アメリカ依存型八方美人的売国事なかれ主義」の宏池会の行動は要注意です。
中国や韓国への対応によっては、FOIPでの主導権を失いかねない事態になりそうです。
同感です。本当に心配。衆参同時選挙でもう一度選び直しができるといいな。国民民主の玉木党首が憑き物が落ちたように正論を言っている(言うだけかも?)
国際問題化への動き、好ましいですね。韓国は大慌てのよですが、「竹島をネタに日本に勝ち誇る」というのが、彼らの望みなので、竹島の国際問題化を避けるどころか、余計に騒ぎ立てるようになるのが容易に想像できます。
ところで、ICJ での争いですが、いざそこまで持っていけたとしても日本が必ず勝つと思うのは、甘すぎます。
日本の国際紛争の弱さと、韓国のその強さは侮るべきではありません。
99%日本が勝つだろうと思われてきたケースでも尽く日本が破れてきた歴史は忘れるべきではありません。
外務省の中に腐敗分子がいて工作しているのではといぶかしく思えてなりません。
韓国政府は、「そっ閉じ」しようとしていますが、アメリカは「日韓に領土紛争が有る」と再認識したでしょう。この問題についてアメリカは、日韓両国に当面口出ししないと思います。
ICJに提訴しても韓国は出て来ませんが、国際的に「日韓に領土紛争が有る」を宣伝するには、良いかと思います。
日本人は、竹島を奪われた経緯と、日韓協定に影響した経緯を知る良い機会だと思います。
ふと思ったんですが、韓国のCPTPP加盟申請の話は、大人しくなりましたね。
中々の斜め上の話をまた歯医者さんのブログから。
「日本は、韓国側が原因を提供するのを待っていた」
https://sincereleeblog.com/2021/11/26/bokuwarukunaimon/comment-page-1/#comment-357211
>泥棒が「私に盗ませた全人類が悪いように見えるという分析まで出ている」と言っているようなものです。
雑談部屋のイーシャさんの投稿に、韓国は技術を盗むから、信用が無い話が有ります。
朝鮮脳では、「盗めるようにしていたから、盗んだだけで、盗まれる方が悪い」という論理になります。シャインマスカットやイチゴに代表される農産物等、この考え方が「朝鮮脳の価値観」です。
元記事が、日本語版に上がりました。
独島「報復チーム」まで設置した日本、外相間の電話もなく…岸田首相の本性=韓国
https://s.japanese.joins.com/JArticle/285177?servcode=A00§code=A00
だんな さん
>日本は金昌龍(キム・チャンリョン)警察庁長官の独島訪問(16日)以降、韓国側がきっかけを提供するのを待っていたかのように反感を表し、むしろ葛藤を増幅させた。
いやほんと、『友好は日本が 育てるもので 韓国が苦労して 繕うものでは無い筈 @韓国宣言』ですね。
こんな価値観の連中が韓国系日本人として本土に来てたら、そりゃあ日本系日本人から見下されたり距離を取られたりしますわ。。。
https://twitter.com/SatoMasahisa/status/1464166760613961730
>佐藤正久
@SatoMasahisa
もっと早くこういう動きを作るべきだった。
河村健夫という内通者も消えてし、後は日韓議員連盟という獅子身中の虫を虫下し飲んで駆除する必要があるな。
(適当と思う場所に再UPしました。)
ふと、韓国の言い方は、日本の特定野党の言いっぷりと見事に重なるな、と思いました。先日の立憲共産党の某氏の与党の失政云々と同じで。
めたぼーん様
当然です。
何とか半島出身者とその縁につながる人達のネットワークで作られた組織
ですから、「朱に交われば…」という諺通りです。
又、指示も本国から来るのか、又は想定して本国の通りに行動しております。
ちょろんぼ様
納得です。
立憲共産党の某氏は韓国と言うよりは真っ赤に染まっている気もしますが。
彼らの関心が竹島に向いている限り対馬には食指を動かさず触手を伸ばしてこないので時間稼ぎにいいですね。鳥あたま戦法とでも言いましょうか。
つい先日もコメントしましたが、世界ではけして珍しいとは言えない国境紛争・領土問題で、現在実効支配している側が殊更に大騒ぎしているという例は、おそらく韓国だけだと思います。紛争の存在が国際的に認知されてしまうと、何かの拍子に他国からの介入を招く可能性があり、そうなれば、せっかく実効支配しているのに、それを失ってしまうという可能性もあるからです。
そう考えれば、韓国が行っていることは愚策としか評せませんが、この「大騒ぎ」は外交的な思惑というよりは、主として韓国の国内世論向けの宣伝を目的としていると考えれば、なんとなく全体の構図が見えてくるように思います。実際、「大騒ぎ」が異様なまでに盛り上がるのは、大抵は政権末期で、大統領のレイムダック化が進行しているときであることに気づきます。「日本から奪い返した」という神話を煽ることで、政権の求心力を少しでも回復したいという思惑がそこには透けて見えます。外交的な問題や国際政治への影響などと言ったことは二の次三の次で、国民を煽動することができれば以上のことは考えていない(いなかった)というあたりが正解に近いように思います。そうそう、「日本から奪い返した」という神話は、「韓国が戦勝国である」という妄想を裏打ちすることにもなりますしね。
「大騒ぎ」が国民への煽動を主目的としているのであれば、この問題が国際的に認知されてしまうというのは、韓国としては想定外であり、むしろ不都合な展開に繋がりかねません。そう考えれば、韓国外交部の「論じる価値もない」という発言は大失言です。「論じる価値があるか否か」ということは、そこに問題が存在することを認めてしまったことになるからです。外交部は「問題など存在しない」で押し通すべきでした。この辺りからも、韓国外交部の深刻な機能不全がうかがえます。
>そこに問題が存在することを認めてしまった
この自殺点を外堀を埋めていくモーメンタム(勢い)として生かしたいものです。
ロシアも政府高官による北方領土上陸のパフォーマンスしてなかったか?
新宿会計士さまご指摘の通り
先の米国単独会見持ち込みは
日本外交GJと感じます。
文ちゃんは、警察長官竹島上陸を
自分の上陸の露払いとして
狙っていたのでしょう。
「外務次官会談あるので日本が強く出れない
竹島上陸チャンスニダ!」(?)
的な思惑は、
結果韓国は追い出されての
米国単独会見で却って裏目に出て
焦ってみえるのは喜ばしいことです。
おそらくは舞台裏では
日本欠席で韓米二国会見ニダ!
との激しい主張で頑張る浅ましい
韓流姿が目に浮かびますが
それを迎撃退けた日本の主張は
外交交渉なので明らかにされませんが
興味津々です。それは、
猶予してあげてる経済制裁してあげますよ。
ではなかったと思います。
なぜなら
韓国財閥はアジア通貨危機ウォン崩壊後は
過半が米国資本の経済植民地状態
なのですから経済制裁は
米国資本の利益を損なうからです。
おそらくは、
フッ化水素横流しバラすぞ。いいのか?
的な、米国も賛同するものだったので
会見後も韓流の割にはおとなしい
すごすご引き下がった韓国さんなのでは
と推察します。
韓国が「李承晩ライン」を宣言して竹島問題を発生させましたが、その李承晩の時代、米国のスタンスはどのようなものであったのでしょうか。
多くの方々がご存知かもしれませんが、その状況を知ることのできる一端が米国のトニー・マラーノ氏(通称テキサス親父)が、英語の原文を日本語+韓国語に翻訳して2012年8月に発表した、機密扱いが解かれた米国国務省の電文にあります。
その電文は、1960年4月27日、当時、駐日米国大使であったマッカーサー氏 (=GHQ最高司令官、マッカーサー元帥のおい)が、米国国務省(及びソウル大使)に発信した機密電文3470号です。多忙な方は、朱文字部分だけでも読んで下さい。
http://texas-daddy.com/MacArthur3Languages-R5.pdf
この電文の中で、マッカーサー駐日米国大使の主張は、
① 米国は、李承晩の次の政権に対して、竹島を日本に返還するように強く圧力をかけること
➁ 万が一、李承晩の次の新しい体制にそうする気が無ければ、最低限、米国が、この件を国際司法裁判所に付託し仲裁を求める事に合意するよう主張すべきである
―ということでしたが、米国国務省が何の行動もとらなかったようで、残念ながら何も改善しませんでした。
当時、マッカーサー駐日大使は、正しく冷静な目で見て、次のようにも書いていましたのに。
「この島が日本に返還されるまで、日韓全体の和平が決着することが無い。」
現在も米国は、「竹島問題が存在しない」などとは思ってはいませんが、「日韓が話し合って解決するべき」という立場をとっているようです。しかし、米国の本意は「竹島は日本の領土である」という見解であることに間違いはないでしょう。
だから、日本は、米国の面前でも韓国に強く主張していいのです。でも、もう日韓全体の和平が訪れることはないのかもしれません。