東京都で新規陽性者数が「7人」

東京都の新規陽性者数は昨日、ついに7人にまで下がりました。客観的なデータに基づけば、新規陽性者数、重症者数、死亡者数は低下していますが、東京都の事例について、あらためて数値で確認しておくと、やはりその落ち込みは非常に顕著です。ただし、第6波への警戒を解いて良いという話ではなく、私たち一般人レベルでは、依然としてマスク着用や手洗いの励行、集・近・閉(しゅう・きん・ぺい)の回避など、基本的な生活・衛生習慣の徹底に努めたいものです。

データ分析はコロナも同じ

当ウェブサイトは、もともとは「金融評論サイト」を自称しており、金融、経済、産業などの統計データをもとに独自の分析を加えたうえで、「日本は財政再建など必要としていない」、「日本はモノを作るためのモノの輸出で儲けている」、といった結論を出していくことに強みがあると自己分析しています。

すなわち、この「数字」「データ」が与えられれば、それらを加工し、グラフ化したり、比較したりして、何らかの傾向を掴むなり、何らかの仮説を裏付けるなり、といった作業をすることには慣れているつもりです。

そして、著者自身は感染症の専門家ではありませんが、データ分析をするという観点からは、新型コロナウィルス感染症・武漢肺炎も、資金循環統計や国際与信統計、普通貿易統計などと同じく、「統計処理」の対象に落とし込むことができる、というわけです。

こうしたなか、コロナ新規陽性者に関するデータは、厚生労働省がオープンデータのかたちで全国のものを公表しているのですが、個人的には詳細なデータが含まれているという意味では、やはり東京都が公表するものを好んでいます。

東京都で新規陽性者7人、「1年半ぶり」の水準

さっそくですが、東京都の昨日の新規陽性者が、11月1日(月)以来、2週間ぶりに「ヒトケタ」を記録しました。

都内のコロナ動向<11/15(月)時点>
  • 新規陽性…7人(前日比▲15人、前週比▲11人)
  • 7日平均…19人(前日比▲1人、前週比+1人)
  • 重症者数…10人(前日比±0人、前週比±0人)
  • 新規死亡…0人(前日比±0人、前週比▲1人)

(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』、『新型コロナウイルス感染症重症患者数』より著者作成)

11月に入ってから、東京都の新規陽性者数が微妙に底を打っていたのですが、11月15日(月)の新規陽性者数は7人で、これは新規陽性者が5人だった2020年5月31日(日)以来、じつに533日ぶり(!)、あるいは1年半ぶりに低い水準です。

新規陽性者数は8月13日(金)に5908人に達していましたので、じつに「844分の1」に減った計算です。また、重症者数も10人で、昨年7月とほぼ同じ水準にまで低下していますし、8月28日に記録した297人の過去最多水準と比べれば、これも30分の1近い水準です。

さらには、新規死亡者数は現在までのところ4日連続でゼロ人を記録しています。

今月は1日あたり新規陽性者数が20人

この点、月曜日はほかの曜日と比べて新規陽性者の報告数が少なくなるという特徴もあるため、もちろん、油断は禁物です。これに加え、このところ、新規陽性者数が前週比で増加している日も増えているように見受けられる点を踏まえるならば、「第6波」の到来には十分な警戒も必要でしょう。

東京都の新規陽性者数(日月火水木金土|週合計)
  • 10/03…161 *87 144 149 143 138 *82  | 904
  • 10/10…*60 *49 *77 *72 *62 *57 *66  | 443
  • 10/17…*40 *29 *36 *41 *36 *26 *32  | 240
  • 10/24…*19 *17 *29 *36 *21 *24 *23  | 169
  • 10/31…*22 **9 *18 *25 *14 *25 *29  | 142
  • 11/07…*21 *18 *30 *25 *31 *22 *24  | 171
  • 11/14…*22 **7 *** *** *** *** ***  | *29

(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』より著者作成)

ただ、それと同時に、11月の東京都の1日あたり新規陽性者数は20人で、これはコロナ初期、2020年3月の16人という水準とさして変わりません。

東京都の1日あたり新規陽性者数(月間平均)
  • 2020年02月…***1人
  • 2020年03月…**16人
  • 2020年04月…*125人
  • 2020年05月…**31人
  • 2020年06月…**33人
  • 2020年07月…*209人
  • 2020年08月…*262人
  • 2020年09月…*164人
  • 2020年10月…*173人
  • 2020年11月…*329人
  • 2020年12月…*625人
  • 2021年01月…1302人
  • 2021年02月…*393人
  • 2021年03月…*300人
  • 2021年04月…*603人
  • 2021年05月…*706人
  • 2021年06月…*433人
  • 2021年07月…1434人
  • 2021年08月…4168人
  • 2021年09月…1064人
  • 2021年10月…**70人
  • 2021年11月…**20人

(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』より著者作成)

このように考えていくと、やはり2021年8月をピークとして、新規陽性者数がそれまで以前と比べてもさらに激減した、「何らかの要因」が存在すると考えるのは、当然のことでしょう。

生活習慣+75%がワクチン接種を完了

このあたり、「伊江太」様というコメント主様からいただいた『【読者投稿】ワクチン接種国「リバウンド」の謎を追う』という稿でも指摘されていたとおり、日本では外出時のマスク着用、消毒液の利用、手洗いの徹底などの生活・衛生習慣が定着していることの効果もあるでしょう。

また、首相官邸ウェブサイト『新型コロナワクチンについて』のページによれば、11月15日時点のワクチンの接種回数は194,370,766回で、1回目が99,237,050回で接種率は78.4%、2回目が95,133,716回で接種率は75.1%でした。

さらに、データサイト “Our World in Data” によれば、11月14日時点において日本のワクチン接種率はカナダと並んでG7でほぼトップであることがわかります。

いずれにせよ、私たち一般人レベルでは、第6波の到来にも依然として警戒を怠らず、マスク着用や手洗いの励行、集・近・閉(しゅう・きん・ぺい)の回避など、基本的な生活衛生習慣の徹底に努めたいものだと思う次第です。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. イーシャ より:

    せっかくここまで来たのだから、国内で経済を回すことを優先したいですね。
    感染者が急増している中国や属国からの観光客受け入れなど以ての外です。

    1. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

      韓国はそんなに感染者多くないのでは?
      感染してなくても犯罪ばきりだから、感染者を大義名分にお断りしたいくらいではあるが

      1. みったぁ より:

        >> 韓国はそんなに感染者多くないのでは?
        それはどこの世界線でしょう?
        http://rakukan.net/article/484391901.html

      2. 迷王星 より:

        >韓国はそんなに感染者多くないのでは?

        人口比で言えば,最近の韓国の日々の新規感染者数は日本だと5000~6000人のレベルで,十分に入国させたくない危険レベルですが.

        しかも韓国からの観光客が日本国内に落とす金額は他国からの観光客と比べてずば抜けて低いので,韓国からの観光客を受け入れるメリットは極めて乏しいのが現実です.

        お行儀が悪くモラルも低くケチで観光地の雰囲気を壊すだけの韓国からの観光客を大量に受け入れれば,経済効果は乏しいのに観光地は混みあって国内観光客からは敬遠されてしまいます.

        それよりは日本国民自身がどんどん観光してお互いにお金を落とし合って国内で経済を回すように政策的に援助するほうが,観光地にとっても日本全体にとっても遥かに良い.

        現状のような中華コロナ蔓延中は言うまでもなく,中華コロナのパンデミックが全世界的に終焉を迎えても,我が国にとってメリットの乏しい韓国からの入国に関しては観光ビザ制を復活させ,更に韓国人に対する観光ビザの年間発給数を厳しく制限するのが,日本の国益を大きくする上でとても有効な政策ですよ.

  2. sqsq より:

    ピーク時25000人いた感染者が200人台に。韓国のメディアは日本が数字をごまかしていると思ってるようだが、NHKの世界の感染状況というサイトを見ていたら、似たような国を3つみつけた。インドネシア、ピークは7月半ば、56000人の感染者が11月には500人台に。
    インド、5月初めの41万人が11月には1万人に。バングラデシュ、7月末の16000人が11月には200人台に。
    インドネシアは確か中国製のワクチンを使っていた時期があったはず。バングラデシュはワクチン接種が遅れていた。この3つの国、日本と何か共通点はあるのだろうか?

  3. とほほ より:

    それにしても、『集・近・閉(しゅう・きん・ぺい)の回避』は、秀逸なくだり。

  4. 匿名 より:

    単なる仮説ですが、生卵の生産者から末端の消費者までのルート内で、全ての人が手抜きをしない衛生対策ができている国民性とすでにマグロ等の遠洋漁業等で冷凍技術が確定していた事の両方でワクチンを正しく打てたので、高い集団免疫が形成されたのではないかと思います。

  5. がみ より:

    日本の現在のコロナ終息具合に異議唱える方々が日本にも国外にも多数いますが、発症死者数も激減しているのですから少しは信じましょう。

    陽性であることより、発症・悪化・死亡を防ぐことにリソースの重きをおける時期になったのは好ましいことですよね!

    風邪・インフルエンザ・花粉症の時期でもあり、マスクは継続すればいいんだし頑張りましょう。

    物流宅配や出前やスーパーとかの小売りも頑張ってくれている。
    …そこで入口に消毒液用意してくれているのに知ってて使わないで入店する客を多数見かける…悲しい奴らだ…

    お店がお金出して用意してくれている消毒薬とか使わない方々って多分、トイレでみかける手を洗わなかったり指先に水付けて洗ったつもりの奴らなんだろうな…

    マスクも手洗いも強制したり声かけたりしませんけども軽蔑した眼ではみてます。

    あのWHOやアメリカCDC発表なんでどこまで信憑性があるか…なんですが(すっかり信用喪失してる)、世界中で直近1年以上、4つあるインフルエンザの基本型の1つが検出されていないという偉業が達成され、全人類同時に開始した防疫のとばっちりでインフルエンザの1つの型が絶滅したかも知れない可能性があるらしい。

    人間やれば出来る子だったんだな。

  6. チキンサラダ より:

    既出かもしれませんが、日本と他国の差は mRNA ワクチンの温度管理の差ではないでしょうか。
    あれだけ厳密な温度管理を、日本以外の国できっちりやってるとは想像できません。
    日本では電源コードが抜けていただけで大騒ぎになり、当然ワクチンは廃棄されます。

    私はアメリカでワクチンを摂取しましたが、解凍は適当にまとめてやってそうだという印象を受けました。温度管理に失敗して駄目になったワクチンも平気で使用してそうです。

    韓国もアメリカに近いのではないですかね。

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