アフガニスタン政府があっけなく崩壊し、首都・カブールが陥落したことは、全世界に大きな衝撃を与えています。こうしたなか、韓国の「保守系」とされる政党における次期大統領選予備候補でもある崔在亨(さい・ざいひょう)氏が16日、自身のフェイスブックに「自らを守る決起がなければ国は滅びる」と書いたそうです。同氏の記事の前半にはおおむね同意できるのですが…。
アフガン政府崩壊
今朝の『鈴置論考「韓国大統領選への米中介入と韓国核武装論」』では、韓国観察者・鈴置高史氏の最新論考を取り上げつつ、これに加えて当ウェブサイトなりの味付けとして、最新のアフガン情勢について少しだけ取り上げました。
アフガニスタンで政府があっけなく崩壊し、首都・カブールがタリバンによって陥落したことは、全世界に対しても衝撃を与えているようです。
ただ、アフガニスタン自体は日本から距離があるがために、下手をすると数日も経過すれば忘れ去られてしまうかもしれませんが、当ウェブサイトの問題意識は、まさにこの点にあります。なぜなら、アフガン問題は私たち日本人にとっても、じつは大変に重要な教訓をいくつかもたらしてくれるからです。
そのなかでも最も重要なもののひとつは、「どんなに近代的な装備があっても、どんなに兵力がいても、「自らの国を守る」という覚悟を持たなければ、政府というものはあっけなく崩壊してしまうものなのだ」、という実例を示した、ということでしょう。
野党政治家の指摘が面白い
この点、今朝、「アフガンについては後日、別稿にてじっくりと議論したい」と述べたのですが、これについては撤回します。なぜなら、意外な国から、このアフガン問題に関する反応が出始めたからです。
このうち、本稿で取り上げたいのは、こんな話題です。
前監査院長で野党「国民の力」の大統領予備候補である崔在亨(さい・ざいひょう)氏は16日、自身のフェイスブックに、『自らを守る覚悟がなければ、国は滅びる』という趣旨のタイトルの記事を投稿し、文在寅(ぶん・ざいいん)政権の外交を姿勢を批判しました。
少し長くなってしまうのですが、自動翻訳機能などを使い、崔在亨氏の発言の概要を紹介しておきましょう(※部分的に訳がこなれていない点についてはご容赦ください)。
自らを守る決起がなければ、国は滅びる
アフガニスタン政府は今日事実上崩壊した。書類上は30万人いるとされるアフガニスタン政府軍は、それよりはるかに規模が小さく装備も貧弱なタリバン武装勢力の前に、いとも簡単に崩壊した、イギリス、ソ連に次いで21年間、大規模な資源を注ぎ込んだ米国も、失敗して退いた。
アフガニスタンは外交史で有名な19世紀の「グレートゲーム(Great Game)」の主舞台となるほど地政学的に複雑な国だ。しかし、教訓はひとつだ。自らを守る決起がなければどのような外部の助けも意味ないだろう。
北朝鮮の核は、私たちの安全保障の最大の脅威である。新型短距離ミサイルを開発した金正恩が年初に戦術核開発まで指示した。
それでも文在寅政権はこれを無視して、自分自身を守る韓米連合訓練を南北対話の障害引き揚げ追い込んでいる。
安易な情勢認識と無条件包容的に平和を守ることができるという誤った安保観が大きく心配だ。
大韓民国は、アフガニスタンではない。68年間、朝鮮半島の平和を守ってきた韓米同盟は9.11主犯アルカイダの掃討するために急造された米-アフガニスタン同盟とは比較できない。
しかし、アフガニスタンの崩壊のひどい姿を見守りながら、私たちは再び安全保障に対する警戒心を高めなければならない。
自らを守るという国民の団結した決起と独自の能力がない限り、その何も私たちの代わり守ることができないということは変わらない歴史の教訓である。
国民の力の大統領選挙予備候補・崔在亨
―――2021/08/16付 Facebookより
…。
とくに前半部分は大変に的を射た指摘だが…
いかがでしょうか。
とくに前半部分については、なかなかに的を射た指摘です。
韓国には、「日韓関係」を離れれば、日本の野党政治家(とくに立憲民主党や日本共産党の政治家)よりも遥かにマトモな外交センスを持っている人もいる、ということでしょう(※もっとも、この崔在亨氏にしたって、日韓関係についての認識がどのレベルなのかについては、怪しいものですが…)。
当ウェブサイトではこれまで、「韓国という国は、敵・味方を正確に識別することができず、自国にとって最も恩恵をもたらしている日本や米国を敵視し、自国にとって大きな脅威を与えている北朝鮮や中国を信頼する」、と申し上げて来ましたが、その実例、というわけでしょう。
もっとも、あまり崔在亨氏のことを褒めそやしても仕方がありません。というのも、後半部分を中心に、読んでいて頭に「疑問符」がいくつも浮かんでくるからです。
そもそも論として、崔在亨氏は米・アフガン関係を「2001年の9.11テロを契機に急造された同盟」などと位置付けているのですが、それを言い出せば米韓関係だって、1950年の朝鮮戦争を契機に急増された同盟関係でしょう。
しかも、崔在亨氏の主張を読むと、米韓関係はあたかも文在寅政権下で悪化したかのような書きぶりですが、現実には、危険な米中二股外交が激化したのは、一般に「保守派」とみなされ、朴正煕(ぼく・せいき)の長女でもある朴槿恵(ぼく・きんけい)前大統領が政権を握っていたころの話です。
また、そのさらに先代の李明博(り・めいはく)政権も、同じく「保守派」とされていましたが、その在任中の2010年3月の天安鑑の撃沈事件、同11月の延坪島への砲撃事件に対しては、北朝鮮に対し目に見える制裁をほとんど何も行っていません。
そのように考えていくと、崔在亨氏が前半で指摘する内容についても、「アフガン」を「韓国」に、「書類上は30万人」を「書類上は60万人」に、「タリバン武装勢力」を「北朝鮮軍」に、「イギリス、ソ連に次いで」を「日本に次いで」に、それぞれ置き換えれば、近未来の韓国の姿をそのまま示しているように思えてならないのです。
正直、「自らを守るという国民の団結した決起と独自の能力がない限り、その何も私たちの代わり守ることができないということは変わらない歴史の教訓である」の発言は、韓国の「保守政党」から大統領選に出馬しようとするほどの人物が述べると、説得力が全く違います(※皮肉です)。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
いずれにせよ、少なくとも今回のアフガンの一件が米国にどんな変化をもたらすか(あるいはもたらさないか)については、大変に注目しています。
米国では「第二次世界大戦後、日本を『統治』し、『ファシスト国家』を『信頼し得る自由民主主義国家』に『作り変えた』」、などとする幻想が信じ込まれているフシがありますし、また、「外交を通じて相手国を変えることができる」、などと本気で考えているように思えてなりません。
こうした誤解を米国が自ら是正することができるのかどうか、そして今回のアフガンの件をもとに、「朝鮮半島からは何が何でも米軍を撤退してはならない」とする方向に動くのかどうか、まずは見極めてみる価値があるかもしれません。
View Comments (51)
さすが経験者が言うと説得力が違うなあ、って、あれ?そういう話かと思った。
アメリカが派遣する兵力を減らした時点からすぐに
国防の崩壊になるか、自国防衛が成立するのか大きな岐路に立たされますね。
観測衛星的に「米軍いらない」なんてメッセージ出していると
いつのまにかっていうことになるので、平時から自国で国を守る体制を
構築することは大切ですね。
ふーん。
一応それなりの政治家らしき論調ですね。
でも、アフガニスタンの20年も、半島の68年も大差ありません。米軍が居て、それが撤退するというだけのことです。血盟も、永遠も、幻、です。いつか米軍も半島から去ります。
アフガニスタンの混乱はしばらく続くと思いますが、この米軍撤退ということが韓国の大統領選挙にどのような影響を与えるか?与えないか?
反日合戦以外の要素が、加わるか、どうか?
その辺が興味深く、注視したいと思います。
ちかのさま
韓国に影響は無いでしょう。
井戸の外を見て
自らの経験値として算入する能力は
韓国にはありません
素朴な疑問ですけど、確かに「今日のアフガニスタン、明日の韓国」かもしれませんが、「明後日の日本」の可能性もあるのではないでしょうか。というより(田中芳樹(著)の『銀河英雄伝説』の世界になりますが)「絶対に違う」と言い切れる国は、ないのではないでしょうか。
確かに日本にとっても「いつかその時」なんでしょうね。
脳死で反戦する勢力に足を引っ張られたくないのと同時に責任取るつもりもなく戦争を煽る勢力にもつきたくない。面倒な話です。
素朴な疑問は良いのですが、「「絶対に違う」と言い切れる国は、ないのではないでしょうか」と言われれば、「うん、そうだね」としか答えようがありません。
これ単体だとわりと不毛な問いかけで、むしろ「明後日の日本の姿かもしれない」を前提に「だから我々はどうすべきか」を考えておくことが重要かと思います。
現状、アメリカは中国の太平洋進出を抑える蓋として日本に期待しているふしはありますが、アメリカ自身の国益をそこなってまで日本を助ける義理はありません。
現状のラインで考えるなら、直近には危機に陥らないように他国と連携しつつ中国をうまく封じ込めること、もう少し長いスパンではアメリカが軽々しく見捨てないような価値を日本が示すことやアメリカだけに頼らない体制を構築することかと思われます(安倍前首相がクアッドたTPPを推し進めていたまさにこれかと思います)。日本人個々人としてはそのあたりを前提に、より望ましい政策を示す政治家を支持していく、あるいはもっと積極的に、例えばここの会計士さんのように情報や論説を発信していくのが良いのではないでしょうか。
ヤンよりラインハルトが好き様
(日本だけかもしれませんが)安全保障政策だけでなく、政策には環境で決まる効果の寿命があると思います。しかし、(役人か、学者か、マスゴミかは分かりませんが)その政策で飯を食ってきた人は、「その政策の寿命が尽きそうなのか」という議論をすること自体を、許しません。ただし、政策の改良なら話は別です。 個人的な考えですが、もし日本が滅びるとしたら、その人達の反対で、寿命が尽きた政策のままで、それに代わる全く新しい政策を考えることすら、許されなかった時ではないでしょうか。(なにしろ、前の政策の効果がなくなったことを認めない限り、次の政策を考えることが出来ないからです)
だから、まず「効果の寿命が尽きたか」の議論をどう始めるのか、ではないでしょうか。
蛇足ですが、憲法9条信者にとって、「憲法9条の効果の寿命が尽きたのではないか」という議論をすること自体、許さないのではないでしょうか。
駄文にて失礼しました。
すみません。追加です。
重要なのは、国が崩壊することもあり、日本も例外ではない、ということを忘れないことではないでしょうか。(その日本を滅ぼすのは、自民党政権かもしれませんし、朝日新聞かもしれません。また、日本人がポピュリズムになったから、しれません)
引きこもり中年様
アメリカの政治家や軍人自身が繰り返し「国家には永遠の友人(同盟)も永遠の敵もない」と述べていますからね.当然ながら日本も安閑とはしていられません.
アメリカと同盟を続けたいのであれば,アメリカにとって日本という国は同盟を維持する価値があるということを実証し続けねばなりません.
しかしアメリカ自身の価値評価の変化によって西太平洋を自分の海としておくことがメリットよりデメリットのほうが大きい(つまりグアムが米領でなくなっても良い)と判断すれば,日本がどれほど日米同盟の維持のために努力し同盟国としての価値を実証し続けようと,アメリカは容赦なく日本を切り捨てると予想します.
逆にアメリカが西太平洋を自分の海としておきたいと考える限りは,日本を手放さないでしょう.何故ならば,アメリカが日本を手放したら=日本が共産チャイナの手駒になってしまったら,台湾もフィリピンも米側同盟国として維持するのは不可能でしょう.その結果,最終的にアメリカはグアムを米領として維持し続けることは不可能になり,西太平洋を己の海として維持する橋頭保をアメリカは失い,十年ほど前に人民解放軍の海軍参謀総長が米太平洋艦隊司令官に行った提案(米中で太平洋を日付変更線で分割管理しようという提案)が実現することになるからです.
従って,アメリカが西太平洋を保持し続けたいと考えているにも関わらず,仮に日本に反米政権が誕生したならば,アメリカは日本に対して様々な介入を順番に行う(最初は盗聴等で得た情報をマスコミを使って新政権のスキャンダルを流す諜報や謀略と日本からの対米輸出を厳しく締め付ける一種の経済制裁とを組み合わせたレベル,それでも反米政権が崩壊しないならば反米の中心人物の暗殺,それでも駄目ならば自衛隊にクーデターを行わせるという軍事力による間接介入)でしょうね.
特に反米政権が自衛隊の上層部(一佐および将官レベル…このレベルはほぼ全員,米軍との共同訓練や交流を通じて徹底的に親米化教育を受けている)をどんどん入れ替えしようとしたら,自衛隊も反米化される前に途中の手段をすっ飛ばしてアメリカは最後の手段に訴える可能性があると考えます.そういう意味では現状のように自衛隊上層部が徹底して親米化されていることは日本の反米化・共産化に対する最大のストッパーになっているとも言えると考えます.
論理的に考えても,日本はアメリカにとってベトナム戦争や朝鮮戦争なんて比較にならないほど膨大な量の血を流して手に入れた非常に重要な地政学的位置にある子分であり玩具なのです.従って,この最重要の玩具を手放すのは最後(アメリカが西太平洋そのものを捨ててヒッキーに徹すると決断した時)だけでしょう.
参考資料
1. 米軍の戦死者数に関しては,次のナショジオの記事(COVID-19の死者数と各戦争での戦死者数との比較,但し昨年の5月時点)です.
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/043000269/
2. 第二次世界大戦での米軍の戦死者数の欧州戦線(対独戦)と太平洋戦線(対日戦)との内訳は,以下の教えて! gooの質問への答えにあります.
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9852889.html
ここに書かれている数字の出典は不明(ソースとして付けられているリンクは個人ブログで既にリンク切れ)なので盲信は危険なのですが,この答えにある両戦線での戦死者数の合計は上のナショジオ記事での第二次世界大戦全体での戦死者数とほぼ同じ(総数は共に29万人余りでナショジオとこの質問の答えの数字は600人ほどしか違わない…つまり相対誤差は0.2%)なので,欧州戦線と太平洋戦線の戦死者数の内訳比率は概ね正しいだろうと推定しても良いのではと思います.
>今日のアフガニスタン、明日の韓国かもしれませんが、「明後日の日本」の可能性もあるのではないでしょうか。
? どこの国のお金で世界が回っているのでしょうか。
私の個人的偏見ですが、あの地域(他も有りますが)は、あれが普通で、たまたまバーミヤン とかを破壊したから注目されただけかもしれませんね。 他にもイロイロ。
ランボーがいてくれたら解決(笑) だからこの辺は永遠に、、、。
それより、エチオピアのダム建設の方が心配です。
福岡在住者様
>どこの国のお金で世界が回っているのでしょうか。
米ドルが、世界の基軸通貨でない時代もありました。だから、(どれだけ先かは分かりませんが)米ドルが基軸通貨でなくなる時代が来る、そんな日もあり得るのではないでしょうか。
文氏にとっては願ったりの事例と見えているでしょう。米軍を撤退させたら統一が図れると。
干渉した以上は、無責任な撤退は許されない。
バイデンは、撤退を正当化していますが、米軍撤退が今回の自体を招いたのはあきらか。
バイデンは、国益にならないから撤退は間違っていないと。⇒ならば最初から派遣するな
今のバイデンなら、平気で韓国からも撤退するかもしれませんね。
北が南下して統一すれば、韓国民主党の本懐でしょう。内戦になったら撤退したアメリカが悪いと擦り付け。
「国民の力」の大統領予備候補、崔在亨氏の発言「大韓民国は、アフガニスタンではない」ここんところに、私も突っ込み入れます。
68年間と言うけど、実際その間に、全くの無抵抗でしょうが(笑)。北朝鮮に民間人爆殺されたり軍人も何の前触れもなく殺害された。アフガニスタンは違うよ。銃砲をぶっ放して来た。手荒い事もやった。一時は反政府組織を粉々にした。
韓国に何か実績ありますか?平壌を少数人員で急襲する気概も無いでしょ?だから長〜い事、休戦ラインがあるだけで、手をこまねいていた。
あんなポンコツ軍備・腹空かした北朝鮮軍が怖い上に、文などは一緒になろうとしている。アンタラは自由民主主義では無い。国土と国民を護る気が無いのは、68年間ずーっと見せて貰ったヨ!
東学党の乱も鎮圧できなくて外勢を引き込んだ挙げ句滅んだ李氏朝鮮の話をしているんでしょう。「大韓民国は李氏朝鮮だ」と言いたいんだと思います。
めがねのおやじ様 匿名様
北の軍部は「南に進撃して占領した地帯から喰いものもなんでも略奪して良し!」って下命するだけで、兵隊のモチベーションマックスですもんね…
がみ様
南朝鮮に突入しても、糧食は不衛生な虫入り、マンションは鉄骨抜いた倒壊確定物件、車はマジで火を噴くシナ風に言うなら「火車」(笑)。でも北朝鮮の「何にもネー」よりマシでしょう。
匿名様
ええ。いつも外国頼みでフラフラしてる。日本は関わらないのが一番です。「隣り」に居るだけです。
アフガンは内戦が終結しても、平和になる訳では有りません。
日本も「憲法9条が有るから平和」が、続く訳は有りません。
既に韓国大統領府は、中朝工作員に占拠され、人権弾圧と言論統制を進めています。
アフガンとの違いは、武装組織で無い事くらいでしょう。
朴槿恵政権の頃からの二股外交という話についてですが、朴槿恵政権の時は韓国主導の統一のため、中国を梃子にしようとしてすり寄った点が有りますが、現在韓国主導の統一という話は、見かけなくなりました。
文政権に変わるとスタートが、「三不の誓い」で、事実上韓国の安全保障主権を放棄する内容です。
こうやって見ると、既に「自由民主主義国家としての韓国」は、滅びたと考えるのが適当だと思います。
私はアフガニスタンの一件が朝鮮半島の近未来を暗示しているように感じます。
たとえは北朝鮮兵が韓国内に侵入してきたとして、韓国兵が北朝鮮兵に銃を向けられるでしょうか。無理だと思います。そもそも朝鮮半島有事には絶対に外国の関与が不可欠なのです。先の朝鮮戦争も結局のところ外国勢力同士の代理戦争だったわけです。
アメリカが公式に撤退する、または、北朝鮮に秘密裏に不干渉をささやく。もうこれだけで勝負は決します。兵の数も装備も資金も、戦闘意欲の差を埋められない、というのはタリバンとアフガニスタン正規軍の戦闘でも明らかです。
バイデンさんは案外今回みたいな発想の転換が出来る人のようです。朝鮮半島に同じことを仕掛ける可能性はありますね。ある意味トランプさんの方が韓国には良かったかも。
G様
トランプでもバイデンでも、アフガニスタンにとっては米国と結びついた政府の腐敗が酷かったのではないかと、想像しています。
バイデン政権の米軍撤退作戦もグダグダ。
バイデンさん自身が「大使館の屋上からヘリで脱出するようなことにはならない」と言っておきながら、結果はそうなった、というか。
ブリンケン国務長官も「撤退はトランプ政権が決めたことだ」と責任転嫁?
今回目立つのは、米国の情報収集能力と分析力の拙さ、でしょう。
勝ち馬に乗るというアフガニスタン気質と、部族優先主義。
部族=ウリ、と思えば、どこかの半島の気質にも通じるところがあるような気も、します。
ここに来る方たちはATMなんか読まないでしょうから、今日の中小企業の会社の1面をちょっと紹介します。トップは当然アフガンですが、準トップに「米軍撤収見通し甘く」という記事があります。中国辺りが困って米国批判するとその尻馬にのるような米国批判です。ま、分からないわけではありませんが。面白いのはその下の「余禄」。ベトナムの「終わりの日」を取り上げてありますが、当時の米国の撤収作戦で「米国には南の市民救出の義務はないと作戦に反対したのが、すでに上院議員だったバイデン現大統領という」としています。さらに「そしてほんの1か月前、アフガニスタンの現況はベトナム戦争時とは比較にならないと胸を張ったのもバイデン氏だ」と、これは批判のコラムでしょうね。確かにバイデン氏はオバマ氏と一緒で「言うだけ番長」みたいなところがあります。正確には知りませんが、米国が戦争を始めたのはすべて民主党政権、と言われています。民主党確かにへぼですよね。外交技術でなんとかならないので力に訴えてしまうのか。
ところで私が学生運動から急旋回した理由の一つがベトナム戦争終結。北軍がサイゴンに入ってきて100万人を超す難民、ボートピープルが出て目の当てられない惨状でした。共産軍のやり方です。今回、タリバンのカブール占拠で同じようなことが繰り返されないよう心から願っています。