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韓国左派紙「岸田政権で韓日関係回復は難しい見通し」

いよいよ本日、岸田文雄政権が誕生します。これについて、個人的には隣国メディアがどう報じるのかについて関心があったのですが、韓国が本日、振替休日ということもあるのか、韓国メディアの日本語版にはさほど多くの記事は掲載されていません。ただ、その例外が「左派メディア」とされる『ハンギョレ新聞』(日本語版)です。同紙に本日、岸田政権を巡り、「岸田の顔をした安倍内閣」「韓日関係の回復は難しい」とする記事が掲載されていました。

岸田文雄政権は韓国にとって「都合が良い」のか?

本日発足する予定の岸田文雄政権を巡っては、いかなる性格のものであるか、現時点においてその評価は難しいと思います。

岸田文雄「首相」の誕生には、安倍晋三総理の影がちらつく。だからこそ、実質的には安倍政権じゃないか。

いや、安倍・菅内閣で重鎮を務めた麻生太郎総理が閣外に去ることもあり、岸田「首相」色を出そうとしているのではないか。

さまざまな考え方があり得るとは思うのですが、ただ、少なくとも岸田政権下での日韓関係が、韓国にとって「都合が良い」ものとなる可能性は、非常に低いと考えて良いでしょう。

そもそも論として、韓国の日本に対する不法行為(国際法違反、国際約束違反、条約違反など)は、日本にとって不問に付すことができるものではありませんし、また、日本の外交・防衛は、「近隣極重視型外交」、「日米韓3ヵ国連携」から「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」に舵を切ったばかりです。

韓国が国際法を守る方に舵を切るならば話は別ですが、現在のまま、国際法違反を続けるのであれば、日韓関係は「テーパリング」(段階的縮小)への道を歩むまでの話ではないでしょうか。

ことに、韓国の裁判所が先月、三菱重工の所有している在韓資産である商標権や特許権の売却を命じたことは、韓国に進出する日本企業にとっての法的安定性が脅かされ始めている、ということを意味しています(逆に、日本企業経営者がそのことに気付かないのだとすると、大変に困った話です)。

結局のところ、日韓関係の破綻は、①韓国が国際法や国際約束を守る方向に舵を切るか、②日本が原理原則を捻じ曲げ、韓国に対して譲歩することによってしか回避できませんが、日本が原理原則を捻じ曲げることがあってはなりません。

そうなると、最終的には日韓関係は破綻せざるを得ず、ただ、「瀬戸際外交」が大好きな韓国のことですから、彼らの側から関係破綻のトリガーが退かれる可能性はさほど高くないとも考えて良いでしょう。

ハンギョレ新聞「実質的に岸田の顔をした安倍内閣」

こうしたなか、韓国は本日、祝日(振替休日)だそうであり、韓国メディアにはそれほど多くの記事は掲載されていないだろう、とタカをくくっていたのですが、「左派メディア」とされる『ハンギョレ新聞』(日本語版)には岸田政権に関する記事がいくつか掲載されているようです。

本稿では、そのうちのひとつを紹介します。

[ニュース分析]「岸田の顔した安倍内閣」…韓日関係の回復は難しい見通し

―――2021-10-04 07:11付 ハンギョレ新聞日本語版より

記事は冒頭からかっ飛ばしています。

本日発足する岸田内閣では「党と内閣の要職に、極右系の人物が配置される」、「安倍晋三前首相と麻生太郎副首相兼財務相の側近たちも多数起用される」、「『岸田の顔をした安倍・麻生内閣』という批判が出ている」、などと、なかなか手厳しい評価です。

(※もっとも、日韓メディアを問わず、この手の「~という批判が出ている」という文章は、たいていの場合、この文章を執筆した記者本人の主観的な意見だったりもします。)

そのうえで、ハンギョレ新聞の記事では、「当面は、韓日関係を含む外交・安保政策での変化を期待するのは難しいとみられる」と述べている、というわけです。

ただ、ハンギョレ新聞が厳しく批判している内容をよく見てみると、ハンギョレ新聞が考える「韓日関係改善」の正体というものが、おぼろげながら見えてくる、というしかけです。ここでは記事の前半部分から、ちょっとだけ内容を紹介しておきましょう(※日本語表現については整えています)。

  • 官房長官に就任すると見られる松野博一氏は、2012年に米ニュージャージー州の地域新聞に対し、「日本軍慰安婦に関する河野談話を否定する内容」の意見広告を出すのにかかわった右翼系の人物だ
  • 自民党政調会長の高市早苗氏は「首相になっても靖国参拝する」、「中韓両国は歴史問題について不正確な情報を発信している」などと日本の加害責任を否定する認識をあらわにしてきた極右政治家だ
  • (高市氏は)安保政策についても防衛予算を2倍近くに引き上げることや敵基地攻撃能力確保に向けた法整備の必要性などに言及している

…。

すなわち、ハンギョレ新聞が考える「理想の韓日関係」とは、おそらく、「日本が永遠に韓国に対して謝罪し続ける」というものであるべきだ、というわけです。

日韓関係の膠着、そして本当の意味での正常化

そもそも日韓間の歴史問題には、韓国側が主張する「被害」の多くが(おそらくは)韓国側によるウソ、捏造のたぐいのものであり、最終的には「ウソの罪をでっち上げて日本を貶めている」のと同じである、という本質的な問題点が内在しています。

日本の政治家が靖国神社に参拝するかどうか、などを巡っては、私たち日本国民の側が議論する分にま問題ありませんが、「日本を永遠の罪人にする」という邪悪な意図を持つ外国から「参拝するな」と言われて、参拝を辞めなければならない、という話にはなりません。

その意味でも、韓国メディアにこの手の論考が出てくること自体、現在の日韓関係が本当の意味で健全化しつつあるという証拠ではないでしょうか。

もちろん、岸田「首相」を巡っては、その脇の甘さ、決断力のなさなどに対し、個人的には強い不安も抱いている次第ではありますが、それと同時に岸田氏自身が2015年12月の日韓慰安婦合意に関わった責任者でもあるため、韓国に対し、ぬるい対応を取ることは難しいでしょう。

この点、当ウェブサイトが考える日韓関係の「本当の意味での正常化」とは、次の2つの状態のいずれかです。

  • ①日韓双方が基本的価値を共有する対等な国家同士としてお互いを認め合い、尊重し合い、手を取り合って未来に向けてともに発展して行けるような関係になること。
  • ②日韓双方がお互いに基本的価値を共有していないという事実を認め合い、価値を共有していない国同士として相応しいレベルの関係になること。

現在の状態が①、②のどちらに近いのか、将来の日韓関係が①、②のどちらに向かおうとしているのかについては、あえて本稿では申し上げません。ただ、「日韓関係の膠着状態が当面続く」という予測については、偶然ですが、ハンギョレ新聞も当ウェブサイトも同じなのかもしれないと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (17)

  • 経済安全保障という観点からも、何でも盗もうとする属国は切り捨てるべきでしょうね。

  • 安部さんも個人的には親韓だったのでは?

    • 岸信介氏の系譜をひく人ですから、元々は親韓的ではあったでしょう。少なくとも就任当初は親韓的アプローチを試みていましたし。しかし、何度か試みたアプローチを悉くすげなくされ、それどころか非礼極まりない対応をされ続けたので、どこかで完全に匙を投げたと見られます。
      岸信介氏が親韓的だった要因の一つは、当時の朴正熙政権が反共を掲げていたことにあったと考えます。しかし、金大中政権以降韓国は左旋回し、文在寅政権に至ってはほとんど北朝鮮の下僕と化しています。これでは、たとえ岸信介氏が存命であったとしても、親韓的姿勢は示せないでしょうね。

      # もっとも、岸信介氏は元々戦前の革新官僚上がりではあるのですが。

    • 仮に親韓でも親中でもやることやってくれるならいい。実際親日国だという国でも、何でも日本を優遇してくれるわけじゃない。相手国が好きなのと媚びるのとは話が別。疑惑の河野さんでもちゃんと国益最優先で働く実績つくれるのなら問題ない。

  • 決断力がないというのと決断に慎重であるというのは似て非なる物かと。
    深慮や熟慮を欠いてただ猪突猛進に決断すればいいというのは
    保守政治家ではなく革新政治家の態度ですから。
    外務大臣時代の岸田さんの行動はあくまで安倍総理(当時)の
    方針の範囲内だったと個人的に思う次第です。

    •  「保守的な人物」ってなんか最近だと思想が右寄りの強硬派な人物みたいに聞こえてしまいますが、「前例を重視して無闇な変化を嫌う」が語義ですよね。そういう意味では岸田氏はかなり保守的、私が氏に期待する部分といえば「安倍・菅政権を踏襲して下手な変化をさせない」事にあります。是非「岸田の顔をした安倍内閣」で居て頂きたい。

       あ、革新的進歩的()野党の皆さんも、下手に変化せずに末永くモリカケっててくださいな。「自民に代わる保守政党」が待望されていますが、「現野党に代わる革新政党」も欲しいところ。別に現野党の皆さんが頑張ってソレになる必要などありませんから。(無理だし)

  • 日本政府の見解は、「日韓関係は、韓国が国際法違反を解消する事が必要」という事で、ボールは韓国側に有ります。
    岸田さんは忙しくて、韓国の事など眼中に無いでしょう。
    「日韓関係の改善か一番重要だ」という誇大妄想は、韓国らしかったと思います。

    総理大臣になったからって、お祝いの電話とかしてくんなよ。
    →どんな扱いを受けるかな。

  • …回復って必要なんですか?

    李明博政権から現政権までの流れで、通常の望ましい国家関係に改善されただけで、良い状態だと思うのですが?

    韓国にとっては対日本が一大事なんでしょうが、日本は他の190以上の国家と付き合っていかなくてはならないなで、他国と同じ扱いになって安堵しているだけなのですが?

    何か特別扱いされてないと不満なんですか?

  • >韓国左派紙「岸田政権で韓日関係回復は難しい見通し」
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     岸田政権だけではなく、まもなく政界を引退されるという噂のある親中、親韓の方の政権で無い限り日韓関係回復は難しいのではないでしょうかね。だが、いくら待ってもその機会は来ることがないでしょう。関係回復をしたいなら違法行為を謝罪し、日本政府が納得のいく対応を取らない限り無理でしょう。

     しかし南朝鮮の政治家にはそのような対応がとれる人はおそらく今世紀中には現れないでしょうし、南朝鮮は西側陣営の共通思想に基づく法律により政治が行われる国ではなから、お気の毒ですが最悪の場合は南朝鮮が消滅するか、中共或いは北朝鮮に吸収される可能性が高いでしょう。

  • ①日韓双方が基本的価値を共有する対等な国家同士としてお互いを認め合い、尊重し合い、手を取り合って未来に向けてともに発展して行けるような関係になること。
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    太陽が西から昇ったら・・というぐらいの可能性しかない話ですw

    • 自由民主党と立憲民主党と社会民主党と国民民主党が合体して
      民主党になる可能性くらいはありそう。

  • 岸田さんは高市さんを政調会長に任命、茂木さん、岸さんは留任、新しく経済安全保障担当大臣を設置しました。対応は今まで通り。今までよりも警戒を強めるというメッセージだと思います。

  • 本来標準的な2ケ国関係とは、公平な強制力のある司法というものが国際関係には事実上ないことを踏まえると、原則平等ながら多少両国の国力(最終的には軍事力ですが、現状では経済力)に影響されるとうのが実態です。従って、日米関係、日中関係において、残念ながら僅かながら我が国が譲るというのもやむをえません。ところにここに日韓関係という、歴史的事情から国力に圧倒的差異があったにもかかわらず、我が国が一方的に譲ってきた経緯のある2ケ国関係があります。そして我が国ではもはやその馬鹿らしさに気付いた人が多数となったのですが(一部、知識人と称される人たちもまだいる)、かの国ではまだまだ少数です(一部、反日種族主義の著者であるイ・ヨンフンさんや、保守論客ファンドビルダーさんのような方もいますが)。何が正しいかを言い出せば、永遠に解決にはたどり着けません。国際的な2ケ国関係の常識とかけ離れたかの国の国民の考え方が変わらない限り、日韓関係は段階的な先細り(テーパリングという用語で良い)とならざるを得ません。また国内事情から戦狼外交を取らざるを得ない中国にどう向き合うかについても、韓国はレッドチーム入りする勇気もなく、現状のようなコウモリ状態を続ける可能性が高い、と思います。日本としては、韓国抜きで、FOIP、クアッド、TPPを拡大強化していけば、良いと思います。岸田首相は大丈夫かな。既存路線をはずすことはないので、大きな失敗はないでしょうが。安倍元首相は、FOIP、TPPを推進しながら、習近平の訪日も働きかけるという離れ業をやってましたよ(コロナで実現しなかったけれど)。

  • じわりとながら着実に韓国ウォン安が進行中。

    Chinaの不動産開発企業のデフォルト等をきっかけにエマージェンシー市場から資金が引き揚げられると、、、

    で、日本政府には間違っても日韓通貨スワップを復活するような愚は犯してほしくない。

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