ワクチン、ついに7000万回達成間近!
昨日、東京都の「感染者数」(※「新規陽性者数」の間違い)は3日連続で1000人を超過した、などと報じられています。ただ、東京の医療は「危機的状況」と呼ぶにはほど遠い、というのが実情です。というのも、新規陽性者に占める60歳以上の高齢者の比率が激減し始めており、この「第5波」にもかかわらず、当ウェブサイトが提唱する「危険指数」も、ほとんど上昇していないのです。
目次
東京都は「危機的状況」なのか?
東京都、3日連続で1000人超
東京都における新規陽性者、昨日は3日連続で1000人を超えたようです。
東京都における7月17日(土)の状況
- 新規陽性者数…1410人(前日比+139人/前週比+460人)
- 7日間平均値…1012人(前日比+66人/前週比+292人)
(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータをもとに著者作成)
東京五輪開会式まであと1週間を切っているなかで、大変に気になる数値です。
1年間のデータでグラフ化してみるとわかりますが、1日の新規陽性者数については、俗にいう「第4波」のピークを超えました(図表1)。
図表1 東京都新規陽性者数と7日間平均値
(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータをもとに著者作成)
「無能な菅内閣の支持率は低迷」
新聞、テレビを中心とするマスメディア(あるいは「オールドメディア」)、さらには一部の「まとめサイト」などが喜々としてこの話題を取り上げ、あわせて菅義偉政権の「無能ぶり」を批判するかのごとき姿勢を示しています。
実際、週末に公表された時事通信の内閣支持率調査(今月9~12日実施分)でも、支持率は前月比3.8ポイント減って29.3%と、菅内閣発足以来の最低値を記録し、不支持率についても前月比+5.6ポイントの49.8%に達したのだそうです。
菅内閣支持29.3%、発足後最低 初の3割割れ―時事世論調査
―――2021年07月16日19時04分付 時事通信より
しかも、「ワクチン接種を妨害していた」と『アエラドット』に報じられていた(※下記記事参照)はずの立憲民主党に対する支持率が前月比+1.6ポイントの4.5%というから、驚きです。
菅首相は戦犯に間違いないが、立憲、共産党もポンコツ過ぎたワクチン国会〈dot.〉
―――2021/06/17 18:36付 Yahooニュースより【AERA.dot配信】
「東京五輪直前に感染爆発を起こした無能な菅内閣」に対する有権者の「怒り」が見えてくるような思いがします。まさに、オールドメディア(と一部「まとめサイト」)の印象操作の勝利、というわけですね。
東京都で医療崩壊リスクは現実のものとなっているのか?
では、逆に菅内閣を支持しないとおっしゃる方にお伺いしたいのですが、まさか、現在の東京が医療崩壊リスクに直面しているとでもお思いでしょうか。
「感染者」(※実際は「感染者」ではなく「新規陽性者」)が激増していることは、本当に危ない話なのでしょうか。
もちろん、新規陽性者数が増えているという状況自体は注視が必要です。
しかし、いままでしつこいほど強調してきた、そして今後も何度でも強調するつもりの論点が、年代別の重症化率、という統計的事実です。
しかし、普段から何度も何度も申しあげているとおり、そもそも論として同じ「新型コロナウィルス感染症」と診断された人であっても、重症化しやすいのは若年層より中年層、中年層より高年層です。
年代別の重症化倍率:30歳代を1とすると…
- 若年層:10歳未満…0.5倍/10歳代…0.2倍/20歳代…0.3倍
- 中年層:30歳代…1倍/40歳代…4倍/50歳代…10倍
- 高年層:60歳代…25倍/70歳代…47倍/80歳代…71倍/90歳代…78倍
(【出所】厚生労働省『新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識』P4)
この点、厚労省のウェブサイトによれば、重症化は年齢以外にも「基礎疾患の有無」、「妊娠中かどうか」なども影響するそうですので、「年代別の重症化倍率」を唯一絶対ととらえるべきではありません(※もっとも、一般に高齢層ほど基礎疾患を抱えているという傾向もあるはずですが…)。
ただ、医療崩壊は「重症化した人たちが病床を占有すること」などを通じて発生するものであるため、高年層へのワクチン接種を優先し、高年層の重症化を抑えることに成功すれば、医療崩壊のリスクは各段に軽くなる、というわけです。
データで読む医療崩壊リスク
ワクチン、ついに7000万回目前!
では、ここでいつものグラフを更新しておきましょう。
まずは、「ワクチン接種記録システム(VRS)」などから提供される、国民全体に対するワクチンの接種状況です(図表2)。
図表2 接種実績と接種率
区分 | 接種回数 | 接種率 |
---|---|---|
全体合計 | 68,144,285 | |
うち1回目 | 41,715,352 | 32.81% |
うち2回目 | 26,428,933 | 20.79% |
65歳以上合計 | 48,504,484 | |
うち1回目 | 28,737,185 | 80.98% |
うち2回目 | 19,767,299 | 55.70% |
医療従事者等合計 | 11,724,696 | |
うち1回目 | 6,314,972 | ― |
うち2回目 | 5,409,724 | ― |
(【出所】VRSオープンデータおよび首相官邸ウェブサイト『新型コロナワクチンについて』データをもとに著者作成。ただし、VRSデータは7月13日までの接種実績、医療従事者等については7月12日までの接種実績。なお、「接種率」とは累計接種数を『令和2年住民基本台帳年齢階級別人口』【※エクセルファイル】記載の人口で割った数値。高齢者接種率は累計接種回数を3548万6339人で、全体接種率は累計接種回数を1億2712万8905人で割って求めたもの)
高齢者の接種率、1回目は「9割」も?
これによると、65歳以上のいわゆる「高齢者」の接種率については、公式のデータでも1回目が8割超、2回目も55%に達していますが、普段申し上げている「VRSの入力遅延問題」などを考慮すれば、現時点での接種率は、最大で1回目9割、2回目7割弱、といったところでしょう。
また、医療従事者等については母集団がよくわからないため、接種率を計算していませんが、累計接種回数は1回目で600万回、2回目で500万回を超えています。VRSから判明する合計値と合算すれば、もうすぐ「7000万回」達成、というわけです。
いや、7000万回なら、すでに到達している可能性すらあります。
普段当ウェブサイトで紹介しているのが、VRSデータから判明する公表日毎の接種回数の「増分」が、実際の毎日の接種実績と大きく乖離している、という問題点です。
VRSからは前日までの接種実績データが出力されるのですが、見た目の「前日の接種実績」は常に1日60~70万回程度に留まっているものの、そのさらに翌日に20~30万回分上方修正されるなど、「過去にさかのぼって入力される修正分」があまりにも多すぎるのです。
つまり、VRSデータは「前日公表値との差分」で見た方が、結果的には接種実態を正確に示しているのではないかと思う次第です。
実際の接種は1日150万回前後か?
そして、医療従事者分を除いた接種実績の「増分」は、図表3のとおり、ほぼ1日150万回前後で安定しています。
図表3 VRSデータの「増分」の推移(医療従事者等以外)
(【出所】日付別に取得したVRSデータをもとに著者作成)
VRS生データのダウンロード方法
- 次の文字列をウェブブラウザのURL欄に打ち込むと、その時点の最新データが取得可能
https://vrs-data.cio.go.jp/vaccination/opendata/latest/prefecture.ndjson
- 上記文字列のうちの「latest」以降の部分を「{dt}/prefecture.ndjson」(※)に変えると過去データの入手が可能(※なお、{dt}は「yyyy-mm-dd」形式で日付を入力。たとえば「2021年7月11日時点のデータ」なら、{dt}の部分を「2021-07-11」に変換)
医療従事者等への接種実績を含まずにこれですから、大したものです。そして、これに医療従事者等への接種実績を加えれば、1日当たりの接種回数は、平日でだいたい1日150~160万回前後、と推定されます。
もちろん、過去分のデータの遡及修正をどう解釈するかよにって、この数値には幅が生じ得ますし、少なく見積もると1日あたり120~140万回に過ぎない、との見方もできなくもないのですが、その場合であっても、菅義偉総理が5月7日に目標として掲げた1日100万回を大きく上回っています。
ワクチン接種完了まで、まだまだ時間はかかりそうですが、それでも1日120~150万回前後というペースを維持すれば、来月早々には総接種回数が1億回を超え、早ければ9月末を待たずに2億回に達するでしょう。
「菅(総理)は無能だ」とおっしゃっている方は、この現実を見てもまだ「無能」だとお考えでしょうか。
東京都、医療従事者の新規陽性は激減中だった!
当然、その結果はすでに出ています。
ここで、普段から紹介しているとおり、東京都における新規陽性者に占める医療従事者の割合は激減しています(図表4)。
図表4 東京都における新規陽性者全体に占める医療従事者の割合
(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータをもとに著者作成。ただし、現時点において、職業別データは7月11日(日)時点のものまでしか存在しない)
ただし、残念ながら、こちらのグラフに関しては、先週日曜日時点までのものしか作成できていません。その理由は、東京都のオープンデータには、新規陽性者の職業に関する情報がリアルタイムでは反映されないからです(おそらく1週間ごとのバッチ処理がなされているようです)。
このグラフについては、早ければ本日か明日に公表されるデータを使えば最新版にアップデートできるかもしれませんが、ただ、先週日曜日時点で見ても、東京都の新規陽性者に占める医療従事者の割合が激減していることは容易に確認できるでしょう。
高齢者もここ数日で目に見えて減ってきた!
それから、東京都における新規陽性者に占める高齢者(60歳以上、70歳以上、80歳以上)の割合も、ここ数日、目に見えて減ってきました。実数が図表5、これをグラフとして見やすくするために7日間平均値に変更したものが図表6です。
図表5 東京都における新規陽性者全体に占める高齢者の割合
(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータをもとに著者作成)
図表6 東京都における新規陽性者全体に占める高齢者の割合(7日間平均値)
(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータをもとに著者作成)
高齢者の割合が激減していることが、一目瞭然、というわけです。
ただし、これだとグラフが小さくてやや見づらい部分もありますので、念のため、グラフの期間をもう少し短くした図表についても作成しておきましょう(図表7、図表8)。
図表7 東京都における新規陽性者全体に占める高齢者の割合
(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータをもとに著者作成)
図表8 東京都における新規陽性者全体に占める高齢者の割合(7日間平均値)
(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータをもとに著者作成)
いずれにせよ、高齢者に関しては、現時点で医療従事者ほど劇的な「感染者」(※正確には「新規陽性者」)の減少が実現しているわけではありませんが、これも時間の問題でしょう。
東京都危険指数が明らかに下がった!
そのうえで、当ウェブサイトが提唱した「東京都危険指数」というものがあります。
これは、先ほどの「30歳代を1倍としたときの年代別の重症化倍率」という倍率を使い、東京都のオープンデータにおける年代別情報をもとに、年代別に加重平均して求めた指数です(経験上、グラフ表示上は新規陽性者数のだいたい10倍表示にするとうまく収まることが多いように思えます)。
その実数が図表9、平均値を取り、危険指数を10分の1表示に変えたうえで、それぞれの比率をグラフ化したものが図表10です。
図表9 東京都における新規陽性者数と「危険指数」
(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータをもとに著者作成)
図表10 東京都における新規陽性者数と「危険指数÷10」(平均値)
(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータをもとに著者作成)
また、図表9をもう少し短い期間で書き換えたものが図表11です。
図表11 東京都における新規陽性者数と「危険指数」
(【出所】東京都『新型コロナウイルス陽性患者発表詳細』オープンデータをもとに著者作成)
いかがでしょうか。
「危険指数」自体、たしかに前日比で微妙に増えているといえば増えているのですが、新規陽性者数の大幅な伸びと比べれば、その上昇幅は明らかに鈍化している、というわけです。
小池さん、ご説明を!
さて、こうしたなか、一部のメディアが「東京都における新規陽性者数に占める50代の割合が相対的に高まっている」、「50代が今後のリスクだ」、などと述べているのですが、これは当たり前のことでしょう。
「65歳以上」を優先接種の対象にしたのですから、65歳以上の層における重症化リスクを飛躍的に抑えることができた以上、今後、もっとも重症化率が高いとみられるのが50歳~64歳の層であるのは火を見るよりも明らかです。
はて、いったい何が問題だというのでしょうか。
また、新規陽性者に占める20代の比率が高いことを問題視する人もいますし、「20代で重症化している事例もある」などと報じられることもありますが、20代であろうが90代であろうが、重症化リスクがあるという点では通常の疾病となんら変わることはありません。
防疫政策において必要なのは社会全体の重症化リスク、医療崩壊リスクを下げ、ピークの山を低く、後に持って来ることにあるわけです。
もちろん、今後の変異株の動向、若年層のクラスターなど、注意すべき点はいくらでもありますが、ただ、「医療従事者と高齢者」という、医療崩壊を防ぐうえでは欠かせない2つの集団に対する接種が進んだことから、日本のコロナ防疫は成功に終わりつつあると暫定的に結論付けて良いでしょう。
このように考えると、はたして小池百合子東京都知事は、東京五輪を無観客にする必要はあったのでしょうか。
いろいろと解せない点、というわけです。
小池百合子氏には、ぜひとも東京都民と全世界に対し、「無観客」についての説明をお願いしたいところです。
View Comments (50)
更新ありがとうございます。マスゴミは感染者数だけセンセーショナルに伝え、重症者数が減っていていることや、医療崩壊のリスクが低下していることは一切、伝えません。テレ朝モーニングショーを筆頭に、煽れば視聴率が稼げるという証左だと思います。マスゴミには良心というものはないんでしょうかね?本当、恥ずべき職業だと思います。さらに噴飯ものなのが、都合の良いときに日本と関係ないクルーズ船の感染者数等を追加すること。放送法がいかに形骸化しているのか、あるいは役人が処罰せず形骸化させているのか、知る権利・報道する権利を盾にしているのか?そのうち、テレビしか見ない層も気づき、朝日新聞や毎日新聞の二の舞になることを強く希望します。
テレビはただの「管」ですよ。昔からそうだけど昔は「管」の数が限られていた。
今はBS、CS、ケーブルTV、ネットフィリックス、アマゾンいろいろある。
そんな中で人目をひくには視聴者に衝撃を与えるような番組で煽らなければならない。
あおる専門家、医療関係者を選んで連れてきてしゃべらせる。おそらくこの傾向は今後も変わらないと思いますよ。テレビのタブロイド化。はめをはずしてたたかれてを繰り返し、「そして誰も見なくなった」になる。
カソードレイチューブはほぼ絶滅しましたよ>テレビはただの「管」ですよ。
今の若い人は、なぜYouTubeがTubeなのか知らなさそう。
とかいうのは別として、まともなクオリティをウリにしたチャンネルが出来ても良いというのはそうですよね。
地上波は見ないけど、ディスカバリーチャンネルは見るとか意識高い系の中二が言いそうですけど。
昔はテレビを撮るカメラもチューブ(ビジコン等)でした。超高感度カメラはまだチューブかな?とるところも管、出るところも管、当然通り道のTV会社も管、今の総理も管・・・?
最近はラジオの使用率が高いです。
そろそろ陽性者の遅行指数としての重症者数への影響が見えてくると思うので、危険指数がどの程度先行指数として重症者数を予測できるのか過去・現在に渡って検証できるのではないでしょうか。
毎日の更新ありがとうございます。
尾身会長は、五輪が無観客となり、最後っ屁が効いてすっきりしたのか
工作ミッションが完了したのか、今更論調を変えてきました。
「行動制限だけに頼る時代、もう終わり」尾身会長が認識
https://news.yahoo.co.jp/articles/3aa889f7735613baa5c56edf422a0afafb5d8ef6
下記現役医師の論考に賛同します。今からでも遅く無いので、五輪有観客を復活すべしと考えます。
今は昔のように思われますが、2019年のラグビーワールドカップを生で観戦しました。
あの時の感動と興奮は一生の思い出です。スポーツしている少年達に是非見せてあげたいと思います。
彼らのモチベーションと未来の希望になるはずです。
「感染者数だけで判断すべきではない」現役医師が"五輪は有観客でやるべき"と訴えるワケ
https://president.jp/articles/-/47975
現役医師「ゼロコロナは永遠にやってこない。だからオリンピックを楽しもう」
https://president.jp/articles/-/47500
いつもハイレベルのお話ありがとうございます。
隠れ接種群のあること 気が付いてしまいました。
職域接種の集団です。
職域接種でのカウントは 一旦ワクチン接種円滑化システム(V-SYS)に 報告され 接種券回収により VRSに登録するようです。
職域接種でうった数は(V-SYS)上で340万回のようです。
このうち接種券が回収できVRSに 登録されたものが 接種回数に 反映するものとおもいます。
一般接種(高齢者含む)と医療従事者の日別実績表で モデルナワクチンの総回数は 230万くらい。
なので 少なくともその差(340万―230万)は 接種したけどVRSに まだ登録しておらず 総接種回数に反映していないのではないでしょうか。
これが じわっと後日接種回数の増加更新の 一部になっているのかもしれません。
例えオールドメディア、野(糞)党の妨害があろうとも当記事のような実情がありながらそれを国民に有効に伝えられていない限り、菅政権は「無能」のそしりは免れないと思います。
無観客にでもしとかないと、
頭の悪い有権者に何言われるか分からないし、マスゴミにもさらに利用されるからではないでしょうか?
彼らは事実に即していなくても国民の不安を煽り、その矛先を政権を向けさせて批判するという役に立たないことをするのが仕事です。
>小池百合子氏には、ぜひとも東京都民と全世界に対し、「無観客」についての説明をお願いしたいところです。
小池都知事は私も無能だと思っていますし次の知事選にも立候補すれば必ず落選させねば(但し対立候補として自民党推薦の候補者が立つ,というのが大前提ですが)と思っていますが,無観客という判断に関しては私は賛成です.
観客を入れた場合,国内での人の移動が活発化して,東京以外の府県の陽性者数の増大をもたらすして,東京ほど充実した医療インフラを有していない県では医療を逼迫させる危険性が大きいからです.
確か東京大学の研究者により東京五輪での感染者増大に関しては海外からの来訪者の影響は限定的だが有観客にした場合の国内での人の移動の増加による影響はかなりのものになる可能性が高いという分析が発表されていたと思います.
残念ながら高齢者以外の年齢層に対するワクチン接種はあまり進んでおらず成人病を抱えている比率の高い未接種の中高年が罹患すれば重症化リスクが大きい現状では,無観客によって人の移動を抑えて東京の感染が他県に広がるリスクを避ける政策は止むを得ないでしょう.
そもそも無観客に関して小池都知事の責任を問うならば,小池知事以前に政府の専門家部会の尾身氏の責任を問うべきでしょう.彼こそ専門家の立場から無観客(どころか当初は五輪中止)を主張していましたし,現在もお盆の帰省を避けよ(つまり東京から地方へ感染を広めるリスクを避けよ)と主張していますからね.小池知事による無観客開催(そして都県境を越えた移動はしないで欲しいという要請)は政府の専門家のアドバイスに従ったに過ぎないとも言えます.
それとプロ野球などが観客を入れて開催されているのに五輪だけ無観客というのは筋が通らないという主張を良く見ますが,プロ野球の場合は日本全体で1日に開催される試合数つまりプロ野球の試合会場数は高々6に過ぎない.それに対して五輪の全種目を合計すれば1日当たりの会場数は東京だけでも6よりも多く,当然ながら有観客にすることで発生する人の移動量もプロ野球とは桁違いに多くなるので,プロ野球はOKなのに五輪はNGは筋が通らないというのは量の違いを無視したミスを犯した議論だと考えます.
>量の違い?
想定されていた五輪の有観客数はプロ野球やサッカーと大差ないのですが、何を言ってるんですか? パヨクみたいな詭弁を言わないでね。
1試合当たりならね.だが,会場の数が違う.
1日当たりプロ野球は日本全体で最大6会場,それに対して五輪は東京だけでそれ以上の会場数.更に,1会場で複数の競技や試合をする場合が有り,それに対して同一会場で観客を総入替えするケースがあるので,1日当たりで1会場の延べ観客数はプロ野球の1球場に比べて倍化し得る.
1日当たりの日本全体での開催球場数と東京だけでの開催会場数とを同一視するのを間違いと気づかないとは,もう少し良く考えてからレスしましょう.
有観客によって感染が広がることがだめだとするのであれば試合数が6以下であれ、それ以上であれ中止するのが筋ではないでしょうか?
何故その試合数で区切るのかが理解できないのですが理由を教えてください。
オリンピックで浮かれるのはいけないことだが、それ以外で大騒ぎすることはOKっていうことでしょうか?
私企業が開催するプロスポーツを無観客にしろと言えば補償しなければならなくなる可能性がある(私権を制限する明確な根拠法がない財産権の侵害ですから,賠償請求訴訟をされたら負ける可能性が十分にある)が政府は嫌なんでしょうよ.五輪とはそこが決定的に違う.
いつも高度な分析ありがとうございます。
コロナワクチン確保に関しても、わが国政府はもっと評価されても、いいのではないかと思います。
昨年7月、今年の6月末までにファイザーワクチン1億2000回分の供給を受けることに基本合意。(厚生労働省ホームページ)
昨年9月7日現在、euはファイザーワクチンをを確保していません。(answers news サイト 図解 新型コロナウイルス熾烈なワクチン争奪戦)より。
陽性者数を指標にするのは死亡者数、重症者数に先行して傾向が掴めるためです。
陽性者数の閾値は
医療キャパ>検査陽性者数×重症化率になると思います。
医療キャパが増えたり重症化率が小さくなれば許容陽性者数は多くなります。
感染初期では3桁台で右往左往していました、それが第4波は7000人です、それと同じようにワクチン接種で重症化率が下がれば許容陽性者数は変わってくるはずです。
イギリスは感染者数が4万人、重症化数は500人、人口比で日本に換算するとそれぞれ9万人、1350人です、それでもサッカーの欧州選手権を有観客で実施しています。
イギリスから見れば日本は潔癖性の人間を呆れて見るようなものでしょう。
日本をコロナの潔癖症にしたのは視聴率のためにコロナをひたすら煽ったマスコミのせいです。
例えば、ドアの取っ手や床にはバイ菌が何億もいるとか毎日のように報道すれば潔癖症になるでしょう。
小池都知事には、豊洲のように安全より安心とかで時間と何千億円をしたにように、科学的な見地は無意味です。
都ファの公約を実現させる為に観客にしたと思います、有観客だと元々実現不可能な都ファの公約の是非が問われます、それを避けたのでしょう。
毎日の更新ありがとうございます。
本日2回目の投稿です。
新宿会計士様が感染者をリスク加重され、”今そこにあるコロナのリスク”を見える化されております。
年代別の重症化倍率:30歳代を1とすると…
若年層:10歳未満…0.5倍/10歳代…0.2倍/20歳代…0.3倍
中年層:30歳代…1倍/40歳代…4倍/50歳代…10倍
高年層:60歳代…25倍/70歳代…47倍/80歳代…71倍/90歳代…78倍
そもそも肺炎で年間(2019年)95,518死んでいます。 コロナ陽性死者数の10倍ほどあります。しかも、その陽性者もCt値40〜45で擬陽性とコンタミだらけです。 また死亡者の事後確認も多いです。交通事故やがん患者でもコロナ陽性ならコロナ死にカウントされて水増しされているわけです。コロナが重症化して死ぬ方は結局ほとんどが肺炎で死ぬわけです。そこでコロナと肺炎のリスクを比較してみました。2019年と2020年の比較において、ブラックジョークとしか言えない不都合な真実を発見してしまいました。
Before Corona:
人口動態調査 人口動態統計 確定数 死亡 年次 2019年
2019年版死因(死因簡単分類)別にみた性・年齢(5歳階級)別死亡率(人口10万対)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000031982756&fileKind=1
少し古いですが下記が一表(下段死因肺炎参照)でわかりやすいです。
平成21年 死因順位(第10位まで)別にみた年齢階級別死亡数・死亡率(人口10万対)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii09/deth2.html
2019年、高齢者が肺炎で死ぬリスクは極めて高く、死因の2,3位です。
年代別の肺炎死亡倍率:30歳代を1とすると下記の通り年齢とともにリスクが高まります。
若年層:10歳代…0.125倍/20歳代…0.25倍
中年層:30歳代…1倍/40歳代…1.63倍/50歳代…5.88倍
高年層:60歳代…25倍/70歳代…112倍/80歳代…378倍/90歳代…2,269倍
上記の数値には、誤嚥性肺炎(2019年死者数40,385)は含まれておりません。
重症化リスクと比較すると
肺炎 コロナ重症
20歳代…0.25倍 0.2倍
30歳代…1倍 1倍
40歳代…1.63倍 4倍
50歳代…5.88倍 10倍
60歳代…25倍 25倍
70歳代…112倍 47倍
80歳代…378倍 71倍
90歳代…2,269倍 78倍
高齢者のワクチン接種率が高まった後に、懸念されている40代・50代のリスクについては
通常の肺炎より高いですが、60代以上に関しては、肺炎の高齢者リスク係数の方がはるかに高いです。 これって、年寄りは肺炎で死にやすいので、気をつけましょうということを大騒ぎしていただけのように見えます。 特に高齢者のワクチン接種率が8割超えた現在、高齢者の感染と重症化のリスクは劇的に減っています。
After Corona:
令和2年(2020)人口動態統計月報年計(概数)の概況
第6表 死亡数・死亡率(人口10万対),死因簡単分類別
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai20/dl/h6.pdf
2020年超過死亡率は減っていましたが、コロナ禍その中でも驚くべきことに肺炎で死んだ人が
After Coronaの方が少ないです。結果としてはコロナが流行ると肺炎と死人がが減るというブラックジョークになっています。
肺炎 誤嚥性肺炎
2019年 95,518 40,385
2020年 78,445 42,746
▲ 17,073 +1,639
前投稿と併せて益々 五輪有観客観戦(特に少年や青年層)復活すべきことを確信しました。
彼らに、五輪の感動を生で体験してもらい、前回東京五輪のように、次の世代に感動を継承して欲しいと思います。
パンデミックで病死が減るとか、完全に過剰防衛ですね。
その代わり経済が瀕死ですが・・・