関係を深める日英両国と「FOIP」から逃げ回る韓国
本稿は、ショートメモです。韓国の「左派メディア」とされる『ハンギョレ新聞』(日本語版)に本日、いくつか興味深い記事が掲載されているのですが、そのうちのひとつが「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」と日英関係に関する小稿です。しかも、面白いことに、他の韓国メディアの例に倣い、FOIPの用語をわざと「インド太平洋戦略」などと不正確な用語に言い換えているようなのです。
外交では「基本的価値」を大切にしよう
私たち日本国民にとっての「国益」とは、自由主義、民主主義、法の支配、人権尊重などの基本的な価値を大切にしつつ、国の安全を守り、経済発展していくことにあります。その意味では、価値や利益を共有するG7諸国や「クアッド」諸国、台湾などと連携していくことこそ、国益実現の最短距離でもあるのです。
もちろん、厳密にいえば、日本がインドと本当の意味で基本的価値を共有しているかどうかについては若干怪しいものもありますが、いずれにせよ、少なくとも中国やロシアが日本と「基本的価値を共有している」ということは考えられません。
そして、基本的な価値を共有していない相手とお付き合いするには、大変な体力が必要です。
現状、日本にとって中国は(残念ながら)最大の貿易相手国であり、ロシアとは領土問題などを抱えているものの、対中牽制などの観点から無視することができない相手でもあります。
このため、日本は中露両国とは深くなり過ぎないようにしつつも、過度に刺激せず、それなりにうまくお付き合いして行かねばなりません(※そして、こうした事情は相手国の側も同じでしょう)。
この点、外交には便宜上、次の4つの国があると考えて良いでしょう。
外交関係の4パターン
- (1)基本的価値を共有し、かつ、国益上付き合う必要がある相手国
- (2)基本的価値を共有せず、かつ、国益上付き合う必要がある相手国
- (3)基本的価値を共有し、かつ、国益上付き合う必要がない相手国
- (4)基本的価値を共有せず、かつ、国益上付き合う必要がない相手国
(【出所】著者作成)
もちろん、現実の世界は、すべての国をこの4つのどれかにキレイに分類できるというものではありませんが、あえて4つに分類するならば、日本が最も重視すべきは(1)の相手国であり、また、注意しつつ付き合うべき国は(2)の相手国で、友好関係を維持すべきは(3)の国、というわけです。
韓国はいったいどこにいく?
こうしたなか、当ウェブサイトではこれまで、私たちの隣国である韓国という国がいったいどこに行こうとしているのかを探ろうと努めているのですが、残念なことに、いまだにその答えは見えていません。というのも、韓国自身がいったいどこを目指しているのかが見えないからです。
合理的に考えるのであれば、自由・民主主義を基調としつつ、国際的な条約や約束などをちゃんと守り、日本と善隣友好関係を構築することこそが、韓国自身の国益にかなうはずだと思います。
しかし、どうも一部の韓国のメディアから出てくる論調を見ていると、「日本に対してはやたらと高圧的に文句を言うくせに、中国や北朝鮮に対しては何も文句を言わない」という事例も見えてきます。
もちろん、老婆心ながら申し上げるなら、日本と同じ自由・民主主義陣営に留まった方が韓国自身のためではないかという気がしてなりませんが、これについて私たち日本人がなにか偉そうにアドバイスするというものでもないでしょう。
結局、それぞれの国の未来はそれぞれの国が自分たちの責任でもって切り開いていかねばなりませんし、私たち外国人が韓国の未来について「こうした方が良いですよ」とアドバイスするのも「余計なお世話」、というわけです。
キル・ユンヒョン氏の「日英関係+FOIP」論
さて、得てして、自分自身と異なる立場の人が執筆した文章を読むというというのは、必ずしも悪いものではありません。なんらかの「発見」があるからです。その文脈から、当ウェブサイトにおいて紹介したい記事はいくつかあるのですが、そのすべてを選ぶことはできませんので、本稿ではそのうちのひとつを紹介してみたいと思います。
英海軍の空母「クイーン・エリザベス」、釜山寄らず横須賀に入港
―――2021-09-06 07:53付 ハンギョレ新聞日本語版より
これは、韓国の「左派メディア」とされる『ハンギョレ新聞』(日本語版)に今朝掲載された記事で、執筆したのは「あの」キル・ユンヒョン記者です。
記事タイトルに尽くされていますが、英海軍の最新鋭航空母艦「クイーン・エリザベス」が「先月末に予定されていた釜山への入港を取り消し」、「4日、横須賀に入港した」という話題です。
やはり、目の付け所がなかなか面白いですね。
興味深いのは、その具体的な記述です。
「スティーブ・モアハウス空母打撃軍司令官は横須賀到着直後、ツイッターに『この地域で最も密接な安全保障上のパートナーである日本と演習及び交流を行うため、英国空母打撃軍が日本に到着した。英日関係はこの地域の安全と安定に対する英国の関与において非常に重要だ』という書き込みを残した」。
「インド太平洋地域の主要国であり、米国の核心同盟国である韓国と日本がクイーン・エリザベスの入港に示した異なる態度は、欧州主要国に参加範囲が拡大している『インド太平洋構想』に対する両国の『戦略的判断』の相違を反映しているといえる」。
キル・ユンヒョン氏もほかの韓国メディアの例に倣い、「自由で開かれたインド太平洋」(Free and Open Indo-Pacific)、すなわち「FOIP」という用語を、わざと「インド太平洋構想」という具合に、ぼかして使用していますが、その本質が価値同盟にあるという点については踏み外していないようです。
というのも、次の記述が核心を突いているからです。
「英国など欧州主要国と力を合わせ、事実上『中国牽制』が目的のインド太平洋構想を深めようとする日本と異なり、韓国は米国と中国の間で『微妙なバランス』の維持に努めている」。
普段から事実関係を重視した記事を執筆しているキル・ユンヒョン氏自身が、FOIPのこの本質に気付いていて、なぜあえて「インド太平洋構想」などと不正確な用語を使っているのかについては気になりますが、その分、韓国という国においてFOIPという言葉を使った記事を執筆するのが難しいという証拠なのかもしれません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
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「FOIP」から逃げ回る韓国・・・自分にはすでに宗主国からの指示に唯々諾々と従っているだけのように見えます。
赤ずきん 様
>宗主国からの指示
当に当に
文在寅政権の御用新聞、半魚レのキル・ユンヒョンの洞察力を新宿会計士様はだいぶ高く評価しているようですね。
次のnoteはそのキル・ユンヒョンへのインタビュー記事ですが、いかがでしょう。私はキル・ユンヒョンの洞察力も大したことはなく、事実誤認も甚だしく、身内びいきと自国びいきが過ぎて自社や自国を客観的に見る事が出来ず、他紙の韓国人記者と大差はないとは思いますけど。
↓ ↓ ↓
https://note.com/otsukishoten/n/n6df9f13a56e7?magazine_key=m170ab6c7c54d#a5awH
なお、キル・ユンヒョンの漢字表記は「吉倫亨」とあります。創刊以来漢字を拒否してきた半魚レという事もあって日本語版でも漢字表記がなされてませんでした。これからは漢音で「きつ・りんこう」とでも読みますか?
とある福岡市民 さま
私は、キル・ユンヒョン氏の話は、最後まで読もうとします。
彼の良い所は、日韓を別々の国、別々の価値観として区別出来ている点と、朝鮮脳の本音を書く事が多い点でだと思います。
牧野記者の記事を読むのと似たような感覚ですね。
とある福岡市民さま
キル・ユンヒョンの評価材料記事の
ご紹介ありがとうございます。
たしかにおっしゃるとおり
このキル・ユンヒョンは
善悪別にすると材料をもとに
それなりに主張を組みたてており
読んであげる価値があると同意します。
なんせこちらがせっかく相手の主張を
聞いてあげようとしてあげても
たいては捏造元に下卑て暴れるだけの
手合のでは聞いてあげるけ
時間のむだというものですから。
まあ、たとえ山賊追い剥ぎやISの
たぐいのようなものだとしても
そのスポークスマン的な役割の人から
相手のありようと主張を聞いてあげる
親切心は持ってあげても良いものとは感じます。
このnoteは共産党に近い大月書店の記事です。都合の良い部分だけを切り取られた可能性があることは留意が必要です。
とある福岡市民 様
確かにご紹介の記事が同じキル・ユンヒョン氏の手になるものとは思えませんね。
同姓同名じゃないんですか、知らんけど。
ノートは日本人向けに書かれており、記者が確信犯的に書いたプロパガンダ記事の可能性が高いと見ています。内容は事実誤認が甚だしいですが、ハンギョレ所属なので書ける内容には当然制約があり、韓国国内での標準的な見方を踏襲して書かざるを得ないのかもしれません。いずれにせよ、朝鮮脳でしか考えられず事実誤認をしてるのか、確信犯でやってるのか区別はつきません。
最期まで逃げ切れることを、お祈りいたします。途中で息を吹き返さないでね。アーメン
FOIPに課される責務からは全身全霊で逃げ回り、クワッドからの利益のみを存分に享受したがる韓国。
いつものことです。
更新ありがとうございます。
英国の新鋭航空母艦「クィーン・エリザベス」を韓国政府は、釜山に入港拒否した理由が『コロナ禍が逼迫している為』と表明しています。今更ナニを(笑)。そこまでしてでも、中国には良い顔をしたいのでしょう。因みに英韓演習と言っても何の事はない、たった半日です、日本海で。
雪隠詰め同様の半島国家は、所詮海軍よりも空軍、陸軍とは自由主義国と協調するべきでしょう。何の為に英国海軍はわざわざ東アジアに来たのか。あ、もちろん本命は日本との海事演習ですよネ。
キル・ユンヒョン氏もそんなに他の韓国記者と比べて優秀か、と問われると、よく分かりません。多分、正直に書くと袋叩きに会うでしょうから。自由で開かれたインド太平洋「FOIP」を、わざと「インド太平洋構想」と曖昧に言う。「まやかし」は得意ですな(笑)。
>なぜあえて「インド太平洋構想」などと不正確な用語を使っているのか
自由という言葉を使うのを韓国政府もハンギョレも嫌がるからでしょう。
>普段から事実関係を重視した記事を執筆しているキル・ユンヒョン氏自身が、FOIPのこの本質に気付いていて、なぜあえて「インド太平洋構想」などと不正確な用語を使っているのかについては気になりますが、その分、韓国という国においてFOIPという言葉を使った記事を執筆するのが難しいという証拠なのかもしれません。
韓国が自由民主主義国家陣営に擬態して発展してきた事を理解しているから、FOIPには理念の不一致で弾かれても、IPSには利益の一致で食い込める、と考えているのではないかと。
キル・ユンヒョン氏の評価が
やけに高いのですが、たしかに
捏造もとにの韓流思想にすぎないとはいえ
善悪別にすると一応材料もとにしての
考察主張と言う点では、単に
日本誹謗の印象操作のレッテル貼りでしかない
半島メディアや日本の韓流ライターに比べ
読んであげる価値はあるとは同意します。
ただ、このキル・ユンヒョン的なものこそが
世界に類を見ない韓流的な極致とも感じます。
日本の韓流の人たちは都合が悪くなると
まるで韓国の人たちは事実を知らないため
無垢な主張をしているから的な逃げを打たれます。
在日学校への払い下げでの不当利益供与疑惑で
都知事を追われた韓流脱糞派の運国際政治学者の方も
繰り返しそうした画策をなされてます。
ただ、このキル・ユンヒョン的な
およそ多くのいわゆる韓流にみられるように
彼らは実は事実を日本人以上に知ったうえで、
その特性からこうした捻じ曲げ技を駆使した
主張をしてくるものだということについての
正しい知見を持って評価し接して上げることが
肝要だと考えます。
その反面で、南米の国と「太平洋なんたら」を締結して悦に入ってるんですよね…
一般国民や頭壊文と呼ばれる支持者は語呂が似てれば気にしないんでしょうね。
内容には元々興味ない国民だから。
言っとくが、1ミリも太平洋に面してないからな!
韓国は着々と北朝鮮との連携を画策しています。
司法改革(改悪?)、マスコミへの規制、空母や原潜保有計画、FOIPへの参画拒否など。
北との連携のためその後ろ盾となっている中国への配慮も今後も継続すると思われます。
内心中国を警戒していると思いますが面従腹背は改まることは無いでしょう。
アメリカは既に気付いていると思いますが。
>韓国自身がいったいどこを目指しているのかが見えないからです。
この問いに関する答えは簡単だと思います.
韓国は朝鮮の長い歴史において居続けていた自然な場所,つまり中華王朝の属国という場所に…韓国民や為政者が意図するか否かとは関係なく…戻りつつあるのだと思います.
100余年前に日本が清と戦って李氏朝鮮を属国の地位から独立させたことも,その後のロシアとの戦いを経て我が国に併合し前近代的な身分制度や因習を廃して半島の民衆を解放し日本本国から莫大な資金を投入して社会資本を整備し半島の近代化を一気に推し進めたことも,日本の敗戦に伴い莫大な人数のアメリカの若者の血を流して半島南部を共産主義から守ったことも,戦後日本が様々な技術と資金を与えて韓国を先進工業国の一員へと育て上げたことも,全ては僅か100余年という泡沫の夢を見るためだけで終わった無意味な徒労に過ぎないという最終評価を受けることになるのでしょう.
NHKも、「クワッド」という表現で報道している。
>韓国自身がいったいどこを目指しているのかが見えないからです。
これは韓国を我々と同じ価値観の国という前提で見るからです。
同じ自由・民主主義の国と思うから、オイオイそっちじゃないだろ、と言いたくなるのです。
心眼を開いて見れば、目指してる方向は明らかです。
彼らは、彼らの価値観に従えば当然そうなる方へ行ってるに過ぎません。
このサイトでは韓国やメディアや野党をこき下ろしながらも、「西側国なら当然戻って来るべきだ」とか「テレビ局員は社会のルールを守れ」とか「新聞は事実を報道しろ」とか「野党はブーメランを止めろ」とか温かい叱咤激励の言葉が溢れてます。
以前も書きましたが、𠮟るは期待してるの裏返しなのですよ。
その期待が単なる思い込みや希望的観測と言う事も多々々々々あるのです。
英国と南国が日本海で訓練したそうです。
南国はファイブアイズに入る~と喜んだからには日本海でやらず西海で
訓練を実施すれば、よかったと思います。
そして、中共にこの海域は西海だと叫んで欲しいです。