訂正します:すでに月曜日の時点で8000万回に到達していました
ワクチン接種実績が、8000万回を超えました。正確に言えば、本日公表されたデータに基づけば、すでに今週月曜日時点で8000万回を超えていたというわけですが、それだけではありません。いわゆる「高齢者」に対する接種率も、1回目が85%程度でほぼ頭打ちとなっています。要するに、高齢者に関しては、日本全体で「希望する人への接種」をほぼ終えた状況だ、ということです。
ワクチン接種、すでに8000万回に到達していた
初めに、訂正です。
昨日の『8000万回目前で「ワクチン接種が順調でない」の怪』では、「ワクチン接種がもうすぐ8000万回に到達する」と申し上げてしまいましたが、これについては結果的に誤っていました。
「月曜日の時点ですでに8000万回を達成していた」からです。
ではなぜ、当ウェブサイトではこんな「ミス」をしたのでしょうか。
結論から言えば、これは当ウェブサイト側の「ミス」ではありません。「ワクチン接種記録システム(VRS)」への未入力が、バックデートで一気に修正されるという問題点によるものです。
現時点において「ワクチン接種が終わっているけれども未入力」という事例が、少なく見積もっても300万回分、下手をすると1000万回分は積み上がっていると考えられるため(著者私見)、当ウェブサイトの過去記事についても、「あとから振り返ると数値を過少計上している」という事例が多々あると思います。
毎月4000~5000万回進むワクチン接種
さて、厚労省ウェブサイト『新型コロナワクチンの接種実績』によると、わが国における医療従事者等へのワクチン接種が始まったのは2月17日で、初日の接種回数は125回(!)に過ぎませんでした。また、ワクチン接種がやっと1000万回を超えたのは、そこから何と94日目の5月21日のことでした。
ところが、本日時点でVRSから入手したデータに基づけば、ワクチン接種は5月以降、一気に加速し、2月17日~数えて134日目の6月末で5000万回に到達。さらに、そこから1ヵ月もしない7月26日の時点で、すでに8000万回を達成しているのです。
ワクチン接種実績
- ワクチン接種開始…2/17(水)、125回
- 1000万回超過…5/21(金)、10,240,647回(94日目)
- 2000万回超過…6/04(金)、20,110,422回(108日目)
- 3000万回超過…6/14(月)、30,033,046回(118日目)
- 4000万回超過…6/23(水)、41,085,526回(127日目)
- 5000万回超過…6/30(水)、50,388,768回(134日目)
- 6000万回超過…7/08(木)、60,781,413回(142日目)
- 7000万回超過…7/16(金)、71,147,322回(150日目)
- 8000万回超過…7/26(月)、80,268,669回(160日目)
(【出所】本日時点のVRSオープンデータおよび首相官邸ウェブサイト『新型コロナワクチンについて』より著者計算。なお、後述するとおりVRSの過去データは書き換えられるため、ここに示した回数は後日変動する可能性がある)
毎月4000~5000万回、というわけですね。このペース、なかなか驚異的です。
とくに7月以降に関しては、平均して1日150~160万回のペースで接種が行われているということであり、菅義偉総理大臣が5月7日の時点で表明した「1日100万回」どころの話ではありません。それを遥かに上回っているのです。
未入力を含めれば、8月早々に1億回も!
もちろん、なにごとも供給計画というものがありますので、単純に「速く進めば良い」というだけのものではありません。最近報じられている「ワクチン接種予約中断」などの話題も、結局は、想定よりも速く接種が進み過ぎたため、一部で混乱を来している、というのが実情ではないでしょうか。
しかも、上記の「7月26日時点で8000万回達成」というのも、そのとおりに受け取るべきではありません。現実には、VRSへの未入力がかなり発生していると考えられるからです。
連休明け以降は、ワクチン接種の1日の「増分」に関しては医療従事者等を除いて160万回前後(図表1)、医療従事者等を含めて165万回前後で推移していますが、最新のVRSデータから判明する日ごとの接種回数については100万回を大きく割り込んでいる(図表2)のが確認できます。
図表1 VRSデータの「増分」の推移(医療従事者等以外)
(【出所】日付別に取得したVRSデータをもとに著者作成)
図表2 日別接種実績(医療従事者等以外)
(【出所】本日時点で取得したVRSデータをもとに著者作成)
この差が、1日当たりで最大90~100万回分は発生しているのですが、後日入力・修正される実績から判断して、やはり現時点において未入力分は少なく見積もっても300万回、下手をすると1000万回分は存在している可能性はあります。
いずれにせよ、このペースで進めば、(ワクチン供給に滞りがなければ)VRSデータ上は7月末時点で8500万回、8月末には1.3億回に到達するでしょうし、「未入力」を勘案すれば、「1億回」は8月早々に達成できそうです。
高齢者接種はほぼ「頭打ち」
こうしたなか、VRSが提供する本日までのワクチン接種実績データなどで見ると、高齢者向けのワクチン接種は一巡したように見受けられます。上述のとおり、ワクチンの総接種回数はすでに8000万回を超えているのですが、注目すべきは65歳以上のいわゆる「高齢者」に対する「接種率」です(図表3)。
図表3 ワクチン接種実績と接種率
区分 | 接種回数 | 接種率 |
---|---|---|
全体合計 | 81,020,134 | |
うち1回目 | 47,591,234 | 37.44% |
うち2回目 | 33,428,900 | 26.30% |
65歳以上合計 | 54,982,014 | |
うち1回目 | 30,146,315 | 84.95% |
うち2回目 | 24,835,699 | 69.99% |
医療従事者等合計 | 12,192,908 | |
うち1回目 | 6,499,807 | ― |
うち2回目 | 5,693,101 | ― |
(【出所】VRSオープンデータおよび首相官邸ウェブサイト『新型コロナワクチンについて』データをもとに著者作成。ただし、VRSデータは7月28日で取得した7月27日までの接種実績、医療従事者等については7月27日までの接種実績。なお、「接種率」とは累計接種数を『令和2年住民基本台帳年齢階級別人口』【※エクセルファイル】記載の人口で割った数値。高齢者接種率は累計接種回数を3548万6339人で、全体接種率は累計接種回数を1億2712万8905人で割って求めたもの。「医療従事者等」については算出していない)
これによると、第1回目接種率は85%程度、2回目接種もほぼ7割に達している状況ですが、これをグラフ化すると、高齢者向けの1回目接種は7月12日に80%を超え、その後は少しずつしか増えておらず、現時点でだいたい85%で落ち着いているのです(図表4)。
図表4 接種率の推移
(【出所】図表3に同じ)
この点、例の「VRS未入力問題」もありますので、仮に高齢者への2回目接種が300万回ほど未入力だった場合、高齢者への2回目の接種率も8割前後と計算できます。
「希望する高齢者への接種を7月中にほぼ終える」という政府の目標は、ほぼ達成のめどが立ったと考えて良いでしょう。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
こうしたなか、共同通信は本日、「東京の感染者が3千人を超過し、過去最多を更新」などと報じています。
東京都の感染者3千人超、過去最多
そもそも東京都が公表しているデータは「感染者」ではなく「新規陽性者」ですが、その点は脇に置きましょう(こんなところでわざわざ「感染」なる用語を使うところに悪意を感じてしまいます)。
これについては、本日夜にでも公表されるであろう東京都の年代別データや重症者データなどを実際に確認してみたいところです。
ただ、高齢者のワクチン接種がほぼ一巡するなか、今後は緊急事態宣言中であるにも関わらず、自粛せずに繁華街などで「路上飲み」をする人たちや、「密」になりながら五輪反対デモに興じる人たちの存在こそが、問題の焦点に浮上して来るのではないかと思う次第です。
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初めてコメントさせて頂きます。
どなたか既にアップされてるかもしれませんが、既に医療従事者への接種が23日までに完了したと、河野大臣の記者会見で発表があったそうです。
私は読売新聞の朝刊で読みました。
>医療従事者への接種が23日までに完了
準備は万端ということで、
そろそろ開業医にもコロナ診療解禁して欲しいですね。
ゾーニングの点で急性期は無理でしょう。
退院後のフォローなどはしてますよ。
日本の医療は緊急時にリソースの9割が使えない欠陥あるというこですね。
今後は大病院の数を増やす方向に舵を切る必要があるでしょう。
次は学校の先生ですね。子供はかかって平気でも先生は。
残念ですが国民の大多数は、自分が接種したかどうかに関心があり、自分が接種できてるなら順調、接種できてないなら順調でない、と判断しているようです。なので、現在1回目接種済が37.44%ならば、国の施策は順調でないと考える人は、依然として7割いる、という前提で考える必要があります。世論調査でそれを裏付けるような数字が報告されましたし、マスゴミは国民がそう感じさせるよう必死に誘導してますから。
リスクホメオスタシスという考え方があります。危険を回避する対策や手段をとって安全性を高めても、人は安全になった分だけ、目先の利益を期待して大胆な行動をとるため、結果的に危険が発生する可能性はある一定の範囲に保たれてしまう、というものです。
今回のケースでは重症化リスクの低い若年層が接種が後に回っているため、もともとリスクをとりやすい若い衆が現在陽性割合が目立ってきてますが、仮に若い衆まで接種が進んでも、重症割合は減るだけで、結局リスクホメオスタシスの考え方で、リスクを今より多くとった人は増えて、陽性者は相変わらず多く、マスゴミは嬉々としてそれを宣伝し、相も変わらず政権打倒に励む予感がします。
マスコミさんは オリンピックをやってるから 新規陽性者が 増えてる と 大宣伝中です。
「オリンピックをやってるから」というより 4連休で人が大量移動したためと 私は思います。
「県境をまたいでの移動は自粛してくださいね」なのですが 新幹線は帰省客で大混雑。海水浴場の海では 他のグループとは 離れていても その集団内ではノーマスク。
4連休もオリンピックがあるからなので これもオリンピックのせい?
仲間が集まって飲みながら応援。そしてクラスター。これもオリンピックのせい?
オリンピックより個人の行動モラルによるものと おもうのですが いかがでしょうか。
陽性者拡大が始まったのは1ヵ月前からですからオリンピックのせいにするのは無理があります。
しかし、普通の人は陽性者の推移をモニターしていないのでマスコミを信じる人も多いと思います。
今、マスコミはオリンピック関係者が犯人であるかのようなレアな出来事を必死で探し、なければ捏造して報道するかもしれません。
例えば、バブルは破られた、夜の町に出歩くオリンピック関係者、等。
今の状況は逆に、バブルの中からの感染を心配する前にバブルの外から選手への感染を防ぐ事を心配する必要があります。
ワクチン接種者限定でオリンピックを有観客に。
今からでもできなくはないと思うんだけどなあ。
市井の内科医 様
フランスでは、ワクチンパスポートの導入で、ワクチンを打たない人に対する
差別だと暴動が起こったようです。
もし、日本で導入すると、どうなるのでしょうか?
マスコミや野党が暴動を起こすでしょう。
当然、マスゴミ、野党は大騒ぎでしょうが、責任政党ならやるべきです。
批判を恐れて無観客にするなんてアホでもできる。
1度目の接種後、30時間が経過しましたが、鈍感なせいか何も起きませんでした。
「つまんねー奴」です。
次回に乞うご期待。
自分も1回目は少し腕が痛む程度でしたが、2回目の後は熱を出して1日寝込んでしまいました。「次回に乞うご期待」ですよ。お大事に。
同意しますが、ATMがいるからなぁ...。接種者限定観戦で有意に影響せずを証明し、それを過半数の国民に認識させるのは難易度高いですからねぇ...。彼らは[科学じゃなく感情]でOKだし。
すみません。 市井の内科医さまへの返事です。
このあたり、米英は決断が速いのはうらやましい所ですね。
ワクチン接種のペースも勿論ですが、リスクマネジメントで行動抑制が図れない時点で反ワクチン派を放置することに切り替えてる。日本人の「減点主義」がある限り真似できません。
日本にしたって、「病床ひっ迫度合いによっては放置になります、退院させます」ってコンセンサス取れたらずっと楽になるのに。
これから接種する方への参考情報。
市町村での接種でも、小さな医院での方が集団接種会場より待ち時間が短い可能性があります。
私が接種した医院では、待合室に居るのは、ほぼ全員が接種後の様子見の人。
「質問等あれば、必ず自分からするヤツ」と認識してもらっていることもあり、書類確認してすぐ接種。
医院到着後、数分で終わりました。
「自衛官のお姉さんに打ってもらいたい」など、人によって何を優先するかは違うでしょうが。
私の所は19日から成人全年齢予約okとなり、40代の私も来月早々打つ予定です。ご紹介の通り、小さな町病院で、すぐ予約がとれました。
イーシャさま
私もかかりつけ医で、接種しました。
通院している人以外は、受け付けていない為、予約はすぐに取れました。
イーシャ様。
贅沢は言いませんが、ワタシも自衛官のお姉ちゃんに打ってもらいたかったです…。
デモ、2回とも、40前の女性が注射してくれました。
蛇足です。
だんな様。
ワタシは鈍いんでしょうね。2回とも副反応は有りませんでした。
タナカ珈琲さま
鈍感にも流派が有るニダ。
因みに私は、同年代っぽい男のお医者さんでした。
東京都の職員が,緊急事態宣言を出せば2週間くらいでピークアウトするだろう,と考えていたようですが,デルタ株と,その前の株の性質を理解していなくて,「今回も今までと同じだろう」と勝手に思いこんでいたようです。重要なことは,アルファ株までは「ファクターX」の恩恵で,国民の8割近くがワクチン接種をしたのと同じような恩恵に預かっていました。しかし,デルタ株に関しては,あまりファクターXの効果がないので,過去の欧米等の諸外国と同じような感染曲線を描き始めたのです。緊急事態宣言を出そうが,オリンピックを中止しようが,デルタ株の東洋人への感染力が非常に強いので,アルファ株のようにはいかないはずです。
最近,イギリスとインドネシアの感染がピークアウトしたので,日本のピークの予想も立てやすくなりましたが,基本的にインドの感染曲線からの予想と大差ないと思います。たぶん,ピークアウトは8月下旬から9月上旬の間でしょう。ただし,東京都は8月中旬までにピークアウトするかもしれません。インドの例をそのまま適用すると,ワクチン接種完了者を除いた日本国民のうち4千万人くらいが感染することになります。ただし,実際にはPCR検査が追いつかないので,検出できるのはその1/10~1/50程度にとどまると思います。
ところで,全数検査をしているオリンピック関係者のコロナ感染率ですが,面白いことに,日本国民の感染率の10倍くらいになっています。日本国民の検査での検出率が1/10くらいだとすると,ほぼ同じ割合になります。ワクチン摂取率85%でも,そうなってしまうのですね。
個人的な話をすると,千葉市のワクチン接種はまだ予約が取れなくて,第1回目は8月16日以降になるそうです。第5派へのワクチン接種の寄与より,デルタ株の力のほうが大きいようです。
愛読者さま
参考になりました。
また、教えて下さいな。
愛読者 様
千葉市の予約は厳しいですね、市原市や習志野市は問題外です。
もし車移動が可能なら富里市にはかなり予約枠の空きがある医療機関がありますよ。
しらみつぶしに電話が出来たら他市町村住民でも構わないクリニックが見つかります。
ネット上では書けませんごめんなさい。
空港周囲の市町村は、コロナ輸入のリスクが高いので保険行政が早くから対応していました。医師会に熱心な先生がいたこともあり週に36バイアル接種している所があります。
まあ、単純に考えて、1億なら、1日100万でも100日、2億なら200日。
30日、間を空けると、トータル230日。
というわけで、1億人に行き渡るのに、7か月はかかる計算になるので、
まあ、現状、それほど悪くないと思う今日この頃。
ワクチン接種もだいじなのですが、抗体値が気になります。
個人的な数値ですが
1回目4月19日、2回目5月10日
で2週間後の5月27日採血で
2733.0AU/mL
11週後の7月24日採血で
323.8AU/ml
となりました。下がりますね。
国立やJCHOのスタッフはワクチン接種後20週になります。
どの位さがっているでしょうか。
開業医にコロナを診察しろと言う意見が、ここでも出ますがコロナの診察は検査機器など開業医レベルでは難しいのです。レントゲンと聴診器だけで、PCRも外注するしかない町の開業医にコロナは危険すぎます。尼崎の開業医として出てくるあの先生は開業と言っても勤務医が複数いる大開業医です。検査機械も持っています。
コロナ治療の最前線にいて初期に接種された国立やJCHOのスタッフの抗体が下がっていないか心配です。国民に広く接種が進めば、次はブースター接種の必要性の評価が必要になると思います。
ポプラン 様
貴重な情報共有ありがとうございます。
厚労省の新型コロナワクチンQ&A
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/0011.html
によれば、
<>
とありますが、発症予防効果と抗体値の関係は下記では明確なことは言えない様なので
継続的なデータ収集をしていると期待しています。
新型コロナワクチンについて ( 2021 年 7 月 15 日現在 )国立感染症研究所
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/corona/51/covid19_vaccine_20210721.pdf
<>
菅さんは、持続期間を理解して、ファイザーCEOに追加供給を依頼したものと好意的に解釈しています。
残りは、対後遺症も含めて、有効な治療薬の見極めと安定供給ですね。
今年の冬は、インフルエンザ並の対応で社会生活が戻ってくるのを期待しています。
其れ迄、関係者の皆様には今しばらくご尽力お願いいたします。
引用部分が落ちてしまったので、追加します。
上の
”効果の持続期間については、例えばファイザー社のワクチンの場合、海外で実施された臨床試験後の追跡調査の結果によると、2回目接種後6ヶ月の発症予防効果は91.3%であったという報告もあります。また、武田/モデルナ社のワクチンの場合、同様の調査において、2回目接種後6ヶ月の発症予防効果は90%以上と発表されています。”
下の
”ワクチンによって誘導された抗体について、従来株と比較した VOC に対する中
和能の違いを、WHO の weekly epidemiological update (1)をもとに、表 2 にまとめまし
た。一般的に in vitro( 試験管内 )での評価結果は in vivo( 生体内 )で起こる現象を
正確に反映しないこともあり、解釈に注意が必要です。また、現時点では各変異株にお
ける感染・発症防御に必要となる中和抗体レベルは不明であり、ワクチンで誘導される
中和能の低下の臨床的意義も明らかではありません。また、中和能の程度は測定系が標
準化されてないことを一因として報告間のばらつきが大きい”
農家の三男坊さんの指摘は正鵠を射ていると思います。
ワクチンで誘導されるウイルスの中和活性について見れば、どの論文でもデルタ株に対する中和活性の、かなりな低下を報告しています。しかし、疫学的にはワクチン効果はデルタ株に対してもそれほど落ちていないんですね(拙ツイッターまたはブログを参照)。
https://twitter.com/Gensbloghissya
少なくとも両者は比例関係にはなく、相関がどれほどあるかは不明です。
なので、初期の感染防御には(中和抗体よりも)細胞性免疫が重要なのではないかと言い出している人もいます。
また、mRNAワクチンによって長期の免疫記憶ができていることを示す論文も出ているので、一年ぐらいはあまり心配しなくてもよいかもしれません(そのうち、ワクチンの長期的効果について、英国から大規模調査論文が出てくるでしょう)。
とはいえ、感染が成立するかは、おそらく免疫の総体と吸い込んだウイルスの量との相対的関係で決まるので、たくさん吸い込んでしまえば感染する危険は高いと思われます。