金メダル数で単独首位、そして五輪選手のさわやかな笑顔に勇気づけられる
昨日は、東京都の新規「感染」者数が過去最多となる2848人(前日比+1419人/前週比+1461人)を記録しました。一部のメディアや野党も喜々として「医療崩壊」リスクを煽るとともに、「五輪中止」を強硬に主張しているようですが、それと同時に目につくのは、7月における新規陽性者数の3割超を20歳代が、2割超を30歳代が、それぞれ占めているという事実です。今般の新規陽性者旧拡大局面、先日始まった五輪と関係あるのでしょうか?
2021/07/28 11:00追記
図表1の色が非常にわかり辛かったので、図表自体の配色のみ変更し、差し替えています。
目次
感染症対策は順調?
客観的事実と主観的意見
以前から当ウェブサイトでは、「なにごとも、客観的事実と主観的意見は極力分けなければならない」と申し上げて来ましたし、この主張については、今後も変えるつもりはありません。
ここで、「客観的事実」とは、たとえば「いつ、誰が、どこで、何をした」という「出来事」であったり、数値で示せる内容(たとえば統計)であったり、と、「誰がどう報じても同じになる内容」のことです(もちろん、文体や言語、西暦や和暦の違いなどで表現に微妙な違いは生じますが…)。
これに対して「主観的意見」とは、表現する人によってまったく異なる(かもしれない)内容のことです。
そして、得てしてマスメディアの報道には、「客観的事実」を装いながら、この「主観的意見」を巧みに混ぜ込んで、特定の意図に読者の意見を誘導するようなものもあります。
その典型例が、「政府のコロナ対策」でしょう。
世論調査で尋ねる項目として適切なのか?
たとえばコロナ対策ひとつとってみても、「現在、政府のコロナ対策は順調に進んでいると思うか」と尋ねると、「政府のコロナ対策は順調だ」と主張する人もいるかもしれませんし、「いや、政府のコロナ対策は順調に進んでいるとは言えない」と主張する人もいるかもしれません。
というよりも、敢えて言わせていただくならば、「政府によるコロナ対策は順調か?」というのは、設問が自体が非常に悪いです。
たとえば、「政府は7月末までにワクチン接種を希望する65歳以上(いわゆる高齢者)に対する2回の接種を終わらせる目標を立てており、現在、2回目接種が7割に達しようとしているが、あなたはこの進捗を順調だと思うか?」と尋ねるのならば、話はまだわかります。
この場合だと、「だいたい8割くらいいけば順調といえるのでは?」と考えている人であれば「順調だ」と答えるでしょうし、「希望しない人に対しても強制接種すべきだ」と考えている人ならば「順調ではない」と答えるかもしれません。
また、「あなたはこの政府の目標について、どう思いますか?」と尋ねれば、「もっと野心的に、6月末までにワクチン接種を終えるべきだった」と考える人は「妥当ではない」と答えるかもしれませんし、「冬が到来する前にワクチンが終われば良い」と考える人は、「とても良かった」と答えるかもしれません。
さらには、最近流行っている(?)とされる「反ワクチン主義者」の立場からすれば、「高齢者の8割にワクチンを接種するとはトンデモナイ!」「今すぐワクチン接種をやめて、とにかくPCR検査の実施と隔離を徹底すべき」、などと主張するのかもしれません。
すなわち、主張する内容は、立場によって、あるいは投げかける質問によって、大きく変わる可能性がある、ということです。
世論調査で尋ねる項目として適切なのか?
さて、「コロナ対策は順調か?」でピンと来た方は、当ウェブサイトをご愛読いただいているという証拠でしょう。
「政府のコロナ対策は順調か?」という設問、何の話かといえば、『ワクチン接種「順調でない」が7割:不可解な世論調査』や『8000万回目前で「ワクチン接種が順調でない」の怪』などでも報告した、産経・FNNと日経・テレ東の、それぞれの合同世論調査の質問項目です。
内閣支持率、今年最低39%、ワクチン接種「順調でない」7割超す
―――2021/7/19 11:56付 産経ニュースより
内閣支持率、最低の34% 接種計画「順調でない」65%
―――2021年7月26日 5:04付 日本経済新聞電子版より
産経新聞社とFNNが17~18日に実施た合同世論調査によると、ワクチン接種の進捗状況については「順調に進んでいない」が70.5%で、「順調に進んでいる」の26.5%を上回った、などとする結果が出たのだそうです。
また、日本経済新聞社とテレビ東京が23~25日に実施した合同世論調査でも、政府の新型コロナウイルスワクチンの接種計画について「順調だとは思わない」との回答が65%で、前月と比べて6ポイント上昇した、などとしています。
これなど正直、「設問が悪い」という典型例ではないでしょうか。
もっといえば、「世論調査で尋ねる項目」として、果たして適切なのか、という疑問が生じます。
主観で答えさせる質問を
敢えて一般論で申し上げるなら、私たち一般国民は、自分自身が体験する狭い範囲の世界と、新聞・テレビ・ネットなどを通じて知る広い世界という2つの視野を持っていると思います。
このため、「ワクチン接種」と尋ねられても、「自分自身が65歳以上であり、すでに接種を終えた」という人と、「自分自身は64歳以下で、ワクチンの予約サイトを検索しても枠がいっぱいで、なかなか予約ができない」という人では、そもそもの「ワクチン接種という話題そのもの」に対する見方は異なるでしょう。
現在の政府が「社会全体の医療崩壊を防ぐこと」に目標を置いている以上、ワクチン接種が医療従事者等や65歳以上(いわゆる高齢者)から開始され、64歳以下の層(いわゆる若年層や中年層)が「後回し」にされたのも、政策的な判断としてはやむを得ない部分があると思います。
しかしながら、その「後回し」にされた若年層や中年層のなかには、お住まいの自治体により、「ワクチン接種の予約を取ろうとしても、なかなか取れない」というケースもあるでしょうし、そのような人は、その苛立ちを、たまたまかかっていた世論調査の電話にぶつけるのかもしれません。
これに加えて、若年層・中年層の重症化リスクはゼロではありませんし、また、若年層・中年層は高齢層と比べて行動範囲が広いと予想される分、若年・中年の感染者がクラスターを発生させるリスクはむしろ高いのではないか、といった疑念があることは、否定しません。
そうであるならば、世論調査の設問としては、「政府はまず、医療従事者等、次いで高齢者、そしてそれ以外、という順序でワクチン接種を進めて来ましたが、あなたはこの方針を支持しますか?」とでも尋ねるべきではないでしょうか。
(※もっとも、政府の「まずは医療従事者等、次に高齢者」というワクチン接種計画こそが、後述するとおり、結果として日本全体での医療崩壊リスクを低減している可能性が高いというのが、当ウェブサイトなりの現時点における暫定的な仮説ではありますが…。)
数字で見る、東京都「感染」の実態
新規「感染」者、東京都で過去最高
さて、昨日は、なかなか衝撃的な報道がありました。
東京都の新規「感染」者が、なんと昨日だけで2848人で過去最高に達したのです。
東京都・7月27日(火)の状況
- 新規陽性者数…2848人(前日比+1419人/前週比+1461人)
- 7日間平均値…1763人(前日比+209人/前週比+583人)
(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータをもとに著者作成)
これをグラフ化しておきましょう(図表1)
図表1 東京都・新規陽性者とその7日間平均値、および重症者数
(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』、『新型コロナウイルス感染症重症患者数』オープンデータをもとに著者作成)
ただし、このグラフ自体はメディアがよく発表するものとよく似ていますが、ひとつだけ違いがあるとすれば、、「重症者」を追加している、という点でしょう。
そもそも先ほど、「感染」者、と申し上げた理由は、東京都が発表しているのは「新規感染者数」ではなく、「新規陽性者数」だからです。メディアはこの「新規陽性者」のことをかたくなに「感染者」と呼ぶのですが、これは厳密には間違いです。
また、昨日は菅義偉総理大臣が『東京都の新規感染者数が過去最多となったこと等についての会見』を行いましたが、この会見を含め、菅総理や加藤勝信官房長官ら、政府自身が「感染」者、という用語を使ってしまっています。
これは誤解を招くものであるため、ぜひとも是正していただきたいところです。
もうすぐワクチン8000万回:新規陽性者の多くは20代
こうしたなか、これまでに何度となく申し上げてきたことですが、京都大学・西浦教授提供データなどに基づいて厚労省が取りまとめたデータによれば、年代別の重症化倍率で圧倒的に高いのは高齢層であり、圧倒的に低いのは若年層です。
年代別の重症化倍率:30歳代を1とすると…
- 若年層:10歳未満…0.5倍/10歳代…0.2倍/20歳代…0.3倍
- 中年層:30歳代…1倍/40歳代…4倍/50歳代…10倍
- 高年層:60歳代…25倍/70歳代…47倍/80歳代…71倍/90歳代…78倍
(【出所】厚生労働省『新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識』P4)
ただし、「ワクチン接種記録システム(VRS)」が提供する一昨日までの接種実績データに基づけば、65歳以上の、いわゆる「高齢者」に対する接種が、昨日の時点で公式ベースでも1回目で84.59%、2回目で68.20%に達しています(図表2)。
図表2 ワクチン接種実績と接種率
区分 | 接種回数 | 接種率 |
---|---|---|
全体合計 | 79,383,659 | |
うち1回目 | 46,911,901 | 36.90% |
うち2回目 | 32,471,758 | 25.54% |
65歳以上合計 | 54,221,077 | |
うち1回目 | 30,017,849 | 84.59% |
うち2回目 | 24,203,228 | 68.20% |
医療従事者等合計 | 12,150,187 | |
うち1回目 | 6,483,284 | ― |
うち2回目 | 5,666,903 | ― |
(【出所】VRSオープンデータおよび首相官邸ウェブサイト『新型コロナワクチンについて』データをもとに著者作成。ただし、VRSデータは7月27日で取得した7月26日までの接種実績、医療従事者等については7月26日までの接種実績。なお、「接種率」とは累計接種数を『令和2年住民基本台帳年齢階級別人口』【※エクセルファイル】記載の人口で割った数値。高齢者接種率は累計接種回数を3548万6339人で、全体接種率は累計接種回数を1億2712万8905人で割って求めたもの。「医療従事者等」については算出していない)
この点、厚生労働省『ファイザー社の新型コロナワクチンについて』のページによれば、ワクチンには新型コロナウィルス感染症の発症を予防する効果があり、発症予防効果は約95%なのだそうです(ただし、十分な免疫が生じるためには、2回目接種から7日程度必要だそうです)。
また、ワクチンで感染そのものを防ぐ効果があるかどうかについては「現時点では十分には明らかになっていない」とされ、「ワクチン接種に関わらず、適切な感染防止策を行う必要がある」のは言うまでもありません。
新規陽性者に占める年齢別の割合
さて、ここ数日、報告し続けているとおり、たとえば東京都の場合、新規陽性者全体に占める医療従事者、高齢者の割合が目に見えて低下しており、その反面、若年層の割合が増えています(図表3、図表4、図表5)。
図表3 東京都における新規陽性者全体に占める医療従事者の割合
(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータをもとに著者作成。ただし、現時点において、職業別データは7月25日(日)時点のものまでしか存在しない)
図表4 東京都における新規陽性者全体に占める高年層の割合
(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータをもとに著者作成)
図表5 東京都における新規陽性者全体に占める若年層の割合
(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータをもとに著者作成)
この点、ワクチン接種に関しては、「現時点では感染予防効果は十分には明らかになっていません」と明記されているとおり、「感染者(?)」に占める医療従事者や高齢者の割合が下がっている理由が、ワクチン接種によるものなのかどうかについては、よくわかりません。
ただ、統計的事実としては、現実に新規陽性者全体に占める医療従事者と高齢者の割合が減少し、若年層の割合が増加しているわけです。
若者の路上飲み?今月は20歳代が32.46%を占める:
実際、過去最多となった昨日における東京都の新規陽性者数の年代別内訳を集計してみると、やはり圧倒的に多いのは20代、次が30代であり、60代以上の割合はヒトケタ台で、10歳未満、10歳代よりも少ないことが確認できます(図表6)
図表6 東京都における新規陽性者数の年代別内訳(2021年7月27日)
年代 | 新規陽性者 | 構成比 |
---|---|---|
10歳未満 | 97 | 3.41% |
10歳代 | 275 | 9.66% |
20歳代 | 951 | 33.39% |
30歳代 | 610 | 21.42% |
40歳代 | 466 | 16.36% |
50歳代 | 301 | 10.57% |
60歳代 | 91 | 3.20% |
70歳代 | 25 | 0.88% |
80歳代 | 23 | 0.81% |
90歳代 | 8 | 0.28% |
100歳以上 | 1 | 0.04% |
合計 | 2848 | 100.00% |
(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータをもとに著者作成)
これは、見事な逆ピラミッドです。20歳代を頂点にして、30歳代、40歳代と続いているからです。
新規陽性者に若年層が目立つ理由については、よくわかりません。
ただ、渋谷にせよ、新宿にせよ、最近の東京では、夜の街で若者がマスクを着用せず、路上などで飲み歩いている姿をよく目にします。彼らが若年層の感染の中心になっている可能性は、それなりにあるでしょう。
重症化危険指数の現状
さて、図表6のような年齢別新規陽性者数に、先ほど示した、「30歳代を1としたときの重症化する倍率」を乗じた数値を「危険指数」と定義づけると、図表6のデータは図表7のように書き換えることができます。
図表7 東京都における2021年7月27日の新規陽性者数を使って算出した危険指数
年代 | 新規陽性者数 | 重症化倍率 | 危険指数 |
---|---|---|---|
10歳未満 | 97 | 0.5 | 49 |
10歳代 | 275 | 0.2 | 55 |
20歳代 | 951 | 0.3 | 285 |
30歳代 | 610 | 1.0 | 610 |
40歳代 | 466 | 4.0 | 1,864 |
50歳代 | 301 | 10.0 | 3,010 |
60歳代 | 91 | 25.0 | 2,275 |
70歳代 | 25 | 47.0 | 1,175 |
80歳代 | 23 | 71.0 | 1,633 |
90歳代 | 8 | 78.0 | 624 |
100歳以上 | 1 | 78.0 | 78 |
合計 | 2848 | ― | 11,658 |
(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータをもとに著者作成。なお、便宜上、100歳以上の重症化倍率は90歳代のものを使用している)
先ほど申し上げたとおり、そもそも65歳以上のワクチン接種がかなり進んだ現在、この「危険指数」の産出に、先ほどの西浦教授のデータをそのまま使うのが妥当なのか、という議論はあります。重症化率はもっと低下するはずだからです。
しかし、敢えてこの倍率のままで、年齢別新規陽性者数データをもとに「危険指数」を算出し、重症化数と重ね合わせてみると、図表8のようなグラフが出来上がります(ただし、グラフの表現の都合上、算出した危険指数については10で割っています)。
図表8 東京都における新規陽性者数と「危険指数÷10」と重症化数
(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』、『新型コロナウイルス感染症重症患者数』オープンデータをもとに著者作成)
新規陽性者の絶対数が増えているため、危険指数についても上昇しているのですが、それと同時に、危険指数そのものの上昇は新規陽性者全体と比べて抑制的です(ついでに重症者数についても顕著に増えてはいません)。
もちろん、新規陽性者全体に占める60歳代以上の新規陽性者が激減しているからといって、高齢の新規陽性者自体がゼロになっているわけではありませんし、また、グラフではわかり辛いのですが、重症者数自体がジワリと増えていることは非常に気がかりではあります。
しかし、先ほども紹介した『ファイザー社の新型コロナワクチンについて』のページの記載を信じるならば、接種を終えた高齢者の重症化率が下がるならば、定義上、この「危険指数」自体ももう少し抑制されるのではないかと思う次第です。
(※もっとも、これに関しては著者自身が手元にデータを持っていないため、残念ながら計算できませんが…)。
気になるのは「重症者がジワリ増加中」
さて、上記の議論はいずれも東京都に限定したものですが、これとは別に、日本全国についての新規陽性者数、重症者数、死亡者数に関するデータも、厚生労働省のウェブサイトにおいて提供されています(厚生労働省『オープンデータ』参照)。
こちらのデータは東京都のものほど詳細な年齢別分析、職業別分析などはできませんが、それでもざっくりとした新規陽性者数と重症者数、死亡者数(※累計)のデータを得ることができるため、これを組み合わせてこんなグラフを作ることもできます(図表9、図表10)。
図表9 日本全体の新規陽性者数と重症者数
(【出所】厚生労働省『オープンデータ』をもとに著者作成)
図表10 日本全体の新規陽性者数と前日比死亡者数
(【出所】厚生労働省『オープンデータ』をもとに著者作成)
やはり、こちらのグラフでも重症者数がジワリと上昇に転じていることは気がかりですが、死亡者数についてはまだ上昇の気配を見せていません。
もっとも、政府のワクチン接種が目論見どおりであれば、医療従事者等と高齢者の発症が激減するでしょう。また、今度は50歳~64歳の層の重症化も一時的に問題化するでしょうが、ワクチン接種が進めば、徐々に沈静化していくのではないでしょうか。
コロナ禍はメディア禍
五輪の恐怖煽ったメディアと野党
さて、2020年冬から始まった新型コロナ・武漢肺炎を眺めて来て感じたことは、この感染症自体、新聞やテレビなどのマスメディア(あるいはオールドメディア)が過度に「感染」を報じるなど、恐怖を煽るための報道を続けた結果作り上げられた人災、という側面も強いのではないでしょうか。
『陽性者を感染と呼ぶNHK:コロナ問題はメディア問題』などでも報告したとおり、新聞、テレビは連日のように、コロナ「新規陽性者」を「感染者」と呼び替えたうえで、「感染者が急増している」などとして、東京五輪への恐怖を煽って来ました。
さらに、某大手新聞社が「社としては公式スポンサー」でありながら、社説では五輪中止を求め、さらには五輪を大きく上回る大規模スポーツ大会である高校野球を強行するとの姿勢を示した、という椿事まで発生しました(『「五輪はダメだが高校野球はOK」の首尾一貫性のなさ』等参照)。
正直、オールドメディアのダブルスタンダード、トリプルスタンダードという姿勢にも呆れるばかりですが、五輪が始まってしまえば、こうした「五輪中止論」は潮が引くように一斉に姿を消し、連日、オールドメディアが日本の選手の活躍を嬉々として伝えているのにも驚きます。
そういえば最近も、五輪中止を頑なに求めていた野党議員が五輪選手の活躍を喜んでツイートしたという事例もありました(『五輪開催反対の村田参議院議員が選手応援のご都合主義』等参照)。五輪中止を主張するということは、五輪選手の活躍の場を奪うということでもあるにもかかわらず、です。
東京五輪、日本が金メダル「単独首位」
これに関し、菅義偉総理大臣は(先ほども紹介した)昨晩の会見で、五輪の中止に関し、次のように断言しました。
「人流も減っていますし、そこはありません。」
この「人流が減っている」というデータについては、何かわかりやすいものがあるかどうか、現在探しているところではありますが、あえて希望的観測をひとつ申し上げるなら、人々が東京五輪をテレビ観戦することで、外出が減る効果は期待できるのかもしれません。
先ほど申し上げた仮説――「若年層の『感染』拡大の原因は路上飲みである」――が正しければ、今般の「感染」拡大局面、東京五輪とは基本的に関係ないでしょう。むしろ、自宅で五輪観戦をする人が増えれば、五輪を継続した方が、新規陽性者数の抑制に寄与するのではないでしょうか。
あるいは、特定野党の支援者と思しき人たち(こちらはおもに高齢者)が国立競技場の外で密になって五輪反対を叫んでおり、彼らが感染源になっている可能性もありますが、もしそうだとすれば、「感染爆発」と五輪は関係ある、という言い方もできるのかもしれませんが、このあたりは謎です。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
こうしたなか、五輪に関してひとつ嬉しいことがあるとすれば、メダル数で日本勢が頑張っていることもさることながら、今回の五輪、選手の皆さんの笑顔が本当に素敵なのです。
勝っても負けても試合が終わればノーサイド。
とりあえず、昨晩はソフトボール女子の勝利により、金メダル数自体では日本が単独首位に立ったようですが、それにもまして、選手の態度のすばらしさには心を打たれます。
なにより、無観客にも関わらず、徹底したフェアプレイとスポーツを通じた友好親善が進むことは、まさに、五輪の理念の実現そのものではないかと思うのです。
東京五輪は「コロナ禍の無観客」という非常に厳しい状況でありながらも、各選手が精いっぱい力を尽くして戦い、スポーツマンシップを体現した大会として歴史を刻むのだとしたら、同時代を生きる日本人として、これ以上に名誉に感じ、そして嬉しいことはないと思うのですが、いかがでしょうか。
View Comments (31)
おはようございます。
図表1から新規陽性者数が抜けているように見えます。ご確認いただければと思います。
失礼しました、新規陽性者の縦棒が紺色に見えてしまっているだけのようですね。
陽性者数がいつもの色じゃないですね。
予想通り40~60代の危険指数が目立ってきましたね。都市部のこの層にどうやって迅速にワクチン接種を勧めていくかがますます重要になってきました。打ち手を増やしつつ、VRSにこだわらないタイムリーな配送が必要だと思います。
まずは日本のゴールドメタルラッシュ、まことにおめでとうございます。
さて、比較的まともな産経新聞でも、1面の2/3以上はオリンピック賞賛ながら、都内感染最大2848人を1面の1/3で強調しており、新宿会計士様ブログにて毎日行われている、それはなぜ(首相・政府のせいではない)、どれほど問題なのか(肝心の病床ひっ迫程度と重症・死亡者数)、といった科学的考察がないというのは極めて残念ですが。
ただ、産経が比較的まともと言った根拠を以下紹介させていただきます。読売も比較的まともですね(個人的には、特定プロ野球球団と関係がある時点でアウトですが)。
元出典は本日の産経新聞6面です。23日付け各社新聞の社説比較です。
・産経:明日につながる熱戦望む
・読売:コロナ下に希望と力届けたい
・日経:東京での開催を五輪再生の出発点に
・朝日:分断と不信、漂流する祭典
・毎日:五輪の理念踏みにじった
・東京:対立と分断を憂える
本当に朝日と毎日と東京はつぶさんといけません。
理系初老さま
その3社は、分断を憂えると言いながら、分断を仕掛けるマッチポンプだと思います。
仰る通りその3社は分断を飯の種にしている不届者です。
>この「人流が減っている」というデータについては、
ご存知かもだけど、あたしがたまに見てるのを貼っときますね♪
単独で見やすいのはNHKかな?v-resasもいいけど、前年比だから、先週より増えたとか減ったとかがわからないのです♪
v-resas
https://v-resas.go.jp
街の人出は?
全国18地点グラフ
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/outflow-data/
モバイル空間統計
https://mobaku.jp/covid-19/
七味 様
日本のマスゴミの話では、「日本国民の8割が反対」だったはずなのですが、
連日の日本選手の活躍により、オリンピックが大盛り上がりのようです。
結局、喚いていたり、毎日なにかクレームをつけているのは、メダル不信の韓国
のみのようです。お気の毒様です。
日本国民も「日本人選手の活躍により東京オリンピックが楽しい!」と、TVの前に
釘付けとなり、「人流」が減りコロナ感染拡大の歯止めになってくれればよいと願って
います。
>日本のマスゴミの話では、「日本国民の8割が反対」だったはずなのですが、
その8割の人はオリンピックにより感染が広がる、オリンピックより命を守れとの主張をしていました。
8割もの人が感染を恐れているはずなのに、なぜ東京では2848人もの陽性者が出るのか不思議です。
・「オリンピックより命を守れ」は方便、感染対策にはまったく興味がない。
・8割が反対は全くのでたらめ、声のでかさが8割だった。
・オリンピック容認の2割の人間だけで感染が広がった。
以上のどれかでしょうね。
匿名希望の平民様
>TVの前に釘付けとなり、「人流」が減り
NHKのをみると24日は人出が減ったとこが多いみたいですね♪
ただ、六本木みたく先週末よりも多かったとこもあるみたいで、地域によって違うみたいなのです♪
図表8をみると、危険指数と重症化数に相関があるような気がしますね♪
ただ、危険指数は陽性者数から出してるのに、重症化数にあんまし先行してないようにも思えるのが気になるのです♪
重症化するときは、あっという間に重症化して、あんまし猶予が無いってことなのかな?
あと、危険指数と重症化数が相関するなら、陽性者=感染者ではなくても、陽性者数から感染者数を推定、絶対数はともかく増減の指標として使うのは、あながち間違いじゃないと思うのです♪
五輪は或程度熟成された選手が中心(無論、例外はある)ですが、高校野球の選手は皆前途洋々たる若者です。
東京五輪開催時と比べて、マスコミ言う処の「感染者数」が大幅に増えているのですから、東京五輪が無観客開催ならば、夏の高校野球は当然中止でなければなりません。
マスコミ御抱えの先生方も口を揃えて、「感染者数が増えれば、一定割合で重傷者・死者数も増えて来る。」と番組内で仰ってます。(私は、「一定割合」な筈ないだろと思ってますが。)
キャッチコピーは、「未来の大谷翔平を殺す様な事は、絶対あってはならない。日本の損失どころか、世界の損失だ。」
盆休み前後の人流増は、首都圏での蔓延を全国に広めるものであり、避けなければなりません。
菅総理は、8月1日~25日の間、関西の2府1県に「緊急事態宣言」を出すべきです。
朝日新聞も、未来の大谷翔平を殺すリスクを、真剣に受け止めるべきです。
「現在東京都で新規陽性者が増えているためオリンピックは中止すべきだ」との主張をするならばオリンピックと新規陽性者増加の関係を証明すべきです。オリンピック関係者は頻繁に検査をうけて行動も制限されたコントロール下にあり、オリンピック関係者の原因によって東京都の新規陽性者が増えたとは考えにくいです。関係者は制約が多い生活を余儀なくされ我慢しているのに、その上感染増加の犯人のように扱う印象報道は悪質と考えます。
新規陽性者の増加は、コントロールされているオリンピック関係者より、政府が口を酸っぱくして感染対策や自粛を「お願い」しても一向に聞かない市民自身が原因だと思います。市民自身の責任を政府やオリンピックに転嫁するようなことをして、オリンピック中止を叫ぶ人々とは、頭の中にどういう理屈があるのでしょう。
もっとも、政府・IOCが主催するオリンピックは中止すべきで、やるなら無観客と言いながら、自分らの高校野球大会は挙行するという矛盾した行動の人達なので、理屈をきいたところで「風が吹くと桶屋が儲かる」型のものなんでしょう。
私のTwitterの知り合いの医療従事者も病床の逼迫を訴えます。そういう声と陽性者数拡大という報道が相俟って国民の不安が増している状況です。
病床逼迫は主に酸素が必要になる中程度の症状の患者の増加によるものです。ただ、実際に国民の死亡率を上げるような本当の危機はこれらの患者が人工呼吸器やECMOを要する重症患者に移行して専用病棟の空きがなくなることですが、そのリスクはまだ高くないように思えます。
はっきりいって、国民の不安、支持率の下落と言った部分は今のところ致し方ないように思います。今はひたすら今ある対策を徹底しつつ(新たな対策は不要)頭を引っ込めて厄災が通りすぎるのを待つ感じです。
コロナを台風や水害に例えて考えるとわかりやすいです。これらはどんなに万全の対策をしたって、来襲そのものを防ぐことは出来ません。コロナだって同じです。考えられる可能な対策は全て打っています。だからといって陽性者数増加そのものを食い止めることは出来ません。無対策に比べてそのペースを落とすことくらいしか出来ないのです。
国民よ賢くなれとは私も思うのですが、どう説得すれば彼らを冷静にさせられるかのアイデアはわたしにはありません。
国には「重症者病棟の不足による医療崩壊。助けられるはずの命が多く失われることだけは避ける」に全力を尽くして、あとは厄災が去るのを待つしかありません。
マスクや行動制限、飲酒制限などは、実は感染拡大を抑える効果が立証されてはいません。でもワクチンは感染拡大を抑える効果も重症化、死亡を減らす効果も立証されています。政府がワクチンを頼りにする意味はここです。
重症者数の増加がどうなるか。これだけにまず注目しましょう。
重症用病床についてはまだ比較的余裕があるようですが、軽症・中等症病棟については相当タイトな自治体もあると思います(というか自県は自分の勤務先見てる限り厳しそう)。そしてこれらのキャパシティーを超えてしまうと適切な治療が遅れ、重症者が一気に増えだす可能性があります。
あとベッドの確保数と運用数は別物で、現実的には確保数全てで運用は多分できない。水増しされています。ベッドは確保できても従来病床より看護師の数が必要でそれが確保できないかと。
なので社会活動を抑制して人流を抑え、COVIDは勿論他の傷病の患者数を減らす必要がどうしても出てくる。それが現状の日本国ではできる体制ではなく、自分の予想ですがその為の体制変更も不可能。なので現状だましだましやっていくしかないかもしれません。
まあそこまでやっても日本国内で抑えるのが精いっぱいで、時間をかけてCOVIDと共存できる社会に作り替える必要があるんじゃないかと思います。人類がそこまでできるかわかりませんが…
昨日の2800人台の陽性者はインパクトがあった。
おそらく、これから数日はもっと増えるだろう。
ワイドショー系の意見がどっちのほうに向かうか楽しみだ。
金メダルラッシュでオリンピックに水さすわけにいかない、しかも無観客。
緊急事態宣言でもこれだけの増加。宣言自体に意味がないという方向にいくのだろう。
さらにワクチン接種の若い層への遅れを言い立てるんじゃないかな。「もっと早く打っていればこんなに増えなかった」等々。
コロナ禍ももう1年半。この感染症がどのようにうつるかわかっているのに何でも政府のせい。
これからも煽るつもりかな。
>この感染症がどのようにうつるかわかっているのに
もっと言うと、この感染症はマスゴミがあおるほど危険なものではないとわかってきた、ということですかな。
「ゼロコロナという病」藤井聡 木村盛世著を読みました。
木村氏、医師で専門家ということでコロナ禍の初期、コメンテーターとしてお呼びがかかったそうです。そこでワイドショーの担当から「どんどん煽っていきましょう」といわれ断ったそうです。
さざなみ発言がメディアから攻撃されるのは「商売のじゃまするな」ということなのでしょう。
イギリスは今月19日を境にコロナに係る規制を入国管理部分などの一部を除きほぼ全て撤廃しました。ロンドンなどは公共交通機関を使う場合などはマスクをしてくれと独自の規制をかけていますが、それでも街中でマスクをしている人は日本に比べれば圧倒的に少ない(10人に一人くらいか)。19日以降、陽性者数がいきなりドカンと増えましたが、ここへきて、特に新たに規制を課したわけでもないのにもかかわらず陽性者が減ってきました(4万人台から2万人台への減少ですが)。ズバリ、ワクチンのおかげでしょう。日本もワクチンの接種が進んでいるのだからこういう現象が早く起こることを祈るばかりです。
新規陽性者が増えているため、ほぼ摂取が終わった65歳以上の高齢者の重症化は抑えられますが、それ以下の世代のワクチン摂取を急がないと、重症者数は減らないと思います。
ただ、摂取を終えた者の立場からいうと、ワクチン摂取は「順調に進んでいる」です。また、これは質問の仕方が意図的だ。菅内閣は無能、対策無し、と思わせたいのです。酷い印象操作ですね。
オリンピックは日本選手の期待以上の大活躍で、盛り上がっています。後半はメダルに届かないであろう種目が多いので、前半でしっかりと獲得して欲しいものです。そういや、国別メダル数を見ると、ドイツは酷く低迷してますね。フランス、イタリアも。
東西ドイツが金メダル15個や20個取っていたのは、やはりステロイド系やドーピングのおかげでしょうか?(笑)