裁判で勝ったんだから「協議」だのなんだの言わずさっさと換金すれば良いのに!
早いもので、自称元徴用工判決からもうすぐ3年が経過します。こうしたなか、自称元徴用工側の弁護士、支援団体代表らが昨日、韓国で会見し、裁判で負けた日本企業に「交渉に応じよ」などと求めたようです。何を寝言を言っているのでしょう。裁判でもう勝っているのですから、さっさと金銭債権などの日本企業の資産を差し押さえて換金し、自称元徴用工らに分配してしまえば良いのに、ともどかしく感じてしまいます。もっとも、この問題は結局、日韓関係を破壊するまで終わらないのかもしれません。
盧泰愚氏の逝去に日本政府の公式コメントは?
最初に、ちょっとした雑感です。
先日、盧泰愚(ろ・たいぐ)韓国元大統領が亡くなられました。
これについては外務省の吉田朋之・外務報道官が10月27日付の会見で、共同通信の中田記者の質問に対し、次のように述べています。
「昨日26日ですか、韓国で大統領を務められた盧泰愚氏が、ご逝去されたという報に接しました。盧泰愚元大統領、韓国の民主化に貢献された方として知られていますし、日本と韓国の二国間関係におきましても、1990年5月に、国賓で来日をされたのをはじめ、二国間の友好協力関係の進展に尽力されたと、このように日本政府としては認識をしています。盧泰愚元大統領の訃報に対して、日本政府として、心より哀悼の意を表したいと思いますし、元大統領のご冥福を祈念したいと、このように思います。」
現在の日韓関係がギクシャクしているという環境下ではありますが、外国の国家元首経験者の訃報に対し、外務報道官という然るべき立場にある人物がこのように述べるということ自体は、ごく自然な話だと思います。
ただ、これについて数日前からいろいろ調べていたのですが、たとえば岸田文雄首相、あるいは茂木敏充外相、松野博一官房長官あたりが何らかの談話を発表した様子はありませんし、おそらく吉田報道官も、「記者会見で尋ねられたから答えた」というだけの話ではないかと思います。
もちろん、よく探せば、もしかしたら官房長官記者会見や駐韓日本大使館の韓国語ウェブサイトなどで盧泰愚氏に対する哀悼の意を表しているものが見つかるかもしれませんが、少なくとも首相官邸トップページなどの「すぐに見つかるところ」には、そのようなものは出ていないのです。
このこと自体、どうも現在の日韓関係を象徴しているように思えてなりません。
裁判について考える
そもそも裁判の「基本的な使い方」とは?
では、なぜ国家元首経験者の逝去に対し、首相自身が哀悼の意も表明しないほど日韓関係が冷却化したのでしょうか。
その理由はいろいろありますが、なんといっても中核にあるのは、自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題などの「歴史問題」でしょう。
さて、自称元徴用工判決問題に関連し、以前の『個人的実体験に基づく「自称元徴用工訴訟の不自然さ」』では、著者自身の実体験に基づき、もしも本気で裁判で損害賠償を獲得しようとしたら、普通の人はどうしようとするか、という議論を展開させていただきました。
自称元徴用工問題の落としどころのひとつこそFOIP自称元徴用工訴訟を巡り、昨晩は「韓国の大法院(最高裁に相当)が三菱重工の資産差押命令に関する再抗告を棄却した」とする報道が流れていました。これ自体、正直、大した記事ではないのですが、そもそも論としてもうすぐ自称元徴用工判決から3年を迎えるため、少し個人的な「訴訟体験」も交えつつ、彼らの本当の狙いと日本政府のあるべき対応について探ってみたいと思います。要約 本気で訴訟を戦うつもりなら、売却が容易な資産を調べ上げ、最初から差押をするのが当然 非上... 個人的実体験に基づく「自称元徴用工訴訟の不自然さ」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
タイトルにも「個人的実体験」とあるとおり、詳しい内容(とくに、「いつ」「だれが」「どこで」「なぜ」「何にもとづいて」「どう訴えた」、などの基本的な情報)については申し上げ辛い部分もあるのですが、ただ、当ウェブサイトで取り上げたいのは、こうした個人的体験のなかから一般化できる部分です。
そもそも裁判は、いわば、「最後の手段」です。
政治経済評論では気軽に「相手が約束を守らなければ裁判で訴えれば良い」、などとする表現を見かけることもありますが、一般の小市民にとって、裁判というのは「お気軽に」できる経験ではありません。そもそも弁護士事務所の門をたたくところからして、なんとなく、気後れするものだからです。
また、数百万円、数千万円という金額は、大企業からすれば「はしたカネ」かもしれませんが、個人レベルでみたら、訴える側から見ても、訴えられる側から見ても、たいていの場合は明らかに大金です。
よって、通常であれば、裁判所に訴える前の段階で、できるだけ相手と交渉をして、裁判をせずに穏便に物事を済ませようとするものです。こちらにとっても訴えるのは大変な勇気が必要ですが、訴えらえる側にしたって生活があるわけですから、裁判を使うより前の段階で、一生懸命、落としどころを見つけようとするのです。
大切なことは、裁判の目的は、当事者間の話し合いでどうしても紛争が解決しなかったときに、法の力を借りて強制的に紛争を終わらせることにあるのであり、べつに相手の生活や名誉を破壊することにあるのではない、という点です。
そして、たしかに裁判に訴えるほどの状態になってしまえば、被告も原告も、お互いが相手に対し、感情面では「絶対に許せない」という気持ちになるものですが、判決ないし和解によって裁判が終われば、そのことによって紛争は未来に向けて解決しなければなりません。
くだんの個人的訴訟体験でも、著者自身は事実上の勝訴をおさめたと考えているのですが、それと同時にその争いの中核となった案件についてはすでに訴訟で片付いているとも考えているため、本件でこれ以上、相手に対して「謝罪しろ」、「賠償しろ」などと要求するつもりはありません。
これが、裁判の基本的な使い方なのでしょう。
裁判が終わったらすぐに換金するのが訴訟の鉄則
さて、あらためて振り返っておきたいのですが、裁判を使い、それで相手に対して勝訴した場合、どうやって相手からおカネを取り立てるか、というのは、極めて重要なポイントです。
著者自身の体験でいえば、「不当利得返還請求訴訟」において、相手が管理している銀行預金口座や換金可能性が極めて高い不動産、不動産の賃料債権などを迅速に差し押さえたことが、勝利のポイントだったことは間違いありません。
かりに、預金についてはペーパーカンパニー名義の口座への移し替え、不動産については持分の部分売却、抵当権の設定などをされてしまえば、訴訟で勝ったとしても換金することが極めて困難な状態になりかねなかったからです。
この点、当方が依頼した弁護士の方が極めて有能だったというのも救いなのですが、相手方に法的な知識がほとんどなく、当方による訴訟の動きを察知していたにも関わらず、先方が何も対策を講じなかったことは、本当にラッキーだったと思います。
著者自身が当時思い描いていたのは、とりあえず差し押さえた預金と不動産については、相手からの損害賠償の支払いを受けるだけの十分な価値があると考えていたため、勝訴したら直ちに、預金については原告(複数)で均等に分配し、不動産については競売により換金する、というシナリオでした。
しかし、裁判自体は途中までベテランで場数を踏んだ判事が担当していたものの、その判事が異動で若い女性判事に交代し、この判事がなかなかの「モンスター」だったこともあり、突如として和解勧告が出て来てしまう、という形になりました。
ただ、この和解案自体は当方と先方の弁護士が交渉して取りまとめられたのですが、結果的に当方の主張が金額に換算して8割方は通ったので、「これで良し」と判断し、最終的には裁判上の和解に至ったのです。
もちろん、残り2割を獲得するために最後まで裁判を続けるという手もあったのですが、裁判の最大の目的は「相手の生活の破壊」ではなく「紛争の解決」にありますし、当方としては獲得できたのが請求額の8割であったとしても、十分に目的を達成したと考えたため、訴訟をこれで終わらせました。
そして、差し押さえていた預金、不動産の賃料については和解後速やかに分配し、不動産については強制売却ではなく任意売却の手続を使い、和解調書作成から1年以内に、想定していた以上の値段で売却することができたのです。
すなわち、個人的には、人生初の(そして望むべくは最後の)訴訟において、ここまで後腐れなく迅速に換金できたのは大成功だったと思っています。何といっても勝因は「裁判終了後にすぐに換金できる準備をしていたこと」にあったからです。
もちろん、公認会計士という仕事がら、間接的にではありますが、訴訟についてはずいぶんと眺めて来たのですが、やはり自分自身で訴訟をやると、モノの見方が色々と変わるものだと思う次第です。
自称元徴用工判決からすでに3年:換金困難な資産ばかり差し押さえる
さて、今週土曜日、2021年10月30日といえば、日本企業である日本製鉄(当時の社名は「新日鐵住金」)が韓国の最高裁に相当する「大法院」で敗訴したという判決(いわゆる「自称元徴用工判決」)が出てから、ちょうど3年が経過した日でもあります。
また、その約1ヵ月後の11月29日には、同じく日本企業の三菱重工に対しても、大法院は2つの敗訴判決を言い渡しています。
自称元徴用工訴訟に関しては、下級審レベルでも日本企業の敗訴は相次いでいますが、一般に自称元徴用工判決といえば、韓国大法院が下した2018年10月30日の日本製鉄に対するものと、同11月29日の三菱重工に対する2つの判決の、合計3つを指します。
ただ、この訴訟、大変に不思議なことに、判決が出たはずなのに、いまだに長引いています。
その理由はもちろん、日本製鉄と三菱重工が自称元徴用工らに対する損害賠償に応じていないからでもあるのですが、それと同時に、原告らもなぜか換金可能な資産(とくに売掛債権など)に対する差押手続を一向に進めていないのです。
いや、「一向に進めていない」といえば語弊があり、いちおう、差押手続自体は「進んでいる」といえば、本当に少しずつ、少しずつ進んでいるようなのですが、判決から3年が経過したにも関わらず、いまだに換金が行われていないのです。
そもそも論ですが、これまで原告側が差し押さえた資産といえば、日本製鉄については韓国・ポスコとの合弁会社であるPNR社の株式、三菱重工については特許権や商標権といった知的財産権であり、どちらも一般には売却が極めて困難なものばかりです。
もちろん、原告側が本気で売却しようと思えば、「法的には」売却自体は不可能ではありませんが、たとえば非上場株式の場合は「譲渡制限条項」がついていることが一般的であり、この「譲渡制限条項」が付されている株式は、購入しても会社に対して「自分を株主として扱え」と要求することができないのです。
なぜ換金が難しいのか:法的な基本条件
このあたり、当ウェブサイトにも「弁護士」を自称される方から、「いやいや、株式譲渡は当事者間では有効ですよ?」といった反論コメントが寄せられたこともあるのですが、「弁護士」を名乗られるのならば、せめて「株主名簿の名義書換」という論点について、最低限の知識を学んでほしいところです。
いちおう、日本製鉄が所有するPNRの株式自体は、裁判により売却することは可能ですが、それを買い取った人がPNR社に対し、「俺を株主として扱え」、と要求することはできません。
できるのは、「もし自分を株主として扱ってくれないのなら、自分が買い取った株式を買い取ってくれる人を指定してくれ」、という要求であり、株式を買い取った人はPNR社と協議して株式価値を算定したうえで、その「売渡先」に指定された値段で売ることしかできません。
そして、この「株式価値の算定」自体、数百万円から、下手をすると数千万円単位のコストが掛かりますので、自称元徴用工が勝ち取った日本円換算で1000万円前後という損害賠償額は、株式価値を算定するだけで吹き飛んでしまいかねません。
三菱重工の知的財産権にしても、特許権や商標権については売却価値を算出しなければなりませんし、それだけでコストがかかるのが一般的であり、また、その知的財産権は一般に韓国国内でしか有効ではありません。
特許権ならまだ理屈は立ちますが、商標権に至っては、もしも買い取る人が出て来るとしても、それは「三菱重工の韓国国内での営業を妨害する」などの目的くらいしか考えられません。
それに、これだけ多大なコストをかけて、非上場株式、商標権、特許権を無理やり売却したならば、日本政府がおそらく何らかの「対抗措置」を講じるでしょう。
当ウェブサイトの予測では、現時点では日本国内の法制度が万全ではないため、日本政府にできる措置には限度もありますが、それでもたとえば韓国国民に対する入国ビザ制限、外為法上の送金規制、資産凍結措置などが発動される可能性はあります(後二者については少し発動は難しいかもしれませんが…)。
そして、日本政府の報復が韓国政府の「逆ギレ」を招き、報復合戦が始まるならば、日韓関係はいよいよ行き詰るかもしれません。日本経済にもそれなりの打撃は生じますが、万が一、生産財や中間素材の韓国への輸出が滞ることになれば、壊滅的な打撃が生じるのは日本経済ではなく、むしろ韓国経済の方でしょう。
自称元徴用工問題の本質
半永久的に続く「売却スルスル詐欺」
ただし、当ウェブサイトの予測だと、原告側はおそらく、わざと換金し辛い資産を差し押さえ、「売却するぞ、売却するぞ、今度こそ本当に売却するぞ!」などと叫ぶだけで、半永久的にその売却手続を進めないのではないかと思います。当ウェブサイトでいうところの「売却スルスル詐欺」、というわけです。
実際、三菱重工の件については、今年8月に金銭債権の差押が行われたのですが(『徴用工「金銭債権の差押」の衝撃』等参照)、これについては不思議なことに、その後、差押手続自体が取り下げられてしまいました(『【速報】自称元徴用工側が金銭債権差押を「取り下げ」』等参照)。
金銭債権の差押自体、「一線を越えてしまった」可能性がある今から2年以上前の『徴用工判決問題、三菱重工の知財差押えという動きをどう見るか』『韓国経済に「突然死リスク」があるとすれば「資金ショート」』などで取り上げた内容が、いまさら現実化したようです。それは、自称元徴用工判決問題に関連する、「金銭債権の差押」です。非上場株式や知的財産権などと比べれば、一般に金銭債権は、差押と売却がとても簡単な資産であり、売却に向けて大きく前進した格好です。というよりも、「越えてはならない一線」を、いとも簡単に越... 徴用工「金銭債権の差押」の衝撃 - 新宿会計士の政治経済評論 |
本稿は、「速報」です。例の自称元徴用工判決に関し、金銭債権の差押を原告側が取り下げてしまったようなのです。ある意味では予想どおりでもあったのですが、とり急ぎ、ここでは韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)の記事を紹介します。『徴用工「金銭債権の差押」の衝撃』で報告したとおり、自称元徴用工問題を巡り、韓国で原告側が金銭債権の差押に踏み切ったと発表したことは、個人的にはかなりの衝撃を受けました。これが事実なら、自称元徴用工問題の「フェーズが変わってしまった」からです。なぜなら、金銭債権の場合、... 【速報】自称元徴用工側が金銭債権差押を「取り下げ」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
以前からしばしば述べてきたとおり、個人的な訴訟体験に照らせば、もし本気で裁判を通じて換金を目指す場合には、まっさきに差し押さえるのは換金が簡単な資産(とくに売掛債権)でしょう。
実際、著者自身も裁判期間中、不動産賃料債権を差し押さえたことがありますが(賃借人は期間中、賃料を供託していました)、被告側にとっては「売上代金が入って来ない」というのは、相手に対し大きな打撃を与え得る可能性があり、裁判を進めるうえでは戦略的に理想的な手法のひとつです。
しかし、韓国の原告側が金銭債権の差押を慌てて取り下げた理由は、売掛債権の代金の入金遅延が生じた瞬間、相手に対し不測の損害を与え、それが日本政府の警告する「日本企業に不当な損害が生じる」事象に相当してしまうことに、彼らが直前で気付いたからなのかもしれません。
(そういえば、当ウェブサイトにも8月下旬ごろ、やたらと韓国からのアクセスがありましたが、なにか関係があるのでしょうか?)
自称元徴用工側がこの期に及んで「協議」とは…!?
それはともかくとして、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に昨日、こんな記事が掲載されていました。
韓国最高裁の徴用賠償判決から3年 被害者側が日本の不履行批判
―――2021.10.28 15:56付 聯合ニュース日本語版より
記事本文には「強制徴用された韓国人被害者」といった誤った用語が出て来ますが、これは「自称元徴用工」のことですのでご注意ください。
それはさておき、聯合ニュースによると、「被害者と支援団体」は28日、ソウルで記者会見を開き、判決について「植民地主義の清算に向けた世界史に残る判決」「(国交正常化以降の)『65年体制』克服のための重要な転換点」などと絶賛したうえで、「判決を履行していない日本の政府と企業を批判」したのだそうです。
いろいろとわけがわかりません。韓国が大好きな「被害者」「加害者」という枠組みで無理やり考えるならば、国際法に違反する判決を出された日本企業の方が、むしろ被害者でしょう。
というよりも、もしもこの訴訟の弁護士が本当に依頼人のために動いているのなら、「判決を履行しない日本」をグズグズ批判するくらいなら、さっさと日本企業の換金可能な資産(とくに金銭債権など)を差し押さえて換金し、それを分配してこの裁判を終わらせるのが、弁護士としての当然の義務ではないでしょうか。
もっとも、「被害者」側の弁護士のこんな趣旨の発言を読むと、自称元徴用工問題の本質が何となく見えてきます。
「日本の政府と企業の態度は無視を超え『冒涜』するものだったが、それでも被害者は日本企業との協議を望んでいる。今からでも協議を求めるのであれば応じる意向がある」。
つまり、自称元徴用工側が真に望んでいるのは「協議」だ、ということです。
ちなみに、同じく韓国メディアの『中央日報』(日本語版)にも、こんな記事が出ています。
「日帝強制動員賠償」大法院判決3年…「なんの変化もなかった」
―――2021.10.28 16:23付 中央日報日本語版より
こちらの記事だと、支援団体の代表が次のように述べたと記載されています。
「いまからでも被害当事者が亡くなる前にこの問題を緩慢に解決できる道を日本が自ら探すことが日本の未来にも役に立つだろう」。
いったい何をすっとぼけたことをおっしゃっているのでしょうか。
もう裁判で勝っているのですから、日本企業との交渉などせず、さっさと資産の差押えでも売却でもすれば良いのに、と思ってしまいます。
自称元慰安婦問題との共通性:新たな「謝罪利権」の創出
もっとも、なぜ自称元徴用工側がいつまで経っても資産を売却しようとせず、日本企業との「交渉」にこだわっているのかについて、参考になる事例があるとすれば、それは自称元慰安婦問題でしょう。
自称元慰安婦問題自体は、「日本軍が戦時中に朝鮮人少女20万人を誘拐して戦場に強制連行して性奴隷にした」という捏造に基づく与太話ですが、現実にこの問題は、世界中であたかも事実であるかのごとく信じ込まれており、自称元慰安婦自体が韓国社会において完全に利権化しています。
なにせ、「国際社会の法と常識を守れ」などと耳に痛い正論を言ってくる「生意気な」日本人を黙らせるためには、水戸黄門の印籠よろしくこの慰安婦問題を持ち出せば、たちまち日本人が自分たちにひれ伏してくれるわけですから、気持ちが良くてなりません。
あるいは、日本人がもし自分たちに土下座してくれなかったとしても、「慰安婦問題」を国連、中国、ドイツ、米国、豪州など、とにかく国際社会に訴えかけたら、彼らの国々が韓国の代わりに日本を叩いてくれる(と韓国人が信じている)わけです。
だからこそ、自称元慰安婦問題は、韓国にとっては絶対に「解決」などしてくれては困るのです。
なにせ、「利権」なのですから。
そして、自称元徴用工問題も結局のところ、日本政府、日本企業に対し、(ありもしない)「強制徴用」という虚構を認めさせ、自称元慰安婦問題のような国際社会における大々的な「謝罪利権」を生み出すことにあるのだ、と考えるのが自然な発想でしょう。
何があろうが、日本が絶対に、自称元徴用工側に折れてはならなない理由も、ここにあるのです。
自称元慰安婦問題は自壊しそうになっている!
もっとも、『慰安婦側が国連拷問禁止委やICJ提訴での解決を提案』などでも指摘しましたが、自称元慰安婦問題自体は2015年12月の日韓慰安婦合意により、日韓間、米韓間では完全に封印され、韓国側はいかなる請求もなしえないこととされてしまいました。
自称元慰安婦側も利権を守るために順調に迷走中。国際社会提訴なら日本にとっても望むところだ当ウェブサイトでは自称元慰安婦問題について、今でもときどき取り上げていますが、その本質は結局のところ、「利権構造」にあるのだと思います。2015年12月の日韓慰安婦合意自体も、この利権構造を破壊するものだったという性格があり、だからこそ、この利権構造を守ろうとする自称元慰安婦側は焦りのあまり、順調に迷走を続けているそうです。こうしたなか、国際社会を巻き込んだ解決は、日本としてはむしろ歓迎すべき提案です。慰安婦問... 慰安婦側が国連拷問禁止委やICJ提訴での解決を提案 - 新宿会計士の政治経済評論 |
自称元慰安婦側が「慰安婦問題」を国際社会に訴えかけようとしていること自体、「慰安婦利権」が順調に迷走している証拠でしょう。
当ウェブサイトでは平素から、「利権はそれを持っている者たちの怠惰や腐敗、強欲によって自壊することもある」と申し上げているのですが、自称元慰安婦とその支援団体の内紛、支援団体の前代表だった尹美香(いん・びこう)国会議員の刑事訴追などは、まさに「怠惰と腐敗と強欲」の象徴でしょう。
また、利権を持っている者は得てして議論を嫌うのですが、自称元慰安婦問題についてはその矛盾をつつかれて困るのは自称元慰安婦の側だからです。
そして、自称元徴用工問題を自称元慰安婦問題の「二の舞」にしないためには、この自称元慰安婦問題こそ参考にしなければなりません。
つまり、自称元徴用工問題については、現時点において、①国際法違反であり、②そもそも韓国のいわれなき捏造である、という2点を、国際社会(とりわけ米国)に対して発信し続けなければならないのです。
この点、日本政府としては、自称元徴用工問題に関して、上記の「①国際法違反である」の部分については何度も強調しているものの、「②そもそも韓国のいわれなき捏造である」という部分については、発信が弱いと言わざるを得ません。
また、日本政府はどうも、この問題については「どうせ換金などできっこない」、「積極的放置/戦略的無視を続けるべきだ」と割り切っているフシもあるのですが、この問題、「いつまでも長引く」ことは望ましくありませんし、いつまでも放置しておくことはできません。
というのも、日本国内で「この問題を解決するために韓国に譲歩すべきだ」、「韓国と対話すべきだ」といった愚かな主張が出て来るからです。今年6月15日付で日経が社説に掲載した次の議論などは、まさに「愚の骨頂」と言わざるを得ません。
[社説]日韓は地域安定へ対話探れ
―――2021年6月15日 19:00付 日本経済新聞電子版より
今後の展開
自称元徴用工問題の「4つの顛末」
こうしたなか、個人的にこの自称元徴用工問題については、次のような可能性を予想しています。
①自称元徴用工側が資産売却に踏み切る。
日本政府の度重なる警告を無視し、自称元徴用工側が日本企業の資産の売却に踏み切り、これによって日本政府が韓国に対し何らかの報復措置を講じ、日韓で報復合戦に陥り、日韓関係が無秩序に崩壊する。
②韓国で強権的な保守政権が誕生し、すべての違法判決を無効化する。
韓国で強権的・独裁的な政権が誕生し、自称元徴用工判決、自称元慰安婦判決など、国際法に違反するすべての判決を無効化すると宣言し、場合によっては判決に関わった判事、それを支持した野党議員らを拘束し、国際法を守る方向に舵を切る。
③日本で脇の甘い政権が誕生し、韓国に譲歩することで問題の解決を図る。
日本で立憲民主党、日本共産党などの野党出身の首相、あるいは自民党出身だが非常に脇の甘い首相が誕生し、韓国が主張する歴史問題などの与太話をすべて丸呑みし、日本が韓国に対し全面的に譲歩することで問題の解決を図る。
④まったく別次元の問題で、突如終了する。
たとえば、韓国からの米軍の撤退、北朝鮮との事実上の国家統一、中華属国化などにより、韓国が「自由民主主義国家」陣営から弾き出され、日本企業も韓国から一斉に撤退するなどし、自称元徴用工問題についてもこれ以上追及する必要がなくなる。
これらのうち、正直、①と②についての可能性はさほど高くありません。
①のシナリオは、この3年間、「瀬戸際」のラインの向こう側でひたすら踊るだけの自称元徴用工側を見ていれば(そして金銭債権の差押えを慌てて撤回した姿を見れば)、彼らが裁判を通じて自分たちの「損害」とやらを回復するつもりがないことは明白だからです。
というよりも、そもそもほとんど売却できない資産を差し押さえている時点で、「資産売却」の可能性が非常に低いことは明らかでしょう。
(※個人的には、誰か自称元徴用工側に、「売掛債権を差し押さえるのが最も手っ取り早いよ」などと入れ知恵してあげたりしないかどうかが心配で心配で、食欲も極端に低下し、晩ご飯も「大人用ハッピーセット」(パティ倍ビッグハンバーガー・ポテト大盛り付き)くらいしか喉を通らない今日この頃です。)
やはり最も可能性が高いのは「韓国の自壊シナリオ」?
また、②のシナリオに関しても、現在韓国大統領選に立候補を表明している有力候補者にそのように強権的な人物は見当たりません。可能性があるとしたら軍事クーデターくらいかもしれませんが、それについてはおそらく米国が許さないであろうと考えるならば、やはりこのシナリオもあり得ないでしょう。
結局、このように考えたら、上記シナリオ③か④くらいしか考えられません。
そして、念のため申し上げておきますが、上記③のシナリオは、絶対に避けねばなりませんし、そうならないためにも、私たち有権者は気をしっかりと持たねばなりません。また、政府が韓国に対し変な譲歩をしようとすれば、私たちは有権者として、敢然と声を上げねばなりません。
そうなると、結局はシナリオ④、つまり自称元徴用工問題とまったく別次元の問題が降りかかることによって、この問題が突如「強制終了」されるという可能性を視野に入れておくべきなのかもしれません。
いずれにせよ、2018年10月30日の自称元徴用工判決以来、日韓関係については法的安定性が損なわれているという事実を、経済界はもっと重く受け止めるべきではないかと思います。
韓国と合弁企業を設立している場合ではありませんよ、T社さん!
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> また、政府が韓国に対し変な譲歩をしようとすれば、私たちは有権者として、敢然と声を上げねばなりません。
このためにも、「国籍が違うことで選挙権を持っていない人のために投票してください」と日本人以外のための存在だと自ら暴露している立憲共産党は、少しでも議席を減らさねばなりませんね。
おっしゃる通りかと思います。
私は、折角、第2次安倍政権、菅政権で作ったよい流れが、今回の衆院選でストップしてしまうことを大変心配しています。
>この問題を緩慢に解決できる道を日本が自ら探すことが
なんで裁判でケリがついてる事柄について、判決と別の道を探す必要があるのでしょうね?
仮に③のシナリオが成り立つとするなら「国際的な約束、条約はしっかり守られなければならない」という政府方針との整合性をその時点の「政府」はつけられるのでしょうか?そう考えれば、かなりアクロバティックな「理屈」を付けなければならず真実を知った日本国民がそれを許すとも思えません。④のシナリオのうち北か宗主国に飲みこまれる可能性のほか、国内的にそれどころではない、例えば大恐慌やクーデターなど、「そんなことあったかな」という雰囲気にしてなかったことにするのではないでしょうか?311の時の「放射能汚染地図」など忘れたようにふるまっているマスごみなどが典型です。
ichiidays さん
日韓基本条約の時もそうですが、日本がお金を出す名分と韓国がお金を受け取る名分を変えれば、韓国側の「お代わり」が成り立つ可能性があります。
一例としては、統一朝鮮が生まれ、日本が経済支援金としてお金を出し、統一朝鮮が植民地支配その他への賠償金として受け取る、というものです。
韓国側の課題は、貰えるのが一時的かつ期限付きだと永遠に貰い続ける、日本に寄生し続ける事が出来なくなる事ですね。
韓国の「謝罪しろ、賠償しろ」は「謝罪し続けろ、賠償し続けろ」ですから。
中国は「ODA」などの形で日本からのお金と技術を貰い続けましたが、統一朝鮮も其れを狙うかもですね。
クロワッサン様
>統一朝鮮が生まれ、日本が経済支援金としてお金を出し、
仮に韓国主導で統一したとしても、韓国は世界○大強国なんだから、よそからの経済支援を当てにせず、自力で統一して欲しいのです♪
政府にも、自国内のことは自国でなんとかしなさいと、突き放しすような対応を期待するのです♪
七味 さん
韓国・朝鮮って『自活して一人前』ではなく『集って一人前』っぽいので、「統一朝鮮の安価な労働力が〜電気が〜」とか「統一朝鮮の将来性ある市場が〜」とか言ってきそうで。
突き放す名分としては、「どうせ成長したら『戦犯企業リスト』を創作して集るんだよね?」ですかねぇ…。
クロワッサンさま
統一朝鮮を日本が認めて国交が成立するかは、不透明だと思います。
うっかり会談でもしようものなら、「日本は問題の存在を認めたからこそ協議に応じたのだ」と喧伝されてしまうことになるのでしょうね。
まさにそのとおりです。
というか韓国の対応はそれを狙ってるとしか思えない。
韓国で裁判は紛争の解決の手段ではなく上下関係を決めるための手段なのでしょう。日本側が上下関係を受け入れないから裁判は終わっていないのです。
「早く現金化しろ」としか思いません。
このスレでもそうですが、徴用工判決が「日韓併合が違法」であるという内容を忘れて、「賠償金の支払い」に矮小化されている場合が殆どです。
議論の内容も日韓協定で解決済みで、協定による対話と第三者協議を韓国が、無視した事を国際法違反とする所までだと思います。
話が変わりますが、韓国は終戦宣言を何時でも取りやめる事が出来る事として、アメリカを説得しようとしています。
このように、物事を矮小化して譲歩させて、本来の目的に近づこうとするのが、朝鮮脳のやり方で、「日韓併合は違法」への一歩でしか有りません。
という事で、日本が譲ってはいけない判決だと思います。
文末ですが、韓国 のご冥福をお祈りします。
ほんとその通りですね。韓国側が賠償金を肩代わりするから判決受け入れろという主張に騙されないようにしないといけません。
終戦宣言も盛んにアメリカに働きかけていますが全く相手にはされてません。自らの置かれた状況が理解できないのが文在寅ですから空回りを続けるだけ。
>しかし、韓国の原告側が金銭債権の差押を慌てて取り下げた理由は、売掛債権の代金の入金遅延が生じた瞬間、相手に対し不測の損害を与え、それが日本政府の警告する「日本企業に不当な損害が生じる」事象に相当してしまうことに、彼らが直前で気付いたからなのかもしれません。
韓国の原告側が金銭債権の差押を取り下げた理由ですが、韓国側にとって法人が異なろうとも「三菱」を名乗る法人であれば「連座制」が適用されて「戦犯企業」扱いされるか?もあるかと思います。
韓国から戦犯企業扱いされている会社で当時と法人が異なる会社が含まれるのであれば、韓国では戦犯企業と同じと見做されれば戦犯企業となると考えても間違いなさそうですが。
恐らくですが、韓国政府もこの自称徴用工の裁判が判決通り進むのが不味いことは理解しているのでしょう。上記にある差し押さえの取り消しなども政府からの介入の結果である可能性は高いです。
そもそも初期の裁判であのような判決を出した(出させたというのが正確かも?)のは、「判決さえ出してしまえば日本が折れてくれるだろう」という前提があったからこそだと思われます。
よって、日本が折れない以外にこの問題を解決する手段が韓国にはないというのが現状の本質であり、結果この元記事も韓国政府自身も必死に協議をしてやるという態度を取り続けることしかできないのでしょう。
ついでに言えば、協議してやるという態度なのは「現金化せずに協議することで解決してあげてもいいのだからこちらの気持ちも察してくれ」と、譲歩しているつもりだからだと思われます。
慰安婦問題は(それが偽りであっても)米国や欧州を味方につけ国際世論を形成して日本を追い詰めていった。
だが徴用工問題で国際世論を形成することはできない。
なぜならイギリス、フランス、オランダ、アメリカなど先進国は植民地や原住民に対し日本以上の苛烈な統治をずっと長い間していたから。
彼らが韓国の徴用工を認めたら、それこそかつての植民地、原住民から天文学的な賠償が請求されるだろう。
よって日本は原理原則を訴え国際社会を味方につけるべきで、韓国は中露北くらいしか味方にならないだろう。
このまま毅然とした対応を願いたい!
韓国が宣伝するから、元植民地からの請求裁判が増えているらしい
入国ビザ制限以外にも、日本が実行できることがありそうです。
それは、「輸出貿易管理令の一部改正」。
韓国とは、2020/3/10の第8回輸出管理政策対話を最後に、政策対話ができていません。いつまでもグループBに留めるのは適切ではありません。
2019年に、韓国を「り地域」に指定してホワイト国(現在のグループA)からはずした際には、枠組みの変更を伴うため、通産省がパブリックコメントを募集したり手間をかけましたが、「り地域」をグループBからはずす(グループCと明示してもよい)だけの小変更なら、政令(案)を閣議決定するだけの簡単な手続で実行できるのではないでしょうか。
「おまエラを台湾より優遇する理由はねぇんだよ」
という現実を、韓国に突きつけることにもなりますし。
効果は大きいと思いますよ。
運休になっている日航定期便の貨物室にAZ剤を積み台北に送り込んだ2021年6月4日に日本の選択は明らかになっているのですから、そろそろ韓国は現実を視ないふりは止めたほうがいい。鈍感力は報道機関ソウル支局員が飛び切り一番のようですが。